金糞岳北尾根は雪の奥美濃眺望劇場~♪
Posted: 2011年3月09日(水) 01:01
画像の貼り方が分かったので、やっと投稿できます~♪
新ヤブランド、これからもよろしく。
【 日 付 】2011年3月5日(土)
【 山 域 】江美県境/金糞岳
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れのち快晴、無風~微風
【 ルート 】坂内広瀬(鳥越林道)-除雪終点(駐車)8:05-殿又谷出合8:50-林道終点(co640)-支尾根-(co890)10:35-・1039-11:10昼食(co1020)11:55-・1211-△1277.2-13:20金糞岳(・1317)13:40-(・1039)14:50-△688.7-(co530)16:00-17:10駐車地
[attachment=4]P3050105.jpg[/attachment]週半ばに雨、その後の冷え込みで新雪も期待できる。土日と高気圧が覆ってくれて天気の心配もない――こんな絶好の山日和は滅多にないぞ。行かなくっちゃ!
行き先に迷ってしまった。お誘いがあった台高テント泊。う~ん、重荷担いで大丈夫やろか?と、敬遠。比良のも今年はまだ行ってないなあ…。しかししかし、やっぱり雪なら北陸か奥美濃でしょう~♪
そんなわけでマップ作りだ。菅並から横山岳、坂内から天狗~黒津、蕎麦粒山までは入れんかなあ…?
もうひとつ懸案だったのが金糞岳北尾根! いつだったかokuちゃんのレポを読んだ記憶がある。長い長~いヤブと残雪のピストン歩きだったような…。今なら下部にもヤブは出てないだろう。
ふ~さんからのメールでは週末は台高のマイナーエリアへ一人旅らしい。例によって押し掛け割り込みの闖入癖が出そうになる。でもダメ!自立しないとね。たまにはわが道を貫いてみよう。
出発は5時を回ってしまった。一人旅なんだから慌てることはない。竜王ICから名神高速、関ヶ原ICからR21など経由してR303の坂内に入る。その前に藤橋の湯の営業時間を確認。午後9時までOKとわかり、なんとなく安心。「道の駅さかうち」もチェックして、さあ、登山口へ。浅又川の入り口はどこやろ…? つい行き過ぎて、八草トンネルの近くまで。Uターンして地図で確認。良く見ると橋に浅又川と書いてある。
[attachment=3]P3050041.jpg[/attachment]鳥越峠へ続く川沿いの林道は、車がやっと通れるくらいの幅で両側には2mちかい雪壁が立つ。除雪はすぐに終り、車1台分の空き地があるので駐車させてもらう。
氷結していた林道はすぐに踏み跡の全く消えた深雪になり、スノーシューを履く。右手の突き出した尾根へ入って行くシューの跡。・603から北尾根へ上がったんだろうか? ここからでは稜線に出てからが長すぎるなあ…。さらに林道を進むと、右手からの支谷を挟んで尾根が迫る。ここでもいいかな? と思ったが、たしか殿又谷から別の林道が入り込んでたはず。もう少しこのまま林道で稼ごうと直進。
[attachment=2]P3050053.jpg[/attachment]やがて鳥越林道は左にカーブする手前に橋がかかる。殿又谷だ。右手に伸びる殿又林道のゲートが雪に埋まって両端の鉄柱だけ頭を出している。ここやここや! 今にも雪崩そうな左手の切り落とし斜面を気にしながら通過。橋を渡って今度は左岸を進む。
方向がちょっと心配になってGPSでカンニング。当初予定では殿又谷の右岸尾根から△688.7を経て北尾根へ上がるつもりだった。このままだとだいぶん北の方へ出てしまうなあ…? それでもすぐ左側に予定の尾根が見えている。どこか適当なところから尾根に上がったらいいわ。
雪が被って林道の位置が分かりにくい。それらしいところを辿る。co640あたりで取り付きやすそうな支尾根が現れた。もう△688.7はスルーしかないか…。でも、この尾根にすがれば稜線へ導いてくれるやろ。と、取り付いたのはいいけれど、けっこうきつい! だんだん斜度が増し、尾根も細くなってくる。
