【中国山地】烏谷から烏ヶ山へ

山行記、山の思い出、限定
フォーラムルール
新規トピックは文頭に以下のテンプレートをなるべく使ってください。
【 日 付 】
【 山 域 】 
【メンバー】
【 天 候 】
【 ルート 】
※ユーザーでなくても返信が可能です。ユーザー名に名前を入れて返信してください。
返信する
アバター
山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【中国山地】烏谷から烏ヶ山へ

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2020年10月11日(日)
【山 域】大山山塊 烏ヶ山周辺
【天 候】曇り時々雨
【コース】健康の森登山口6:45---7:40鳥越峠---8:10地獄谷8:35---9:15烏谷出合---11:20稜線11:40---
     12:25烏ヶ山13:40---14:40鳥越峠---15:25登山口

 健康の森の登山口から一歩踏み出すと、いきなり深い森に放り出されたような感覚にとらわれた。目の前に
は見渡す限りのブナ林が広がっている。世代交代したのだろう、白っぽくて若いブナたちが天を衝くようにス
ックと立ち並んでいる。
歩みを進めるにつれ、やがて親の世代の森に変わったのか、大木と言える立派なブナが目立ち始める。
体の健康もさることながら、心の健康に極めて効能あらたかな森である。


PA110019_1.JPG

 道は緩やかに高度を上げて、文殊堂からの道と合流する。ここから先はブナの純林ではないものの、ササの
林床に風格のある巨木がポツポツと現れた。
 14年前に槍ヶ峰から大山剣ヶ峰へ辿った道を鳥越峠へ。ここの標識には烏ヶ山方面と駒鳥小屋への表示はあ
るが、槍ヶ峰への表示はない。崩壊の激しい登山道はだいぶ前から通行禁止になっている。休むこともなく駒
鳥小屋へ下る。

PA110030_1.JPG

 下の方からエンジン音が聞こえてきた。と思うと、小屋の屋根が目に入る。
駒鳥小屋は石造りの雰囲気のある小屋だが、老朽化が進んだため改修工事の真っ最中だった。
木造の屋根部分が、木の香りが漂うような真新しい木材になっていた。
何十年も前、ガイドブックに載っていた写真を見て、一度泊まってみたいと思っていたのだが、未だ果たせて
いないのである。

 地獄谷の荒れた河原に下り立って、初めての休憩を取る。食欲がなく、起きてから何も食べていなかったので
シャリバテ気味だ。あんぱんを齧ってエネルギーを補給。
これから進む地獄谷の下流方向も、上流の振子沢方向も、すべてガスで覆われて陰鬱なムードを醸し出している。
それだけならまだしも、空からは冷たいものが落ちてくるありさまだ。終日曇りの天気予報を見て、時折晴れ間
が覗けば御の字だと思っていたが、これは予想以上(以下?)の状況である。
 ここまでの笹ヤブくぐりでズボンもビショビショになってしまったが、今さらながらレインパンツを着用。
こんなことなら最初から履いておけばよかった。

PA110041_1.JPG

 2年前にも歩いた地獄谷本流は、一応登山コースということになっているが、道と呼べるものは見当たらない。
渓流シューズに履き替えて、何度も渡渉しながら下流へ向かった。
あまり見栄えのしない夫婦滝を過ぎてしばらく進むと、本日の目的の烏谷出合である。上流の殺伐とした風景が、
このあたりまで来ると豊かな森に包まれるようになる。
出合にかかる小滝と、その左側に立つカツラの大木が、何とも言えない落ち着いた風景を作り出していた。2年前
にここを訪れた時から、烏ヶ山に登るなら烏谷からと決めていた。

PA110053_1.JPG

 烏谷自体は小滝がいくつか現れるぐらいで、とりたてて美点を上げるのが難しい程度の沢である。出合の滝で
期待を膨らませると拍子抜けしてしまう。ましてやこの天気。紅葉の時期の快晴の日を選べば、さぞ楽しい沢歩き
だっただろうと後悔の念が頭を掠めた。
 モチベーションだだ下がりのはずの状況でも、なぜか心は折れず、前に進もうと言う気力だけは切れなかった。
もっともここまで来れば進むしかないのだが。

