【奥越】鍋又谷から奥越の超マイナーピーク鍋又山へ

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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【奥越】鍋又谷から奥越の超マイナーピーク鍋又山へ

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2023年9月2日(土)
【山 域】奥越 鍋又山周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】蝿帽子林道入口7:15---9:15 750m二俣---12:50稜線---13:30鍋又山---13:45若谷下降点手前14:15
    ---16:40 623m標高点---17:35蝿帽子林道17:55---19:10駐車地

 笹生川ダムから伊勢峠への道を何の気なしに走っていたら、道が川からどんどん高く離れていってしまった。
どうやら林道の入口を見落としたようだ。Uターンして今来た道を戻って行くと、わかりやすい橋が林道の入口
を示していた。笹生川の対岸へ渡る唯一の橋を見落とすとは情けない限りである。

 橋を渡って右折すぐのところに駐車。この林道は笹生川ダムのバックウォーターに沿って、水戸天狗党で有名
な蝿帽子峠へと続いている。橋の左には地図にない林道があり、鍋又谷へと誘ってくれた。
 林道の終点から入渓。しばらくの間はまったくの平流が続いて変化はないが、予想外に植林が入っておらず、
自然林の中を流れる穏やかな渓相は悪くはない。
ちょっと越戸谷川や野々小屋谷の序盤を思い起こすような雰囲気だ。

P9020016_1.JPG

 30分ほど歩いてようやく初めての滝と対面するが、4m程度の小さなものだ。釜が大きく深いので巻いて越える。
次に現れた2段7mの滝は造形が面白い。1段目を上がって2段目は登れないことはなさそうだがフルシャワー必至。
水が冷たいので左から巻き上がると、よく踏まれた杣道があった。

P9020025_1.JPG

 両方にナメ滝のかかる600m二俣は左が本流だが、谷床の高い右の支流の方が魅力的に見える。
鍋又谷は階段状の滝が多く、直登が楽しいのだがヌメりが強いので気を遣う。タワシを駆使してヌメりをこそげ
落としながらの登攀だ。8m滝では初めてロープを使った。

P9020050_1.JPG

 ここで左足に違和感を覚えた。足元を見ると、なんとソールが剥がれてブラブラしているではないか。それも
フェルトソールが剥がれたのではなく、中底が靴の本体から外れてしまっている。
どうしようもないのでチェーンスパイクを履いて固定すればなんとかなりそうである。
左足はこれ以降、下山までチェーンスパイクを履きっぱなしで歩くことになってしまった。

P9020068_1.JPG

 一見手の出せそうもない8m直瀑は左側の岩の奥に隠れたルートがあり、バンドを伝って上がる。
750mの二俣は山頂に近い右俣を選択する。ここまで2時間。まずまずのペースである。
遅くとも昼までには山頂に立てるだろうと、この時は思っていた。

 いくつかの小滝を快適に直登した後の6m滝はヌメりが強く、一見登れそうだが自信が持てずに少し下ってから
右岸を巻いたのだが、これが意外に大高巻きとなった。
巻きの途中から先ほどの滝の落ち口を見ると、さらにその上に大きなツルツルのナメ滝が続いていた。あの滝を
登ったところで結局は巻かざるを得なかっただろう。
最初に巻き始めた時、ハチのような黄色い虫の攻撃を受けて一旦退却。それからもう一度直登できるか窺ったり、
巻きルートの吟味に時間がかかって、結局この巻きだけで30分以上を費やしてしまう。

P9020099_1.JPG

 流れは細くなったがこの上にも急なナメ滝が連続して気が抜けない。
源流に近づくと傾斜が増して来た。ここまで荒れの少ないスッキリした渓相で、この谷は水害を逃れたのかと思
っていたら、上流は倒木と土石流跡のオンパレードである。5m以上はありそうなミズナラが谷をふさいでいたの
には驚かされた。
岩盤が発達しているので、荒れていなければ快適な遡行を楽しめただろうが、鍋又谷も例外ではなかった。

 水が切れると谷芯を歩きづらくなってきたので小尾根に逃げた。
このあたりはシャクナゲが多く、下手なルート取りをしてしまうとシャクナゲジャングルに絡めとられてしまうの
で、弱点を突くようにルートを選ぶことが必要だ。稜線まではもうすぐと思ってからずいぶん時間が経っている。

