【両白山地】ヒトリ集中山行。野伏を愛でる(能郷白山、荒島岳、経ヶ岳)
Posted: 2019年7月12日(金) 20:42
春に登った野伏岳。そこで見た風景が印象に残っていた。
岐阜、福井、石川の山々・・・。
逆にあの山たちから野伏を観たらどんな風景なんだろう?
中にはイマイチピンとこない山も。
『歩けば覚えるもんだよ』・・・なるほどねェ
チトやってみますか、一人集中山行。
まずは『のーごーはくさん』からだ。
【日付】2019年5月8(水)~10日(金)
【山域】両白山地(能郷白山、荒島岳、経ヶ岳)
【メンバー】あめちゃん(単独)
【天候】晴れ
【ルート】<1日目:能郷白山>駐車場(8:30)~渡渉P(9:30)~頂上(12:50~14:20)~駐車場(17:30)
<2日目:荒島岳>駐車場(8:00)~頂上(11:45~13:10)~駐車場(16:00)
<3日目:経ヶ岳>駐車場(7:10)~池の大沢(10:00)~頂上(10:50~12:15)~駐車場(15:00)
<1日目>
「のーごーはくさん」は昔登ったことがある。
ただ、川(沢)を渡った記憶が全くない。それは登山口に立って分かった。そうか、以前は温見峠から歩いたんだ。今回は入り口となる沢を渡渉することから。けれど、そこには出来立てホヤホヤの立派な橋が。感謝しながら渡る。しかしそこからいきなりのゲッソリする急登。
一度伐採された二次林のような斜面をひたすら登る。廃林道が横切る。この急傾斜尾根なら索道で簡単におろせたんだろうな。尾根にのる。チラホラとブナの老木が残っている。丁度新緑の頃、いつ見ても気持ちいい。
前山につくと展望が本格的に開ける。高木も無くなり、登山道のササも刈り払われている。雪も出てきた。じき山頂へ。まずは白山がおいでおいでしている。
今回の集中山行では決めたことがある。それは『頂上では少なくとも1時間は過ごす』ということ。それでいつもは持ち歩かない(野球観戦の時だけ使う)ニコンの双眼鏡を持参。これはいい大人のおもちゃだ。ラーメン食って、双眼鏡で景色を堪能して、1時間はあっという間に過ぎていく。
・・・肝心の『野伏』は・・・
今回目的地の中ではこの「のーごーはくさん」が一番野伏から離れている。野伏から見たときは、独特な山容からこちらは確認できたのだが、『野伏』自体は近くに薙刀山やら願教寺山やらが連なっていて、難しい・・・けど、近くに、この春に直したてホヤホヤの山名表示板があって、ナントか現認。・・・双眼鏡があってよかった・・・。 白山を挟んで左に次の目的地、荒島岳が、その奥にはあさって行く予定の経ヶ岳も見える。待っててね。来た道を戻る。近くの温泉に入り、郡上八幡のチョイ北の道の駅で一夜を過ごす。
<2日目>
翌日の山は荒島岳。百名山らしいが、そちらに興味もないので行かずだった。集落近くにそびえる単独峰。この辺ではランドマークの一つかな。越美北線がそばを走っているので、本来は汽車を使った周回コースが可能(しかも3駅から選べる贅沢)だけど、明日のことを考えるとツイ弱気になってしまう。一番楽な勝原(かどはら)からのピストンを選択。スタートは元スキー場、単調。ただそれを超えてからのブナ林の新緑はホントに気持ちがいい。このコースではここが核心部かな。 さいごの急登「もちがかべ」は雪が残っていればビビるかもしれないが、この時期は見晴らしのいい絶壁が続く。じき頂上。先客1名。こちらは双眼鏡出してカップラーメン作ってまったりモード。正面に白山、振り向けば「のーごーはくさん」。誰に言うともなく、「きのうはあの能郷白山にいたんですよ」とプチ自慢。すると先方が「僕はきのうはあのホントの白山にいました」(『おおっ』)。「では僕は先に行きます」「あれっ?どっちに行くの?」「ハイ、下唯野駅から入って、こちらに縦走して越前下山駅まで降りて汽車で下唯野まで」
「なんと!ガンバって」
上には上がいるものです、っていうかそれが実行できない自分がいました。青年よ頑張ってくれたまえ。 ・・・肝心の『野伏』は・・・
