【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
フォーラムルール
新規トピックは文頭に以下のテンプレートをなるべく使ってください。
【 日 付 】
【 山 域 】
【メンバー】
【 天 候 】
【 ルート 】
※ユーザーでなくても返信が可能です。ユーザー名に名前を入れて返信してください。
新規トピックは文頭に以下のテンプレートをなるべく使ってください。
【 日 付 】
【 山 域 】
【メンバー】
【 天 候 】
【 ルート 】
※ユーザーでなくても返信が可能です。ユーザー名に名前を入れて返信してください。
-
- 記事: 539
- 登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
- お住まい: 京都市左京区
【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
【 日 付 】2021年3月14日(日曜日)
【 山 域 】奥越
【メンバー】山猫、家内
【 天 候 】曇りのち晴れ
【 ルート 】前坂谷林道入口8:01〜10:05蛇鏡山10:12〜12:01木無山12:25〜13;37p993〜14:53駐車地
先月の上谷山〜三国岳の山行の後半で家内が脚の付け根に痛みを生じたので、今回は距離の短めの山でなおかつ雪が十分にある山・・・という条件で山行先を考えることなる。思い浮かんだのは先週のスノー衆において、徳平山の手間で、白山の左手の方角を眺めながらあれが木無山と山日和導師が教えて下さった山だ。その瞬間、他の選択肢は全く考えられなくなるほど、この木無山はまさに格好の山に思われた。
この山は以前にスノー衆が開催されたところらしい。やぶこぎのサイト内を検索しても上がってこなかったのだが、今回のスノー衆のクロオさんのレスのお陰で2015/2/28の山行だったことを知り、おど+さんの詳細なrepにたどり着くことが出来る。
早朝、中部縦貫自動車道を越前大野に向かうと、大野盆地の上は晴れ渡っているものの、銀杏峰、経ヶ岳、荒島岳といった大野盆地を取り巻く山々ないずれも雲の中だ。美濃街道を進むと、荒島岳の登山口には多くの車が停められており、勝原スキー場跡地を登っていく登山者が多いようだ。丁度、登り始める登山者が多い時間なのだろう。
和泉スキー場への案内を頼りに九頭龍川を上流へと辿る。スキー場の手前の前坂谷林道の入口は除雪されており、車2〜3台分のスペースがあった。準備を整えると蛇鏡橋を渡ってスキー場に向かう車道を歩き始める。スキー場がオープンする時間帯なのだろう。ひっきりなしにスキー場へ向かう車が通る。三重ナンバーの車もあったが、東海北陸自動車道を北上すると意外と近いのかもしれない。
谷の正面には蛇鏡山の広々とした雪の斜面が見える。スキー場の手前のヘアピンカープから長倉谷の林道へと入る。除雪された車道の周囲には1m近くは雪が積もっているので、ここに林道があるということを知らなければ単に雪原が広がっているようにしか見えないだろう。
最初に現れる谷を奥に進むとすぐに沢に進路を遮られるので、右岸の尾根に取り付く。少し登ったところで、706mの標高点に向かっているつもりがゲレンデに向かう尾根を登っていることに気がつく。ゲレンデの縁に沿って尾根が続いているようなので、尾根をこのまま辿り、蛇鏡山(△1121.2)に登るコース取りに変更する。
ゲレンデからは強風のためにリフトの運行を中止する旨の放送が聞こえる。ゲレンデが近づくとその外を歩くのだが、尾根がリフトの下に出てしまう。どうやら隣の尾根を辿るのが正解だったようだ。幸いリフトは止まっている。リフトの下はゲレンデではないので、スキーヤーに遭遇する心配はない。すぐにリフトの下から出て右手の尾根に乗ると、我々がリフトの下から出るのを待っていたかのようにすぐにもリフトが動き始めた。
スキー場の脇の尾根は二次林ではあろうが、快適な自然林の樹林が続く。足元を見るとわずかに薄雪が積もっている。昨夜はこのあたりは雪だったようだ。背後には雲の下から朝陽に輝く大きな山が姿を現す。先週に縦走したばかりの大日ヶ岳だった。
やがて穏やかな自然林の尾根の行く手には蛇鏡山への急峻な尾根が近づいてくる。尾根の上の方は雲の中だが、樹々には微かに霧氷がついているようだ。尾根は登るにつれて急に斜度を増し、まもなく険阻な痩せ尾根となる。尾根芯は所々で雪が切れて藪が露出しているが、藪を避けて右側の雪の急斜面に踏み込むことはあり得ない。急斜面は大きな岩の下でいくつもの雪割れが生じており、雪割れを乗り越えられない可能性もあるだろう。尾根から下向きにせり出した低木をぐいと掴んで藪を正面突破する。
再び尾根芯に雪が現れると藪こぎからは解放されるものの、急傾斜のためにさらなる緊張を強いられる。幸い、スノーシューが程よく雪に食い込んでくれる。一歩一歩、慎重にステップを刻み込みながら登ってゆく。二週間前のような硬く締まった雪質であればアイゼンとピッケル無くしては到底登れないところであっただろう。
尾根の上部で再び雪が切れる。尾根芯の藪の中には鹿のものと思われる微かな踏み跡があるようだ。薄い踏み跡に沿って、低木の藪を掴んでよじ登る。樹々はよく見ると透明な氷がついているものが多い。霧氷ではなく、雨氷だ。過冷却された雨が冷たい樹に吹き付けられて結氷したものらしい。樹木のない尾根からは背後には滝波山から平家岳へと至る越美国境の稜線の好展望が広がる。しかし残念ながら急斜面の藪こぎと登攀に必死で、展望や雨氷を楽しむ余裕はない。
当初は反時計回りの周回を考えこの尾根を下降することを考えていたが、この尾根はあまりにも急峻であり、下降には適さないだろう。当山行の前に山日和さんからコース取りのアドバイスを頂き、時計回りの周回にしたことは様々な意味で正解であった。
最後の藪を越えるとようやく足元の傾斜が緩くなるのがわかる。ようやく一息ついて、周囲の好展望を見渡す余裕が出来る。いつしか、雲も上がり、雲の合間から陽光が溢れ始める。わずかに登るとなだらかな小さなピークに出る。GPSで確認するとここが蛇鏡山であった。
蛇鏡山からはそれまでのスリリングな尾根からは一転、樹林の緩やかな尾根が続いている。雲の中から現れた樹木はしっかりと真っ白な霧氷を纏っている。雪の上には薄っすらと新雪が積もっており、久しぶりの新雪の感触が心地よい。次のピーク、ca1150mは蛇鏡山より標高が高く、樹のない好展望のピークだ。三角点を設置するならこちらのピークの方が適切のようにも思える。蒼穹を見上げながら純白のピークを目指す。
東側には小白山、野伏ヶ岳がすっきりとした姿を見せる。滝波山、平家岳を振り返ると、これらの山々には遠目にもわかる霧氷がついているのがわかる。
霧氷の回廊の先には雲の中から木無山の山頂、そして白山が一瞬、姿を見せる。
次のca1170mとの間の小さなコルは二重尾根となり、尾根の間は樹木のない船窪地形となっている。船窪の小さな雪原に下降して霧氷の大樹に取り囲まれながら、雲が通り過ぎるのを待つ。以前のスノー衆では丁度、このあたりで稜線に出たところだろう。
ブナの疎林が広がる広々とした斜面を登り始めると、次々と光の波が現れ、ca1150mのピークから辿ってきた霧氷の尾根の上を高速で通り過ぎてゆく。
ca1170mの細長い台地状のピークに乗るとブナの巨樹の回廊となる。樹々の霧氷はさらにスケールアップする。雲の合間から光がさすと、樹林の中は陽光に煌めく霧氷のせいであたかも豪奢な照明をつけたようだ。
霧氷の樹林を抜けるといよいよ木無山への最後の登りとなる。背後に見える鋭鋒は屏風山だろうか、彼方には姥ヶ岳から能郷白山へと続く山並みが雲の中から姿を見せる。
いつしか木無山にかかる雲はすっかり晴れて、山頂部には木無山の字の如く、木の無い純白の雪稜が姿を見せる。スノー衆においても山頂部を見上げた参加者の方々から歓声が上がったことは想像に難くない。
東側には大きく張り出した雪庇には所々で大きな雪割れを生じている。雪庇の尾根からは東側に大日ヶ岳の彼方には御嶽山が見える。先週末、赤樽山から徳平山への縦走から眺めた時に比べかなり山が白くなったように思えるのは、おそらく昨日、降雪があったのだろう。隣の荒島岳もようやく雲がとれて、白い頂きを見せる。
西側斜面の樹林は霧氷が真っ白である。このあたりが霧氷のクライマックスだろう。時間は昼前、この時間までこれだけの霧氷が残っているのが驚きだ。パラパラと霧氷の落下が始まっているが、それでも十分すぎるくらいに霧氷が残っている。もう少しすると霧氷が一気に落下する時間が到来するのだろうが、よくぞ我々がここに到着するまで残っていてくれたものだと思う。この霧氷の壮麗な樹林を通過してしまうのが勿体なくて、なかなか尾根を先に進むことが出来ない。
