阿多野郷より乗鞍岳

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たそがれ
記事: 64
登録日時: 2011年5月15日(日) 22:59

阿多野郷より乗鞍岳

投稿記事 by たそがれ »

『阿多野郷より乗鞍岳』

このヤブコギネットでは2年ほど前、少し話題になった乗鞍岳。
緑水さんは昔も今も大事にされている山域。
マヨネコさんと落忍さんはレポを上げていた。
ヤブコギではなく一般登山道だが、それに近いのでお許しを。

【山行日】2011年9月23日(金)
【山 域】乗鞍岳:南乗鞍
【天 候】曇り一時晴れ、冷たい風とガス
【形 態】往復 単族 軽装鈍足
【コース】阿多野郷より中洞権現ノ尾根
【駐車地】阿多野郷神立原林道ゲート前に駐車
ゲート7:41--8:30登山口--11:00中洞権現--12:15剣が峰12:25--
--12:48昼食休憩13:12--13:40中洞権現--15:33登山口--16:06ゲート

乗鞍岳は火山の名峰としてずっと登りたい山のひとつだった。
家からの距離が御嶽や木曽山脈よりも北にある分、中途半端に遠い。
登山コースは多いが、容易なものがまるでなく日帰りは難易。
そんなこんなで今まで近づけなかった。
昨年、意を決して前夜泊で、丸黒・千町尾根から挑んだ。
翌朝起きると無情の雨、傘をさしての遅出ではコースの半分までがやっと。
そして、歩いてみて分かった。
たとえ絶好調だとしてもこのコースの日帰りは自分には不可能だと。
でも火山が好きなので、あきらめきれない。
ということで、山頂へは最短というこのコースを選んだ。

乗鞍岳というのはなんとも不思議な山である。
立山、白山、御嶽と同様、大きな山域を持つ独立峰の風格を持つ火山である。
22ピークを持ち、蒼い宝石のような火山湖が点在し、高山の魅力は豊富。
しかし、いざ登山コースを調べようにもガイドブックがない。
往年の切り札本「山渓アルペンガイド」も、図書館には「乗鞍」だけがない。
結局、現在だからネット他で調べる。
すると、当然いくつかのコースがあることはある。あった。
一番整備されているのは、前述の丸黒・千町尾根コース。
そしてこの、中洞権現ノ尾根(阿多野)コースである。
高天ケ原を通る戸蔵や野麦峠からのコースは環境保護のため廃道。
子ノ原尾根・千町尾根コースは無印良品の私有地で有料、制限されている。
他には、位ヶ原からとか、ガイド付き人数制限コースなどがあるにはある。

家を3時に出て、登山口の高根村阿多野郷へは木曽福島から入った。
アイミックス自然村南乗鞍オートキャンプ場を目指せば分かりやすい。
静かなキャンプ場に入り、通り過ぎるように抜けて未舗装の林道を上がる。
こういう林道は苦手である。
軽自動車で車高が低いこともあるが、いらんトラブルは避けたい。
あまりにがたがた道なら早めに駐車し、歩いた方が楽である。
でも、道幅は狭く転回もできないままゲート前に至る。
ゲートは勿論しっかりと施錠されている。
どうも工事中のようで、「関係者以外立入禁止」の表示。
すぐに工事関係者の車が来て、開けて入り、きちんと施錠していく。
こんな時、登山者の立場はどうなるのか、いつも不安になる。
当然、関係者ではないから入ってはいけない、のか、
工事には関係ない者だから、工事に関わらない所だけは通れる、とか。

ゲートの脇を通りぬけて、急に広くなった林道を上がっていく。
登山口までは4㌔、標高差は300㍍で先を考えると急ぐ必要がある。
今日の天気は、急に秋の気配で肌寒く、身体を温めるのに都合がいい。
歩いている間に工事関係者の車が5台以上は追い抜いていった。
工事現場に入り、ブルが造った急坂を必死に登っていると声をかけられた。
「どこへ行くの」
「乗鞍岳ですが」
「登山口はずっと下で、左側に表示があったはずだけど」
いろんな記述から、林道の終点が乗鞍岳への登山口だと思いこんでいた。
だが、終点から延長して造られた工事道も林道と勘違いしていた。
戻ってみると、なるほど確かにあるにはあった。(写真1)

こんなことでは、先がおもいやられる。

登山口からはいきなりの急登である。
あまり使われていないと聞いていたが、道型ははっきりしている。
ジグザグに高度を上げ、まずは尾根へ乗っかっていく。
調子よく上がっていて楽だと思ったら、トラバース道は水平になっていた。
目の前にトドマツの実がわんさか、痛々しい倒木だった。
そんな倒木を数本もぐり、またぎ、迂回して越えていく。
刈られた笹の枯葉が堆積しているからコース道にはきちんと関係者の手が入っている。
赤テープや赤ペンキが樹肌にしっかり付けられていてコースも分かりやすい。
ただ、笹の枯れ葉はすべりやすく、足を乗せると下は水たまりだったりする。
広い尾根の尾根芯に入り、道は順調に行くのかと楽観するとすぐにがっくり。
笹刈り部分は終わり、コース道は小さな沢をたどっていくことになる。

これが厄介だった。
ネットで見た最新(?)のレポ、8月に入山した人がここで引き返した気持ちがよく分かる。
小さな沢とはいえ、ずっと流れがあり、水がしっかりとたまっている。
その上に笹が覆い被さっているので、避けながら歩くのが大変だ。
ズボンは笹についた水滴ほかでとっくにぐっしょりべたべた。
靴も水が入ってぐちゃぐちゃ。
これは先週の赤岳と同じでそれだけで陰鬱になる。
しかし、それだけではすまなかった。
岩が表れ、岩にはしっかりと苔がついている。
倒木にも苔がつき、気を付けないとすべってしまう。
苔むした岩場の道をさけて笹を踏むと、溝状の道が落とし穴になる。
そんな単調で長い歩きを過ぎると急に、開けた岩ごろごろ場に出た。
これなら歩きやすい。
浮き石にだけ気を付けて上がっていく。
ガスが出てきて遠目はきかないが、大きな岩が点在し雰囲気がいい。
岩の周囲の絨毯状のものは、ハイマツとシャクナゲ。
砂礫地に低く張っているのなら可愛いモノだが、ここのは違っていた。
はじめこそ隙間をなんとか通してくれてはいたが、すぐに本性を現した。
胸より高いハイマツの海に入ると圧されっぱなしになる。
こちらの猫だましや屁の突っ張りに対して相手の技は豊富である。
押しに張り手が来て、押し返していると、足をすくわれる。
足を蹴られて下を向いていると、強烈なラリアットを食らう。
もうこうなっては環境保護などという意識はふっとんでしまう。
ならばこうだと、ハイマツの上に乗ってぴょんぴょん渡っていく。
って、そんな上手いこといくわけがない。
点在する大岩にはところどころ穴があき、そこが水鉢になっている。
そのうちのいくつかは、がちがちに凍っていた。
標高2600㍍地点でこれである。
この日帰宅したら、テレビのニュースで乗鞍の畳平の氷を取り上げていた。

