【若狭】横谷川から芦谷山を経て甲森谷へ
Posted: 2019年6月04日(火) 20:19
【日 付】2019年6月2日(日)
【山 域】若狭 芦谷山周辺
【天 候】曇り
【コース】横谷川林道駐車地8:10---9:40大カツラの二俣10:00---11:00ジャヅキの大カツラ---11:55ロクロ谷二俣
---12:30芦谷山13:40---14:30大産岩室の滝15:05---15:25ご神木---16:00本流出合16:15---17:10駐車地
若狭耳川流域の探訪も落穂拾いの様相を呈してきた。
今日は横谷川の最上流に位置するソトカベという谷を探る予定だったが、その手前のジャヅキ(どちら
も変わった名前だが、谷の呼び名である)で以前見たカツラの大木をもう一度見たくてそちらに変更す
る。ただまったく同じでは面白くないので左俣のロクロ谷を上がってみよう。
いずれにしても沢登りとしては期待できないのだが。
林道の途中でコーンで通せんぼされていたので、素直に手前の広場に駐車。釣り師と思しき車が一台
止まっていた。コーンから50mほど進んだところで道路が崩落しており納得。この復旧には相当時間が
かかりそうだ。
普段は退屈な林道も、平凡ながらも美しい谷の流れやありふれた花たちを愛でながら歩けばいつの間
にか終点の堰堤に達する。途中で落ちていた木の枝が突然動き出したと思ったら、1mを超すヘビだった
のには驚いたが。ヘビが天敵のSHIGEKIさんならここで気絶して山行は終了していただろう。
新緑まぶしい横谷川の巡視路を歩く。残念ながら曇り空なので、谷間に差し込む光できらめく水流を
見ることはできないが、何度歩いても素晴らしい渓谷であることに変わりはない。
意外に水量が多いようで、いつもならふくらはぎ程度の渡渉でこなす場所も下手をすればヒザ上まで濡
らしてしまう。まだまだ水は冷たく、これ以上は勘弁してほしいものである。
大カツラの立つ二俣でひと息入れる。いいところなのだが周りが植林だらけなのが玉にキズだ。
右俣を取り、左にソトカベを分けるとジャヅキに入る。ここも出だしは植林主体の冴えない渓相が続く。
左手に石垣が見えた。50mほど続く石垣の上には流れの跡のようなものが見える。これはワサビ田の跡
だ。この山域では山中奥深いところのわずかなスペースにワサビ田が見られるのだ。
ロクロ谷を左に見送って目的のカツラへ向かう。左岸の高台に立つこのカツラはよく見るカツラの木
とは違う趣きがある。最初に見た時は何の木がわからなかった。カツラと言えば低い位置から株立ちし
た細い幹の集合体のようなイメージがある。しかしこのカツラは筋肉質のごつく太い幹が立ち上がって
いるのだ。こういう木は珍しいのではないだろうか。
二俣まで戻ってロクロ谷へ入る。渓相はまったくもって平凡で、典型的なハズレ沢という印象である。
小滝が現われて期待してはすぐに裏切られる連続に、遡行する気力も失せてしまいそうだ。
それでもある程度は織り込み済み。若狭の谷に過剰な期待は禁物というもの。両岸に点在するトチの木
だけが目の慰めだ。
地形図で読み取れない二俣で考えた。どっちを取っても水は切れているし、これから何かが始まると
はとても思えない。ならばと中を取って二俣の中間尾根を上がることにした。
斜度は強烈だが、チェーンスパイクを効かせてグイグイと登る。
やがてブナの森に包まれ始めて雰囲気はいい。
ヤブ無しで登り詰めるとそこは芦谷山の山頂。まさにピンポイントである。
暑さに備えて冷やし中華とアイスコーヒーにしたのだがかなり涼しく、これならラーメンとホットの方
がよかったか。
メシを食っていると登山者が現われ、声をかけて去って行った。最近静かなこの山域で人を見かける
ことが増えたようだ。
靴を履き替えてワンダーランドへ向かう。野坂岳と三国山を結ぶ稜線のこのあたりは西側斜面をトラ
バースして歩くのが吉である。尾根芯を歩いていては味わえない濃密なブナの巨木の森にどっぷりと浸
れるのだ。
Ca850mピークから稜線を外れて西へ分岐する尾根に乗る。このままトチとカツラのワンダーランドの
核心部に着地する予定・・・のはずだった。最後に左へ外してしまい、下りたところは大産岩室の滝の
上流だった。仕方なく左岸の巻き道を使おうとチェーンスパイクを取り出したら、手が滑ってコロコロ
と岩室の下に落ちてしまった。これはズボラをしてはいけないという戒めか。
腹を括って再度渓流シューズに履き替え、ロープを出して右岸を懸垂下降。左岸の危うい獣道を下るよ
りこっちの方がよほど安全で面白い。考えてみれば(考えるまでもないのだが)山頂からここまで1時間足
らず。登山靴に履き替えるまでもなかったのである。
時間はもう3時だが、じっくりとワンダーランドを堪能して行こう。もう新しい発見はないが、何度訪
れても期待を裏切らない予定調和の安心感がある。春・夏・秋と繰り返し訪れているが、冬だけは未踏だ。
雪の時期に水の中を歩いてここまで来るのはかなり勇気が要るのである。
時間も押して来たので急ぎ足で甲森谷を下れば、40分足らずで横谷川本流の出合まで着いてしまった。
思いのほか早く着いたので、出合でのんびりタバコを燻らす。
