【越前】竹田川水上谷から丈競山へ

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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【越前】竹田川水上谷から丈競山へ

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2023年9月16日(土)
【山 域】越前 丈競山・浄法寺山周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】水上谷出合7:40---11:50 820m二俣---12:15稜線鞍部---12:45丈競山14:15---14:25下降点---
     15:35ユーゼン谷林道出合15:50---16:35竹田川林道出合---17:25駐車地

 龍ヶ鼻ダムから竹田川沿いの細い林道を進んで行くと、前を走る軽トラと軽乗用車に追いついた。
山仕事だろうか。まさか沢登りではあるまい。
 水上谷出合のわずかなスペースに車を止めて、竹田川本流を渡るが水量は驚くほど少ない。
目指す水上谷もチョロチョロの流れで合流し、知らなければ食指の動かない、風采の上がらない佇まいである。


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 堰堤を越えて谷に下り立つと、自然林の美しい流れが出迎えてくれた。林道沿いの林相は植林オンリーだった
だけに、これはうれしい誤算と言える。
この谷は2ヶ月ほど前に計画していたのだが、その時は梅雨末期の豪雨で大増水が予測され、林道も入れるかど
うかわからないので他の谷にしたのだ。
しかしここしばらくまとまった雨が降っていないせいか、水量は極端に少ない。
5m~10mの滝が次々に現れるも迫力不足。去年の小倉谷を思い起こすような風景が続いた。
水が多ければさぞやと思う滝も、水が少ないと被写体としてもイマイチである。
しかし与えられた環境の中で目一杯楽しむしかないのだ。増水していれば通過困難なところも簡単に歩けるので
逆に行程は捗る。

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 この谷は岩盤がよく発達しており、美しい滝もいくつか現れて目を楽しませてくれるのと同時に、快適な直登
を楽しむことができる。ロープを出すこともなく順調に進んだ。
 この谷はかなり釣り師が入っているようで、どの滝にも明瞭な巻き道が付けられていた。
それも滝の高さ以上に追い上げられるようなものではなく、最低限の小巻きで済む省エネルートがほとんどである。

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 水上谷は序盤に滝が連続するが、中流域から傾斜が緩んで平流に変わり、そのまま源流域に入って行く。トチ
とサワグルミの森が続き、谷床には驚くほどのトチの実が落ちていた。
ここはあまりシカがいないのだろうか、ほとんど無傷で中身の入ったものばかりだ。
 もうひとつ驚かされたのは魚影の濃さだ。いかにもというような淵ではなく、こんなところにと思うような水
溜まりのような場所にイワナの影が走る。警戒心も薄いようだ。
一度手づかみで尻尾を握ったが、逃げられてしまった。

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 800mを超えたあたりでトラロープが張られているを見てまた驚いた。谷の真ん中の何もないところにトラロープ
が続いている。これはいったい何のためのものだろう。稜線から流されてきたのかとも思ったが、生きている木に
結びつけられているところを見るとそうではなさそうだ。
 山頂ダイレクトの谷は最後にヤブで苦労しそうなので、820mの小さな二俣から北丈競山と南丈競山の鞍部を目指す。
ここから80mも頑張れば登山道である。見上げる空が近い。
面白みのないガラガラの谷だが仕事は速い。と言いながらも青息吐息で牛のような歩みだ。
谷の形がなくなるとヤブに突入するが、密度は薄く問題にならない程度で助かった。

 最後はシャクナゲとササの密生を2mばかり掻き分けると登山道に飛び出した。
鈴の音を響かせて歩いていた登山者はとんでもないところからガザガサと聞こえる音にビビったことだろう。
山頂までは160mほどの頑張りだ。よく整備された歩きやすい登山道だが、足が上がらずなかなか進まない。
それでもなんとか想定内の時間で1045mの丈競山(南丈競山)の山頂に到着。一昨年のハンノキ谷遡行でツメを間違
って以来の登頂である。
 風はあるが日なたは暑いので、小屋の中で窓を全開にしてランチタイム。日陰で風がよく通って快適だ。
丸岡山の会によって建てられたこの小屋は常に清掃が行き届いていて実に快適な小屋だ。福井市内を一望できる
(福井市内からも山頂にチョコンと乗った小屋がよく見える)この小屋で一夜を過ごすのも一興だろう。