なんやかんやでようやく中洞権現に到着。

なによりもこの眼前に拡がる乗鞍岳の姿である。(写真2)
これが見たいばっかりに苦労して上がってきたのだ。
だれが好きこのんでヤブコギなどするか、それはあくまで手段に過ぎない。
(すみません、ちょっと感情的になってしまいました)
ずっとガスがかかり、ちょうど切れて見えた景色に満足する。
ここで丸黒・千町尾根(日影平)からの道と合流する。
表示板には、日影平から12㌔、乗鞍山頂へはあと2㌔とある。
あとわずか2㌔、1時間かな。
展望も開けここからはるんるん気分の歩きになるはずだった。
いったん軽い鞍部に下り、上がり、再び、と行く。
するとその前にすぐ、また背の高さのハイマツ帯が現れた。
くぐり抜け、乗鞍南面の広大な台地の一部を行く。
畳石原。賽の河原のようでもあり、高層湿原のようでもある台地を行く。
まずは眼前に立ちはだかる壁、屏風岩と大日岳に接近する。
前半分の1㌔は30分もかからず、快適に歩けた。
そこからはぐるりと大日岳の山腹を巻く岩とガレ地のトラバース道になる。
ちょうど蓼科山の岩道を越えていく感じである。
歩きながら、右手に見える南面台地が拡がっていくのを実感する。
ガスの向こうに大きな丸い山らしきが現れた。
あれが高天原。
トラバ道なので冷たい風は避けられるが、陽が照ると暑い。
身勝手でぜいたくなものである。
しかし、足が重くて上がらない。
疲れがどっと出てきた。
そんなトラバ道を進み、山腹を回り込んでいくと突然、向こうに見えたのである。
本当に突然。
(写真3)
剣が峰。乗鞍岳の主峰の剣が峰3026㍍。
いるいる、人がいる。
よく見ると、いっぱいいる。
トラバース道はそのまま大日岳と剣が峰との鞍部に至り、そこで内部がのぞけた。
乗鞍岳中心部の大きな御鉢、その中心は権現池。
複合火山の高所にある御鉢の池はどこでもかっこいいものだ。
水の色がいいし、水たまりなのに気品がある。
それはやはり、山の上で見るからこそだろうか。
さて、気を奮い立たせて最後の登りにかかる。
本当は、ずっと見てきた大日岳3014㍍の方に登りたかった。
剣が峰の奥宮に対して、奥ノ院でもある大日岳。
そこには分かってはいたがしっかりとロープが張られ、立入禁止。
剣が峰へは岩の間を縫うように上がる。
頂上の人々を岩の間からずっと見上げているので焦るが、ここも螺旋状に上がる。
押すなへすなの人並みの横に張られたロープをまたいで合流する。
いやはや大変な人である。
みなさん、ここまで大変だったようで、ぐったり疲れた感じの人が多い。
そしてだれもが山頂で記念写真を撮るから順番待ち。
ここは適当に山頂のにぎわいを撮り、山頂からの景観を撮る。
ここで、複合火山乗鞍岳の全容の一部を見て再び、ため息。
池や頂が多くて、とても回りきれるものではない、時間がいる。
一度、しっかりと周回するにはどれぐらいの時間と足が必要か。
そんな間もなお、まだまだどんどん山頂に人が向かってくる。
自分の来た方向を見ると、大日岳山腹にしっかりと道が見えた。(写真4)

自分が頂上の人を見ていたのと同様、頂上からも丸見えだったのだ、当然だけど。
ただ、ここにいる人はだれも自分がどこから現れたのかは分からないだろう。
立入禁止のロープの向こうを歩いていた変な奴、かな。
この日は天気の良い休日で、数百人いや数千人単位の乗鞍への入山者。
どうも居場所がない、ロープをまたいで急な岩場を下って退散する。
しばらく歩いて、振り返る。
華やかな喧噪の山。
もう少し歩いて、コーナーをまわると途端に静寂の山になる。
目の前には雄大な乗鞍南面台地が広がり、自分ひとりの世界になる。
するとこの景観は、頂上や他の頂からはまるで見えない貸切の景色なのだ。
トラバ道の途中で昼食休憩にする。
道の真ん中で座りこむのはルール違反だが、疲れているので許せ。
ま、何かあっても、次に人が通るのは一週間後ならラッキー、ぐらいかな。
中洞権現まで戻り、その後の道を思うと憂鬱になるが仕方がない。
ハイマツさんとはできるだけケンカせず、さっさと下ろう。
笹原の沢の足場は危なくて仕方ないから、ずっと笹をつかんで行こう。
今日はあまり休まず真面目に歩いたけど、時間だけはかなりかかった。
予定をかなり越えている。
林道もがんがん飛ばして下りていくが、気もちだけの焦り。
闇下など当然、論外。
ただ、明るい内に寄りたい所があった。
駐車地から10㌔ほどの所にある塩沢温泉露天風呂。
これもネットで見て、その雰囲気の良さと無料というのに惹かれた。
湯温が37度ぐらいでぬるいのが玉に瑕だという。
結論、猫舌の自分には相性がよく、のんびり浸かれて満足。
復路の4時間の運転もなんとか切り抜けられた。
林道終点、左手に登山口
林道終点、左手に登山口
添付ファイル
大日岳と山腹の道
大日岳と山腹の道
眼前に剣が峰が
眼前に剣が峰が
中洞権現から乗鞍岳
中洞権現から乗鞍岳
落第忍者
記事: 1229
登録日時: 2011年2月20日(日) 15:31
お住まい: 三重県伊賀市
連絡する:

Re: 阿多野郷より乗鞍岳

投稿記事 by 落第忍者 »