後は再び関西屈指の巡視路を味わいながら駐車地に戻るだけだ。
山日和
【山 域】若狭 芦谷山周辺
【天 候】曇り
【コース】横谷川林道駐車地8:10---9:40大カツラの二俣10:00---11:00ジャヅキの大カツラ---11:55ロクロ谷二俣
---12:30芦谷山13:40---14:30大産岩室の滝15:05---15:25ご神木---16:00本流出合16:15---17:10駐車地
若狭耳川流域の探訪も落穂拾いの様相を呈してきた。
今日は横谷川の最上流に位置するソトカベという谷を探る予定だったが、その手前のジャヅキ(どちら
も変わった名前だが、谷の呼び名である)で以前見たカツラの大木をもう一度見たくてそちらに変更す
る。ただまったく同じでは面白くないので左俣のロクロ谷を上がってみよう。
いずれにしても沢登りとしては期待できないのだが。
林道の途中でコーンで通せんぼされていたので、素直に手前の広場に駐車。釣り師と思しき車が一台
止まっていた。コーンから50mほど進んだところで道路が崩落しており納得。この復旧には相当時間が
かかりそうだ。
普段は退屈な林道も、平凡ながらも美しい谷の流れやありふれた花たちを愛でながら歩けばいつの間
にか終点の堰堤に達する。途中で落ちていた木の枝が突然動き出したと思ったら、1mを超すヘビだった
のには驚いたが。ヘビが天敵のSHIGEKIさんならここで気絶して山行は終了していただろう。
新緑まぶしい横谷川の巡視路を歩く。残念ながら曇り空なので、谷間に差し込む光できらめく水流を
見ることはできないが、何度歩いても素晴らしい渓谷であることに変わりはない。
意外に水量が多いようで、いつもならふくらはぎ程度の渡渉でこなす場所も下手をすればヒザ上まで濡
らしてしまう。まだまだ水は冷たく、これ以上は勘弁してほしいものである。
大カツラの立つ二俣でひと息入れる。いいところなのだが周りが植林だらけなのが玉にキズだ。
右俣を取り、左にソトカベを分けるとジャヅキに入る。ここも出だしは植林主体の冴えない渓相が続く。
左手に石垣が見えた。50mほど続く石垣の上には流れの跡のようなものが見える。これはワサビ田の跡
だ。この山域では山中奥深いところのわずかなスペースにワサビ田が見られるのだ。
ロクロ谷を左に見送って目的のカツラへ向かう。左岸の高台に立つこのカツラはよく見るカツラの木
とは違う趣きがある。最初に見た時は何の木がわからなかった。カツラと言えば低い位置から株立ちし
た細い幹の集合体のようなイメージがある。しかしこのカツラは筋肉質のごつく太い幹が立ち上がって
いるのだ。こういう木は珍しいのではないだろうか。
二俣まで戻ってロクロ谷へ入る。渓相はまったくもって平凡で、典型的なハズレ沢という印象である。
小滝が現われて期待してはすぐに裏切られる連続に、遡行する気力も失せてしまいそうだ。
それでもある程度は織り込み済み。若狭の谷に過剰な期待は禁物というもの。両岸に点在するトチの木
だけが目の慰めだ。
地形図で読み取れない二俣で考えた。どっちを取っても水は切れているし、これから何かが始まると
はとても思えない。ならばと中を取って二俣の中間尾根を上がることにした。
斜度は強烈だが、チェーンスパイクを効かせてグイグイと登る。
やがてブナの森に包まれ始めて雰囲気はいい。
ヤブ無しで登り詰めるとそこは芦谷山の山頂。まさにピンポイントである。
暑さに備えて冷やし中華とアイスコーヒーにしたのだがかなり涼しく、これならラーメンとホットの方
がよかったか。
メシを食っていると登山者が現われ、声をかけて去って行った。最近静かなこの山域で人を見かける
ことが増えたようだ。
靴を履き替えてワンダーランドへ向かう。野坂岳と三国山を結ぶ稜線のこのあたりは西側斜面をトラ
バースして歩くのが吉である。尾根芯を歩いていては味わえない濃密なブナの巨木の森にどっぷりと浸
れるのだ。
Ca850mピークから稜線を外れて西へ分岐する尾根に乗る。このままトチとカツラのワンダーランドの
核心部に着地する予定・・・のはずだった。最後に左へ外してしまい、下りたところは大産岩室の滝の
上流だった。仕方なく左岸の巻き道を使おうとチェーンスパイクを取り出したら、手が滑ってコロコロ
と岩室の下に落ちてしまった。これはズボラをしてはいけないという戒めか。
腹を括って再度渓流シューズに履き替え、ロープを出して右岸を懸垂下降。左岸の危うい獣道を下るよ
りこっちの方がよほど安全で面白い。考えてみれば(考えるまでもないのだが)山頂からここまで1時間足
らず。登山靴に履き替えるまでもなかったのである。
時間はもう3時だが、じっくりとワンダーランドを堪能して行こう。もう新しい発見はないが、何度訪
れても期待を裏切らない予定調和の安心感がある。春・夏・秋と繰り返し訪れているが、冬だけは未踏だ。
雪の時期に水の中を歩いてここまで来るのはかなり勇気が要るのである。
時間も押して来たので急ぎ足で甲森谷を下れば、40分足らずで横谷川本流の出合まで着いてしまった。
思いのほか早く着いたので、出合でのんびりタバコを燻らす。
後は再び関西屈指の巡視路を味わいながら駐車地に戻るだけだ。
山日和