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 下山は浄法寺山との鞍部から東側のユーゼン谷支流下降を選んだ。浄法寺山への縦走路はかなりササが被って
丈競山までのように快適とは言えない。
ヤブの薄そうなところを探るも、どこでも同じ状況なので適当なところで濃いヤブに頭から突っ込んだ。
 さっきの源頭の様子からすればすぐに薄いヤブに変わって谷の形が現れると思いきや、いつまで経ってもそれ
なりのヤブ漕ぎを強いられた。先々週の若谷源頭とはえらい違いである。
300m近く下ったところでようやく谷らしくなってきた。小滝はあるがまったく支障なく下る。


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 ユーゼン谷の本流との合流点手前に唯一の大滝があった。緩やかな谷の先に空間が見えたのでそれと知れる。
ここは左岸の急斜面をヤブの薄いところを拾いながら下る。壁がないので助かった。
 前方に巨大な土管が3つ転がっているのが見えた。林道出合だ。ここからは長い林道をひたすら歩くのみである。
なんせここまでの距離とほぼ同じ長さの林道歩きが待っているのだ。
とは言っても、何も考えずに足を出せば前進できる林道歩きは気が楽だ。

 当初のプランでは林道出合からも緩やかな谷を歩いてショートカットしようか(林道はかなり迂回して遠回りに
なっている)とか、部分的に林道をカットしようかとか考えていたが、少しは気持ち良く歩けるのではという予想
とは裏腹に、前進をためらわれるようなヤブの様相に却下。
 林道は最初こそ草ボーボーだったが、少し進むとまあまあ歩きやすい道となった。急がば回れということだろう。
延々と続く林道歩きだったが、幹周り6m以上あるようなトチの巨樹に出会ったり、ツリフネソウやキツリフネの
群落を愛でたり、竹田川本流の豪快な渓相を眺めたりと退屈することはなかった。

                    山日和
SHIGEKI
記事: 1031
登録日時: 2011年7月25日(月) 18:30

Re: 【越前】竹田川水上谷から丈競山へ

投稿記事 by SHIGEKI »

山日和さん こんばんは。

【山 域】越前 丈競山・浄法寺山周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】水上谷出合7:40---11:50 820m二俣---12:15稜線鞍部---12:45丈競山14:15---14:25下降点---
     15:35ユーゼン谷林道出合15:50---16:35竹田川林道出合---17:25駐車地

さすが~ きっちり頂上へと詰め上げ、周遊してますね、素晴らしい!

 水上谷出合のわずかなスペースに車を止めて、竹田川本流を渡るが水量は驚くほど少ない。
目指す水上谷もチョロチョロの流れで合流し、知らなければ食指の動かない、風采の上がらない佇まいである。

どことも?超渇水ですね。
大増水も困りますが、渇水はチトさびしいですよね。


5m~10mの滝が次々に現れる
 この谷は岩盤がよく発達しており、美しい滝もいくつか現れて目を楽しませてくれるのと同時に、快適な直登
を楽しむことができる。ロープを出すこともなく順調に進んだ。
 この谷はかなり釣り師が入っているようで、どの滝にも明瞭な巻き道が付けられていた。
それも滝の高さ以上に追い上げられるようなものではなく、最低限の小巻きで済む省エネルートがほとんどである。