いよいよ樹林が切れたところで、山頂までの最後の雪稜を一気に登り詰める。山頂に立った瞬間、白山、そして経ヶ岳、赤兎山、大長山の展望が一気に視界に飛び込む。樹の一切ない360度の大展望が広がる。しかし、山頂に立った途端に強烈な風が吹いている。この山頂部に樹が育たないのは経ヶ岳や荒島岳と同様、ここも日本海側から九頭竜川に沿って吹き込む風の通り道であり、雪の下には風衝草原が広がっているのだろう。
山頂の東側の小さな雪庇の下に回り込むと風の影に入ったのだろう。先程までの強風が嘘のように風は微塵も感じられなくなる。立山を左手に眺めながら、目の前に広がる霧氷の樹林を前にランチ休憩をとる。
下山はp1153へのコルに向かって下降する。鞍部に下ると霧氷は急に消える。p1153から南東の緩斜面に下降すると、樹木のないだだっ広い平地が現れる。尾根伝いに南下すると、ブナの大樹の疎林の広がるなだらかな斜面にはいく筋もの小さな源頭が襞を刻んでいる。地図では表現されない複雑な地形は歩いているうちに刻々と風景が変化してゆく。やがて尾根は急速に収束し、ca1060mにかけて緩やかな登り返しとなる。
尾根の西側からは蛇鏡山から木無山へと午前中に歩いた稜線を一望することが出来る。尾根の東側にはもとより霧氷はほとんどついていないのであるが、ここからは木無山の山頂にわずかに霧氷を認めるばかりだ。南尾根の西側斜面の大きく発達した霧氷も今頃は落下してしまった頃だろうか。
ca1060からはスノー衆で辿られた南に延びる尾根を下降することも考えられたが、p993から南に延びる急下降の尾根を下降することにする。どうもスノー衆のルートでは最後にアトラクションがあるように思うのは気のせいだろうか。
ここからは植林の急下降となり早々に雪が切れるので、スノーシューを脱いで下降する。痩せ尾根の急下降ではあるが、足場は豊富にあり、無理な下降ではない。やがて尾根の下部で傾斜がゆるかな二次林になると雪が現れ、再びスノーシューを履く。ca710mの南東に突き出す尾根を目がけて植林の中を下降してゆくと、忽然と雪の平地の中に池が現れる。
池は驚くほど澄んだ透明な水を湛えており、風もないのに水面にはさざ波が立っている。どうやら滾々と水が湧き出しているようだ。池というより泉と呼ぶのが適切なのだろう。雪の中にあって微睡から醒めた瞳のような輝きを放つその泉は山行の終章に清冽な印象を与えてくれるのだった。
あとは緩やかに尾根伝いに下るだけだ。無事に林道に着地すると前坂谷の左岸へと橋を渡る。前坂谷の右岸にも細い林道が続いているようだった。あとはわずかに林道を歩いて、debrisを越えることもなく駐車地に帰還する。車に戻ると時間は15時前、車外温度は12℃となっていた。
山行距離はtotalで10km少々で7時間近くと、普段よりはかなり時間をかけて歩いたことになる。山行の充足感は距離や時間、そして山の知名度とは全く相関しないものだとよく思うが、まさにその好例とも云うべき山行であった。改めて、この山を教えて下さり、また山行前に的確なアドバイスを下さった山日和導師に深謝である。それにしても、この素晴らしい山が世にほとんど知られていないことが不思議だが、あと十年もすると人口に膾炙するようになるのだろうか。
ところで山行の翌日のこと、家内が車に乗り込むとその液晶の上を大きなマダニが這っていたらしい。この山中でダニに取り付かれるとは予想だにしていなかった。油断大敵である。
【 山 域 】奥越
【メンバー】山猫、家内
【 天 候 】曇りのち晴れ
【 ルート 】前坂谷林道入口8:01〜10:05蛇鏡山10:12〜12:01木無山12:25〜13;37p993〜14:53駐車地
先月の上谷山〜三国岳の山行の後半で家内が脚の付け根に痛みを生じたので、今回は距離の短めの山でなおかつ雪が十分にある山・・・という条件で山行先を考えることなる。思い浮かんだのは先週のスノー衆において、徳平山の手間で、白山の左手の方角を眺めながらあれが木無山と山日和導師が教えて下さった山だ。その瞬間、他の選択肢は全く考えられなくなるほど、この木無山はまさに格好の山に思われた。
この山は以前にスノー衆が開催されたところらしい。やぶこぎのサイト内を検索しても上がってこなかったのだが、今回のスノー衆のクロオさんのレスのお陰で2015/2/28の山行だったことを知り、おど+さんの詳細なrepにたどり着くことが出来る。
早朝、中部縦貫自動車道を越前大野に向かうと、大野盆地の上は晴れ渡っているものの、銀杏峰、経ヶ岳、荒島岳といった大野盆地を取り巻く山々ないずれも雲の中だ。美濃街道を進むと、荒島岳の登山口には多くの車が停められており、勝原スキー場跡地を登っていく登山者が多いようだ。丁度、登り始める登山者が多い時間なのだろう。
和泉スキー場への案内を頼りに九頭龍川を上流へと辿る。スキー場の手前の前坂谷林道の入口は除雪されており、車2〜3台分のスペースがあった。準備を整えると蛇鏡橋を渡ってスキー場に向かう車道を歩き始める。スキー場がオープンする時間帯なのだろう。ひっきりなしにスキー場へ向かう車が通る。三重ナンバーの車もあったが、東海北陸自動車道を北上すると意外と近いのかもしれない。
谷の正面には蛇鏡山の広々とした雪の斜面が見える。スキー場の手前のヘアピンカープから長倉谷の林道へと入る。除雪された車道の周囲には1m近くは雪が積もっているので、ここに林道があるということを知らなければ単に雪原が広がっているようにしか見えないだろう。
最初に現れる谷を奥に進むとすぐに沢に進路を遮られるので、右岸の尾根に取り付く。少し登ったところで、706mの標高点に向かっているつもりがゲレンデに向かう尾根を登っていることに気がつく。ゲレンデの縁に沿って尾根が続いているようなので、尾根をこのまま辿り、蛇鏡山(△1121.2)に登るコース取りに変更する。
ゲレンデからは強風のためにリフトの運行を中止する旨の放送が聞こえる。ゲレンデが近づくとその外を歩くのだが、尾根がリフトの下に出てしまう。どうやら隣の尾根を辿るのが正解だったようだ。幸いリフトは止まっている。リフトの下はゲレンデではないので、スキーヤーに遭遇する心配はない。すぐにリフトの下から出て右手の尾根に乗ると、我々がリフトの下から出るのを待っていたかのようにすぐにもリフトが動き始めた。
スキー場の脇の尾根は二次林ではあろうが、快適な自然林の樹林が続く。足元を見るとわずかに薄雪が積もっている。昨夜はこのあたりは雪だったようだ。背後には雲の下から朝陽に輝く大きな山が姿を現す。先週に縦走したばかりの大日ヶ岳だった。
やがて穏やかな自然林の尾根の行く手には蛇鏡山への急峻な尾根が近づいてくる。尾根の上の方は雲の中だが、樹々には微かに霧氷がついているようだ。尾根は登るにつれて急に斜度を増し、まもなく険阻な痩せ尾根となる。尾根芯は所々で雪が切れて藪が露出しているが、藪を避けて右側の雪の急斜面に踏み込むことはあり得ない。急斜面は大きな岩の下でいくつもの雪割れが生じており、雪割れを乗り越えられない可能性もあるだろう。尾根から下向きにせり出した低木をぐいと掴んで藪を正面突破する。
再び尾根芯に雪が現れると藪こぎからは解放されるものの、急傾斜のためにさらなる緊張を強いられる。幸い、スノーシューが程よく雪に食い込んでくれる。一歩一歩、慎重にステップを刻み込みながら登ってゆく。二週間前のような硬く締まった雪質であればアイゼンとピッケル無くしては到底登れないところであっただろう。
尾根の上部で再び雪が切れる。尾根芯の藪の中には鹿のものと思われる微かな踏み跡があるようだ。薄い踏み跡に沿って、低木の藪を掴んでよじ登る。樹々はよく見ると透明な氷がついているものが多い。霧氷ではなく、雨氷だ。過冷却された雨が冷たい樹に吹き付けられて結氷したものらしい。樹木のない尾根からは背後には滝波山から平家岳へと至る越美国境の稜線の好展望が広がる。しかし残念ながら急斜面の藪こぎと登攀に必死で、展望や雨氷を楽しむ余裕はない。
当初は反時計回りの周回を考えこの尾根を下降することを考えていたが、この尾根はあまりにも急峻であり、下降には適さないだろう。当山行の前に山日和さんからコース取りのアドバイスを頂き、時計回りの周回にしたことは様々な意味で正解であった。
最後の藪を越えるとようやく足元の傾斜が緩くなるのがわかる。ようやく一息ついて、周囲の好展望を見渡す余裕が出来る。いつしか、雲も上がり、雲の合間から陽光が溢れ始める。わずかに登るとなだらかな小さなピークに出る。GPSで確認するとここが蛇鏡山であった。