 地形図で見ると、標高950mあたりから1050mぐらいまで、谷は広々としているように見える。実際広いのだが、
このあたりまで来ると樹林が発達して、喬木に視界を遮られるのであまり広々とした印象がないのである。
完全な平流地帯なのだが、足元の流れは早々と消えてしまい、伏流となっているようだ。
慌てて昼飯のラーメン用の水を汲む。前方のガスの中に浮かび上がるシルエットは烏ヶ山の北壁あたりだろうか。

PA110102_1.JPG

 右の谷へ入らないように注意していたつもりが、いつの間にか崩壊壁のど真ん中に突っ込んでいく谷に入って
いて軌道修正。引き返して左の谷へ入り直した。
 いくつもの谷が分岐しているのだが、入口がわかりにくい谷もあり、樹林で視界が遮られているせいで目標を
定めにくいのである。
目的の谷へ入ると、左手の尾根に踏み跡があるという情報を得ていたので上り口を探す。
一瞬、このまま谷を進んで鞍部へ突き上げようかとも思ったが、何が待っているかわからないので自重。尾根に
乗ってみるとヤブもなく、フェルト底でもズルズル滑ることもない快適なルートで助かった。

PA110114_1_1.JPG

 何度も呼吸を整えながら稜線に到着。ここは新小屋峠からのよく整備された登山道があり、メドが立ったこと
もあってホッとひと息である。再び登山靴に履き替えて、烏ヶ山を目指す。
まわりは豊かなブナ林で、展望皆無のこの状況でも楽しめるのがありがたい。
 こんな天気だから誰も登っていないのかと思えばあにはからんや。山頂から次々と下山してくる登山者とすれ
違った。
 鏡ヶ成からの道を合わせると、稜線上はちょっとした岩場が続いて退屈しのぎになる。晴れていればさぞ見事
な眺望が得られるのだろう想像するしかない。


PA110127_1.JPG

 ジョーズのような大岩が鎮座する山頂は意外に平凡な印象だった。景色が見えればまた違った印象なのだろう
が。
 さて、ランチタイムというところで重大な事実に気が付いて愕然とした。ビールを車に忘れてきたのだ。
なんたる失態。念願のコースを登り切った充実感が、シュルシュルと音を立ててしぼんでいく・・・というのは
些か大げさか。まあ、無い物ねだりをしても始まらない。ラーメンを食べる気もせず、パンとコーヒーだけのラ
ンチを済ませた。

 止んでいた雨がまた降り始めた。後は鳥越峠へのんびり下りるだけ、と思っていたら思わぬ伏兵が待っていた。
標識もテープもない、道らしき踏み跡を辿るが、強烈な急傾斜である。道のようであるが、水か流れた跡のよう
な感じもする。しかも方向は稜線と90度近く離れている。少し下ったところでもう一度山頂へ登り返して、他に
道がないか確認した。やっぱり道はここだけだ。覚悟を決めて下って行くと、水平方向にトラバースするうっす
らとした踏み跡が見えた。それを辿ると稜線に戻り、そこからは明瞭な踏み跡が続いていた。
山頂方向を振り返ると、とんでもなくハングした大岩が突き出している。これでは尾根芯を進めないはずだ。
踏み跡は明瞭なものの、かなりのヤセ尾根が続き、ガスの中から岩塔がいくつも浮かび上がっている。

PA110134_1_1.JPG

 やがて普通の尾根道になると、突然ササが刈り払われていた。結構最近の仕事のようである。
鳥越峠から烏ヶ山方面の道を見た時刈り払われていたので、もしやと思っていたのだがその通りだった。
但し、刈ったササはそのままで、雨水が乗っているので滑りやすいことこの上ない。ここまで整備したのなら、
山頂直下のあれはなんなのだろうと思ってしまう。
どうしても道が見つからなければ、元来たコースを戻ろうかと一瞬思ったほどである。