前半、滝が多くてでも困難はなくいい感じで歩いて行けますね。
この渓は、竹田川漁協の管理河川です。


水上谷は序盤に滝が連続するが、中流域から傾斜が緩んで平流に変わり、そのまま源流域に入って行く。

老体の不肖Sの場合、平流になった頃にはもはや息が上がってますわ~

 もうひとつ驚かされたのは魚影の濃さだ。いかにもというような淵ではなく、こんなところにと思うような水
溜まりのような場所にイワナの影が走る。

産卵前に上流へと登っていたのですかね~
時期と場所によりますが、不肖Sの印象は 極めて薄い渓でしたが・・・


800mを超えたあたりでトラロープが張られているを見てまた驚いた。谷の真ん中の何もないところにトラロープ
が続いている。これはいったい何のためのものだろう。稜線から流されてきたのかとも思ったが、生きている木に
結びつけられているところを見るとそうではなさそうだ。
 山頂ダイレクトの谷は最後にヤブで苦労しそうなので、820mの小さな二俣から北丈競山と南丈競山の鞍部を目指す。
ここから80mも頑張れば登山道である。見上げる空が近い。
面白みのないガラガラの谷だが仕事は速い。と言いながらも青息吐息で牛のような歩みだ。
谷の形がなくなるとヤブに突入するが、密度は薄く問題にならない程度で助かった。

何のロープなんでしょう??釣り師もそこまで行くか?
それはよかったですね、残暑のヤブコギは暑さに弱い不肖Sには地獄ですわ。


丸岡山の会によって建てられたこの小屋は常に清掃が行き届いていて実に快適な小屋だ。福井市内を一望できる
(福井市内からも山頂にチョコンと乗った小屋がよく見える)この小屋で一夜を過ごすのも一興だろう。

満天の星の下、とても静かな山の夜が最高でしょうね!

林道出合だ。ここからは長い林道をひたすら歩くのみである。
なんせここまでの距離とほぼ同じ長さの林道歩きが待っているのだ。

デポなしですか~

とは言っても、何も考えずに足を出せば前進できる林道歩きは気が楽だ。

おおっ強い!!   とは言っても、暑いし体力消耗しますね~

延々と続く林道歩きだったが、幹周り6m以上あるようなトチの巨樹に出会ったり、ツリフネソウやキツリフネの
群落を愛でたり、竹田川本流の豪快な渓相を眺めたりと退屈することはなかった。

お疲れ様でした。
こんなふうには歩けませんが、老体に鞭打って再挑戦してみようかな・・と少しは思いました。

    SHIGEKI
アバター
山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【越前】竹田川水上谷から丈競山へ

投稿記事 by 山日和 »

SHIGEKIさん、どうもです。

さすが~ きっちり頂上へと詰め上げ、周遊してますね、素晴らしい!

そんな、素晴らしい~ってほどでもないと思いますが。 :lol:

 どことも?超渇水ですね。
大増水も困りますが、渇水はチトさびしいですよね。


7月頃は結構あって楽しめたんですが、ここまで少ないと見栄えがしないし、せっかくの美しい谷がそう見えないですよね。
遡行困難なほどの増水は困りものですが。

前半、滝が多くてでも困難はなくいい感じで歩いて行けますね。
この渓は、竹田川漁協の管理河川です。


高巻きも大きく追い上げられることはないし、やさしい谷ですよね。
漁協の看板が林道に立ってました。
SHIGEKIさんはどの辺まで行ったんですか?


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老体の不肖Sの場合、平流になった頃にはもはや息が上がってますわ~

いやいや、東北の長い谷を歩けてるじゃないですか~ :D

産卵前に上流へと登っていたのですかね~
時期と場所によりますが、不肖Sの印象は 極めて薄い渓でしたが・・・


釣り師の眼と違うんでしょうね。
satoさんはこんなにイワナを見たのは初めてだと驚いてましたが。

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何のロープなんでしょう??釣り師もそこまで行くか?
それはよかったですね、残暑のヤブコギは暑さに弱い不肖Sには地獄ですわ。


ロープがまったく不要な場所だったので不可解でした。
後段は私も右に同じです。 :mrgreen:

>丸岡山の会によって建てられたこの小屋は常に清掃が行き届いていて実に快適な小屋だ。福井市内を一望できる
(福井市内からも山頂にチョコンと乗った小屋がよく見える)この小屋で一夜を過ごすのも一興だろう。

満天の星の下、とても静かな山の夜が最高でしょうね!