たそがれさん、こんにちは。

昨年のたそがれさんの千町尾根レポを読んで、漠然と歩いてみたいなあと思ったのですが未だ実現していません。
奥千町避難小屋で1泊すれば何とかなるような気はするものの、なかなか思い切れないでいます。
阿多野コースも候補に入れていますが、かなり厳しそうな感じですね。
私が歩いた平湯スキー場からの道でも夜露でズボンはぐっしょり濡れましたけど、登山道としては完璧に整備されていましたし、帰りはバスでしたから難しさは比べ物にならないのでしょう。

写真2や3を見ていますと私も見てみたいとの気持ちは起こるのですが・・・
今年はもう既に近場モードに突入してしまったようであきません。
落第忍者
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わりばし
記事: 1767
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 阿多野郷より乗鞍岳

投稿記事 by わりばし »

こんばんは、たそがれさん。

いつも映画のブログ楽しく見させてもらっています。

先週「ミツバチのささやき」を久々に見て、映画っていいなとあらためて感じております。


乗鞍岳は火山の名峰としてずっと登りたい山のひとつだった。
家からの距離が御嶽や木曽山脈よりも北にある分、中途半端に遠い。

乗鞍は登ったことないなあ。

クマがバスターミナルに立てこもったところですよね。


乗鞍岳というのはなんとも不思議な山である。
立山、白山、御嶽と同様、大きな山域を持つ独立峰の風格を持つ火山である。
22ピークを持ち、蒼い宝石のような火山湖が点在し、高山の魅力は豊富。
しかし、いざ登山コースを調べようにもガイドブックがない。
往年の切り札本「山渓アルペンガイド」も、図書館には「乗鞍」だけがない。

車で登る人が多いからですかね。

これが厄介だった。
ネットで見た最新(?)のレポ、8月に入山した人がここで引き返した気持ちがよく分かる。
小さな沢とはいえ、ずっと流れがあり、水がしっかりとたまっている。
その上に笹が覆い被さっているので、避けながら歩くのが大変だ。
ズボンは笹についた水滴ほかでとっくにぐっしょりべたべた。
靴も水が入ってぐちゃぐちゃ。

スパイク長靴が良さそうですね。

私もはいていますが、やみつきになりますよ。


はじめこそ隙間をなんとか通してくれてはいたが、すぐに本性を現した。
胸より高いハイマツの海に入ると圧されっぱなしになる。
こちらの猫だましや屁の突っ張りに対して相手の技は豊富である。
押しに張り手が来て、押し返していると、足をすくわれる。
足を蹴られて下を向いていると、強烈なラリアットを食らう。
もうこうなっては環境保護などという意識はふっとんでしまう。
ならばこうだと、ハイマツの上に乗ってぴょんぴょん渡っていく。
って、そんな上手いこといくわけがない。
なによりもこの眼前に拡がる乗鞍岳の姿である。(写真2)
これが見たいばっかりに苦労して上がってきたのだ。
だれが好きこのんでヤブコギなどするか、それはあくまで手段に過ぎない。
(すみません、ちょっと感情的になってしまいました)

人も少なそうで、高山の雰囲気満載のいいコースですね。

畳石原。賽の河原のようでもあり、高層湿原のようでもある台地を行く。
まずは眼前に立ちはだかる壁、屏風岩と大日岳に接近する。
前半分の1㌔は30分もかからず、快適に歩けた。
そこからはぐるりと大日岳の山腹を巻く岩とガレ地のトラバース道になる。
ちょうど蓼科山の岩道を越えていく感じである。

蓼科山みたいなんですか?
大きい岩ですね。
そういや蓼科山の岩の上で昼寝したなあ。
:mrgreen:

華やかな喧噪の山。
もう少し歩いて、コーナーをまわると途端に静寂の山になる。
目の前には雄大な乗鞍南面台地が広がり、自分ひとりの世界になる。
するとこの景観は、頂上や他の頂からはまるで見えない貸切の景色なのだ。

ヤブメンのDNAですね。 :ugeek:

駐車地から10㌔ほどの所にある塩沢温泉露天風呂。
これもネットで見て、その雰囲気の良さと無料というのに惹かれた。
湯温が37度ぐらいでぬるいのが玉に瑕だという。
結論、猫舌の自分には相性がよく、のんびり浸かれて満足。

二つ目の目的も無事達成ですね。

お疲れ様でした。

おもしろそうなコースですね。

                                                      わりばし
アバター
山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 阿多野郷より乗鞍岳

投稿記事 by 山日和 »

たそがれさん、こんばんは。

乗鞍岳は火山の名峰としてずっと登りたい山のひとつだった。

畳平から登った?ことしかありませんが、南面はまったく違う表情を見せてくれるんでしょうね。

すると、当然いくつかのコースがあることはある。あった。
一番整備されているのは、前述の丸黒・千町尾根コース。
そしてこの、中洞権現ノ尾根(阿多野)コースである。
高天ケ原を通る戸蔵や野麦峠からのコースは環境保護のため廃道。
子ノ原尾根・千町尾根コースは無印良品の私有地で有料、制限されている。
他には、位ヶ原からとか、ガイド付き人数制限コースなどがあるにはある。


コースはいろいろありますが、日帰りという制約がつくと限られてしまいますね。
私は無印の会員になろうかと思いました。
奥千町の避難小屋のあたりは実に魅力的です。
そのうち行こうと思ってます。

だれが好きこのんでヤブコギなどするか、それはあくまで手段に過ぎない。

私も同じです。(^^ゞ

そんなトラバ道を進み、山腹を回り込んでいくと突然、向こうに見えたのである。
本当に突然。
(写真3)
剣が峰。乗鞍岳の主峰の剣が峰3026㍍。


ドキドキする瞬間ですね。

押すなへすなの人並みの横に張られたロープをまたいで合流する。
いやはや大変な人である。


いやあ、これはご勘弁って感じですねえ。

華やかな喧噪の山。
もう少し歩いて、コーナーをまわると途端に静寂の山になる。
目の前には雄大な乗鞍南面台地が広がり、自分ひとりの世界になる。
するとこの景観は、頂上や他の頂からはまるで見えない貸切の景色なのだ。


このギャップがステキですよねえ。こういうの大好きです。

ただ、明るい内に寄りたい所があった。
駐車地から10㌔ほどの所にある塩沢温泉露天風呂。
これもネットで見て、その雰囲気の良さと無料というのに惹かれた。


なかなか良さそうな温泉ですねえ。秘湯ムード満点!!
最後にいい締めくくりができましたね。お疲れさまでした。

                 山日和
宮指路
記事: 1008
登録日時: 2011年2月27日(日) 21:13

Re: 阿多野郷より乗鞍岳

投稿記事 by 宮指路 »