蛇鏡山からはそれまでのスリリングな尾根からは一転、樹林の緩やかな尾根が続いている。雲の中から現れた樹木はしっかりと真っ白な霧氷を纏っている。雪の上には薄っすらと新雪が積もっており、久しぶりの新雪の感触が心地よい。次のピーク、ca1150mは蛇鏡山より標高が高く、樹のない好展望のピークだ。三角点を設置するならこちらのピークの方が適切のようにも思える。蒼穹を見上げながら純白のピークを目指す。
東側には小白山、野伏ヶ岳がすっきりとした姿を見せる。滝波山、平家岳を振り返ると、これらの山々には遠目にもわかる霧氷がついているのがわかる。
霧氷の回廊の先には雲の中から木無山の山頂、そして白山が一瞬、姿を見せる。
次のca1170mとの間の小さなコルは二重尾根となり、尾根の間は樹木のない船窪地形となっている。船窪の小さな雪原に下降して霧氷の大樹に取り囲まれながら、雲が通り過ぎるのを待つ。以前のスノー衆では丁度、このあたりで稜線に出たところだろう。
ブナの疎林が広がる広々とした斜面を登り始めると、次々と光の波が現れ、ca1150mのピークから辿ってきた霧氷の尾根の上を高速で通り過ぎてゆく。
ca1170mの細長い台地状のピークに乗るとブナの巨樹の回廊となる。樹々の霧氷はさらにスケールアップする。雲の合間から光がさすと、樹林の中は陽光に煌めく霧氷のせいであたかも豪奢な照明をつけたようだ。
霧氷の樹林を抜けるといよいよ木無山への最後の登りとなる。背後に見える鋭鋒は屏風山だろうか、彼方には姥ヶ岳から能郷白山へと続く山並みが雲の中から姿を見せる。
いつしか木無山にかかる雲はすっかり晴れて、山頂部には木無山の字の如く、木の無い純白の雪稜が姿を見せる。スノー衆においても山頂部を見上げた参加者の方々から歓声が上がったことは想像に難くない。
東側には大きく張り出した雪庇には所々で大きな雪割れを生じている。雪庇の尾根からは東側に大日ヶ岳の彼方には御嶽山が見える。先週末、赤樽山から徳平山への縦走から眺めた時に比べかなり山が白くなったように思えるのは、おそらく昨日、降雪があったのだろう。隣の荒島岳もようやく雲がとれて、白い頂きを見せる。
西側斜面の樹林は霧氷が真っ白である。このあたりが霧氷のクライマックスだろう。時間は昼前、この時間までこれだけの霧氷が残っているのが驚きだ。パラパラと霧氷の落下が始まっているが、それでも十分すぎるくらいに霧氷が残っている。もう少しすると霧氷が一気に落下する時間が到来するのだろうが、よくぞ我々がここに到着するまで残っていてくれたものだと思う。この霧氷の壮麗な樹林を通過してしまうのが勿体なくて、なかなか尾根を先に進むことが出来ない。
いよいよ樹林が切れたところで、山頂までの最後の雪稜を一気に登り詰める。山頂に立った瞬間、白山、そして経ヶ岳、赤兎山、大長山の展望が一気に視界に飛び込む。樹の一切ない360度の大展望が広がる。しかし、山頂に立った途端に強烈な風が吹いている。この山頂部に樹が育たないのは経ヶ岳や荒島岳と同様、ここも日本海側から九頭竜川に沿って吹き込む風の通り道であり、雪の下には風衝草原が広がっているのだろう。
山頂の東側の小さな雪庇の下に回り込むと風の影に入ったのだろう。先程までの強風が嘘のように風は微塵も感じられなくなる。立山を左手に眺めながら、目の前に広がる霧氷の樹林を前にランチ休憩をとる。
下山はp1153へのコルに向かって下降する。鞍部に下ると霧氷は急に消える。p1153から南東の緩斜面に下降すると、樹木のないだだっ広い平地が現れる。尾根伝いに南下すると、ブナの大樹の疎林の広がるなだらかな斜面にはいく筋もの小さな源頭が襞を刻んでいる。地図では表現されない複雑な地形は歩いているうちに刻々と風景が変化してゆく。やがて尾根は急速に収束し、ca1060mにかけて緩やかな登り返しとなる。
尾根の西側からは蛇鏡山から木無山へと午前中に歩いた稜線を一望することが出来る。尾根の東側にはもとより霧氷はほとんどついていないのであるが、ここからは木無山の山頂にわずかに霧氷を認めるばかりだ。南尾根の西側斜面の大きく発達した霧氷も今頃は落下してしまった頃だろうか。
ca1060からはスノー衆で辿られた南に延びる尾根を下降することも考えられたが、p993から南に延びる急下降の尾根を下降することにする。どうもスノー衆のルートでは最後にアトラクションがあるように思うのは気のせいだろうか。
ここからは植林の急下降となり早々に雪が切れるので、スノーシューを脱いで下降する。痩せ尾根の急下降ではあるが、足場は豊富にあり、無理な下降ではない。やがて尾根の下部で傾斜がゆるかな二次林になると雪が現れ、再びスノーシューを履く。ca710mの南東に突き出す尾根を目がけて植林の中を下降してゆくと、忽然と雪の平地の中に池が現れる。
池は驚くほど澄んだ透明な水を湛えており、風もないのに水面にはさざ波が立っている。どうやら滾々と水が湧き出しているようだ。池というより泉と呼ぶのが適切なのだろう。雪の中にあって微睡から醒めた瞳のような輝きを放つその泉は山行の終章に清冽な印象を与えてくれるのだった。
あとは緩やかに尾根伝いに下るだけだ。無事に林道に着地すると前坂谷の左岸へと橋を渡る。前坂谷の右岸にも細い林道が続いているようだった。あとはわずかに林道を歩いて、debrisを越えることもなく駐車地に帰還する。車に戻ると時間は15時前、車外温度は12℃となっていた。
山行距離はtotalで10km少々で7時間近くと、普段よりはかなり時間をかけて歩いたことになる。山行の充足感は距離や時間、そして山の知名度とは全く相関しないものだとよく思うが、まさにその好例とも云うべき山行であった。改めて、この山を教えて下さり、また山行前に的確なアドバイスを下さった山日和導師に深謝である。それにしても、この素晴らしい山が世にほとんど知られていないことが不思議だが、あと十年もすると人口に膾炙するようになるのだろうか。
ところで山行の翌日のこと、家内が車に乗り込むとその液晶の上を大きなマダニが這っていたらしい。この山中でダニに取り付かれるとは予想だにしていなかった。油断大敵である。
最後に編集したユーザー yamaneko0922 [ 2021年3月22日(月) 07:45 ], 累計 1 回
山猫
Re: 【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
山猫さん、こんにちは。
【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
木無山、さっそく行かれたのですね。
【 ルート 】前坂谷林道入口8:01〜10:05蛇鏡山10:12〜12:01木無山12:25〜13;37p993〜14:53駐車地
スノー衆2015パート3では、蛇鏡には行かずに、ピーク1,162に上がっています。
この山は以前にスノー衆が開催されたところらしい。やぶこぎのサイト内を検索しても上がってこなかったのだが、今回のスノー衆のクロオさんのレスのお陰で2015/2/28の山行だったことを知り、おど+さんの詳細なrepにたどり着くことが出来る。
今回のスノー衆2021パート1で、山日和さんから、「ルート図」と、「実施要項」と、「メンバーリスト」の、3ファイルのデータをいただいたことと思います。「メンバーリスト」エクセルファイルのシートを、右にずっと見ていくと、過去に実施されたスノー衆の開催場所と開催年が全部リストされています。
また、以前、雑談コーナーに、kitayama-walkさんと、落第忍者さんが、まとめを記述されています。
スノー衆2009のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2921
スノー衆2010のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2920
スノー衆2011のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2919
スノー衆2012のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2912
スノー衆2013のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2910
スノー衆2014のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2909
スノー衆2015のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2908