いいでしょうねえ。yamanekoさんはこの冬にここで泊まって贅沢な夜を過ごしてましたね。
ストーブ・灯油完備の素晴らしい小屋です。扉が内開きなので、少々雪が積もっても入れるのがいいですね。


P9160121_1.JPG

>林道出合だ。ここからは長い林道をひたすら歩くのみである。
なんせここまでの距離とほぼ同じ長さの林道歩きが待っているのだ。

デポなしですか~


チャリがあれば楽でしたね。まあ、ユーゼン谷は車では無理ですが。

>とは言っても、何も考えずに足を出せば前進できる林道歩きは気が楽だ。

おおっ強い!!   とは言っても、暑いし体力消耗しますね~


下り一辺倒なので楽です。ほぼ日陰だったから暑さもさほどではなくて助かりました。

こんなふうには歩けませんが、老体に鞭打って再挑戦してみようかな・・と少しは思いました。

老体って、同級生じゃないですか~ :mrgreen:

              山日和
sato
記事: 422
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【越前】竹田川水上谷から丈競山へ

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんにちは。
今日は、少し暑さが和らいだような感じがしました。もうお彼岸。
「暑さ寒さも彼岸まで」そろそろ涼しくなるのでしょうか。

一昨年のハンノキ谷沢山旅で初めて訪れた竹田川の龍ケ鼻ダム。
その後、昨年の2月に新雪の火燈山小倉谷山周回、7月には小倉谷沢山旅で訪れ、今回は4回目の再訪。
それぞれの山旅の思い出が、ぱぁっと蘇ってきて懐かしさに包まれました。
丈競山は、うつくしいハンノキ谷を夢見心地で遡り、水が切れてからは、
鞍部にまだ着かないまだ着かないと思いながら灌木とササのしつこいヤブを漕ぎ、ポンと飛び出したら、
山頂に立っていたという鮮烈な思い出のお山です。
山頂には素敵な小屋が建ち、眺望も素晴らしく、三尊さまの石仏が祀られていて信仰のお山、
白山遥拝のお山であることも感じられ、いいお山だなぁ、また訪れたいなぁ、とそれ以来、
出かけたお山の山頂や、福井市内を移動中の車窓から、丈競山を眺めてはお話していましたね。

水上谷の入り口は、ダムから竹田川をさらに標高350メートルまで東に遡った地点。
1045mのお山から水を集めながら流れ落ちてきたのがこれ?と思ってしまうくらい、チョロチョロとした流れでした。
でも、堰堤を越えたら「わぁ、いい感じ」と笑みがこぼれました。
「水が少ないなぁ」と山日和さんは残念そうでしたが、水圧に弱い私は、歩きやすくてホッとしていました。
黒い岩盤を流れ落ちる滝は、それぞれ風情を感じました。
そして、登れる滝が続きうれしかったです。太ももより上は出来たら濡れたくない、滝も眺めるだけで満足と思うようになった、
沢登りが好きな方からは何で沢に来ているのかと言われそうな私ですが、やっぱり、登れるとうれしいですね。
神秘的なちいさなゴルジュ?にもドキドキ。
巻きもすべてスムーズに越えられましたね。このところ手に汗を握る高巻きが続いたので、今回もかなと思っていましたが。

トチの実の多さにはびっくりしました。朽木の谷は、今年は不作なのですが、この谷は豊作。
下流には大きな実がゴロゴロ。きれいなナシ皮に包まれているものが多かったので、ちょうど実が落ちる時に訪れたのですね。
休憩している時、あちこちからコーン、コーン、と落ちた実が岩に当たる音がして、
ヘルメットを脱いだ山日和さん、あわてて被り直していましたね。
上流の実は小粒でしたが、谷底を覆うほど落ちていました。淵の中にもたくさん。
シカが降りて来ることが出来ないので、落ちた実はこうしてこのまま残っているのですね。

イワナの多さにもびっくりしました。前を歩く山日和さんは、私よりもっと見ていますね。
上流で伏流のようになり、その上の水たまりのような淵にも泳いでいて、なんでこんなところに来てしまったの?
とこの先、暮らしていけるのか心配に。