おおっ、ここまでくればはっきりとピークがわかるぞ。双眼鏡で見るとクッキリ。こちらから見ると双耳峰のように見えるんだ。薙刀山とかの連なりもわかる。別山はまだ雪深いなぁ。 その左にはあした登る予定の経が岳も待っている。
こちらは素直にピストンで下山、気になっていた荒島神社を見学する。荒島岳の周辺を半周するイメージだった。夕食後、六呂師高原トロン温泉へ。スキー場のふもとにある気持ちのいい温泉。この辺が登山口近くなので暗闇の中今宵の宿(駐車場)をフラフラ探すがテキトーなところが・・・ふと見上げるとスキー場の上に建物の明かりが・・・あっちへ行ってみよう。建物につくとありましたありました、古いタイプの電話ボックス。福井県は登山口にこれがあるパターンが多い(滋賀県の飛び出し坊やみたいな感じで)。建物は少年自然の家で高校生がなにかやっています。登山口を確認するために入館し、職員のかたに確かめると、ここで間違いない。
「明日登ります」
「どちらで泊まるのですか?」
「あの車の中で」
「えっ!気を付けて・・・」
心の声の『かわいそうに』も聞こえた気がしますが気にしない。
しかし地図をよく見るとこの上にも林道があり、登山口を横切るみたいだ。明日はそこから出発するか。
<3日目>
最終日は「経ヶ岳」。林道を行くと保月山登山口はすぐわかった。展望台も近くにある。きのう登った荒島岳が平野を挟んでニョッキリ。見おろすと一晩お世話になった少年自然の家が。まあ、ここまで車で来たから1時間の登りがカットできたかな。ブナの新緑を歩くのも最終日だ。・・なんだけど、こちらのブナはまだ芽吹いたばかりの印象。標高はあまり変わらないのだけど、季節が逆戻りしたようでこれはこれで楽しくなる。
経ヶ岳は遠くから見ると平凡に見えるが、山の形はなかなか美しい。
そしてその途中に現れる、池の大沢。ホントーに不思議な光景、山の中にぽっかりと桃源郷が。調べると火山のなごりらしい。今回は雪がすでにマダラでそこには下りなかったけど、もう少し早い季節に来てスノーシューで散歩すると楽しそうな平らな森(いたるところ泊適地)が広がる。 その辺についたころ、上から汗いっぱいの下山者がヒトリ。
「こんにちは、早いですね、どちらから?」私のスタートしたところにほかの車は無かった。
「まあ、そんなに早くないですよ。少年自然の家からです」
「すごいなぁ、私は途中の林道からです」
「私も昔その林道から登ったのですが、仲間からショートカットしたな、と言われて、今日は自然の家から登りました」
「エホンエホン、私はその林道からなんでそこはあまり言わないでください」
「あっ、スイマセンでした」
まあな、確かにショートカットかもしれないけど、はるか昔少年自然の家が無かったころから考えれば、そこからのスタート自体、もうショートカットですよ、と頭の中で屁理屈を考えながら登る。
頂上に着くと正面に白山、別山がドーンと。愛しの赤兔山、大長山が前衛に。 赤兔山とここ経ヶ岳は吊り尾根を歩けば行けるのだけどこれはなかなかアップダウンが大変そう。目を左に振ると尾根の向こうに法恩寺山が。そして回れ右をするときのうの荒島岳、その右奥にはおとといの「のーごーはくさん」左奥には今回は行けなかった「屏風山」が見える。
・・・肝心の『野伏』は・・・
もうきのうまでの予習バッチリ。
自信をもって声をかけることができます。
「野伏よ、もっとちこう寄れ」
「なりませぬなりませぬ」
「よいではないかよいではないか」
ヒトリならではの遊びが続く。 ちなみに頂上に経典が埋まってるかなと思ってカカトで掘ってみましたが、5センチ掘った時点で見つからずあきらめました。
おなか一杯、満足いっぱいでゆっくり下山。
今回、ハシゴ登山は初めての経験。
けれど短期集中の方法を取ると、特定の山をイロイロな角度で見ることができて、忘却速度の異様に早い私でも、ナカナカ楽しめる山行でした。
次はどちらから『野伏』を愛でようか・・・。
あめちゃん
岐阜、福井、石川の山々・・・。
逆にあの山たちから野伏を観たらどんな風景なんだろう?
