【湖北】源流への憧憬 姉川源流から江美国境稜線へ

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山日和
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【湖北】源流への憧憬 姉川源流から江美国境稜線へ

投稿記事 by 山日和 » 2019年7月23日(火) 23:45

【日 付】2019年7月21日(日)
【山 域】湖北 姉川源流域
【天 候】曇り
【メンバー】sato、山日和
【コース】中津又林道広場8:12---11:48 P1001西鞍部---12:11新穂山14:15---15:36新穂峠---16:21駐車地

 私にとって「源流」という言葉には特別の響きがある。すべての命の源である水。その水が生まれるところが
源流だ。沢登りという登山の一形態の楽しみ方は百人百様だろう。
一般的に沢登りの興味というのは滝の多さやゴルジュの険悪さで語られることが多い。そういう場所を「核心部」
と呼んでいるが、核心部だけ楽しんでさっさと下山してしまうケースがある。
鈴鹿で言うと仙香谷・赤坂谷を遡行してツメカリ谷を下るというゴールデンコースがそれにあたる。沢登りを滝
の登攀やゴルジュ突破のゲームとして捉えるならば、それはそれで文句を付けるつもりもないが、赤坂谷やツメ
カリ谷の源頭の樹林の素晴らしさや、緩やかに稜線に伸びていく穏やかな源頭の魅力を知らないというのはあま
りにももったいないと思う。
私にとっての沢登りというのは、谷の一部を切り取ったゲームではなく、山頂あるいは稜線に至る道程であり、
「源流」を歩くということが沢登りを登山として完結させる必須条件なのだ。

 今回歩いたのは姉川の合戦で有名な姉川の上流部で、その長さから見て本流としたい中津又谷である。
8年前の残雪期にこの源流部を取り囲む尾根を周回した時、見下ろした谷の樹林の豊かさにこころ惹かれ、いつか
谷を詰めてここへ来たいと思っていたのだ。
いろいろ検索しても、沢の記録はまったくヒットしない。釣りの記録が若干見られる程度でほとんど情報を得ら
れない。情報がないということは、面白くない、いわゆる「ハズレ沢」の可能性が大である。
しかし先週の針畑川のように、思わぬプレゼントをもらえることもある。
期待しなければ失望もしない。行ってみなければわからないを今週も実践することとなった。
P7210009_1_1.JPG
 林道がどこまで入れるかがひとつのポイントだったが、細いながらも路面はそう悪くもなく、予定していた下
山ルートの合流点まで車で入ることができた。
まわりは植林一色で面白くもなんともないが、それは最初からわかっていることだ。
適当な場所から入渓したが、川床は白い砂地でずっと平流が続く。見上げる両岸はもちろん植林オンリーだが、
たまにトチの木が残されているのがうれしい。
P7210020_1.JPG
P7210044_1.JPG
 前方に両岸の狭まりと水の泡立ちが見えた。滝だ。小さな斜瀑だが今日は水量が多く、勢い良く水流が走って
いる。流れの中に足を置くと持って行かれそうである。これは先週と同じ展開かとほくそ笑んだ。
 しかしお楽しみはすぐに終わり、元の平流に戻ってしまった。そういうことが2度ほど繰り返された。
まあ、こんなもんだろうと納得して歩いているうちに、いつしか流れにヤブが被り始めた。平流はいいが、これ
は一番勘弁してほしいパターンである。水の中でヤブをかき分けながら進むというのは避けたい項目の筆頭だ。
これは記録がないのもむべなるかな。いや、行ってみたけど面白くなかったという記録はあってもいいと思うの
だが。
 山仕事に使われていた谷のようで、両岸には切れ切れに杣道の痕跡が認められた。楽をしようと道を辿るとす
ぐにヤブに没してしまうところがほとんどではあったが。
それでも大きなトチがかたまって立っているところもあり、短所だけを見ずに長所を褒めて伸ばそうという目で
見れば、そう悪い谷(普通は悪い谷というのは沢登り的に面白い谷のことを指すが、この場合は逆の意味)ではな
いと無理にこじつけてみる。
P7210073_1.JPG
 源頭で枝分かれした谷を慎重に選んだつもりだったが、見事に外してしまい、狙った鞍部の東の支尾根に出て
しまった。どうしてもその鞍部に立ちたかったので、都合よく現れた獣道を利用してトラバースを続けると、ぴ
ったり鞍部へと導いてくれた。積雪期には林床の潅木がすべて雪の下だったので、ずいぶんスッキリとしたブナ
林の印象があったのだが、やや雑然とした雰囲気があった。言い換えれば林床が豊かだということだ。
 ほとんど訪れる人もないこの江美国境稜線には新しい切り分けがあった。これは5月に開催されたらしいトレ
ラン大会のためのものだ。なにもこんなところを走らなくてもと思うのだが。
実際、道がヤブで不明瞭なところや極端に道が狭いところもあったりで、短パンで走るには不適当だと思う。
そう文句を言いながらもありがたく道を使わせていただく。これがなければ下山のコースも困難になっていただ
ろう。元々の踏み跡も多少はあったのかもしれないが。
P7210090_1.JPG
 新穂山(三角点名大ヶ屋)の山頂でランチタイムとする。絶対に人は来ないだろうと高を括って道の真ん中で店
を開いていたら、人が現れたのでびっくりした。なんと高山のキャンプ場から金糞岳を経由してきたそうだ。
奥伊吹スキー場に車をデポしているということだが、恐るべき健脚の2人組だった。内ひとりは短パンのトレラ
ンスタイルだった。こちらが沢を上がってきたと言うと「凄いですねえ」と言われたが、そちらの方がよほど凄
いと言いたいところだ。
P7210099_1.JPG
 山頂から先は不明瞭なところもなく、1010mピーク、1039.9mピーク(新穂谷山)と、ブナ林の魅力的な場所を
辿る縦走路となった。ガスが出てきて、いつものごとく霧にむせぶブナ林を堪能する。
satoさんと晴れたブナ林を歩いたことがないのだが、どちらに原因があるのだろう。
P7210107_1.JPG
 新穂峠は古い峠越えの道だ。往時の立派な道標が転がっていた。ここから中津又谷に向かって谷沿いの峠道を
辿る。ところどころ崩れかかった場所もあるが、概ね歩きやすい古道が続いていた。
地形図の道とは違い、右岸の尾根に付けられた道は谷底を見下ろすようになる。
途中にはこの古道のシンボルとも言うべきお地蔵さんがあり、かつては峠越えの道中の安全を祈って手を合わせ
たのだろう。眼下の谷筋には立派なトチが多く、沢支度で谷を辿るのも楽しいかもしれない。
P7210115_1.JPG
 大した下りもなく林道に出ると駐車地は近い。
谷そのものは決して面白いとは言えない谷歩きだったが、思い描いていた源流の風景とブナの尾根、最後に峠越
えの古道歩きを楽しむことができた、いい山歩きの一日だったと言えるだろう。