800mを越えて出現したトラロープは、何のためのロープなのか不思議でしたね。
小屋に泊まる人が水くみに行くために付けられたとか。
今回はちゃんと方角を確認して鞍部へ。びっしりと詰まったヤブは最後の数メートルだけで案外楽に登山道に出られました。
私は最後の数歩で、もがきましたが。
ちょうど、登山者が通り過ぎた直後で、ギョッとされたでしょうね。私も逆の立場だったらソロソロ息を止めて逃げていました。

ふたたびの山頂に立ち、やっぱりいいお山だなぁ、としみじみと感じました。
前回は、小屋の中はちらっと覗いただけでしたが、今回は、中で休憩させていただき、なんて素晴らしい小屋なのだろうと思いました。
建物の作りも素敵で居心地よく、部屋は清潔で、ストーブと灯油まで置かれていて。
丸岡山の会の方々の丈競山への愛を感じました。雪の季節に泊まりたくなりました。
二階の窓への梯子はありませんでしたが、扉が内開きになっているので、スコップで掘れば入れますね。

丈競山から浄法寺山の稜線は、前回歩いた時よりもササが被っているように感じました。
一昨年に歩いた時は、秋の行楽シーズンを前に草刈りをしてくださった直後だったのかもしれません。
エイ、と突っ込んだヤブの斜面は、数百メートル続きましたね。水が現れた時は、これで少し涼しくなるとうれしくなりました。
最後の滝も、左岸をすんなり下ることが出来ほっとしました。

ここから下流は穏やかな地形ですが、植生は、伐採後の灌木のヤブと植林のような感じでしたね。
単調な廃林道歩きになりましたが、目を見張るトチの巨木に出会い感激しました。
これほど大きくて樹形のうつくしいトチの木はなかなか見られないのでは。
竹田川の林道には、ツリフネソウがたくさん咲いていましたね。
「ツリフネソウには黄色いキツリフネソウもある」とお話していたら、ほんとうに、キツリフネソウも咲いていてびっくりしました。

山との出会いは不思議ですね。それまで、名前を知っていただけのお山が、ある時「わたしの山」として光を放ち始める。
あらたな旅を感じる。一昨年のハンノキ谷から始まった竹田川と大聖寺川流域の山やまへの旅。
次は、どんな風景に出会えるのでしょう。ドキドキします。
今回も、味わい深い山旅でした。ありがとうございました。

sato
アバター
山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【越前】竹田川水上谷から丈競山へ

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。お疲れさまでした。

丈競山は、うつくしいハンノキ谷を夢見心地で遡り、水が切れてからは、
鞍部にまだ着かないまだ着かないと思いながら灌木とササのしつこいヤブを漕ぎ、ポンと飛び出したら、山頂に立っていたという鮮烈な思い出のお山です。


目の前にあるはずのない小屋が突然現れて驚きましたね。それが結果オーライでしたが。 :mrgreen:

山頂には素敵な小屋が建ち、眺望も素晴らしく、三尊さまの石仏が祀られていて信仰のお山、白山遥拝のお山であることも感じられ、いいお山だなぁ、また訪れたいなぁ、とそれ以来、出かけたお山の山頂や、福井市内を移動中の車窓から、丈競山を眺めてはお話していましたね。

どこからもあの小屋はよく見えますからね。 :D

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「水が少ないなぁ」と山日和さんは残念そうでしたが、水圧に弱い私は、歩きやすくてホッとしていました。
黒い岩盤を流れ落ちる滝は、それぞれ風情を感じました。

多過ぎても困るけど、谷はやっぱり水が少ないと躍動感に欠けますからね。
滝の美しさも3割減というところかな?