それにしても、このシュー(MSRライトニングアクシス)のグリップ力は相当なもんだ。凍結下地に淡雪(4~5cm)が載っている雪面にしっかり食い込んで、下地が崩れない限りスリップはない。(ただ足の筋力のせいで体が引き上がらないのが悲しい…)
油断して一度だけ3mほどずり落ちたが、以後は注意してなんとか急斜面をクリアする。前方の青空が大きくなり稜線へ出た。と思ったらその向こうにまだ尾根が続く。つまり、まだ主稜線の北尾根ではなく予定の支尾根に合流したわけだ。
[attachment=1]P3050058.jpg[/attachment]でも、ここからは斜度はたいしたことはない。眺望が一気に開けた。樹木のない南側には金糞岳(北峰)とそこへの稜線が一望でき、ここまでのシンドさを忘れさせてくれる。振り返って北側には奥美濃の山々が連座している。
展望を楽しみながらまずは前方の高み・1039へ。3時間弱、やっとこさで主稜線だ。西側からの風でズラリと雪庇ができている。風除けにその一角を借りてランチにする。(とは言ってもほとんど風はないのだけれど…)
ここから空身でなら山頂往復に3時間あれば大丈夫だろう。12時に出れば15時。下りは1時間半くらい? と計算して、ゆっくりラーメンのお湯を沸かす。
(その時、やはり事件は起こったのだが、管理人のお許しがないので、興味ある方は別のお部屋でご覧下さいマセ)
12時に5分あるがスタートする。ここからはアップダウンがほとんどない。難を言えば、あまりの眺望につい振り返ったり、カメラを構えたりで、なかなか前に進めないことだ。
雪原に立つダケカンバの枝を飾る氷の粒は、陽射しを受けて煌めく宝石だ。青空が高く、上空を飛ぶジェットの噴煙も短く潔い。雪庇の内側は青っぽく沈み、雪面の雪砂は光るグラニュー糖のよう。こんな天国か極楽浄土を急ぐことはない。
山頂まで距離にすればかなりのものだが、それでもいつの間にか・1211へ。あれ、どっちが山頂? 一気に前方が開けると、釣り尾根の左右にピークが並ぶ。一瞬判断に迷うが、頭の中で地図を呼び出す。なんだ、右は白倉岳やがな。こんな簡単なことも迷うくらい頭の中が別世界にきてウロウロしている。
さあ、フィニッシュだな、あと30分で行けるかな? 北峰△1277.2が迫ってきた。左向きに大きな雪庇を張り出した北峰も思ったより簡単に通過。正面に真っ白の山頂を見据えながら、一歩一歩。
山頂台地は広い。どこが頂点なのかもわからない。そう言えば北峰や西隣の白倉岳には三角点があるのに、この山にはそれがないのだ。よくある祠や山名盤のようなものもない。ひょっとして雪に埋もれてしまっているのだろうか? 2本の金属杭が雪の中から突き出しているだけだ。
足跡はあった。2、3人のワカンとツボ足の踏み跡だ。少し辿ってみると東側の鳥越林道からの夏道へ続いている。まだ1時半なのに、もう引き返したのだろうか? 人声がかな? と思って耳を澄ましたが、かすかに聞こえてきたのは中津又谷を隔てた南東の奥伊吹スキー場からのBGMらしい。スキー場の左奥は貝月山、右にはブンゲン。さらに右へ目をやると伊吹山がまだ白い。しかしその奥に霞む霊仙山など鈴鹿の山は黒っぽいのだ。
[attachment=0]P3050080.jpg[/attachment]周囲360度、グルリと山が並ぶ。登る途中の1000m付近から見えていた北側の山並みも高度が300m違うと見え方も変わるもんだ。すぐにわかるのはトンガリコーンの蕎麦粒山と兄弟のような五蛇池山。その真後ろに背後霊のように白く霞んでいるのは白山と能郷白山だろう。まるでお雛祭りの内裏雛だな、こりゃ(^O^)/。
先端だけ覗いていた御岳や乗鞍も全容を現し、白い上半身が浮き上がっている。逆の南西方面は琵琶湖が全面公開だ。北湖は目の前で竹生島が水面に浮かぶ。その向こうの野坂山地から比良方面にかけては右から左へモノクロのグラデーションになっている。