中にはイマイチピンとこない山も。
『歩けば覚えるもんだよ』・・・なるほどねェ
チトやってみますか、一人集中山行。
まずは『のーごーはくさん』からだ。
【日付】2019年5月8(水)~10日(金)
【山域】両白山地(能郷白山、荒島岳、経ヶ岳)
【メンバー】あめちゃん(単独)
【天候】晴れ
【ルート】<1日目:能郷白山>駐車場(8:30)~渡渉P(9:30)~頂上(12:50~14:20)~駐車場(17:30)
<2日目:荒島岳>駐車場(8:00)~頂上(11:45~13:10)~駐車場(16:00)
<3日目:経ヶ岳>駐車場(7:10)~池の大沢(10:00)~頂上(10:50~12:15)~駐車場(15:00)
<1日目>
「のーごーはくさん」は昔登ったことがある。
ただ、川(沢)を渡った記憶が全くない。それは登山口に立って分かった。そうか、以前は温見峠から歩いたんだ。今回は入り口となる沢を渡渉することから。けれど、そこには出来立てホヤホヤの立派な橋が。感謝しながら渡る。しかしそこからいきなりのゲッソリする急登。
一度伐採された二次林のような斜面をひたすら登る。廃林道が横切る。この急傾斜尾根なら索道で簡単におろせたんだろうな。尾根にのる。チラホラとブナの老木が残っている。丁度新緑の頃、いつ見ても気持ちいい。
前山につくと展望が本格的に開ける。高木も無くなり、登山道のササも刈り払われている。雪も出てきた。じき山頂へ。まずは白山がおいでおいでしている。
今回の集中山行では決めたことがある。それは『頂上では少なくとも1時間は過ごす』ということ。それでいつもは持ち歩かない(野球観戦の時だけ使う)ニコンの双眼鏡を持参。これはいい大人のおもちゃだ。ラーメン食って、双眼鏡で景色を堪能して、1時間はあっという間に過ぎていく。
・・・肝心の『野伏』は・・・
今回目的地の中ではこの「のーごーはくさん」が一番野伏から離れている。野伏から見たときは、独特な山容からこちらは確認できたのだが、『野伏』自体は近くに薙刀山やら願教寺山やらが連なっていて、難しい・・・けど、近くに、この春に直したてホヤホヤの山名表示板があって、ナントか現認。・・・双眼鏡があってよかった・・・。 白山を挟んで左に次の目的地、荒島岳が、その奥にはあさって行く予定の経ヶ岳も見える。待っててね。来た道を戻る。近くの温泉に入り、郡上八幡のチョイ北の道の駅で一夜を過ごす。
<2日目>
翌日の山は荒島岳。百名山らしいが、そちらに興味もないので行かずだった。集落近くにそびえる単独峰。この辺ではランドマークの一つかな。越美北線がそばを走っているので、本来は汽車を使った周回コースが可能(しかも3駅から選べる贅沢)だけど、明日のことを考えるとツイ弱気になってしまう。一番楽な勝原(かどはら)からのピストンを選択。スタートは元スキー場、単調。ただそれを超えてからのブナ林の新緑はホントに気持ちがいい。このコースではここが核心部かな。 さいごの急登「もちがかべ」は雪が残っていればビビるかもしれないが、この時期は見晴らしのいい絶壁が続く。じき頂上。先客1名。こちらは双眼鏡出してカップラーメン作ってまったりモード。正面に白山、振り向けば「のーごーはくさん」。誰に言うともなく、「きのうはあの能郷白山にいたんですよ」とプチ自慢。すると先方が「僕はきのうはあのホントの白山にいました」(『おおっ』)。「では僕は先に行きます」「あれっ?どっちに行くの?」「ハイ、下唯野駅から入って、こちらに縦走して越前下山駅まで降りて汽車で下唯野まで」
「なんと!ガンバって」
上には上がいるものです、っていうかそれが実行できない自分がいました。青年よ頑張ってくれたまえ。 ・・・肝心の『野伏』は・・・