たそがれさん、こんばんは

【形 態】 軽装鈍足

きっと「軽装準急」の間違いですね。私は各駅鈍行です。


乗鞍岳というのはなんとも不思議な山である。
立山、白山、御嶽と同様、大きな山域を持つ独立峰の風格を持つ火山である。
22ピークを持ち、蒼い宝石のような火山湖が点在し、高山の魅力は豊富。
しかし、いざ登山コースを調べようにもガイドブックがない。
往年の切り札本「山渓アルペンガイド」も、図書館には「乗鞍」だけがない。
結局、現在だからネット他で調べる。


ネットで調べるのが一番手っ取り早いですね
10数年前にマイカー規制になる前に長野県側から家族と一緒に山頂まで行ったことがあります。エコーラインの途中に車を止めて肩の小屋を目指し、そこから剣が峰まで行きました。

軽自動車で車高が低いこともあるが、いらんトラブルは避けたい。
あまりにがたがた道なら早めに駐車し、歩いた方が楽である。


軽自動車だと狭くて、車中泊ができないですね。


どうも工事中のようで、「関係者以外立入禁止」の表示。
すぐに工事関係者の車が来て、開けて入り、きちんと施錠していく。
こんな時、登山者の立場はどうなるのか、いつも不安になる。
当然、関係者ではないから入ってはいけない、のか、
工事には関係ない者だから、工事に関わらない所だけは通れる、とか。


一般的には前者の意味でしょう。たまたま鍵が開いていて入ってしまっても後で閉められると帰れなくなります。

歩いている間に工事関係者の車が5台以上は追い抜いていった。
工事現場に入り、ブルが造った急坂を必死に登っていると声をかけられた。
「登山口はずっと下で、左側に表示があったはずだけど」
いろんな記述から、林道の終点が乗鞍岳への登山口だと思いこんでいた。
だが、終点から延長して造られた工事道も林道と勘違いしていた。
戻ってみると、なるほど確かにあるにはあった。(写真1)


貴重な時間をロスしてしまいましたね

笹刈り部分は終わり、コース道は小さな沢をたどっていくことになる。
これが厄介だった。
ネットで見た最新(?)のレポ、8月に入山した人がここで引き返した気持ちがよく分かる。
小さな沢とはいえ、ずっと流れがあり、水がしっかりとたまっている。
その上に笹が覆い被さっているので、避けながら歩くのが大変だ。
ズボンは笹についた水滴ほかでとっくにぐっしょりべたべた。
靴も水が入ってぐちゃぐちゃ。


こういう時は長靴がイイですね。履いて登ったことはないですが一度やってみようと思います。

岩の周囲の絨毯状のものは、ハイマツとシャクナゲ。
砂礫地に低く張っているのなら可愛いモノだが、ここのは違っていた。
はじめこそ隙間をなんとか通してくれてはいたが、すぐに本性を現した。
胸より高いハイマツの海に入ると圧されっぱなしになる。
こちらの猫だましや屁の突っ張りに対して相手の技は豊富である。
押しに張り手が来て、押し返していると、足をすくわれる。
足を蹴られて下を向いていると、強烈なラリアットを食らう。
もうこうなっては環境保護などという意識はふっとんでしまう。
ならばこうだと、ハイマツの上に乗ってぴょんぴょん渡っていく。
って、そんな上手いこといくわけがない。


イエイエ、私はこれが一番だと思います。昨年「緑の傘」に登った時に山全体がハイマツに覆われていたので難儀しました。
太い枝を選んで、反動で押し返される前に次の枝に乗れば大丈夫です。

なによりもこの眼前に拡がる乗鞍岳の姿である。(写真2)
これが見たいばっかりに苦労して上がってきたのだ。
だれが好きこのんでヤブコギなどするか、それはあくまで手段に過ぎない。


すばらしい眺めですね。いままでの苦労が報われます。

疲れがどっと出てきた。
そんなトラバ道を進み、山腹を回り込んでいくと突然、向こうに見えたのである。
本当に突然。
(写真3)
剣が峰。乗鞍岳の主峰の剣が峰3026㍍。
いるいる、人がいる。
よく見ると、いっぱいいる。


あまり人が多いと拍子抜けするというかガッカリしますね。山頂は静かな方がいいです。


トラバース道はそのまま大日岳と剣が峰との鞍部に至り、そこで内部がのぞけた。
乗鞍岳中心部の大きな御鉢、その中心は権現池。
複合火山の高所にある御鉢の池はどこでもかっこいいものだ。
水の色がいいし、水たまりなのに気品がある。
それはやはり、山の上で見るからこそだろうか。


この池は印象的でした。何か神秘的なものを感じさせます。


さて、気を奮い立たせて最後の登りにかかる。
本当は、ずっと見てきた大日岳3014㍍の方に登りたかった。
剣が峰の奥宮に対して、奥ノ院でもある大日岳。
そこには分かってはいたがしっかりとロープが張られ、立入禁止。
剣が峰へは岩の間を縫うように上がる。
頂上の人々を岩の間からずっと見上げているので焦るが、ここも螺旋状に上がる。
押すなへすなの人並みの横に張られたロープをまたいで合流する。
いやはや大変な人である。


ほとんどの人がバスで山頂広場まで来て、そこから1時間半くらいかけて登っていますね。

みなさん、ここまで大変だったようで、ぐったり疲れた感じの人が多い。
そしてだれもが山頂で記念写真を撮るから順番待ち。
ここは適当に山頂のにぎわいを撮り、山頂からの景観を撮る。
ここで、複合火山乗鞍岳の全容の一部を見て再び、ため息。
池や頂が多くて、とても回りきれるものではない、時間がいる。
一度、しっかりと周回するにはどれぐらいの時間と足が必要か。


バスで山頂まで来て、ツエルトを持って周回すれば可能かもですね。


ただ、ここにいる人はだれも自分がどこから現れたのかは分からないだろう。
立入禁止のロープの向こうを歩いていた変な奴、かな。


変なとこから登山道に飛び出すと一般登山者は大概、驚きますね。

この日は天気の良い休日で、数百人いや数千人単位の乗鞍への入山者。
どうも居場所がない、ロープをまたいで急な岩場を下って退散する。
しばらく歩いて、振り返る。
華やかな喧噪の山。
もう少し歩いて、コーナーをまわると途端に静寂の山になる。
目の前には雄大な乗鞍南面台地が広がり、自分ひとりの世界になる。
するとこの景観は、頂上や他の頂からはまるで見えない貸切の景色なのだ。
トラバ道の途中で昼食休憩にする。