 予定より1時間以上遅れてようやくヒノキの巨木が並ぶ稜線に到達した。
この時点では予定していた長い若谷ルートをあきらめて、鍋又谷の出合に延びる尾根を下山しようという気にな
っていた。しかし尾根上の踏み跡の状態を見て、それが大きな間違いだということに気が付いた。
確かに薄い踏み跡は続いているが、障害物が多いのでスピードが上がらない。両手両足を駆使して跨いだりかが
んだり押し分けたりで、まったく時間が読めない。谷の中なら少なくともヤブを漕ぐ必要は少ないだろうし登り
もないだろう。ほとんど滝もないおとなしい谷だということがわかっているなら、谷を下りる方がリスクが少な
い。ずいぶん遠まわりになるので、歩く距離だけが問題だ。なんせ、スタートから山頂までの距離の3倍近くを残
しているのである。

P9020139_1.JPG

 ヒノキの奇木・怪木を愛でる余裕もなく、ひたすら鍋又山の山頂を目指す。地図で見るとすぐそこなのだが、
なかなか近づかないのがもどかしい。
 支尾根とのジャンクションまで来ると、鍋又山の尖峰が姿を現わした。東面は岩の鎧をまとっている。
この先からしばらく突然のように明瞭な踏み跡となって、最後の急登で楽をさせてもらった。
傾斜がなくなると潅木のヤブを体で押し広げたところが、小さく刈り込まれた鍋又山、三角点名「下髪」の山頂
だった。標識のひとつもない清々しい山頂である。
潅木の背が低いので、間近に屏風山、その向こうには石徹白の山々と白山を望むことができた。
 去年の秋、伊勢峠からヒノキの巨木探訪で歩いた尾根から見た、今度はあっちだと決めた鍋又山に今立ってい
ると思うと感慨深い。
 狭い山頂は日陰もなく暑いのでランチには不向きだ。少し戻ってヒノキの木陰のある開けた場所でランチタイ
ムとしよう。

 いつものように長いランチタイムが取れず、下山ルートが長いのでsatoさんはビールを控えた。
私は飲まないわけにいかないので、暑さと疲れで食欲が湧かないこともあり、カロリー補給を兼ねてビールを流
し込む。若谷を下って林道に出合うまで3時間あれば下れるだろうか。少なくとも暗くなる前に林道に達すること
ができればOKだ。

 短かめのランチタイムを終えて出発。ジャンクションとの鞍部から若谷源頭へ飛び込んだ。
歩いてみなければわからないもので、鍋又谷の源頭はまったく雰囲気が違う密度の薄いササヤブが広がる普通の
急斜面が続いていた。谷の形はなかなか現れず、水も流れていない。これは助かった。
結局300mほど下るまで谷らしい地形は現れなかった。おかげでペースも上がり、順調に下ることができた。

P9020165_1.JPG

 ようやく水が流れ出したと思ったら、これも鍋又谷とは大違いの広々とした谷底に深い森が続いていた。
サワグルミ、トチ、カツラ、ミズナラのそこそこ大きな木に包まれた森は素晴らしく、鍋又谷よりも自分的には
好みの林相だ。「越の谷」には何もない谷と書かれていたが、「何もない」ということの捉え方が人によって変
わってくるのだろう。滝やゴルジュがなくてもこんなに美しい森とやさしい流れがあれば十分だ。
分かれた幹が上部でドッキングして窓のようになったトチの巨木やカツラの巨樹は見応えがあった。
秋に来れば赤と黄に染まって、さぞ美しい風景を楽しめるに違いない。


P9020174_1.JPG

 谷には大部分踏み跡が続いており、水の中を歩く場面はほとんど無くて済んだのも助かった。
もちろん時間に余裕があれば、流れに足を浸して楽しみたいところだが、今は日没までの戦いである。
2か所ほどゴルジュと滝場があるが、比較的楽に巻いて通過することができる。数少ない滝場をじっくり味わえ
ないのが少し残念ではあるが。
 最後に大堰堤にぶつかり、垂直のアングルハシゴの上り下りとなった。下りは何段かに分かれてはいるものの、
トータルでは結構な高さのハシゴ下りだ。