横山岳、三国、三周、高丸、烏帽子、蕎麦粒、五蛇池、手前は湧谷山、天狗に小津権現…と、よくもまあこれだけ連なってるなあと思うくらいの山々。五人囃子どころではない。しかし、もちろんリアルタイムですべての山名が判明していたわけはない。広域図を車中に置いてきたため、帰ってからの写真と地図を見ながらの山座同定なんである。このうち、どれくらい登ったかと聞くなかれ。大半というよりほとんどが未知未踏の地なんである。こうして全体像を俯瞰してみるのも、予告編を見せてもらったみたいで、これから訪問上ではなかなか意味のある調査山行にもなったわけだ。
アウターもランチ場に置いてきたので、さすがに肌寒くなってきた。名残は惜しいがそろそろ帰りましょう。今日はまったく人に逢わないままだ。広い雪原はスノーシューがピッタリ。自分の付けたトレースとはわざと違うルート取りしながらのルンルン下り。
北峰を過ぎたco1230あたりで前方から単独男性がやってきた。山スキーのようだ。「疲れた相棒を下に待たせて、山頂まで行ってみる」という。「あと15分くらいですか?」「(時計を見て)う~ん、下りで15分かかってるからもう少しかかるかな…?」
ひょっとしてTさん?(またSさんを虐待?してる…)と思ったが、顔が違うみたい。「ここはスキーにピッタリですね~♪羨ましいなあ…」と言って別れる。
ザックをデポしたランチ場で一休み。山頂から丁度1時間だ。荷物を担いで再出発。・1039からそのまま北尾根を進もうかとも思ったが、時間も押しているので往路の東の支尾根を下る。急な下降はスノーシューは向かない。アイゼンに履き替えると楽になった。時々ズボッと踏み込んでしまうが尾根の北側を進めば大丈夫だ。
co890mからは踏み跡と別れ、当初予定の尾根に進む。いっそう傾斜がきつくなる。下手すれば滑落もんだぞ…。新雪に隠れているが、かすかな踏み跡(後でみたTさんのブログで1週間前のモノと分かった)がある。それを辿って慎重に下る。下りなのに汗だくになる。標高差にして150mくらいの急斜面をなんとか下り、鞍部から△688.7へ。
すぐ左下に殿又谷の源頭部が見えている。ピークから尾根を下ると左の植林帯が降りられそうだ。植林の右端の枝尾根をアイゼンのツメを聞かせて下り、難なく谷へ降り着いた。GPSで確認すると往路とほとんど接近している。そうか…、この上を登って行ったんだ。そのまま植林の中を進むとシューの踏み跡に合流した。
ここからは林道の上だ。もう一度シューを履いて長い林道歩きが待っている。日照時間が延びて日没までまだ時間がある。すっかり緩んだ雪道をたどり、駐車地に5時過ぎ。山頂から3時間30分もかかってしまった。下りの難ポイントは、やはりあの急斜面だろう。
藤橋の湯へ急ぐ。明日どうするかはお風呂に温まりながら考えようっと…。
~翌日は自粛して休養のbiwaco
新ヤブランド、これからもよろしく。
【 日 付 】2011年3月5日(土)
【 山 域 】江美県境/金糞岳
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れのち快晴、無風~微風
【 ルート 】坂内広瀬(鳥越林道)-除雪終点(駐車)8:05-殿又谷出合8:50-林道終点(co640)-支尾根-(co890)10:35-・1039-11:10昼食(co1020)11:55-・1211-△1277.2-13:20金糞岳(・1317)13:40-(・1039)14:50-△688.7-(co530)16:00-17:10駐車地
[attachment=4]P3050105.jpg[/attachment]週半ばに雨、その後の冷え込みで新雪も期待できる。土日と高気圧が覆ってくれて天気の心配もない――こんな絶好の山日和は滅多にないぞ。行かなくっちゃ!
行き先に迷ってしまった。お誘いがあった台高テント泊。う~ん、重荷担いで大丈夫やろか?と、敬遠。比良のも今年はまだ行ってないなあ…。しかししかし、やっぱり雪なら北陸か奥美濃でしょう~♪
そんなわけでマップ作りだ。菅並から横山岳、坂内から天狗~黒津、蕎麦粒山までは入れんかなあ…?