山は静かなのが一番ですね。


                                宮指路
たそがれ
記事: 64
登録日時: 2011年5月15日(日) 22:59

Re: 阿多野郷より乗鞍岳

投稿記事 by たそがれ »

落第忍者さんこと錫杖さん、こんにちは
落忍さんの知り合いの「山○○み」さんとはなぜかよく山でばったりしますが、いつか落忍さんとも。

昨年のたそがれさんの千町尾根レポを読んで、漠然と歩いてみたいなあと思ったのですが未だ実現していません。
奥千町避難小屋で1泊すれば何とかなるような気はするものの、なかなか思い切れないでいます。
阿多野コースも候補に入れていますが、かなり厳しそうな感じですね。
私が歩いた平湯スキー場からの道でも夜露でズボンはぐっしょり濡れましたけど、登山道としては完璧に整備されていましたし、帰りはバスでしたから難しさは比べ物にならないのでしょう。

写真2や3を見ていますと私も見てみたいとの気持ちは起こるのですが・・・
今年はもう既に近場モードに突入してしまったようであきません。


南乗鞍の核心部にあの小屋があります。自分もとても気にはなっているのですが、未だにあの周辺には踏み込めていないので何とも言えません。最盛期は6月、7月で虫の時季と重なりますね。極上のお花畑らしいです。日帰り族を返上すれば手が届く楽園のような。
平湯スキー場からの道、こんな道の方が自分は好きです。濡れるのはいやですが。バスはパスです。
来年あたり、いい時期に楽園を目指したい気持ちはあります。コースは秘密です。
                            たそがれ
                   
たそがれ
記事: 64
登録日時: 2011年5月15日(日) 22:59

Re: 阿多野郷より乗鞍岳

投稿記事 by たそがれ »

わりばしさん こんにちは
鈴鹿の渋い鉱山レポ、理解できない部分が多くて申し訳ありませんが、楽しみにしています。

乗鞍は登ったことないなあ。

クマがバスターミナルに立てこもったところですよね。


普通はそうですね、なぜか避けたくなる、理由は明白なのに。

乗鞍岳というのはなんとも不思議な山である。
往年の切り札本「山渓アルペンガイド」も、図書館には「乗鞍」だけがない。

車で登る人が多いからですかね。

これが厄介だった。
ネットで見た最新(?)のレポ、8月に入山した人がここで引き返した気持ちがよく分かる。
小さな沢とはいえ、ずっと流れがあり、水がしっかりとたまっている。
その上に笹が覆い被さっているので、避けながら歩くのが大変だ。
ズボンは笹についた水滴ほかでとっくにぐっしょりべたべた。
靴も水が入ってぐちゃぐちゃ。

スパイク長靴が良さそうですね。

私もはいていますが、やみつきになりますよ。


なるほど。TWさんとか貴公子とか、熟練の歩きの出きる人が愛用し、長く歩いてしかも速い。

はじめこそ隙間をなんとか通してくれてはいたが、すぐに本性を現した。
胸より高いハイマツの海に入ると圧されっぱなしになる。
これが見たいばっかりに苦労して上がってきたのだ。
だれが好きこのんでヤブコギなどするか、それはあくまで手段に過ぎない。
(すみません、ちょっと感情的になってしまいました)

人も少なそうで、高山の雰囲気満載のいいコースですね。

南乗鞍に限っては、人口密度は台高以下です。

畳石原。賽の河原のようでもあり、高層湿原のようでもある台地を行く。
ちょうど蓼科山の岩道を越えていく感じである。

蓼科山みたいなんですか?
大きい岩ですね。
そういや蓼科山の岩の上で昼寝したなあ。


華やかな喧噪の山。
もう少し歩いて、コーナーをまわると途端に静寂の山になる。
目の前には雄大な乗鞍南面台地が広がり、自分ひとりの世界になる。
するとこの景観は、頂上や他の頂からはまるで見えない貸切の景色なのだ。

ヤブメンのDNAですね。

南乗鞍のあの一帯が、たくさんの観光客の集う場所から完全に死角になり、知られることもない。
ただ、自分は一般登山道大好き人間です。

駐車地から10㌔ほどの所にある塩沢温泉露天風呂。
これもネットで見て、その雰囲気の良さと無料というのに惹かれた。
湯温が37度ぐらいでぬるいのが玉に瑕だという。
結論、猫舌の自分には相性がよく、のんびり浸かれて満足。

二つ目の目的も無事達成ですね。

お疲れ様でした。

おもしろそうなコースですね。


あの露天風呂をこの山歩きコースの付帯物と考えると、素晴らしい取り合わせです。
しかし、山抜きで、温泉だけ目当ての方がわんさかですが。
                      たそがれ
落第忍者
記事: 1229
登録日時: 2011年2月20日(日) 15:31
お住まい: 三重県伊賀市
連絡する:

Re: 阿多野郷より乗鞍岳

投稿記事 by 落第忍者 »

たそがれさん、おはようございます。

勘違いしてみえるようですので一言だけ。
私と錫杖さんは別人ですよ。
彼は亀山在住で、私よりずっと若くて超健脚の人です。
2回だけですが一緒に歩いたことがありますので間違いありません。
落第忍者
緑水
記事: 749
登録日時: 2011年3月14日(月) 02:52

Re: 阿多野郷より乗鞍岳

投稿記事 by 緑水 »

たそがれさん、おはようございます。ご無沙汰ですね、どこ歩いてるのかなあって気にしてました。
緑ちゃん、この快晴に乗鞍か御嶽か思っていながらナゼか白山でしたワン :D
たそがれ さんが書きました:『阿多野郷より乗鞍岳』
このヤブコギネットでは2年ほど前、少し話題になった乗鞍岳。
緑水さんは昔も今も大事にされている山域。
出端にレポ表題見ても中身の字が多すぎてパス、いまシッカリと読ましてもらいました。
結果このコースはアカンなの印象ですニャン :|