PA110156_1_1.JPG

 途中からは美しいブナ林の中を気持ちよく進むようになる。
敬愛する増永廸男氏の著書の中に、「ブナノキは霧の中で行列することがあった」という言葉がある。ガスの中
に浮かび上がったブナの写真のキャプションとして使われていた言葉だが、それを見た時「したり」と思った。
自分の感覚をそのまま表現してくれている言葉だったからである。
烏ヶ山のブナも確かに行列していた。そして、この感覚は晴れた日には絶対に味わえないものだ。
 ふと気が付くと、朝見た鳥越峠の標識が目の前にあった。
往路では先の長さにゆっくり味わえなかった豊潤なブナの森を、心ゆくまで愛でながら歩こう。
いつの間にか雨は上がっていた。

              山日和
sato
記事: 420
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【中国山地】烏谷から烏ヶ山へ

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんにちは。
比良の山も少し色づいてきました。
紅葉し始めの大山山塊の谷を味わわれてきたのですね。
烏ヶ山は剣ヶ峰から南東に延びるギザギザの稜線上の山ですね。
私は、大山は富士山の形のようなお山と思っていました。写真で見た西側からの風景がすべてだったのですね。
数年前、夫の雪の大山山行の仕事に同行することになり、地図を見て、北、南側の荒々しさに目が釘付けになりました。
そして、下見(夏山登山道)を兼ねて、3月の最初の3日間、車中泊しながら北側の尾根と稜線をちょこっと歩いたのですが、
どこまでも白く輝く峻峰の神々しさに衝撃を受けました。
次は南東の稜線と夢見ていますが、鳥越峠から烏ヶ山は厳しそうですね。

弥山の山頂でお会いした、大山を何百回と歩いている方が「大山は谷も美しいよ」とおっしゃっていたのを思い出しました。
烏谷はどんな谷なのだろう。興味津々で読ませていただきました。地図を見ると烏谷は地獄谷の支流。
以前歩かれた地獄谷から見た烏谷の入り口の情景から、今回の山旅が描かれたのですね。
「烏ヶ山に登るなら烏谷から」山日和さんだなぁと思いました。

烏谷には、木谷登山口(健康の森とはここですね?)から向かわれたのですね。なるほどと思うコースでした。
「登山口から一歩踏み出すと、いきなり深い森に放り出されたような感覚にとらわれた・・・」
読み始めた途端、まぶたの奥に深い森が広がり、さらさらと葉っぱをゆらす風が鼻先に緑の匂いを運んで来てくれたような感覚にとらわれました。

高揚感に包まれながらの山歩きが、予想外の雨で、気持ちが崩れてくる。
遠い場所だと、そうなってしまいますよね。後になればいい思い出でも。
実際に遡った烏谷の風景は、天気も影響していると思いますが、想い描いた風景と重ならないところも多かったのですね。
山頂からの眺めがなかったのも残念でしたね。お昼の楽しみのビールまで忘れたとは。
でも、ガックリを味わっている自分に気づき、なんだか可笑しくなったり?

霧の中の岩稜は、先が見えないので緊張します。
ハングした大岩の写真、間違って先端まで進んだらギョッとしそうです(その前に行き詰まるか)。
寝そべった巨大クマがあくびしているような面白い形ですね。
晴れの日だったら、この尾根は、山日和さん、ワクワクしながら下られたのでしょうね。

そして、ため息の後には、こころに深く沁み入る風景に出会えたのですね。
霧の中でしか出会うことのできない風景、その時の山日和さんの心情でしが掬い取ることのできない風景、
そんな風景に出会えたのですね。