おおっ、ここまでくればはっきりとピークがわかるぞ。双眼鏡で見るとクッキリ。こちらから見ると双耳峰のように見えるんだ。薙刀山とかの連なりもわかる。別山はまだ雪深いなぁ。 その左にはあした登る予定の経が岳も待っている。
こちらは素直にピストンで下山、気になっていた荒島神社を見学する。荒島岳の周辺を半周するイメージだった。夕食後、六呂師高原トロン温泉へ。スキー場のふもとにある気持ちのいい温泉。この辺が登山口近くなので暗闇の中今宵の宿(駐車場)をフラフラ探すがテキトーなところが・・・ふと見上げるとスキー場の上に建物の明かりが・・・あっちへ行ってみよう。建物につくとありましたありました、古いタイプの電話ボックス。福井県は登山口にこれがあるパターンが多い(滋賀県の飛び出し坊やみたいな感じで)。建物は少年自然の家で高校生がなにかやっています。登山口を確認するために入館し、職員のかたに確かめると、ここで間違いない。
「明日登ります」
「どちらで泊まるのですか?」
「あの車の中で」
「えっ!気を付けて・・・」
心の声の『かわいそうに』も聞こえた気がしますが気にしない。
しかし地図をよく見るとこの上にも林道があり、登山口を横切るみたいだ。明日はそこから出発するか。
<3日目>
最終日は「経ヶ岳」。林道を行くと保月山登山口はすぐわかった。展望台も近くにある。きのう登った荒島岳が平野を挟んでニョッキリ。見おろすと一晩お世話になった少年自然の家が。まあ、ここまで車で来たから1時間の登りがカットできたかな。ブナの新緑を歩くのも最終日だ。・・なんだけど、こちらのブナはまだ芽吹いたばかりの印象。標高はあまり変わらないのだけど、季節が逆戻りしたようでこれはこれで楽しくなる。
経ヶ岳は遠くから見ると平凡に見えるが、山の形はなかなか美しい。
そしてその途中に現れる、池の大沢。ホントーに不思議な光景、山の中にぽっかりと桃源郷が。調べると火山のなごりらしい。今回は雪がすでにマダラでそこには下りなかったけど、もう少し早い季節に来てスノーシューで散歩すると楽しそうな平らな森(いたるところ泊適地)が広がる。 その辺についたころ、上から汗いっぱいの下山者がヒトリ。
「こんにちは、早いですね、どちらから?」私のスタートしたところにほかの車は無かった。
「まあ、そんなに早くないですよ。少年自然の家からです」
「すごいなぁ、私は途中の林道からです」
「私も昔その林道から登ったのですが、仲間からショートカットしたな、と言われて、今日は自然の家から登りました」
「エホンエホン、私はその林道からなんでそこはあまり言わないでください」
「あっ、スイマセンでした」
まあな、確かにショートカットかもしれないけど、はるか昔少年自然の家が無かったころから考えれば、そこからのスタート自体、もうショートカットですよ、と頭の中で屁理屈を考えながら登る。
頂上に着くと正面に白山、別山がドーンと。愛しの赤兔山、大長山が前衛に。 赤兔山とここ経ヶ岳は吊り尾根を歩けば行けるのだけどこれはなかなかアップダウンが大変そう。目を左に振ると尾根の向こうに法恩寺山が。そして回れ右をするときのうの荒島岳、その右奥にはおとといの「のーごーはくさん」左奥には今回は行けなかった「屏風山」が見える。
・・・肝心の『野伏』は・・・
もうきのうまでの予習バッチリ。
自信をもって声をかけることができます。
「野伏よ、もっとちこう寄れ」
「なりませぬなりませぬ」
「よいではないかよいではないか」
ヒトリならではの遊びが続く。 ちなみに頂上に経典が埋まってるかなと思ってカカトで掘ってみましたが、5センチ掘った時点で見つからずあきらめました。
おなか一杯、満足いっぱいでゆっくり下山。
今回、ハシゴ登山は初めての経験。
けれど短期集中の方法を取ると、特定の山をイロイロな角度で見ることができて、忘却速度の異様に早い私でも、ナカナカ楽しめる山行でした。
次はどちらから『野伏』を愛でようか・・・。
あめちゃん