和泉スキー場への案内を頼りに九頭龍川を上流へと辿る。スキー場の手前の前坂谷林道の入口は除雪されており、車2〜3台分のスペースがあった。
スノー衆2015パート3では、車が4台あったので、料金を払ってスキー場の駐車場に停めました。
尾根の上部で再び雪が切れる。尾根芯の藪の中には鹿のものと思われる微かな踏み跡があるようだ。薄い踏み跡に沿って、低木の藪を掴んでよじ登る。樹々はよく見ると透明な氷がついているものが多い。霧氷ではなく、雨氷だ。過冷却された雨が冷たい樹に吹き付けられて結氷したものらしい。樹木のない尾根からは背後には滝波山から平家岳へと至る越美国境の稜線の好展望が広がる。しかし残念ながら急斜面の藪こぎと登攀に必死で、展望や雨氷を楽しむ余裕はない。
雨氷、見たことあるのかもしれないのですが、意識して見たことありません。これからは気にしてみます。
蛇鏡山からはそれまでのスリリングな尾根からは一転、樹林の緩やかな尾根が続いている。雲の中から現れた樹木はしっかりと真っ白な霧氷を纏っている。雪の上には薄っすらと新雪が積もっており、久しぶりの新雪の感触が心地よい。次のピーク、ca1150mは蛇鏡山より標高が高く、樹のない好展望のピークだ。三角点を設置するならこちらのピークの方が適切のようにも思える。蒼穹を見上げながら純白のピークを目指す。
地図で見ると、Ca1,150mは気持ちのよさそうな台地です。木無山に再度行く機会があったら、蛇鏡山も行ってみたいと思います。
次のca1170mとの間の小さなコルは二重尾根となり、尾根の間は樹木のない船窪地形となっている。船窪の小さな雪原に下降して霧氷の大樹に取り囲まれながら、雲が通り過ぎるのを待つ。以前のスノー衆では丁度、このあたりで稜線に出たところだろう。
おど+さんのレポにあるように、何故か自然に2チームに分かれてしまい、間に窪地があって、お互い見えているのだけど合流できず、結局、計画通り、Ca1,170台地の「つま先」に上がったチームと、直接「かかと」に上がったチームに分かれました。ピーク1,162では合流できました。
霧氷の樹林を抜けるといよいよ木無山への最後の登りとなる。背後に見える鋭鋒は屏風山だろうか、彼方には姥ヶ岳から能郷白山へと続く山並みが雲の中から姿を見せる。
濃厚な霧氷樹林から、大展望、言うこと無しです。
いよいよ樹林が切れたところで、山頂までの最後の雪稜を一気に登り詰める。
スノー衆2015パート3では、ここでアイゼンに履き替えています。
山頂に立った瞬間、白山、そして経ヶ岳、赤兎山、大長山の展望が一気に視界に飛び込む。樹の一切ない360度の大展望が広がる。しかし、山頂に立った途端に強烈な風が吹いている。この山頂部に樹が育たないのは経ヶ岳や荒島岳と同様、ここも日本海側から九頭竜川に沿って吹き込む風の通り道であり、雪の下には風衝草原が広がっているのだろう。
スノー衆2015パート3では、ほとんど風が無かったと思います。山頂で、スノーテーブルを作って休憩しています。
ca1060からはスノー衆で辿られた南に延びる尾根を下降することも考えられたが、p993から南に延びる急下降の尾根を下降することにする。どうもスノー衆のルートでは最後にアトラクションがあるように思うのは気のせいだろうか。
気のせいではありません。いつもアトラクションがあります。
山行距離はtotalで10km少々で7時間近くと、普段よりはかなり時間をかけて歩いたことになる。山行の充足感は距離や時間、そして山の知名度とは全く相関しないものだとよく思うが、まさにその好例とも云うべき山行であった。
山日和さんが、スノー衆2015パート2の最後の挨拶の時に、次のスノー衆は「隠し玉」と説明されたのを記憶しています。
いつも感動のスノー衆なのですが、その中でもぴか一のスノー衆だったと思います。
クロオ
【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
木無山、さっそく行かれたのですね。
【 ルート 】前坂谷林道入口8:01〜10:05蛇鏡山10:12〜12:01木無山12:25〜13;37p993〜14:53駐車地
スノー衆2015パート3では、蛇鏡には行かずに、ピーク1,162に上がっています。
この山は以前にスノー衆が開催されたところらしい。やぶこぎのサイト内を検索しても上がってこなかったのだが、今回のスノー衆のクロオさんのレスのお陰で2015/2/28の山行だったことを知り、おど+さんの詳細なrepにたどり着くことが出来る。
今回のスノー衆2021パート1で、山日和さんから、「ルート図」と、「実施要項」と、「メンバーリスト」の、3ファイルのデータをいただいたことと思います。「メンバーリスト」エクセルファイルのシートを、右にずっと見ていくと、過去に実施されたスノー衆の開催場所と開催年が全部リストされています。
また、以前、雑談コーナーに、kitayama-walkさんと、落第忍者さんが、まとめを記述されています。
スノー衆2009のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2921
スノー衆2010のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2920
スノー衆2011のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2919
スノー衆2012のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2912
スノー衆2013のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2910
スノー衆2014のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2909
スノー衆2015のまとめ
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=11&t=2908
和泉スキー場への案内を頼りに九頭龍川を上流へと辿る。スキー場の手前の前坂谷林道の入口は除雪されており、車2〜3台分のスペースがあった。
スノー衆2015パート3では、車が4台あったので、料金を払ってスキー場の駐車場に停めました。
尾根の上部で再び雪が切れる。尾根芯の藪の中には鹿のものと思われる微かな踏み跡があるようだ。薄い踏み跡に沿って、低木の藪を掴んでよじ登る。樹々はよく見ると透明な氷がついているものが多い。霧氷ではなく、雨氷だ。過冷却された雨が冷たい樹に吹き付けられて結氷したものらしい。樹木のない尾根からは背後には滝波山から平家岳へと至る越美国境の稜線の好展望が広がる。しかし残念ながら急斜面の藪こぎと登攀に必死で、展望や雨氷を楽しむ余裕はない。
雨氷、見たことあるのかもしれないのですが、意識して見たことありません。これからは気にしてみます。
蛇鏡山からはそれまでのスリリングな尾根からは一転、樹林の緩やかな尾根が続いている。雲の中から現れた樹木はしっかりと真っ白な霧氷を纏っている。雪の上には薄っすらと新雪が積もっており、久しぶりの新雪の感触が心地よい。次のピーク、ca1150mは蛇鏡山より標高が高く、樹のない好展望のピークだ。三角点を設置するならこちらのピークの方が適切のようにも思える。蒼穹を見上げながら純白のピークを目指す。
地図で見ると、Ca1,150mは気持ちのよさそうな台地です。木無山に再度行く機会があったら、蛇鏡山も行ってみたいと思います。
次のca1170mとの間の小さなコルは二重尾根となり、尾根の間は樹木のない船窪地形となっている。船窪の小さな雪原に下降して霧氷の大樹に取り囲まれながら、雲が通り過ぎるのを待つ。以前のスノー衆では丁度、このあたりで稜線に出たところだろう。
おど+さんのレポにあるように、何故か自然に2チームに分かれてしまい、間に窪地があって、お互い見えているのだけど合流できず、結局、計画通り、Ca1,170台地の「つま先」に上がったチームと、直接「かかと」に上がったチームに分かれました。ピーク1,162では合流できました。
霧氷の樹林を抜けるといよいよ木無山への最後の登りとなる。背後に見える鋭鋒は屏風山だろうか、彼方には姥ヶ岳から能郷白山へと続く山並みが雲の中から姿を見せる。
濃厚な霧氷樹林から、大展望、言うこと無しです。
いよいよ樹林が切れたところで、山頂までの最後の雪稜を一気に登り詰める。
スノー衆2015パート3では、ここでアイゼンに履き替えています。