【コース】阿多野郷より中洞権現ノ尾根
【駐車地】阿多野郷神立原林道ゲート前に駐車
ゲート7:41--8:30登山口--11:00中洞権現--12:15剣が峰12:25--
--12:48昼食休憩13:12--13:40中洞権現--15:33登山口--16:06ゲート
行程タイム見れば軽装カモシカ歩きなら可能ですね、でも歩くだけになるなあ。
筋肉だけ喜ばさせるだけでは悔いが残るだろうなあ。

乗鞍岳は火山の名峰としてずっと登りたい山のひとつだった。
火山の山はホンマ魅力ありますよね、北は知床の羅臼から阿蘇普賢と地球の鼓動が感じられる、いろいろ見て来ました。
昨年、意を決して前夜泊で、丸黒・千町尾根から挑んだ。
翌朝起きると無情の雨、傘をさしての遅出ではコースの半分までがやっと。
そして、歩いてみて分かった。
たとえ絶好調だとしてもこのコースの日帰りは自分には不可能だと。
緑ちゃん、このコース樹氷の頃だから今頃かなあ、丸黒山の下りで千町避難小屋まで行けそうでしたが又の機会にと帰りましたよ。
泊りの装備で行こうと思ってます。二泊でマッタリが好いね

でも火山が好きなので、あきらめきれない。
ということで、山頂へは最短というこのコースを選んだ。
実働8時間ですか、きつそうだなあ。昔なら・・・アカンなそんなこと言うててわ。 8-)
一番整備されているのは、前述の丸黒・千町尾根コース。
他には、位ヶ原からとか、ガイド付き人数制限コースなどがあるにはある。
アカン分時間をかければ好いんだワン、心が喜ぶワナ
「登山口はずっと下で、左側に表示があったはずだけど」
刈られた笹の枯葉が堆積しているからコース道にはきちんと関係者の手が入っている。
岩が表れ、岩にはしっかりと苔がついている。
倒木にも苔がつき、気を付けないとすべってしまう。
はじめこそ隙間をなんとか通してくれてはいたが、すぐに本性を現した。
そのうちのいくつかは、がちがちに凍っていた。
標高2600㍍地点でこれである。
やめた、千町尾根に上がるまでは苦労ばかりなのね、レポありがとさんでした。ご苦労様でした。
この日帰宅したら、テレビのニュースで乗鞍の畳平の氷を取り上げていた。
冬の装備がいるなあ、重くなるなあ。ポーターおらんやろか。
剣が峰の奥宮に対して、奥ノ院でもある大日岳。
そこには分かってはいたがしっかりとロープが張られ、立入禁止。
押すなへすなの人並みの横に張られたロープをまたいで合流する。
いやはや大変な人である。
好い山は好いから、万民に開放するは好いことですよね。人が寄ればお店屋さんが出るんだけどココは無いのが不思議。
富士山を世界遺産に言いながら、富士山だしにして飯食う連中の画策だと思うなあ。

駐車地から10㌔ほどの所にある塩沢温泉露天風呂。
● スゴイ人と出会いました、レポお楽しみに
● スゴイ人と出会いました、レポお楽しみに
山の帰りは温泉が好いですね、そこで一期一会が有れば充実感がありますね。

好い山歩きをです                 緑水
たそがれ
記事: 64
登録日時: 2011年5月15日(日) 22:59

Re: 阿多野郷より乗鞍岳

投稿記事 by たそがれ »

山日和さん、こんにちは。


畳平から登った?ことしかありませんが、南面はまったく違う表情を見せてくれるんでしょうね。

剣が峰や朝日岳からは、大日岳と屏風岩が壁になって死角になります。
南乗鞍のその広い台地状の大部分が見えていないことになります。


コースはいろいろありますが、日帰りという制約がつくと限られてしまいますね。
私は無印の会員になろうかと思いました。
奥千町の避難小屋のあたりは実に魅力的です。
そのうち行こうと思ってます。


ほとんどの山行はできれば日帰りで、と考えて(家庭第一ですから?)いますので難しいです。
無印の会員? 一日だけの会員も認めているらしいですね。勿論、有料。
奥千町の避難小屋は核心部に建っているので魅力的という意見には全面的に賛成です。
自分もひそかに小屋利用で楽園を味わいたいと思っています。
コースは悩みますが。

だれが好きこのんでヤブコギなどするか、それはあくまで手段に過ぎない。

私も同じです。(^^ゞ

ことば半分以下でとらえさせてもらいます。
今回の場合、ヤブコギの先に絶景が約束されていたから我慢しただけです。


そんなトラバ道を進み、山腹を回り込んでいくと突然、向こうに見えたのである。
本当に突然。
(写真3)
剣が峰。乗鞍岳の主峰の剣が峰3026㍍。

ドキドキする瞬間ですね。

それまで、屏風岩から大日岳も見事な山姿でした。
トラバース道をちんたら歩いていた時ですからその向こうに景観が広がって、分かっていても驚きでした。


押すなへすなの人並みの横に張られたロープをまたいで合流する。
いやはや大変な人である。

いやあ、これはご勘弁って感じですねえ。

というか、たくさんの人というのは自分のことで精一杯で、道もあけてくれません。
もう一つ怖かったこと。
頂上直下の道には、ビンの破片などが散乱していたので、上からの落下物や投棄物が心配です。
彼らにとってこちらの道は、入ってはいけない進入禁止地帯でしかありえない。


華やかな喧噪の山。
もう少し歩いて、コーナーをまわると途端に静寂の山になる。
目の前には雄大な乗鞍南面台地が広がり、自分ひとりの世界になる。
するとこの景観は、頂上や他の頂からはまるで見えない貸切の景色なのだ。

このギャップがステキですよねえ。こういうの大好きです。


一般ハイカーの自分でも、こういう状況は楽しいです。


ただ、明るい内に寄りたい所があった。
駐車地から10㌔ほどの所にある塩沢温泉露天風呂。
これもネットで見て、その雰囲気の良さと無料というのに惹かれた。

なかなか良さそうな温泉ですねえ。秘湯ムード満点!!
最後にいい締めくくりができましたね。お疲れさまでした。


ぬるい湯ですが、良い温泉です。
この掲示板は山歩きレポが中心ですので、これ以上の詳述はさけました。
地元の老人会の方がボランティアで維持されています。

山日和さんにも よい山と温泉を!
            たそがれ
たそがれ
記事: 64
登録日時: 2011年5月15日(日) 22:59

Re: 阿多野郷より乗鞍岳

投稿記事 by たそがれ »