 蝿帽子川の林道に出るとホッとひと息。ここまで来れば安全圏である。とは言え、まだ5キロほどの林道歩きが
残っている。
左足の渓流シューズはもうバラバラで、中底の上のインナーソールが踵から飛び出している。
 暮れなずむ林道の向こうにダム湖のバックウォーターが広がり、一日の最後の残照が湖面を照らしていた。
オレンジのような紫のような微妙な光の輝きが美しい。
 やがて夜の帳が降りて、ヘッデンの光の先に愛車の姿を捉えるまでにはまだしばらく時間がかかった。

                     山日和
sato
記事: 422
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【奥越】鍋又谷から奥越の超マイナーピーク鍋又山へ

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんばんは。
今日も日中暑かったですね。
9月最初の山旅は、見果てぬ夢かなとも思った憧れの鍋又山に。
三角点峰探訪の旅を続けられてきたYさんから、笹生川ダムの近くに△1200.6という興味深い山があると教えていただき、
山日和さんにお聞きして、鍋又山という名前のお山と知ったのが鍋又山との出会いの始まりでした。
冬から春にかけては道路が閉鎖され遠い山、通行出来る時期も尾根は多分ヤブが濃く谷の登り下りとなる。
「福井の山150」鍋又山のページを開くと、ピラミダルな山容の写真に眼が吸い込まれていきました。
そして本文には、谷の上部は、沢というより桶を傾けたような、すべすべの岩場の谷で手強く、
水が切れたらシャクナゲのひどいヤブで、稜線もシャクナゲのヤブに悩まされたと書かれていました。
桶を傾けたようなすべすべの岩場の谷かぁ、私には厳しいなぁ、と思いました。でも、こころ惹かれてしまいました。
一昨年、雪の岩谷山から御伊勢山への稜線から黒いヒノキが並ぶうつくしい雪稜を描いたお姿を、
昨年の秋には、巨樹探索に出かけた尾根から重厚なお姿を見つめ、憧れは増す一方。
山日和さんから鍋又山に行こうと提案された時は、ほんとうに?と思いましたが、うれしかったです。

真名川ダム、笹生川ダムに沿った道は、笹又越道といわれ越前と美濃を結ぶ重要な道が通っていたのですね。
かつての風景をぼんやり想像していて、すみません、私も橋には気づきませんでした。

ドキドキしながら足を踏み入れた鍋又谷は、赤みを帯びた岩が印象的な自然林の明るい谷でした。
ところどころにかかる小滝は清々しく、緑がかった壺はどこまでも透明で、わぁ素敵、と感激の連続でした。
600m二俣を過ぎてからは、滝が次々と現れ緊張が増してきました。見るからに滑りそうな滝ばかり。
両斜面も切り立った箇所が多く巻きもいやらしい感じ。
タワシで岩をこすりながら滝を登られる山日和さんを息を呑んで見上げるばかりでした。
私は、確保していただいて登るのですが、山日和さんと同じ足の運びが出来ず、時間を取らせてしまいました。
それでも750m二俣までは2時間で登れたのですね。

「福井の山150」では、谷の上部が核心部のように書かれていたなぁ・・・。
うつくしいナメや躍動感あふれる滝に胸をときめかせながらも緊張は続きました。
6mの滝は、私は登りたくないなぁと思いました。岩には黒い苔が生えていて、滝壺がなかったので、滑ったら大変なことに。
両岸ともヤブで切り立っていましたが、右岸にルートが浮かび、ほっとしました。
でも、進んで行ったら、ハチの攻撃に。視界の効かないヤブは怖いですね。スズメバチでなくて不幸中の幸いでした。
そして、アレルギー体質の私が刺されていたら、もっと腫れていたでしょうね。
戻って、さぁどうしよう、という感じになりましたが、最終的に谷を下り、右岸に活路を見いだせてよかったです。
大高巻きになりましたが、ヤブの間からツルツルのナメ滝を見て、高巻いてよかったとこころから思いました。
桶を傾けたようなすべすべの岩場とは、この辺りのことかなと思いました。