山頂に立った瞬間、白山、そして経ヶ岳、赤兎山、大長山の展望が一気に視界に飛び込む。樹の一切ない360度の大展望が広がる。しかし、山頂に立った途端に強烈な風が吹いている。この山頂部に樹が育たないのは経ヶ岳や荒島岳と同様、ここも日本海側から九頭竜川に沿って吹き込む風の通り道であり、雪の下には風衝草原が広がっているのだろう。
スノー衆2015パート3では、ほとんど風が無かったと思います。山頂で、スノーテーブルを作って休憩しています。
ca1060からはスノー衆で辿られた南に延びる尾根を下降することも考えられたが、p993から南に延びる急下降の尾根を下降することにする。どうもスノー衆のルートでは最後にアトラクションがあるように思うのは気のせいだろうか。
気のせいではありません。いつもアトラクションがあります。
山行距離はtotalで10km少々で7時間近くと、普段よりはかなり時間をかけて歩いたことになる。山行の充足感は距離や時間、そして山の知名度とは全く相関しないものだとよく思うが、まさにその好例とも云うべき山行であった。
山日和さんが、スノー衆2015パート2の最後の挨拶の時に、次のスノー衆は「隠し玉」と説明されたのを記憶しています。
いつも感動のスノー衆なのですが、その中でもぴか一のスノー衆だったと思います。
クロオ
-
- 記事: 539
- 登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
- お住まい: 京都市左京区
Re: 【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
クロオさん コメント有難うございます。
>今回のスノー衆2021パート1で、山日和さんから、「ルート図」と、「実施要項」と、「メンバーリスト」の、3ファイルのデータをいただいたことと思います。「メンバーリスト」エクセルファイルのシートを、右にずっと見ていくと、過去に実施されたスノー衆の開催場所と開催年が全部リストされています。
有難うございます。気がついておりませんでした。
>スノー衆2015パート3では、車が4台あったので、料金を払ってスキー場の駐車場に停めました。
なんと! 車の主たちはどこに行かれたんでしょうね。
>雨氷、見たことあるのかもしれないのですが、意識して見たことありません。これからは気にしてみます。
写真を撮る余裕があれば良かったのですが・・・
もう少し上に行ってから、と思っているうちに気が付いたら霧氷に変わっておりました。
>地図で見ると、Ca1,150mは気持ちのよさそうな台地です。
確かに、360度の好展望の気持ちよい小ピークでした。
>木無山に再度行く機会があったら、蛇鏡山も行ってみたいと思います。
写真では大した尾根に見えないかもしれませんが、この蛇鏡山への尾根の登りが難所でした。
今回はスノーシューで登れましたが、下降はアイゼンが必要かも・・・というより登りで通る方がいいと思います。 >濃厚な霧氷樹林から、大展望、言うこと無しです。
先日のスノー衆もそうでしたが、まさに望外の霧氷でした。
>スノー衆2015パート3では、ここでアイゼンに履き替えています。
さすがにこの時は雪が一段と多いですね。
>スノー衆2015パート3では、ほとんど風が無かったと思います。山頂で、スノーテーブルを作って休憩しています。
天気にも恵まれて、この山頂で360度の好展望を見ながらのランチはさぞかし素晴らしかったでしょうね。
私達もそのつもりだったのですが、山頂だけ強風が吹いていました。
>気のせいではありません。いつもアトラクションがあります。
やはり
>次のスノー衆は「隠し玉」と説明されたのを記憶しています。
わしたかさんが「さすが山日和さんの隠し玉」とコメントされておられましたが、なるほど、そういう背景があったのですね。
>いつも感動のスノー衆なのですが、その中でもぴか一のスノー衆だったと思います。
その感動のおこぼれに預かることが出来た気分です。
スノー衆の記録のまとめ、過去のスノー衆におけるアトラクションのお写真など、お時間がかかったことと推察されますが、ご丁寧なコメント恐縮です。
>今回のスノー衆2021パート1で、山日和さんから、「ルート図」と、「実施要項」と、「メンバーリスト」の、3ファイルのデータをいただいたことと思います。「メンバーリスト」エクセルファイルのシートを、右にずっと見ていくと、過去に実施されたスノー衆の開催場所と開催年が全部リストされています。
有難うございます。気がついておりませんでした。
>スノー衆2015パート3では、車が4台あったので、料金を払ってスキー場の駐車場に停めました。
なんと! 車の主たちはどこに行かれたんでしょうね。
>雨氷、見たことあるのかもしれないのですが、意識して見たことありません。これからは気にしてみます。
写真を撮る余裕があれば良かったのですが・・・
もう少し上に行ってから、と思っているうちに気が付いたら霧氷に変わっておりました。
>地図で見ると、Ca1,150mは気持ちのよさそうな台地です。
確かに、360度の好展望の気持ちよい小ピークでした。
>木無山に再度行く機会があったら、蛇鏡山も行ってみたいと思います。
写真では大した尾根に見えないかもしれませんが、この蛇鏡山への尾根の登りが難所でした。
今回はスノーシューで登れましたが、下降はアイゼンが必要かも・・・というより登りで通る方がいいと思います。 >濃厚な霧氷樹林から、大展望、言うこと無しです。
先日のスノー衆もそうでしたが、まさに望外の霧氷でした。
>スノー衆2015パート3では、ここでアイゼンに履き替えています。
さすがにこの時は雪が一段と多いですね。
>スノー衆2015パート3では、ほとんど風が無かったと思います。山頂で、スノーテーブルを作って休憩しています。
天気にも恵まれて、この山頂で360度の好展望を見ながらのランチはさぞかし素晴らしかったでしょうね。
私達もそのつもりだったのですが、山頂だけ強風が吹いていました。
>気のせいではありません。いつもアトラクションがあります。
やはり
>次のスノー衆は「隠し玉」と説明されたのを記憶しています。
わしたかさんが「さすが山日和さんの隠し玉」とコメントされておられましたが、なるほど、そういう背景があったのですね。
>いつも感動のスノー衆なのですが、その中でもぴか一のスノー衆だったと思います。
その感動のおこぼれに預かることが出来た気分です。
スノー衆の記録のまとめ、過去のスノー衆におけるアトラクションのお写真など、お時間がかかったことと推察されますが、ご丁寧なコメント恐縮です。
山猫
-
- 記事: 2227
- 登録日時: 2011年2月20日(日) 10:10
- 連絡する:
Re: 【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
yamanekoさん、こんにちは。外は雨です。
【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
懐かしいなぁ~。
先月の上谷山〜三国岳の山行の後半で家内が脚の付け根に痛みを生じたので、今回は距離の短めの山で
木無山で軽めの山ですか。グーの適正標高差を越えているのですが・・・・
先週のスノー衆において、あれが木無山と山日和導師が教えて下さった山だ。
そうなのです。木無山と縫ヶ原山はグーにとって忘れられないスノー衆です。
どちらも再訪したい。山日和さんが再び企画してくれるのを期待しています。
蛇鏡山への急峻な尾根が近づいてくる。尾根は登るにつれて急に斜度を増し、まもなく険阻な痩せ尾根となる。
急傾斜のためにさらなる緊張を強いられる。一歩一歩、慎重にステップを刻み込みながら登ってゆく。
山日和さんに「なぜ美しい周回にしないのですか?」と聞いた時
「ちょっと厳しい箇所があるので」との返事でしたが、その通りのようですね。
樹々はよく見ると透明な氷がついているものが多い。霧氷ではなく、雨氷だ。
ごく限られた条件でしかできない現象ですね。
グーも1度だけ見たことがあります。ガラス細工のようで美しいですね。
次のca1170mとの間の小さなコルは二重尾根となり、尾根の間は樹木のない船窪地形となっている。
以前のスノー衆では丁度、このあたりで稜線に出たところだろう。
いつまでも居たい美しい所でした。
樹の一切ない360度の大展望が広がる。しかし、山頂に立った途端に強烈な風が吹いている。
スノー衆では純白の新雪に快晴無風。山頂でランチテーブルを切りました。
こんな条件のいい日は滅多とないと思います。
どうもスノー衆のルートでは最後にアトラクションがあるように思うのは気のせいだろうか。
このアトラクションを期待している変人も少なからずいるように思うのは気のせいだろうか?