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そして、登れる滝が続きうれしかったです。太ももより上は出来たら濡れたくない、滝も眺めるだけで満足と思うようになった、沢登りが好きな方からは何で沢に来ているのかと言われそうな私ですが、やっぱり、登れるとうれしいですね。

直登にはこだわらなくなったけど、やっぱり簡単に登れる滝が多いと楽しいですね。

P9160073_1.JPG

巻きもすべてスムーズに越えられましたね。このところ手に汗を握る高巻きが続いたので、今回もかなと思っていましたが。

最近はチェーンスパ大活躍の高巻きが多かったけど、今回は楽でした。

トチの実の多さにはびっくりしました。朽木の谷は、今年は不作なのですが、この谷は豊作。
下流には大きな実がゴロゴロ。きれいなナシ皮に包まれているものが多かったので、ちょうど実が落ちる時に訪れたのですね。
休憩している時、あちこちからコーン、コーン、と落ちた実が岩に当たる音がして、
ヘルメットを脱いだ山日和さん、あわてて被り直していましたね。

あれを頭に食らったら痛いで済まない感じでした。 :lol:
しかし、あれだけトチの実を見たのも久し振りでしたね。


P9160058_1.JPG

イワナの多さにもびっくりしました。前を歩く山日和さんは、私よりもっと見ていますね。
上流で伏流のようになり、その上の水たまりのような淵にも泳いでいて、なんでこんなところに来てしまったの?とこの先、暮らしていけるのか心配に。

ホントに驚きましたね。SHIGEKIさんの話では魚影は薄かったそうですが。

800mを越えて出現したトラロープは、何のためのロープなのか不思議でしたね。
小屋に泊まる人が水くみに行くために付けられたとか。

水汲みに行くには下り過ぎでしょう。250mぐらい下らないといけません。


P9160115_1.JPG

ちょうど、登山者が通り過ぎた直後で、ギョッとされたでしょうね。私も逆の立場だったらソロソロ息を止めて逃げていました。

あんまりビックリさせてはいかんと思ってしゃべりましたが、聞こえたかな? :mrgreen:

ふたたびの山頂に立ち、やっぱりいいお山だなぁ、としみじみと感じました。
前回は、小屋の中はちらっと覗いただけでしたが、今回は、中で休憩させていただき、なんて素晴らしい小屋なのだろうと思いました。
建物の作りも素敵で居心地よく、部屋は清潔で、ストーブと灯油まで置かれていて。
丸岡山の会の方々の丈競山への愛を感じました。雪の季節に泊まりたくなりました。

実にいい小屋ですよね。いろんな避難小屋を見ましたが、トップクラスの清潔さでしょう。
中の作りも使いやすくていい感じでした。

丈競山から浄法寺山の稜線は、前回歩いた時よりもササが被っているように感じました。
一昨年に歩いた時は、秋の行楽シーズンを前に草刈りをしてくださった直後だったのかもしれません。

展望の尾根歩きみたいな印象があったんだけど、あんなだったかなあ?

P9160125_1.JPG

エイ、と突っ込んだヤブの斜面は、数百メートル続きましたね。水が現れた時は、これで少し涼しくなるとうれしくなりました。
最後の滝も、左岸をすんなり下ることが出来ほっとしました。


周回のための下山ルートとして選んだだけの谷でしたが、もう少し谷らしい道具立てがあるかと思ってましたよ。簡単に下れてよかったけど。

単調な廃林道歩きになりましたが、目を見張るトチの巨木に出会い感激しました。
これほど大きくて樹形のうつくしいトチの木はなかなか見られないのでは。
竹田川の林道には、ツリフネソウがたくさん咲いていましたね。
「ツリフネソウには黄色いキツリフネソウもある」とお話していたら、ほんとうに、キツリフネソウも咲いていてびっくりしました。


あのトチはなかなか見事でしたね。ツリフネソウの多さにびっくりしたけど、キツリフネもアクセントを添えてくれました。

P9160160_1.JPG

山との出会いは不思議ですね。それまで、名前を知っていただけのお山が、ある時「わたしの山」として光を放ち始める。
あらたな旅を感じる。一昨年のハンノキ谷から始まった竹田川と大聖寺川流域の山やまへの旅。


これまでまったく興味の湧かなかった山域が、急に身近なものになりましたね。
魅力を知ってしまうと、もっと深く関わりたくなってしまいます。 :D

              山日和
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