この先は勾配がきつくなっていきましたね。しかも谷は倒木だらけに。横たわったミズナラの木は巨大でしたね。
このミズナラは何百年も谷を見つめていたのですね。増永廸男さんは、このミズナラの巨木をご覧になったのだなぁ、と思いました。
水が切れて、空が近くなり、稜線まであともう少しと思ってからが長かったですね。
やっと出た稜線から仰ぎ見た鍋又山は、びっくりするほどに高く大きく気高く胸が震えました。
実際、思うように歩けず、近くに見えて遠かったです。
稜線上に立ち憚るヒノキ、ネジキは、どうしてこうなってしまったのと思うくらいにくねくね曲がっていて、
環境の厳しさを感じました。
山頂に着いた時は感無量でした。真正面には屏風山が、振り返ると白山が、穏やかに私たちを見つめていました。
そう、山頂だけ紅葉が始まっていましたね。

下りの若谷は、鍋又谷とは全く異なる植生のササヤブの斜面が300メートル近くも続き、気持ちが楽になりました。
そして、水が出てきてからの谷のうつくしさには目を見張るばかりでした。ほんとうに素晴らしい森、やさしい流れでした。
うっすらと残る杣道もうれしかったです。長いなぁ、とか、疲れたなぁ、とか感じることなく、しあわせな気持ちで歩いていました。
そして、17時半から遅くても18時という読み通りの時間に林道に到着出来ました。

辺りは広場のようになっていて、かつて蝿帽子峠を行き来した人のひと休みしている姿が浮かんで来て、
私もひと休みしたくなりました。
残り5キロの林道歩きも、色鮮やかな夕焼けからの刻々と変わりゆく空の色を楽しみながら歩くことが出来ました。

鍋又谷の上部で時間がかかり、もう少し早く出発したらよかったという反省点がありますが、
素晴らしい山旅を味わうことが出来、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

追伸:「福井の山150」を読み返し、増永廸男さんは、750m二俣の左俣を登られていることに気づきました。

sato
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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥越】鍋又谷から奥越の超マイナーピーク鍋又山へ

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。長い一日、お疲れさまでした。

9月最初の山旅は、見果てぬ夢かなとも思った憧れの鍋又山に。
三角点峰探訪の旅を続けられてきたYさんから、笹生川ダムの近くに△1200.6という興味深い山があると教えていただき、山日和さんにお聞きして、鍋又山という名前のお山と知ったのが鍋又山との出会いの始まりでした。


私もそれまでは「越の谷」で知ってはいたものの、あまり食指の動かない山でした。

「福井の山150」鍋又山のページを開くと、ピラミダルな山容の写真に眼が吸い込まれていきました。
そして本文には、谷の上部は、沢というより桶を傾けたような、すべすべの岩場の谷で手強く、水が切れたらシャクナゲのひどいヤブで、稜線もシャクナゲのヤブに悩まされたと書かれていました。


そこはあんまりちゃんと読んでなかった。 :mrgreen:

P9020037_1.JPG

桶を傾けたようなすべすべの岩場の谷かぁ、私には厳しいなぁ、と思いました。でも、こころ惹かれてしまいました。
一昨年、雪の岩谷山から御伊勢山への稜線から黒いヒノキが並ぶうつくしい雪稜を描いたお姿を、昨年の秋には、巨樹探索に出かけた尾根から重厚なお姿を見つめ、憧れは増す一方。


一昨年は北から、昨年は東から眺めて行く気が湧いてきました。

ドキドキしながら足を踏み入れた鍋又谷は、赤みを帯びた岩が印象的な自然林の明るい谷でした。
ところどころにかかる小滝は清々しく、緑がかった壺はどこまでも透明で、わぁ素敵、と感激の連続でした。

やさしい渓相で楽勝ムードが漂ってましたね。林相は悪くないし。 :D


P9020051_1.JPG

600m二俣を過ぎてからは、滝が次々と現れ緊張が増してきました。見るからに滑りそうな滝ばかり。両斜面も切り立った箇所が多く巻きもいやらしい感じ。
タワシで岩をこすりながら滝を登られる山日和さんを息を呑んで見上げるばかりでした。