                     山日和

シュークリーム
記事: 1744
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
住所: 三重県津市

Re: 【湖北】源流への憧憬 姉川源流から江美国境稜線へ

投稿記事 by シュークリーム » 2019年7月25日(木) 09:20

山日和さん,おはようございます。いよいよ本格的な沢シーズンですね。

 私にとって「源流」という言葉には特別の響きがある。すべての命の源である水。その水が生まれるところが
源流だ。沢登りという登山の一形態の楽しみ方は百人百様だろう。
一般的に沢登りの興味というのは滝の多さやゴルジュの険悪さで語られることが多い。そういう場所を「核心部」
と呼んでいるが、核心部だけ楽しんでさっさと下山してしまうケースがある。
鈴鹿で言うと仙香谷・赤坂谷を遡行してツメカリ谷を下るというゴールデンコースがそれにあたる。沢登りを滝
の登攀やゴルジュ突破のゲームとして捉えるならば、それはそれで文句を付けるつもりもないが、赤坂谷やツメ
カリ谷の源頭の樹林の素晴らしさや、緩やかに稜線に伸びていく穏やかな源頭の魅力を知らないというのはあま
りにももったいないと思う。
私にとっての沢登りというのは、谷の一部を切り取ったゲームではなく、山頂あるいは稜線に至る道程であり、
「源流」を歩くということが沢登りを登山として完結させる必須条件なのだ。


土地勘がないので中身についてレスできないんですが,年中沢に浸っている人間として沢登りに関する山日和さんのポリシーはわかる気がします。
私が山登りを始めた頃は,テントを担いで山の稜線をどこまでも歩いていくことが目標で,そのため,大峰,台高,鈴鹿を始め,日本アルプスなどもテントを持ってよく縦走していました。そのうち行ったことのない稜線がだんだんなくなってきて,違う登山形態を模索している時に出会ったのが,やぶこぎネットであり,沢登りでした。沢登りをやっているおかげで色々な仲間と出会い,一緒に沢登りを楽しむことができるようになりました。
水や水が流れる音は心を和ませてくれるようで,渓流を歩いているとストレスが解消されてリフレッシュすることができます。最近は歳をとって体力がなくなってきたので,難しい沢はもう遠慮させてもらって,のんびりと歩くことができる沢が多くなっています。だんだん山日和さんの見方に近づいていくんでしょうか。それでも,ロープを使わないと登れないような滝に出会うと,血が騒ぐのもまた本当ですね。
                         @シュークリーム@

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山日和
記事: 2826
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
住所: 大阪府箕面市

Re: 【湖北】源流への憧憬 姉川源流から江美国境稜線へ

投稿記事 by 山日和 » 2019年7月25日(木) 21:33

シュークリさん、どうもです。

山日和さん,おはようございます。いよいよ本格的な沢シーズンですね。

梅雨も明けてやっとって感じですね。
でも今週末はまた天気崩れそうだけど。 :oops:

土地勘がないので中身についてレスできないんですが,年中沢に浸っている人間として沢登りに関する山日和さんのポリシーはわかる気がします。

考え方、感じ方は人それぞれなんで、私の考えは私個人のものでしかありません。
自分が満足できる方法で沢を楽しめばいいと思います。 :D
P7210023_1.JPG
そのうち行ったことのない稜線がだんだんなくなってきて,違う登山形態を模索している時に出会ったのが,やぶこぎネットであり,沢登りでした。沢登りをやっているおかげで色々な仲間と出会い,一緒に沢登りを楽しむことができるようになりました。

しかしやぶこぎに出会ってから沢を始めたにしては、凄い進歩ですねえ。
私なんか40年もやってても、なんの進歩もありません。
昔は登れたところが登れなくなっているだけです。 :oops:

それでも,ロープを使わないと登れないような滝に出会うと,血が騒ぐのもまた本当ですね。

それはわかります。
昔はとんでもないところでもノーロープで登ってたような気がしますが。 :mrgreen:

                  山日和

sato
記事: 56
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【湖北】源流への憧憬 姉川源流から江美国境稜線へ

投稿記事 by sato » 2019年7月26日(金) 21:48

山日和さま

こんばんは。
琵琶湖に注ぐ川の源流への山旅は、近江に暮らす私にとって感慨深いものがあります。
山日和さんが8年前に周回した姉川源流を囲む尾根は、逆コースで今年の2月の初めに歩いていました。
私が踏みしめた雪は土に浸み込み、源流の一滴としてあらたに生まれ、流れ落ち、その中を今、遡っているのだなぁと思いました。

途中まで植林でしたが、岸辺はトチやサワグルミ、オニグルミの木々が続き、大樹にも出会え、目を楽しませてくれました。
飯場のあったような台地も見られました。
谷がヤブの緑で塞がれたり、逃げた岸辺の伐採地の跡でもヤブにつかまったりと、快適とは言えませんが、
山の物語を聞きながら、深緑の山に分け入っていくような愉しさがありました。
源流は林床が豊かなブナの林でしたね。

国境稜線は滋賀一週トレラン大会に向け、品又峠から鳥越峠まで切り開きが行われたと聞いていました。
新穂峠に近づくと岐阜側からはモトクロスのエンジン音が響いていました。
森本次男の「およそ峠という峠は日本の国からなくなってしまふ・・・人間が峠を拵え人間がその峠を亡ぼしているのだ」という言葉を思い出しました。

新穂峠道は不明瞭な箇所もありましたが、古道の面影がところどころほのかに漂う道でした。
二体あったお地蔵様の一体はどこにいってしまったのでしょうね。見下ろした谷の風景は美しかったですね。
源流の山の様々な表情に出会えた沢山旅でした。

sato

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山日和
記事: 2826
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
住所: 大阪府箕面市

Re: 【湖北】源流への憧憬 姉川源流から江美国境稜線へ

投稿記事 by 山日和 » 2019年7月27日(土) 10:20

satoさん、どうもです。

私が踏みしめた雪は土に浸み込み、源流の一滴としてあらたに生まれ、流れ落ち、その中を今、遡っているのだなぁと思いました。

なかなかそういう感覚で歩く人はいないと思いますよ。 :D

途中まで植林でしたが、岸辺はトチやサワグルミ、オニグルミの木々が続き、大樹にも出会え、目を楽しませてくれました。
飯場のあったような台地も見られました。

それが続かず、すぐに息切れするのが残念でしたね。
P7210058_1.JPG
谷がヤブの緑で塞がれたり、逃げた岸辺の伐採地の跡でもヤブにつかまったりと、快適とは言えませんが、
山の物語を聞きながら、深緑の山に分け入っていくような愉しさがありました。

典型的なヤブ沢の様相になってきたのはちょっと想定外でした。
しかしそんなところでも楽しみに変えてしまうのがsatoさんらしい。 :mrgreen:

国境稜線は滋賀一週トレラン大会に向け、品又峠から鳥越峠まで切り開きが行われたと聞いていました。
新穂峠に近づくと岐阜側からはモトクロスのエンジン音が響いていました。
森本次男の「およそ峠という峠は日本の国からなくなってしまふ・・・人間が峠を拵え人間がその峠を亡ぼしているのだ」という言葉を思い出しました。

何を考えてあの稜線でトレランをしようと思うのか・・・・ :oops:
トレランのために道を整備するというのは本末転倒ですね。ホントに転倒しそうな悪いところもありました。
P7210108_1.JPG
新穂峠道は不明瞭な箇所もありましたが、古道の面影がところどころほのかに漂う道でした。
二体あったお地蔵様の一体はどこにいってしまったのでしょうね。見下ろした谷の風景は美しかったですね。
源流の山の様々な表情に出会えた沢山旅でした。

峠越えの古道はどの程度残っているのか少し心配してましたが、概ねいい道が続いていてよかったですね。
谷を巻いて行くカーブの付け方など、古道らしい味わいがありました。
終わり良ければすべて良し・・・ですね。 :lol:

                       山日和


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