もうひとつ懸案だったのが金糞岳北尾根! いつだったかokuちゃんのレポを読んだ記憶がある。長い長~いヤブと残雪のピストン歩きだったような…。今なら下部にもヤブは出てないだろう。
ふ~さんからのメールでは週末は台高のマイナーエリアへ一人旅らしい。例によって押し掛け割り込みの闖入癖が出そうになる。でもダメ!自立しないとね。たまにはわが道を貫いてみよう。
出発は5時を回ってしまった。一人旅なんだから慌てることはない。竜王ICから名神高速、関ヶ原ICからR21など経由してR303の坂内に入る。その前に藤橋の湯の営業時間を確認。午後9時までOKとわかり、なんとなく安心。「道の駅さかうち」もチェックして、さあ、登山口へ。浅又川の入り口はどこやろ…? つい行き過ぎて、八草トンネルの近くまで。Uターンして地図で確認。良く見ると橋に浅又川と書いてある。
[attachment=3]P3050041.jpg[/attachment]鳥越峠へ続く川沿いの林道は、車がやっと通れるくらいの幅で両側には2mちかい雪壁が立つ。除雪はすぐに終り、車1台分の空き地があるので駐車させてもらう。
氷結していた林道はすぐに踏み跡の全く消えた深雪になり、スノーシューを履く。右手の突き出した尾根へ入って行くシューの跡。・603から北尾根へ上がったんだろうか? ここからでは稜線に出てからが長すぎるなあ…。さらに林道を進むと、右手からの支谷を挟んで尾根が迫る。ここでもいいかな? と思ったが、たしか殿又谷から別の林道が入り込んでたはず。もう少しこのまま林道で稼ごうと直進。
[attachment=2]P3050053.jpg[/attachment]やがて鳥越林道は左にカーブする手前に橋がかかる。殿又谷だ。右手に伸びる殿又林道のゲートが雪に埋まって両端の鉄柱だけ頭を出している。ここやここや! 今にも雪崩そうな左手の切り落とし斜面を気にしながら通過。橋を渡って今度は左岸を進む。
方向がちょっと心配になってGPSでカンニング。当初予定では殿又谷の右岸尾根から△688.7を経て北尾根へ上がるつもりだった。このままだとだいぶん北の方へ出てしまうなあ…? それでもすぐ左側に予定の尾根が見えている。どこか適当なところから尾根に上がったらいいわ。
雪が被って林道の位置が分かりにくい。それらしいところを辿る。co640あたりで取り付きやすそうな支尾根が現れた。もう△688.7はスルーしかないか…。でも、この尾根にすがれば稜線へ導いてくれるやろ。と、取り付いたのはいいけれど、けっこうきつい! だんだん斜度が増し、尾根も細くなってくる。
それにしても、このシュー(MSRライトニングアクシス)のグリップ力は相当なもんだ。凍結下地に淡雪(4~5cm)が載っている雪面にしっかり食い込んで、下地が崩れない限りスリップはない。(ただ足の筋力のせいで体が引き上がらないのが悲しい…)
油断して一度だけ3mほどずり落ちたが、以後は注意してなんとか急斜面をクリアする。前方の青空が大きくなり稜線へ出た。と思ったらその向こうにまだ尾根が続く。つまり、まだ主稜線の北尾根ではなく予定の支尾根に合流したわけだ。
[attachment=1]P3050058.jpg[/attachment]でも、ここからは斜度はたいしたことはない。眺望が一気に開けた。樹木のない南側には金糞岳(北峰)とそこへの稜線が一望でき、ここまでのシンドさを忘れさせてくれる。振り返って北側には奥美濃の山々が連座している。
展望を楽しみながらまずは前方の高み・1039へ。3時間弱、やっとこさで主稜線だ。西側からの風でズラリと雪庇ができている。風除けにその一角を借りてランチにする。(とは言ってもほとんど風はないのだけれど…)
ここから空身でなら山頂往復に3時間あれば大丈夫だろう。12時に出れば15時。下りは1時間半くらい? と計算して、ゆっくりラーメンのお湯を沸かす。
(その時、やはり事件は起こったのだが、管理人のお許しがないので、興味ある方は別のお部屋でご覧下さいマセ)
12時に5分あるがスタートする。ここからはアップダウンがほとんどない。難を言えば、あまりの眺望につい振り返ったり、カメラを構えたりで、なかなか前に進めないことだ。
雪原に立つダケカンバの枝を飾る氷の粒は、陽射しを受けて煌めく宝石だ。青空が高く、上空を飛ぶジェットの噴煙も短く潔い。雪庇の内側は青っぽく沈み、雪面の雪砂は光るグラニュー糖のよう。こんな天国か極楽浄土を急ぐことはない。
山頂まで距離にすればかなりのものだが、それでもいつの間にか・1211へ。あれ、どっちが山頂? 一気に前方が開けると、釣り尾根の左右にピークが並ぶ。一瞬判断に迷うが、頭の中で地図を呼び出す。なんだ、右は白倉岳やがな。こんな簡単なことも迷うくらい頭の中が別世界にきてウロウロしている。