山行の充足感は距離や時間、そして山の知名度とは全く相関しないものだとよく思うが、
まさにその好例とも云うべき山行であった。
まったく同感です。
山日和さんもグーの脚力で参加を許してくれる心優しい導師です。
スノー衆の募集要項の中に
自分のペースで歩きたい方は参加をご遠慮下さい。
の一文があるのはこの木無山の1つ前のスノー衆で
グーが連帯行動を無視してわがままな彷徨を延々と続けたのがもとです。
「穴があったら入りたい」グーに賛同いただいた木無山スノー衆でした。
グー(伊勢山上住人)
Re: 【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
山猫さん、こんにちは。
>スノー衆2015パート3では、車が4台あったので、料金を払ってスキー場の駐車場に停めました。
なんと! 車の主たちはどこに行かれたんでしょうね。
我々が4台の車だったので、スキー場の駐車場を前にして路肩に4台も停めるのはひんしゅくなので、山日和さんが配慮して、皆さんの同意を取ってスキー場の駐車場に停めました。
スキー客からは、「何だ、こいつら」というような白い目で見られていたような・・・。
私の書き方が中途半端で、すみません。
クロオ
>スノー衆2015パート3では、車が4台あったので、料金を払ってスキー場の駐車場に停めました。
なんと! 車の主たちはどこに行かれたんでしょうね。
我々が4台の車だったので、スキー場の駐車場を前にして路肩に4台も停めるのはひんしゅくなので、山日和さんが配慮して、皆さんの同意を取ってスキー場の駐車場に停めました。
スキー客からは、「何だ、こいつら」というような白い目で見られていたような・・・。
私の書き方が中途半端で、すみません。
クロオ
最後に編集したユーザー クロオ [ 2021年3月21日(日) 14:04 ], 累計 1 回
-
- 記事: 539
- 登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
- お住まい: 京都市左京区
Re: 【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
グーさん コメント有難うございます。
>外は雨です。
今日はかなり降りますね。
>木無山と縫ヶ原山はグーにとって忘れられないスノー衆です。
木無山に比肩しうるのは縫ヶ原山ですか!
ここはグーさんがrep担でしたね、面白く拝読させて頂きました。
実は昨日、訪れてきたところです。
>どちらも再訪したい。山日和さんが再び企画してくれるのを期待しています。
ナズナさんといらっしゃれば良いではないですか。
中部縦貫が完成すればアプローチがもっと早くなるかもしれませんね。
>山日和さんに「なぜ美しい周回にしないのですか?」と聞いた時
「ちょっと厳しい箇所があるので」との返事でしたが、その通りのようですね。
なるほどです。それであのコース取り、山日和導師さすがですね。
再訪する機会があれば、今度は皆さんが登られた緩斜面を辿ってみたいです。
>ごく限られた条件でしかできない現象ですね。
グーも1度だけ見たことがあります。ガラス細工のようで美しいですね。
陽光に煌めくと綺麗なのでしょうが、この時は全く余裕はありませんでした。
しかも、あまり発達したものではありませんでした。大きく発達すると重さで木が倒れてしまうそうですね。
>スノー衆では純白の新雪に快晴無風。山頂でランチテーブルを切りました。
こんな条件のいい日は滅多とないと思います。
同感です。こんな所で無風でランチが出来るとは無上の歓びですね。
そういえば、先日のスノー衆も風もなく、恵まれた日でしたね。前日とは大違い!
>このアトラクションを期待している変人も少なからずいるように思うのは気のせいだろうか?
そんな人、本当にいらっしゃるんですか?
グーさんもクロオさんも、当時のスノー衆の山行のお写真を追加してくださったお陰で、素晴らしき山行の愉しさをお裾分けして頂いた感じが致します。
有難うございました。
>外は雨です。
今日はかなり降りますね。
>木無山と縫ヶ原山はグーにとって忘れられないスノー衆です。
木無山に比肩しうるのは縫ヶ原山ですか!
ここはグーさんがrep担でしたね、面白く拝読させて頂きました。
実は昨日、訪れてきたところです。
>どちらも再訪したい。山日和さんが再び企画してくれるのを期待しています。
ナズナさんといらっしゃれば良いではないですか。
中部縦貫が完成すればアプローチがもっと早くなるかもしれませんね。
>山日和さんに「なぜ美しい周回にしないのですか?」と聞いた時
「ちょっと厳しい箇所があるので」との返事でしたが、その通りのようですね。
なるほどです。それであのコース取り、山日和導師さすがですね。
再訪する機会があれば、今度は皆さんが登られた緩斜面を辿ってみたいです。
>ごく限られた条件でしかできない現象ですね。
グーも1度だけ見たことがあります。ガラス細工のようで美しいですね。
陽光に煌めくと綺麗なのでしょうが、この時は全く余裕はありませんでした。
しかも、あまり発達したものではありませんでした。大きく発達すると重さで木が倒れてしまうそうですね。
>スノー衆では純白の新雪に快晴無風。山頂でランチテーブルを切りました。
こんな条件のいい日は滅多とないと思います。
同感です。こんな所で無風でランチが出来るとは無上の歓びですね。
そういえば、先日のスノー衆も風もなく、恵まれた日でしたね。前日とは大違い!
>このアトラクションを期待している変人も少なからずいるように思うのは気のせいだろうか?
そんな人、本当にいらっしゃるんですか?
グーさんもクロオさんも、当時のスノー衆の山行のお写真を追加してくださったお陰で、素晴らしき山行の愉しさをお裾分けして頂いた感じが致します。
有難うございました。
最後に編集したユーザー yamaneko0922 [ 2021年3月21日(日) 14:17 ], 累計 1 回
山猫
-
- 記事: 539
- 登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
- お住まい: 京都市左京区
Re: 【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
クロオさん ご丁寧にご説明、有難うございます。
>我々が4台の車だったので、スキー場の駐車場を前にして路肩に4台も停めるのはひんしゅくなので、山日和さんが配慮して、皆さんの同意を取ってスキー場の駐車場に停めました。
よくよく考えたら、そうですね。私の読解力不足でした。
>スキー客からは、「何だ、こいつら」というような白い目で見られていたような・・・。
白い目ではないとは思いますが、どこに行かれるのだろう・・・と好奇の眼差しで見られたかもしれませんね
>スキー場から林道へ
やはり明らかに道路脇の雪が多いです。
今回は雪の高さはせいぜい私の肩もなかったと思いますので。
>我々が4台の車だったので、スキー場の駐車場を前にして路肩に4台も停めるのはひんしゅくなので、山日和さんが配慮して、皆さんの同意を取ってスキー場の駐車場に停めました。
よくよく考えたら、そうですね。私の読解力不足でした。
>スキー客からは、「何だ、こいつら」というような白い目で見られていたような・・・。
白い目ではないとは思いますが、どこに行かれるのだろう・・・と好奇の眼差しで見られたかもしれませんね
>スキー場から林道へ
やはり明らかに道路脇の雪が多いです。
今回は雪の高さはせいぜい私の肩もなかったと思いますので。
山猫
Re: 【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
山猫さん、こんばんは。
思い浮かんだのは先週のスノー衆において、徳平山の手間で、白山の左手の方角を眺めながらあれが木無山と山日和導師が教えて下さった山だ。その瞬間、他の選択肢は全く考えられなくなるほど、この木無山はまさに格好の山に思われた。
木無山は「無名峰」と言うにはちょっとですね。地形図に名前が無いのは確かですが。
早朝、中越自動車道を越前大野に向かうと、
「中越」⇒「北陸」ですね。
三重ナンバーの車もあったが、中越自動車道を北上すると意外と近いのかもしれない。
あれっ、「中越」⇒「東海北陸」?