来た道を戻るのもいいですよね。
いや、戻るのではない、旅は先へと、奥へと続いていく、最後の文章からそんなことを感じました。
味わい深い山旅だったのだなぁと思います。
いつか、晴れた日、大山のどこかのお山から烏ヶ山を望んだ時、じんわりとこころが温かくなるような。

sato
アバター
山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【中国山地】烏谷から烏ヶ山へ

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。

私は、大山は富士山の形のようなお山と思っていました。写真で見た西側からの風景がすべてだったのですね。
数年前、夫の雪の大山山行の仕事に同行することになり、地図を見て、北、南側の荒々しさに目が釘付けになりました。

そうそう、この山は見る方向でまったく姿を変えます。北や南から見ると「伯耆富士」とは呼べないですね。 :D

弥山の山頂でお会いした、大山を何百回と歩いている方が「大山は谷も美しいよ」とおっしゃっていたのを思い出しました。

崩壊しまくっている谷筋を見れば、「美しい」と言えるのはほんの限られた谷か、下流部の方だけでしょうね。
今回の入山口の「奥大山」と呼ばれるあたりは、宇多田ヒカルのCMで全国区になった清流があります。

烏谷はどんな谷なのだろう。興味津々で読ませていただきました。地図を見ると烏谷は地獄谷の支流。
以前歩かれた地獄谷から見た烏谷の入り口の情景から、今回の山旅が描かれたのですね。
「烏ヶ山に登るなら烏谷から」山日和さんだなぁと思いました。

まあ、普通に登山道を周回したくなかっただけですね。 :mrgreen:

烏谷には、木谷登山口(健康の森とはここですね?)から向かわれたのですね。なるほどと思うコースでした。

たぶんそうだと思いますが、木谷というのは隣の谷ですよね。

「登山口から一歩踏み出すと、いきなり深い森に放り出されたような感覚にとらわれた・・・」
読み始めた途端、まぶたの奥に深い森が広がり、さらさらと葉っぱをゆらす風が鼻先に緑の匂いを運んで来てくれたような感覚にとらわれました。


PA110002_1.JPG

ドライブウェイのすぐ横から、心の準備をする間もなく見事なブナ林が始まります。

実際に遡った烏谷の風景は、天気も影響していると思いますが、想い描いた風景と重ならないところも多かったのですね。

それほど素晴らしい谷を想像していたわけではなかったけど、水の煌めきがないと少し寂しいですね。中間部はちょっと殺伐とした感じだったので。上流では見事な樹林が戻ってきて、ガスや霧雨の似合う風景になりました。


PA110098_1.JPG

山頂からの眺めがなかったのも残念でしたね。お昼の楽しみのビールまで忘れたとは。
でも、ガックリを味わっている自分に気づき、なんだか可笑しくなったり?


ここまで来たらヤケクソで、残念とも思いませんでしたよ。ビールがないのが何より残念でした。 :lol:

霧の中の岩稜は、先が見えないので緊張します。

高度感が薄まって、かえって安心かもね。

晴れの日だったら、この尾根は、山日和さん、ワクワクしながら下られたのでしょうね。

山頂から距離にして200mぐらいしかないと思うけど、ここだけがバリハイの雰囲気満載でした。

そして、ため息の後には、こころに深く沁み入る風景に出会えたのですね。
霧の中でしか出会うことのできない風景、その時の山日和さんの心情でしが掬い取ることのできない風景、そんな風景に出会えたのですね。

こういうブナ林の情景は、もうあたりまえのようになってます。
晴れの日も悪くないけど、ブナには霧が似合いますね。


PA110157_1.JPG

来た道を戻るのもいいですよね。
いや、戻るのではない、旅は先へと、奥へと続いていく、最後の文章からそんなことを感じました。
味わい深い山旅だったのだなぁと思います。
いつか、晴れた日、大山のどこかのお山から烏ヶ山を望んだ時、じんわりとこころが温かくなるような。


同じ風景でも方向が変われば見えるものも変わる。
特に今回は行きに気が急いてじっくり味わえなかったブナ林を反芻することができてよかったです。 :D

                   山日和
yamaneko0922
記事: 539
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
お住まい: 京都市左京区