さすがに楽はさせてくれませんでしたね。絶望的な滝が現れないだけよかったけど。

私は、確保していただいて登るのですが、山日和さんと同じ足の運びが出来ず、時間を取らせてしまいました。

転落事故やマムシの後遺症が残っているから仕方ないですね。バランスはいいのでそれほどでもないですよ。


P9020084_1.JPG

6mの滝は、私は登りたくないなぁと思いました。岩には黒い苔が生えていて、滝壺がなかったので、滑ったら大変なことに。

登れそうな感じだったけど、とにかくヌメりが強いので腰が引けました。自信がない時はやめるのが正解です。

両岸ともヤブで切り立っていましたが、右岸にルートが浮かび、ほっとしました。
でも、進んで行ったら、ハチの攻撃に。視界の効かないヤブは怖いですね。スズメバチでなくて不幸中の幸いでした。
そして、アレルギー体質の私が刺されていたら、もっと腫れていたでしょうね。


あれはびっくりしました。なんかチクっとしたなと思ったら、2、3匹の得体の知れない虫に纏わりつかれてました。こりゃいかんと退散。 :oops:


P9020087_1.JPG

戻って、さぁどうしよう、という感じになりましたが、最終的に谷を下り、右岸に活路を見いだせてよかったです。
大高巻きになりましたが、ヤブの間からツルツルのナメ滝を見て、高巻いてよかったとこころから思いました。
桶を傾けたようなすべすべの岩場とは、この辺りのことかなと思いました。


増永さんが書いてたのは左俣、我々が遡行したのは右俣ですね。似たようなものかもしれないけど。

この先は勾配がきつくなっていきましたね。しかも谷は倒木だらけに。横たわったミズナラの木は巨大でしたね。
このミズナラは何百年も谷を見つめていたのですね。増永廸男さんは、このミズナラの巨木をご覧になったのだなぁ、と思いました。


もうちょっと横によけて倒れてくれたらよかったのに。 :lol:

P9020106_1.JPG

やっと出た稜線から仰ぎ見た鍋又山は、びっくりするほどに高く大きく気高く胸が震えました。実際、思うように歩けず、近くに見えて遠かったです。
稜線上に立ち憚るヒノキ、ネジキは、どうしてこうなってしまったのと思うくらいにくねくね曲がっていて、環境の厳しさを感じました。


なかなかの稜線歩きでした。もう少し楽に歩けるのかと思ってたけど甘かったですね。
まあ、あの山域で快適な尾根歩きが楽しめるはずはないか。 :mrgreen:

山頂に着いた時は感無量でした。真正面には屏風山が、振り返ると白山が、穏やかに私たちを見つめていました。
そう、山頂だけ紅葉が始まっていましたね。


屏風山もいろんな方向から眺めましたね。ここからの屏風山は三角錐ではなくホントの屏風でした。白山も遥拝できてよかった。


P9020142_1.JPG

下りの若谷は、鍋又谷とは全く異なる植生のササヤブの斜面が300メートル近くも続き、気持ちが楽になりました。
そして、水が出てきてからの谷のうつくしさには目を見張るばかりでした。ほんとうに素晴らしい森、やさしい流れでした。

これは想定外の源頭下りでした。ずいぶん楽をさせてもらって行程が捗りましたが、若谷は長い。
でもこちらも優しく美しい流れが続いて時間の経過を感じさせませんでした。

うっすらと残る杣道もうれしかったです。長いなぁ、とか、疲れたなぁ、とか感じることなく、しあわせな気持ちで歩いていました。
そして、17時半から遅くても18時という読み通りの時間に林道に到着出来ました。

ずっとそこはかとなく踏み跡が続いていて助かりましたね。
最後に堰堤のハシゴ昇り降りというアトラクションが待ってましたが。 :lol:

P9020169_1.JPG

辺りは広場のようになっていて、かつて蝿帽子峠を行き来した人のひと休みしている姿が浮かんで来て、私もひと休みしたくなりました。

林道の出合もきれいな森でいいところでしたね。お腹が空いたのでカレーパンで一服。 :D

鍋又谷の上部で時間がかかり、もう少し早く出発したらよかったという反省点がありますが、素晴らしい山旅を味わうことが出来、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

ちょっと予想外に時間を食い過ぎましたが、下山は計算通り。まあ、あんなもんでしょう。

追伸:「福井の山150」を読み返し、増永廸男さんは、750m二俣の左俣を登られていることに気づきました。

ですよね。 :D

                 山日和
SHIGEKI
記事: 1031
登録日時: 2011年7月25日(月) 18:30

Re: 【奥越】鍋又谷から奥越の超マイナーピーク鍋又山へ

投稿記事 by SHIGEKI »

山日和さん こんにちは。
いつぞや話していた鍋又谷行かれたんですね!