落第忍者さん、こんにちは

勘違いしてみえるようですので一言だけ。
私と錫杖さんは別人ですよ。
彼は亀山在住で、私よりずっと若くて超健脚の人です。
2回だけですが一緒に歩いたことがありますので間違いありません。


これは、大変失礼いたしました。
なんの確認をすることもなく、思い込みだけで申し訳ありませんでした。
深々と頭を下げて謝ります。        
                   たそがれ
たそがれ
記事: 64
登録日時: 2011年5月15日(日) 22:59

Re: 阿多野郷より乗鞍岳

投稿記事 by たそがれ »

宮指路さん、こんにちは。

【形 態】 軽装鈍足

きっと「軽装準急」の間違いですね。私は各駅鈍行です。

いえいえ、あの標高差と距離でこの時間はかかりすぎです、今回は鈍足です。
その他の数少ないレポを見ても、みなさんの平均歩行タイムに劣ります。
いつも目指しているのは軽装快速、最近はどうもあきまへん。


乗鞍岳というのはなんとも不思議な山である。
往年の切り札本「山渓アルペンガイド」も、図書館には「乗鞍」だけがない。
結局、現在だからネット他で調べる。


ネットで調べるのが一番手っ取り早いですね
10数年前にマイカー規制になる前に長野県側から家族と一緒に山頂まで行ったことがあります。
エコーラインの途中に車を止めて肩の小屋を目指し、そこから剣が峰まで行きました。


宮指路さんは昔からの山やさんですね。
その頃の乗鞍は如何でしたか。

軽自動車で車高が低いこともあるが、いらんトラブルは避けたい。
あまりにがたがた道なら早めに駐車し、歩いた方が楽である。

軽自動車だと狭くて、車中泊ができないですね。

昨年は、その軽自動車で車中泊しました。というか、いつも軽です。
ウサギ小屋生活には慣れています。


どうも工事中のようで、「関係者以外立入禁止」の表示。
すぐに工事関係者の車が来て、開けて入り、きちんと施錠していく。
こんな時、登山者の立場はどうなるのか、いつも不安になる。
当然、関係者ではないから入ってはいけない、のか、
工事には関係ない者だから、工事に関わらない所だけは通れる、とか。

一般的には前者の意味でしょう。
たまたま鍵が開いていて入ってしまっても後で閉められると帰れなくなります。


なにせ小心者ですから、大胆な行動には出られません。

歩いている間に工事関係者の車が5台以上は追い抜いていった。
工事現場に入り、ブルが造った急坂を必死に登っていると声をかけられた。
「登山口はずっと下で、左側に表示があったはずだけど」
いろんな記述から、林道の終点が乗鞍岳への登山口だと思いこんでいた。
だが、終点から延長して造られた工事道も林道と勘違いしていた。
戻ってみると、なるほど確かにあるにはあった。(写真1)

貴重な時間をロスしてしまいましたね

こういう時間は無駄ですが、これも試練・修行と考えられるようになりたいです。

笹刈り部分は終わり、コース道は小さな沢をたどっていくことになる。
これが厄介だった。
ズボンは笹についた水滴ほかでとっくにぐっしょりべたべた。
靴も水が入ってぐちゃぐちゃ。

こういう時は長靴がイイですね。履いて登ったことはないですが一度やってみようと思います。

ほう、宮指路さんもそちらに感心して関心ありで、転向ですか。
台高組の熟練者にそういう人が多いですね。長靴はどうも重そうでいやです。
登山靴も重くて、足に負担がかかります。
自分はピッタリフィットで軽いスニーカーもどきがいいです。
また、宮指路さんの長靴履いてよかったのレポをお願いします。

岩の周囲の絨毯状のものは、ハイマツとシャクナゲ。
もうこうなっては環境保護などという意識はふっとんでしまう。
ならばこうだと、ハイマツの上に乗ってぴょんぴょん渡っていく。
って、そんな上手いこといくわけがない。

イエイエ、私はこれが一番だと思います。
昨年「緑の傘」に登った時に山全体がハイマツに覆われていたので難儀しました。
太い枝を選んで、反動で押し返される前に次の枝に乗れば大丈夫です。


器用で軽業師ですね。でも、ひっかかったりして落ちる時はどうざんしょ。

なによりもこの眼前に拡がる乗鞍岳の姿である。(写真2)
これが見たいばっかりに苦労して上がってきたのだ。
だれが好きこのんでヤブコギなどするか、それはあくまで手段に過ぎない。

すばらしい眺めですね。いままでの苦労が報われます。

御意。

疲れがどっと出てきた。
そんなトラバ道を進み、山腹を回り込んでいくと突然、向こうに見えたのである。
剣が峰。乗鞍岳の主峰の剣が峰3026㍍。
いるいる、人がいる。
よく見ると、いっぱいいる。

あまり人が多いと拍子抜けするというかガッカリしますね。
山頂は静かな方がいいです。


なぜかこの時は反対でした。
登山口から誰にも会っていない。人っ子ひとり見ていません。
クマさんなら、どこかにいたはずですが。
人の姿が見られた安心感とでも。


トラバース道はそのまま大日岳と剣が峰との鞍部に至り、そこで内部がのぞけた。
乗鞍岳中心部の大きな御鉢、その中心は権現池。
それはやはり、山の上で見るからこそだろうか。

この池は印象的でした。何か神秘的なものを感じさせます。

火山湖の特徴でしょうか、山上の池の不思議さ。


さて、気を奮い立たせて最後の登りにかかる。
本当は、ずっと見てきた大日岳3014㍍の方に登りたかった。
剣が峰の奥宮に対して、奥ノ院でもある大日岳。
そこには分かってはいたがしっかりとロープが張られ、立入禁止。
剣が峰へは岩の間を縫うように上がる。
頂上の人々を岩の間からずっと見上げているので焦るが、ここも螺旋状に上がる。
押すなへすなの人並みの横に張られたロープをまたいで合流する。
いやはや大変な人である。

ほとんどの人がバスで山頂広場まで来て、そこから1時間半くらいかけて登っていますね。

だれもがそれだけでも苦労されているので、なにも言えません。
自分も好きでやっているだけですから。

みなさん、ここまで大変だったようで、ぐったり疲れた感じの人が多い。
そしてだれもが山頂で記念写真を撮るから順番待ち。
ここは適当に山頂のにぎわいを撮り、山頂からの景観を撮る。
ここで、複合火山乗鞍岳の全容の一部を見て再び、ため息。
池や頂が多くて、とても回りきれるものではない、時間がいる。
一度、しっかりと周回するにはどれぐらいの時間と足が必要か。