Re: 【中国山地】烏谷から烏ヶ山へ

投稿記事 by yamaneko0922 »

山日和さん こんばんは

烏ヶ山は南の三平山から眺めた時の天を突くようなその鋭鋒のきりりとした姿に惹かれ、二年前の5月の連休に奥大山のキャンプ場に泊まり、当時まだ小学生であった長女や次男も含め、家族で登った想い出があります。その時は鏡ヶ成からの登山道が通行止になっていたので、新小屋峠から往復するしかなかったのですが、次は鳥越峠から登ってみたいと思っていたのでした。

>健康の森の登山口から一歩踏み出すと、いきなり深い森に放り出されたような感覚にとらわれた。目の前には見渡す限りのブナ林が広がっている。
>歩みを進めるにつれ、やがて親の世代の森に変わったのか、大木と言える立派なブナが目立ち始める。


烏ヶ山に登った時の山毛欅の樹々も素晴らしかったのですが、別の機会に大山の南麓、三ノ沢から剣ヶ峰に登った時に山毛欅の深い森に同じような感想を抱いたことを思い出します。おそらく、このあたりのなだらかな山裾に広がる山毛欅の深い森は湖北の山々の尾根で目にする山毛欅とは全く違う雰囲気ですね。森の深さのせいでしょうか。考えてみると、大山という文字通り大きな山が南麓に拡げる裾野の広さ、ひいては大山の懐の深さによるような気がします。

>駒鳥小屋は石造りの雰囲気のある小屋だが、老朽化が進んだため改修工事の真っ最中だった。
木造の屋根部分が、木の香りが漂うような真新しい木材になっていた。
何十年も前、ガイドブックに載っていた写真を見て、一度泊まってみたいと思っていたのだが、未だ果たせて
いないのである。


私もこの小屋に是非、泊まってみたいものだと思っていました。それにしても、この地獄谷の歩行が崩落のためにかなりの難路になっていると聞いたのですが、果たしてこの小屋に泊まる人はどういうコース取りで歩くのだろうと疑問に思っていました。
でも、機会を見つけて行ってみたいと思います。

>出合にかかる小滝と、その左側に立つカツラの大木が、何とも言えない落ち着いた風景を作り出していた。2年前にここを訪れた時から、烏ヶ山に登るなら烏谷からと決めていた。

これは驚きました。烏ヶ山から眺めて、深く切れ落ちた北側の烏谷の光景は印象的でした。ここを登ることが出来るとは。ところで、2年前・・・まさか奥大山のあたりですれ違っていないですよね。

>こんな天気だから誰も登っていないのかと思えばあにはからんや。山頂から次々と下山してくる登山者とすれ違った。

普段、私はTVを全く見ないので、CMもほとんど見ることはないのですが、当時、サントリーの奥大山の天然水のCMで宇多田ヒカルがこの山に登る山行が放映されていたらしく、ドがつくほどマイナーと思われていたこの山がすっかり人気の山になっていたことを知りました。
宇多田ヒカルが腰かけて歌を歌っていた岩は宇多田岩と命名されているらしいです。

>やがて普通の尾根道になると、突然ササが刈り払われていた。結構最近の仕事のようである。
鳥越峠から烏ヶ山方面の道を見た時刈り払われていたので、もしやと思っていたのだがその通りだった。


鳥越峠からの道は笹の藪漕ぎの道と聞いていたのですが、辿りやすい道になっているかもしれませんね。

>「ブナノキは霧の中で行列することがあった」という言葉がある。ガスの中
に浮かび上がったブナの写真のキャプションとして使われていた言葉だが、それを見た時「したり」と思った。
自分の感覚をそのまま表現してくれている言葉だったからである。