不肖Sもhillwandererさんのrep見て「やさしくて渓相のいい」との言葉に
惹かれてましたが、躊躇してました。



【コース】蝿帽子林道入口7:15---9:15 750m二俣---12:50稜線---13:30鍋又山---13:45若谷下降点手前14:15
    ---16:40 623m標高点---17:35蝿帽子林道17:55---19:10駐車地

中ノ水へはやはりきびしいんでしょうね~

 笹生川ダムから伊勢峠への道を何の気なしに走っていたら、道が川からどんどん高く離れていってしまった。
どうやら林道の入口を見落としたようだ。Uターンして今来た道を戻って行くと、わかりやすい橋が林道の入口
を示していた。笹生川の対岸へ渡る唯一の橋を見落とすとは情けない限りである。

不肖Sはしょっちゅうある話ですが、怖い老化現象の一つかも・・ :mrgreen:

 橋を渡って右折すぐのところに駐車。この林道は笹生川ダムのバックウォーターに沿って、水戸天狗党で有名
な蝿帽子峠へと続いている。

武田耕雲斎の蜂起やこの周辺のことも、素石氏が詳しく書いてます。
 笹生谷には五つの集落があり、この維新前の兵乱で全てが焼き払われた。
 その後、復興したが戦後、三つの集落がダムに沈められた・・・・
テンカラ放浪記の ホハレ峠 奥越挽歌 などなど とても興味深いですね。

関係ない話になってしまいましたが、山行中のアクシデントや状況対応さすがですね~
お疲れ様でした。
               SHIGEKI

                   
アバター
山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥越】鍋又谷から奥越の超マイナーピーク鍋又山へ

投稿記事 by 山日和 »

SHIGEKIさん、どうもです。

いつぞや話していた鍋又谷行かれたんですね!

話してましたか!! 自分がいつどこで何を話したか覚えてません。 :mrgreen:

不肖Sもhillwandererさんのrep見て「やさしくて渓相のいい」との言葉に
惹かれてましたが、躊躇してました。


そうそう。あれを見たら行きたくなりますよね。
私は「越の谷」で知りましたが、下山の方法で躊躇してました。
来た谷を下るのは好きじゃないし、どの尾根も地獄のヤブ漕ぎが待ってそうだし。

P9020015_1.JPG

中ノ水へはやはりきびしいんでしょうね~

笹目谷を下って中ノ水へという下山ルートは候補に入れてました。
笹目谷は簡単に下れそう(「福井の雪山」にも載ってます)だけど、本流へ出てからが時間かかりそうだなと。
中ノ水は20年ほど前に遡行したことあるので、途中から右岸に道があるのは知ってるんですが・・・
より気楽に歩けそうな若谷+林道歩きを選択しました。
ヒルワンさんの記録は凄過ぎてまったく参考になりません。 :mrgreen:

>笹生川ダムから伊勢峠への道を何の気なしに走っていたら、道が川からどんどん高く離れていってしまった。
どうやら林道の入口を見落としたようだ。Uターンして今来た道を戻って行くと、わかりやすい橋が林道の入口
を示していた。笹生川の対岸へ渡る唯一の橋を見落とすとは情けない限りである。

不肖Sはしょっちゅうある話ですが、怖い老化現象の一つかも・・ :mrgreen:

まあ、ただの不注意ってことで・・・ :lol:

P9020002_1.JPG

武田耕雲斎の蜂起やこの周辺のことも、素石氏が詳しく書いてます。
 笹生谷には五つの集落があり、この維新前の兵乱で全てが焼き払われた。
 その後、復興したが戦後、三つの集落がダムに沈められた・・・・
テンカラ放浪記の ホハレ峠 奥越挽歌 などなど とても興味深いですね。

山本素石氏の本は読んだことないんです。
渓流釣り師にとってはバイブルみたいなもんなんでしょうね。

関係ない話になってしまいましたが、山行中のアクシデントや状況対応さすがですね~
お疲れ様でした。 

  
無駄に長いこと登ってますから~ :lol:

                   山日和
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