さあ、フィニッシュだな、あと30分で行けるかな? 北峰△1277.2が迫ってきた。左向きに大きな雪庇を張り出した北峰も思ったより簡単に通過。正面に真っ白の山頂を見据えながら、一歩一歩。
山頂台地は広い。どこが頂点なのかもわからない。そう言えば北峰や西隣の白倉岳には三角点があるのに、この山にはそれがないのだ。よくある祠や山名盤のようなものもない。ひょっとして雪に埋もれてしまっているのだろうか? 2本の金属杭が雪の中から突き出しているだけだ。
足跡はあった。2、3人のワカンとツボ足の踏み跡だ。少し辿ってみると東側の鳥越林道からの夏道へ続いている。まだ1時半なのに、もう引き返したのだろうか? 人声がかな? と思って耳を澄ましたが、かすかに聞こえてきたのは中津又谷を隔てた南東の奥伊吹スキー場からのBGMらしい。スキー場の左奥は貝月山、右にはブンゲン。さらに右へ目をやると伊吹山がまだ白い。しかしその奥に霞む霊仙山など鈴鹿の山は黒っぽいのだ。
[attachment=0]P3050080.jpg[/attachment]周囲360度、グルリと山が並ぶ。登る途中の1000m付近から見えていた北側の山並みも高度が300m違うと見え方も変わるもんだ。すぐにわかるのはトンガリコーンの蕎麦粒山と兄弟のような五蛇池山。その真後ろに背後霊のように白く霞んでいるのは白山と能郷白山だろう。まるでお雛祭りの内裏雛だな、こりゃ(^O^)/。
先端だけ覗いていた御岳や乗鞍も全容を現し、白い上半身が浮き上がっている。逆の南西方面は琵琶湖が全面公開だ。北湖は目の前で竹生島が水面に浮かぶ。その向こうの野坂山地から比良方面にかけては右から左へモノクロのグラデーションになっている。
横山岳、三国、三周、高丸、烏帽子、蕎麦粒、五蛇池、手前は湧谷山、天狗に小津権現…と、よくもまあこれだけ連なってるなあと思うくらいの山々。五人囃子どころではない。しかし、もちろんリアルタイムですべての山名が判明していたわけはない。広域図を車中に置いてきたため、帰ってからの写真と地図を見ながらの山座同定なんである。このうち、どれくらい登ったかと聞くなかれ。大半というよりほとんどが未知未踏の地なんである。こうして全体像を俯瞰してみるのも、予告編を見せてもらったみたいで、これから訪問上ではなかなか意味のある調査山行にもなったわけだ。
アウターもランチ場に置いてきたので、さすがに肌寒くなってきた。名残は惜しいがそろそろ帰りましょう。今日はまったく人に逢わないままだ。広い雪原はスノーシューがピッタリ。自分の付けたトレースとはわざと違うルート取りしながらのルンルン下り。
北峰を過ぎたco1230あたりで前方から単独男性がやってきた。山スキーのようだ。「疲れた相棒を下に待たせて、山頂まで行ってみる」という。「あと15分くらいですか?」「(時計を見て)う~ん、下りで15分かかってるからもう少しかかるかな…?」
ひょっとしてTさん?(またSさんを虐待?してる…)と思ったが、顔が違うみたい。「ここはスキーにピッタリですね~♪羨ましいなあ…」と言って別れる。
ザックをデポしたランチ場で一休み。山頂から丁度1時間だ。荷物を担いで再出発。・1039からそのまま北尾根を進もうかとも思ったが、時間も押しているので往路の東の支尾根を下る。急な下降はスノーシューは向かない。アイゼンに履き替えると楽になった。時々ズボッと踏み込んでしまうが尾根の北側を進めば大丈夫だ。
co890mからは踏み跡と別れ、当初予定の尾根に進む。いっそう傾斜がきつくなる。下手すれば滑落もんだぞ…。新雪に隠れているが、かすかな踏み跡(後でみたTさんのブログで1週間前のモノと分かった)がある。それを辿って慎重に下る。下りなのに汗だくになる。標高差にして150mくらいの急斜面をなんとか下り、鞍部から△688.7へ。
すぐ左下に殿又谷の源頭部が見えている。ピークから尾根を下ると左の植林帯が降りられそうだ。植林の右端の枝尾根をアイゼンのツメを聞かせて下り、難なく谷へ降り着いた。GPSで確認すると往路とほとんど接近している。そうか…、この上を登って行ったんだ。そのまま植林の中を進むとシューの踏み跡に合流した。
ここからは林道の上だ。もう一度シューを履いて長い林道歩きが待っている。日照時間が延びて日没までまだ時間がある。すっかり緩んだ雪道をたどり、駐車地に5時過ぎ。山頂から3時間30分もかかってしまった。下りの難ポイントは、やはりあの急斜面だろう。
藤橋の湯へ急ぐ。明日どうするかはお風呂に温まりながら考えようっと…。
~翌日は自粛して休養のbiwaco