美しい表現ですね。やぶこぎにrepをアップした最近の自分の山行では庄部谷山やつい先日の伊吹山の霧の山毛欅林を思い出します。
山毛欅の林の中を気まぐれに動いてゆく霧のせいで、あたかも山毛欅の林がおもむろに動いているかのような印象を抱くことがありますよね。

>烏ヶ山のブナも確かに行列していた。そして、この感覚は晴れた日には絶対に味わえないものだ。

確かに・・・

>往路では先の長さにゆっくり味わえなかった豊潤なブナの森を、心ゆくまで愛でながら歩こう。

豊潤なブナの森に対する憧憬がますます強くなりました。

p.s. 以前の烏ヶ山の山行の写真を探そうと思ったのですが、今日は遅くなってしまったので、明日以降に写真を追加させて頂きたいと思います。
山猫 🐾
アバター
山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【中国山地】烏谷から烏ヶ山へ

投稿記事 by 山日和 »

yamanekoさん、どうもです。

烏ヶ山は南の三平山から眺めた時の天を突くようなその鋭鋒のきりりとした姿に惹かれ、二年前の5月の連休に奥大山のキャンプ場に泊まり、当時まだ小学生であった長女や次男も含め、家族で登った想い出があります。その時は鏡ヶ成からの登山道が通行止になっていたので、新小屋峠から往復するしかなかったのですが、次は鳥越峠から登ってみたいと思っていたのでした。

家族で登られたんですか。いいですね~。
烏ヶ山は地震の影響で長らく登山禁止になってましたね。

別の機会に大山の南麓、三ノ沢から剣ヶ峰に登った時に山毛欅の深い森に同じような感想を抱いたことを思い出します。おそらく、このあたりのなだらかな山裾に広がる山毛欅の深い森は湖北の山々の尾根で目にする山毛欅とは全く違う雰囲気ですね。森の深さのせいでしょうか。考えてみると、大山という文字通り大きな山が南麓に拡げる裾野の広さ、ひいては大山の懐の深さによるような気がします。

三ノ沢から剣ヶ峰へ行かれましたか。ちょっとアルペンチックでいい感じですよ。
私は14年前に鳥越峠から槍ヶ峰経由で登りましたが、高度感満点の面白いルートでした。
今は崩れ過ぎて危ないでしょうね。下山は三ノ沢でした。

槍尾根の様子
槍尾根の様子

私もこの小屋に是非、泊まってみたいものだと思っていました。それにしても、この地獄谷の歩行が崩落のためにかなりの難路になっていると聞いたのですが、果たしてこの小屋に泊まる人はどういうコース取りで歩くのだろうと疑問に思っていました。

泊まってみたくなる、いい雰囲気の小屋ですね。
地獄谷のコースはもう登山道とは言えないほど荒れてます。
烏谷と駒鳥小屋の間も、道の痕跡を探すのが難しい状態ですね。

これは驚きました。烏ヶ山から眺めて、深く切れ落ちた北側の烏谷の光景は印象的でした。ここを登ることが出来るとは。ところで、2年前・・・まさか奥大山のあたりですれ違っていないですよね。

その切れ落ちた部分は避けて登りましたが。
天気が良ければ、どこまで行けるか突っ込んで行きたい気持ちでしたよ。
2年前は一向平から地獄谷経由で振子沢を上がったので、すれ違うことはないですね。 :mrgreen:

地獄谷本流はこんな感じ
地獄谷本流はこんな感じ

普段、私はTVを全く見ないので、CMもほとんど見ることはないのですが、当時、サントリーの奥大山の天然水のCMで宇多田ヒカルがこの山に登る山行が放映されていたらしく、ドがつくほどマイナーと思われていたこの山がすっかり人気の山になっていたことを知りました。
宇多田ヒカルが腰かけて歌を歌っていた岩は宇多田岩と命名されているらしいです。


宇多田岩・・・・一度見に行かないと。別にファンではないんだけど。 :lol:

鳥越峠からの道は笹の藪漕ぎの道と聞いていたのですが、辿りやすい道になっているかもしれませんね。

今がチャンスですね。 :D


PA110145_1.JPG

美しい表現ですね。やぶこぎにrepをアップした最近の自分の山行では庄部谷山やつい先日の伊吹山の霧の山毛欅林を思い出します。
山毛欅の林の中を気まぐれに動いてゆく霧のせいで、あたかも山毛欅の林がおもむろに動いているかのような印象を抱くことがありますよね。


ブナ林は快晴の日より、ガスに煙る風景の方が似合いますね。

豊潤なブナの森に対する憧憬がますます強くなりました。

私のモットー、「NOブナ林、NOマウンテン」です。 :lol:

                      山日和
yamaneko0922
記事: 539
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
お住まい: 京都市左京区

Re: 【中国山地】烏谷から烏ヶ山へ

投稿記事 by yamaneko0922 »

山日和さん 先日の私のコメントに写真を添えておこうかと思ったのですが、ついでにもう一度レスさせて下さい。

なかなか写真が見つからなくて・・・SDカードの中に眠っていたのをようやく探し出すことが出来ました。

我がファミリーが登る前日は登山の前日に季節外れの雪が降り、大山も烏ヶ山も冠雪したのでした。奥大山のキャンプ場で朝起きたらテントの周囲が真っ白で吃驚しました。
P5041821.JPG
次男は大山に登りたがったのですが(勿論、私も)、娘の大反対のせいで大山への登山をすることは叶わなかったのでした。

> ジョーズのような大岩が鎮座する山頂は意外に平凡な印象だった。景色が見えればまた違った印象なのだろう
が。


雲ひとつない快晴の日、この岩からの冠雪した大山の形式は素晴らしかったのですが、私のシルエットは撮ってもらったものの肝心の大山の姿を撮るのを失念しておりました。
P5041888.JPG
山頂の手前からの写真をお届けします。
P5041881.JPG

ここからの烏谷の光景ですが、谷を覗き込んだ綺麗な写真がありませんでした。
P5041882.JPG

>崩壊しまくっている谷筋を見れば、「美しい」と言えるのはほんの限られた谷か、下流部の方だけでしょうね。
今回の入山口の「奥大山」と呼ばれるあたりは、宇多田ヒカルのCMで全国区になった清流があります。


木谷沢渓流ですね。この清流の入口には道標も何もなく、全くと言ってもいいほど知られざるところですが、宇多田ヒカルのCMで大人気の場所となりましたね。私も烏ヶ山を訪れた時は知らなくて、その一月半後に出雲への出張の機会があったので、そのついでに訪れました。
P6152912.JPG
山猫 🐾
アバター
山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【中国山地】烏谷から烏ヶ山へ

投稿記事 by 山日和 »

yamanekoさん、再びどうもです。

我がファミリーが登る前日は登山の前日に季節外れの雪が降り、大山も烏ヶ山も冠雪したのでした。奥大山のキャンプ場で朝起きたらテントの周囲が真っ白で吃驚しました。
次男は大山に登りたがったのですが(勿論、私も)、娘の大反対のせいで大山への登山をすることは叶わなかったのでした。


そりゃ仕方ないですねえ。 :lol:

雲ひとつない快晴の日、この岩からの冠雪した大山の形式は素晴らしかったのですが、私のシルエットは撮ってもらったものの肝心の大山の姿を撮るのを失念しておりました。

山頂の手前からの写真をお届けします。

なんと素晴らしい快晴!! 裏山Cとしか言いようがないですねえ。 :o

木谷沢渓流ですね。この清流の入口には道標も何もなく、全くと言ってもいいほど知られざるところですが、宇多田ヒカルのCMで大人気の場所となりましたね。私も烏ヶ山を訪れた時は知らなくて、その一月半後に出雲への出張の機会があったので、そのついでに訪れました。

健康の森登山口の隣の谷ですね。
再訪する機会があれば行ってみたいもんです。

                     山日和
返信する