やがて穏やかな自然林の尾根の行く手には蛇鏡山への急峻な尾根が近づいてくる。尾根の上の方は雲の中だが、樹々には微かに霧氷がついているようだ。尾根は登るにつれて急に斜度を増し、まもなく険阻な痩せ尾根となる。尾根芯は所々で雪が切れて藪が露出しているが、藪を避けて右側の雪の急斜面に踏み込むことはあり得ない。急斜面は大きな岩の下でいくつもの雪割れが生じており、雪割れを乗り越えられない可能性もあるだろう。尾根から下向きにせり出した低木をぐいと掴んで藪を正面突破する。
私が初めて訪れた20年ほど前も蛇鏡山経由でした。東側に岩壁があり、結構厳しい登行だった記憶があります。
ヤブはなかったですけどね。
当初は反時計回りの周回を考えこの尾根を下降することを考えていたが、この尾根はあまりにも急峻であり、下降には適さないだろう。当山行の前に山日和さんからコース取りのアドバイスを頂き、時計回りの周回にしたことは様々な意味で正解であった。
ここを下りるつもりなら当然ですね。逆回りなら蛇鏡を経由せずに手前から下れば気持ち良く下りられます。
ca1170mの細長い台地状のピークに乗るとブナの巨樹の回廊となる。樹々の霧氷はさらにスケールアップする。雲の合間から光がさすと、樹林の中は陽光に煌めく霧氷のせいであたかも豪奢な照明をつけたようだ。
霧氷の樹林を抜けるといよいよ木無山への最後の登りとなる。背後に見える鋭鋒は屏風山だろうか、彼方には姥ヶ岳から能郷白山へと続く山並みが雲の中から姿を見せる。
いつしか木無山にかかる雲はすっかり晴れて、山頂部には木無山の字の如く、木の無い純白の雪稜が姿を見せる。スノー衆においても山頂部を見上げた参加者の方々から歓声が上がったことは想像に難くない。
このあたりから木無山南尾根のクライマックスですね。真っ白な雪稜の先に見える山頂を望めば、いやが上にも気分が高揚します。
東側には大きく張り出した雪庇には所々で大きな雪割れを生じている。
ちょっと危険地帯っぽい匂いがまたいいんですね。
雪庇の尾根からは東側に大日ヶ岳の彼方には御嶽山が見える。先週末、赤樽山から徳平山への縦走から眺めた時に比べかなり山が白くなったように思えるのは、おそらく昨日、降雪があったのだろう。隣の荒島岳もようやく雲がとれて、白い頂きを見せる。
西側斜面の樹林は霧氷が真っ白である。このあたりが霧氷のクライマックスだろう。時間は昼前、この時間までこれだけの霧氷が残っているのが驚きだ。パラパラと霧氷の落下が始まっているが、それでも十分すぎるくらいに霧氷が残っている。
うらやましい限りです。少し離れただけの岩穴谷山ではぜんぜんでした。
最後の雪稜を一気に登り詰める。山頂に立った瞬間、白山、そして経ヶ岳、赤兎山、大長山の展望が一気に視界に飛び込む。樹の一切ない360度の大展望が広がる。しかし、山頂に立った途端に強烈な風が吹いている。この山頂部に樹が育たないのは経ヶ岳や荒島岳と同様、ここも日本海側から九頭竜川に沿って吹き込む風の通り道であり、雪の下には風衝草原が広がっているのだろう。
遮られていた展望が一気に開ける瞬間は爽快ですね。
しかし残念ながら、雪の下はねじ曲がった潅木のヤブです。
下山はp1153へのコルに向かって下降する。鞍部に下ると霧氷は急に消える。p1153から南東の緩斜面に下降すると、樹木のないだだっ広い平地が現れる。尾根伝いに南下すると、ブナの大樹の疎林の広がるなだらかな斜面にはいく筋もの小さな源頭が襞を刻んでいる。地図では表現されない複雑な地形は歩いているうちに刻々と風景が変化してゆく。やがて尾根は急速に収束し、ca1060mにかけて緩やかな登り返しとなる。
初めて訪れた時、洞吹さんと木無平と名付けた場所です。実にいいところですね。
ブナ林と入り組んだ谷の源頭のコンビネーションが素晴らしいです。
ca1060からはスノー衆で辿られた南に延びる尾根を下降することも考えられたが、p993から南に延びる急下降の尾根を下降することにする。どうもスノー衆のルートでは最後にアトラクションがあるように思うのは気のせいだろうか。
それは気のせいです。
池は驚くほど澄んだ透明な水を湛えており、風もないのに水面にはさざ波が立っている。どうやら滾々と水が湧き出しているようだ。池というより泉と呼ぶのが適切なのだろう。雪の中にあって微睡から醒めた瞳のような輝きを放つその泉は山行の終章に清冽な印象を与えてくれるのだった。
これはなかなかいいルートを開拓しましたね。雪の中の池というのは味わい深いものがあります。
山行距離はtotalで10km少々で7時間近くと、普段よりはかなり時間をかけて歩いたことになる。山行の充足感は距離や時間、そして山の知名度とは全く相関しないものだとよく思うが、まさにその好例とも云うべき山行であった。
その通りですね。たくさん歩けばいいというものではありません。なんちゃって。
それにしても、この素晴らしい山が世にほとんど知られていないことが不思議だが、あと十年もすると人口に膾炙するようになるのだろうか。
登山道がないというのがすべてでしょう。そんな山は数え切れないほどあります。
ところで山行の翌日のこと、家内が車に乗り込むとその液晶の上を大きなマダニが這っていたらしい。この山中でダニに取り付かれるとは予想だにしていなかった。油断大敵である。
実は私も三周の山頂で、シートの上をダニが歩いているのを発見しました。
山日和
思い浮かんだのは先週のスノー衆において、徳平山の手間で、白山の左手の方角を眺めながらあれが木無山と山日和導師が教えて下さった山だ。その瞬間、他の選択肢は全く考えられなくなるほど、この木無山はまさに格好の山に思われた。
木無山は「無名峰」と言うにはちょっとですね。地形図に名前が無いのは確かですが。
早朝、中越自動車道を越前大野に向かうと、
「中越」⇒「北陸」ですね。
三重ナンバーの車もあったが、中越自動車道を北上すると意外と近いのかもしれない。
あれっ、「中越」⇒「東海北陸」?
やがて穏やかな自然林の尾根の行く手には蛇鏡山への急峻な尾根が近づいてくる。尾根の上の方は雲の中だが、樹々には微かに霧氷がついているようだ。尾根は登るにつれて急に斜度を増し、まもなく険阻な痩せ尾根となる。尾根芯は所々で雪が切れて藪が露出しているが、藪を避けて右側の雪の急斜面に踏み込むことはあり得ない。急斜面は大きな岩の下でいくつもの雪割れが生じており、雪割れを乗り越えられない可能性もあるだろう。尾根から下向きにせり出した低木をぐいと掴んで藪を正面突破する。
私が初めて訪れた20年ほど前も蛇鏡山経由でした。東側に岩壁があり、結構厳しい登行だった記憶があります。
ヤブはなかったですけどね。
当初は反時計回りの周回を考えこの尾根を下降することを考えていたが、この尾根はあまりにも急峻であり、下降には適さないだろう。当山行の前に山日和さんからコース取りのアドバイスを頂き、時計回りの周回にしたことは様々な意味で正解であった。
ここを下りるつもりなら当然ですね。逆回りなら蛇鏡を経由せずに手前から下れば気持ち良く下りられます。
ca1170mの細長い台地状のピークに乗るとブナの巨樹の回廊となる。樹々の霧氷はさらにスケールアップする。雲の合間から光がさすと、樹林の中は陽光に煌めく霧氷のせいであたかも豪奢な照明をつけたようだ。
霧氷の樹林を抜けるといよいよ木無山への最後の登りとなる。背後に見える鋭鋒は屏風山だろうか、彼方には姥ヶ岳から能郷白山へと続く山並みが雲の中から姿を見せる。
いつしか木無山にかかる雲はすっかり晴れて、山頂部には木無山の字の如く、木の無い純白の雪稜が姿を見せる。スノー衆においても山頂部を見上げた参加者の方々から歓声が上がったことは想像に難くない。
このあたりから木無山南尾根のクライマックスですね。真っ白な雪稜の先に見える山頂を望めば、いやが上にも気分が高揚します。
東側には大きく張り出した雪庇には所々で大きな雪割れを生じている。
ちょっと危険地帯っぽい匂いがまたいいんですね。
雪庇の尾根からは東側に大日ヶ岳の彼方には御嶽山が見える。先週末、赤樽山から徳平山への縦走から眺めた時に比べかなり山が白くなったように思えるのは、おそらく昨日、降雪があったのだろう。隣の荒島岳もようやく雲がとれて、白い頂きを見せる。
西側斜面の樹林は霧氷が真っ白である。このあたりが霧氷のクライマックスだろう。時間は昼前、この時間までこれだけの霧氷が残っているのが驚きだ。パラパラと霧氷の落下が始まっているが、それでも十分すぎるくらいに霧氷が残っている。
うらやましい限りです。少し離れただけの岩穴谷山ではぜんぜんでした。
最後の雪稜を一気に登り詰める。山頂に立った瞬間、白山、そして経ヶ岳、赤兎山、大長山の展望が一気に視界に飛び込む。樹の一切ない360度の大展望が広がる。しかし、山頂に立った途端に強烈な風が吹いている。この山頂部に樹が育たないのは経ヶ岳や荒島岳と同様、ここも日本海側から九頭竜川に沿って吹き込む風の通り道であり、雪の下には風衝草原が広がっているのだろう。
遮られていた展望が一気に開ける瞬間は爽快ですね。
しかし残念ながら、雪の下はねじ曲がった潅木のヤブです。
下山はp1153へのコルに向かって下降する。鞍部に下ると霧氷は急に消える。p1153から南東の緩斜面に下降すると、樹木のないだだっ広い平地が現れる。尾根伝いに南下すると、ブナの大樹の疎林の広がるなだらかな斜面にはいく筋もの小さな源頭が襞を刻んでいる。地図では表現されない複雑な地形は歩いているうちに刻々と風景が変化してゆく。やがて尾根は急速に収束し、ca1060mにかけて緩やかな登り返しとなる。
初めて訪れた時、洞吹さんと木無平と名付けた場所です。実にいいところですね。
ブナ林と入り組んだ谷の源頭のコンビネーションが素晴らしいです。
ca1060からはスノー衆で辿られた南に延びる尾根を下降することも考えられたが、p993から南に延びる急下降の尾根を下降することにする。どうもスノー衆のルートでは最後にアトラクションがあるように思うのは気のせいだろうか。
それは気のせいです。
池は驚くほど澄んだ透明な水を湛えており、風もないのに水面にはさざ波が立っている。どうやら滾々と水が湧き出しているようだ。池というより泉と呼ぶのが適切なのだろう。雪の中にあって微睡から醒めた瞳のような輝きを放つその泉は山行の終章に清冽な印象を与えてくれるのだった。
これはなかなかいいルートを開拓しましたね。雪の中の池というのは味わい深いものがあります。
山行距離はtotalで10km少々で7時間近くと、普段よりはかなり時間をかけて歩いたことになる。山行の充足感は距離や時間、そして山の知名度とは全く相関しないものだとよく思うが、まさにその好例とも云うべき山行であった。
その通りですね。たくさん歩けばいいというものではありません。なんちゃって。
それにしても、この素晴らしい山が世にほとんど知られていないことが不思議だが、あと十年もすると人口に膾炙するようになるのだろうか。
登山道がないというのがすべてでしょう。そんな山は数え切れないほどあります。
ところで山行の翌日のこと、家内が車に乗り込むとその液晶の上を大きなマダニが這っていたらしい。この山中でダニに取り付かれるとは予想だにしていなかった。油断大敵である。
実は私も三周の山頂で、シートの上をダニが歩いているのを発見しました。
山日和
-
- 記事: 539
- 登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
- お住まい: 京都市左京区
Re: 【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
山日和さん コメント有難うございます。
>木無山は「無名峰」と言うにはちょっとですね。地形図に名前が無いのは確かですが。
このやぶこぎネットでは知らない方はおられないでしょうが、ヤマレコでもyamapでも山の地点登録が無かったので、立派な無名峰かと思いました。
(ヤマレコはこの山の過去の登山記録が検索できるように私が地点登録してしまいましたが)
>「中越」⇒「北陸」ですね。
>あれっ、「中越」⇒「東海北陸」?