バスで山頂まで来て、ツエルトを持って周回すれば可能かもですね。

バスは勘弁、出費は抑えたい。ツェルトも使用する場所が制限されていると思います。
でも、たくさんの峰峰と池池を是非、周回したいですね。
となると、御嶽とか白山は日帰りで周回できるからいいですね。


ただ、ここにいる人はだれも自分がどこから現れたのかは分からないだろう。
立入禁止のロープの向こうを歩いていた変な奴、かな。

変なとこから登山道に飛び出すと一般登山者は大概、驚きますね。

乗鞍の観光客はみなさん大人で、なんの関心も驚きもなかったです。

この日は天気の良い休日で、数百人いや数千人単位の乗鞍への入山者。
どうも居場所がない、ロープをまたいで急な岩場を下って退散する。
しばらく歩いて、振り返る。
華やかな喧噪の山。
もう少し歩いて、コーナーをまわると途端に静寂の山になる。
目の前には雄大な乗鞍南面台地が広がり、自分ひとりの世界になる。
するとこの景観は、頂上や他の頂からはまるで見えない貸切の景色なのだ。
トラバ道の途中で昼食休憩にする。

山は静かなのが一番ですね。

そう鴨ね。

宮指路さんに静かな山旅を! 
              たそがれ
たそがれ
記事: 64
登録日時: 2011年5月15日(日) 22:59

Re: 阿多野郷より乗鞍岳

投稿記事 by たそがれ »

緑水さん、こんにちは。
日頃の無沙汰と返信が遅れてすみません。

ご無沙汰ですね、どこ歩いてるのかなあって気にしてました。
緑ちゃん、この快晴に乗鞍か御嶽か思っていながらナゼか白山でしたワン


それらはみんな好きな山域です。

たそがれ さんが書きました:
『阿多野郷より乗鞍岳』
このヤブコギネットでは2年ほど前、少し話題になった乗鞍岳。
緑水さんは昔も今も大事にされている山域。


出端にレポ表題見ても中身の字が多すぎてパス、いまシッカリと読ましてもらいました。
結果このコースはアカンなの印象ですニャン


貴重なコースですから、レポも慎重に言葉を選んで書きました。
緑水さんにかかると、要点だけしっかり見抜かれています。

【コース】阿多野郷より中洞権現ノ尾根
【駐車地】阿多野郷神立原林道ゲート前に駐車
ゲート7:41--8:30登山口--11:00中洞権現--12:15剣が峰12:25--
--12:48昼食休憩13:12--13:40中洞権現--15:33登山口--16:06ゲート


行程タイム見れば軽装カモシカ歩きなら可能ですね、でも歩くだけになるなあ。
筋肉だけ喜ばさせるだけでは悔いが残るだろうなあ。


乗鞍岳は火山の名峰としてずっと登りたい山のひとつだった。


火山の山はホンマ魅力ありますよね、
北は知床の羅臼から阿蘇普賢と地球の鼓動が感じられる、いろいろ見て来ました。


御意。魅力いっぱいです。

昨年、意を決して前夜泊で、丸黒・千町尾根から挑んだ。
翌朝起きると無情の雨、傘をさしての遅出ではコースの半分までがやっと。
そして、歩いてみて分かった。
たとえ絶好調だとしてもこのコースの日帰りは自分には不可能だと。

緑ちゃん、このコース樹氷の頃だから今頃かなあ、
丸黒山の下りで千町避難小屋まで行けそうでしたが又の機会にと帰りましたよ。
泊りの装備で行こうと思ってます。二泊でマッタリが好いね


結論的にはそうでしょうか。
花の季節には、畳平からいいとこ取りのツァーが出ているようです。


でも火山が好きなので、あきらめきれない。
ということで、山頂へは最短というこのコースを選んだ。


実働8時間ですか、きつそうだなあ。昔なら・・・アカンなそんなこと言うててわ。

一番整備されているのは、前述の丸黒・千町尾根コース。
他には、位ヶ原からとか、ガイド付き人数制限コースなどがあるにはある。


アカン分時間をかければ好いんだワン、心が喜ぶワナ

肝心な基本を指摘されたような。
山を味わえなければ、なんぼのもんでもありません。

「登山口はずっと下で、左側に表示があったはずだけど」
刈られた笹の枯葉が堆積しているからコース道にはきちんと関係者の手が入っている。
岩が表れ、岩にはしっかりと苔がついている。
倒木にも苔がつき、気を付けないとすべってしまう。
はじめこそ隙間をなんとか通してくれてはいたが、すぐに本性を現した。
そのうちのいくつかは、がちがちに凍っていた。
標高2600㍍地点でこれである。


やめた、千町尾根に上がるまでは苦労ばかりなのね、レポありがとさんでした。ご苦労様でした。

あくまで、現状は、ということで。
貴重なこのコースの存在は、十分に尊重したいものです。

この日帰宅したら、テレビのニュースで乗鞍の畳平の氷を取り上げていた。


冬の装備がいるなあ、重くなるなあ。ポーターおらんやろか。

そろそろそんな季節ですね。
ポーターですか、ヒマラヤトレッキングでなくても可能ならば・・・。

剣が峰の奥宮に対して、奥ノ院でもある大日岳。
そこには分かってはいたがしっかりとロープが張られ、立入禁止。
押すなへすなの人並みの横に張られたロープをまたいで合流する。
いやはや大変な人である。


好い山は好いから、万民に開放するは好いことですよね。
人が寄ればお店屋さんが出るんだけどココは無いのが不思議。
富士山を世界遺産に言いながら、富士山だしにして飯食う連中の画策だと思うなあ。


便利な山(バスで上れる山)は、そこだけに人が集中するからそこで経済活動が起きる。
逆に取り残される部分が多いから、そこには自然が静かに残る。
ある意味、いいバランスです。

駐車地から10㌔ほどの所にある塩沢温泉露天風呂。

● スゴイ人と出会いました、レポお楽しみに

これは、意味深。写真からは分かりませんが、期待大ですね。


山の帰りは温泉が好いですね、そこで一期一会が有れば充実感がありますね。

好い山歩きをです

ありがとうございます。
緑水さんにも 酔い山歩きと温泉の温もりを です。
                   たそがれ   
閉鎖