失礼しました。中部縦貫自動車道を勘違いしておりました。本文を訂正しておきました。
>私が初めて訪れた20年ほど前も蛇鏡山経由でした。東側に岩壁があり、結構厳しい登行だった記憶があります。
ヤブはなかったですけどね。
ここは藪が露出していたお陰で家内も安心して(?)登れたと思います。
そうでなければかなり厳しい登行になったかと。
>逆回りなら蛇鏡を経由せずに手前から下れば気持ち良く下りられます。
機会を見つけて、スノー衆で辿られたルートに捲土重来してみたいと思います。
>ちょっと危険地帯っぽい匂いがまたいいんですね。
それは賛同していいものかどうか
>>西側斜面の樹林は霧氷が真っ白である。このあたりが霧氷のクライマックスだろう。時間は昼前、この時間までこれだけの霧氷が残っているのが驚きだ。パラパラと霧氷の落下が始まっているが、それでも十分すぎるくらいに霧氷が残っている。
>うらやましい限りです。少し離れただけの岩穴谷山ではぜんぜんでした。
風向きからすると丁度、木無山のせいで風の影に入るのではないでしょうか。
木無山も尾根よりも西側斜面は霧氷が発達しているのですが、東側は全くでした。
>遮られていた展望が一気に開ける瞬間は爽快ですね。
しかし残念ながら、雪の下はねじ曲がった潅木のヤブです。
なるほど、風衝樹林でしょうね。
>初めて訪れた時、洞吹さんと木無平と名付けた場所です。実にいいところですね。
ブナ林と入り組んだ谷の源頭のコンビネーションが素晴らしいです。
御意です。この場所の素晴らしさは写真では全く再現できないですね。
木無平とはさすが、格好のnamingですね。橅の平地ですからね。
>これはなかなかいいルートを開拓しましたね。雪の中の池というのは味わい深いものがあります。
確かにそうですね。
森山岳〜白滝山の界隈や横山岳の夜叉ヶ姫池など、氷結した池は見たことがありますが、清冽な水を湛えて池は記憶にありません。
>>ca1060からはスノー衆で辿られた南に延びる尾根を下降することも考えられたが、p993から南に延びる急下降の尾根を下降することにする。どうもスノー衆のルートでは最後にアトラクションがあるように思うのは気のせいだろうか。
>それは気のせいです。
それも俄かに同意していいものかどうか
>実は私も三周の山頂で、シートの上をダニが歩いているのを発見しました。
何と三周の山頂にもダニがいるのですか
repを楽しみにします。
>木無山は「無名峰」と言うにはちょっとですね。地形図に名前が無いのは確かですが。
このやぶこぎネットでは知らない方はおられないでしょうが、ヤマレコでもyamapでも山の地点登録が無かったので、立派な無名峰かと思いました。
(ヤマレコはこの山の過去の登山記録が検索できるように私が地点登録してしまいましたが)
>「中越」⇒「北陸」ですね。
>あれっ、「中越」⇒「東海北陸」?
失礼しました。中部縦貫自動車道を勘違いしておりました。本文を訂正しておきました。
>私が初めて訪れた20年ほど前も蛇鏡山経由でした。東側に岩壁があり、結構厳しい登行だった記憶があります。
ヤブはなかったですけどね。
ここは藪が露出していたお陰で家内も安心して(?)登れたと思います。
そうでなければかなり厳しい登行になったかと。
>逆回りなら蛇鏡を経由せずに手前から下れば気持ち良く下りられます。
機会を見つけて、スノー衆で辿られたルートに捲土重来してみたいと思います。
>ちょっと危険地帯っぽい匂いがまたいいんですね。
それは賛同していいものかどうか
>>西側斜面の樹林は霧氷が真っ白である。このあたりが霧氷のクライマックスだろう。時間は昼前、この時間までこれだけの霧氷が残っているのが驚きだ。パラパラと霧氷の落下が始まっているが、それでも十分すぎるくらいに霧氷が残っている。
>うらやましい限りです。少し離れただけの岩穴谷山ではぜんぜんでした。
風向きからすると丁度、木無山のせいで風の影に入るのではないでしょうか。
木無山も尾根よりも西側斜面は霧氷が発達しているのですが、東側は全くでした。
>遮られていた展望が一気に開ける瞬間は爽快ですね。
しかし残念ながら、雪の下はねじ曲がった潅木のヤブです。
なるほど、風衝樹林でしょうね。
>初めて訪れた時、洞吹さんと木無平と名付けた場所です。実にいいところですね。
ブナ林と入り組んだ谷の源頭のコンビネーションが素晴らしいです。
御意です。この場所の素晴らしさは写真では全く再現できないですね。
木無平とはさすが、格好のnamingですね。橅の平地ですからね。
>これはなかなかいいルートを開拓しましたね。雪の中の池というのは味わい深いものがあります。
確かにそうですね。
森山岳〜白滝山の界隈や横山岳の夜叉ヶ姫池など、氷結した池は見たことがありますが、清冽な水を湛えて池は記憶にありません。
>>ca1060からはスノー衆で辿られた南に延びる尾根を下降することも考えられたが、p993から南に延びる急下降の尾根を下降することにする。どうもスノー衆のルートでは最後にアトラクションがあるように思うのは気のせいだろうか。
>それは気のせいです。
それも俄かに同意していいものかどうか
>実は私も三周の山頂で、シートの上をダニが歩いているのを発見しました。
何と三周の山頂にもダニがいるのですか
repを楽しみにします。
山猫
Re: 【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
山猫さん、こんばんは。
何と三周の山頂にもダニがいるのですか
いやいや、三周の山頂にいたわけじゃなくて、序盤のヤブから連れてきたんだと思います。
山日和
何と三周の山頂にもダニがいるのですか
いやいや、三周の山頂にいたわけじゃなくて、序盤のヤブから連れてきたんだと思います。
山日和
-
- 記事: 539
- 登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
- お住まい: 京都市左京区
Re: 【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
山日和さん ご丁寧にご説明、どうも有難うございます。
>いやいや、三周の山頂にいたわけじゃなくて、序盤のヤブから連れてきたんだと思います。
それはダニに感謝されたことでしょう。Thans you! なんちゃって
>いやいや、三周の山頂にいたわけじゃなくて、序盤のヤブから連れてきたんだと思います。
それはダニに感謝されたことでしょう。Thans you! なんちゃって
山猫
Re: 【奥越】木無山 スノー衆の軌跡を追って極上の無名峰へ
山猫さん、再びこんばんは。
それはダニに感謝されたことでしょう。Thans you! なんちゃって
越美国境稜線を最初に歩いたダニは誰でしょう?
「Et's me!!」
山日和
それはダニに感謝されたことでしょう。Thans you! なんちゃって
越美国境稜線を最初に歩いたダニは誰でしょう?
「Et's me!!」
山日和