【湖北】ヤブ沢周遊 矢谷からブンゲン 大長谷下降

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山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【湖北】ヤブ沢周遊 矢谷からブンゲン 大長谷下降

投稿記事 by 山日和 »

 さすがにこの週末は台風には勝てなかった。
ヒマつぶしに書かずに終わりかけたレポを1本。


【日 時】2011年7月10日(日)
【山 域】滋賀県北部 ブンゲン周辺
【天 候】晴れ
【コース】駐車地6:59---7:29入渓点(上の矢谷橋)---9:14二俣---11:50ブンゲン13:05
     ---14:48二俣---15:47駐車地

 ニュースでは一昨日梅雨明けしたことを報じていた。例年からすれば信じられないほど早い梅雨明けだ。
奥伊吹スキー場の駐車場も早朝からカンカン照りだ。県道を少し戻ったところで駐車、さらに県道を下って矢谷を目指す。
 姉川上流域に位置する矢谷はほとんど紹介されていない谷である。ネットで検索してもわずかに1本。それも隣の起し
又谷遡行の下りに使ったという記録だ。「百山百渓」の記述ではまあまあの沢らしい。当たるも八卦、当たらぬも八卦だ。

 矢谷橋から林道に入り、しばらく登って行くと再び橋が掛かっていた。欄干をみるとこちらも矢谷橋と書かれている。
ややこしい話だ。厳密に言うと下の橋は瀬戸山谷を渡って矢谷へ向かう橋。この橋は矢谷を渡る橋である。
 ともあれ、橋の右岸から入渓。あたりは植林一色で雰囲気も何もあったものではないが、谷そのものはそれほど悪くは
ない。
小滝を越えて行くと、長さ10mばかりのナメ滝が出迎えた。その後もしばらくナメが続き、予想外にいい感じだ。なかなか
いいんじゃないの。3m~5mの小滝が次々と現われて楽しませてくれる。

[attachment=4]P1100829_1.JPG[/attachment][attachment=3]P1100845_1.JPG[/attachment]
これは「当たり」かと思っていたが、やはり湖北の沢はそう甘くはなかった。次第にヤブが流れに被るようになり、真っ直
ぐ立って歩けない場面が増えてきた。しかも蜘蛛の巣のオマケ付き。油断すると顔にベッタリと蜘蛛の巣が張り付いて気
持ち悪いことこの上ない。沢登りで何が一番嫌かと聞かれたら、この顔面蜘蛛の巣攻撃だと答えることは間違いない。

 このままの状態で終わったらどうしようと心配していたら、しばらくの我慢で渓相は持ち直してきた。5mナメ滝、5m幅広
滝、8m斜瀑と楽しく登ると、Ca800mの二俣に到着した。本流は直角に右折する右俣だ。出合から長さ30mばかりのナメ
滝がかかっているのが見える。
 右に取ってナメ滝を登り始める。上部は完全な1枚岩のスラブ滝。滑るように流れ落ちる水流が美しい。
右側をフリクションで登れば、ここからが本当の核心部の始まりだった。
[attachment=2]P1100861_1.JPG[/attachment]
[attachment=1]P1100869_1.JPG[/attachment]
苔に覆われた3m滝、全長30mに及ぶ溝状の瀑流と続き、その上の15m滝は手が出ず左岸の渋い巻きでかわす。
その上にも小滝が続いて飽きさせない。当然ながら林相も自然林に変わっており、ヤブっぽさもないので楽しいところで
ある。
 この谷は上流に進むにつれ、激しく支流を分けている。進むべき谷を間違えるとドツボ(激ヤブ地獄)にはまってしまうの
で、慎重にルートを選択しなければいけない。目指すはブンゲン山頂西側の鞍部である。

 矢谷の源流部は傾斜が緩く、息の切れる詰めがないのが助かる。簡易舗装したような谷筋を進むと意外にヤブも薄い
ようで、ひょっとしたらこのまま山頂に立てるのではと思ってしまった。
しかしさすがにそうはいかないのがブンゲンだ。最初左へ寄り過ぎたと思い、右の県境稜線側へ軌道修正。
これがあまりいい選択ではなかったようだ。いやらしい潅木のヤブが行く手を阻む。周りはぼんやりとした起伏のない地
形で現在位置が掴みにくい。
 左手で声が聞こえた。どうやらスキー場からの登山道が近いようだ。声のする方へガサガサとヤブを漕いで行く。
声が近くなったところで「ピーッ」とホイッスルが大きく鳴った。どうやらクマと間違われたようだ。安心させるためにこちら
も日本語でコールを掛ける。

 ヤブの向こうにぽっかり開いた空間に、びっくりしたような4人の顔が並んでいた。
「鉄砲持ってたら撃ち殺してたで。」と言われて苦笑する。
ここまで来ればブンゲンは目の前だ。登山道とは名ばかりの踏み跡を5分足らずでブンゲン山頂に立った。
3人パーティーがお食事中で休む場所もないので、素通りして北のピークへ向かった。まったく日陰のない場所だが、雲
が多いので少しはマシだ。店を広げてまずは冷えたビールを煽る。
ブナの木陰でランチの予定(山頂直下にそういう場所があるだろうと思っていたのだ)がえらい違いである。
 それでも炎天下で昼寝までして、さあ、下りはどうするか。品又峠経由は論外、先ほどの登山道を戻れば一番イージー
だがイージー過ぎる。やはりここは大長谷を下るべきだろう。なんと言っても涼しいし。

 ブンゲンとのコルからヤブに突っ込み、3分ほどで源流に出た。水もすぐに流れ出したので、いざという時には稜線直下
の水場として使えるだろう。
階段状の源流帯を調子よく下って行くと7mほどの滝に阻まれた。左岸の岩場からクライムダウンを試みるも、最後がハ
ング気味で嫌らしい。ここは安全を期して懸垂で切り抜ける。下から見れば登りなら流れの左を簡単に登れそうな滝だっ
たが、下りはやはり難しい。
もう1本、5m程の滝でも右から懸垂でクリア。後はさしたる見どころもなく淡々と下る。
のならよかったが、やはり甘くはなかった。こちらも流れに覆い被さるヤブをくぐったりかわしたり、いい加減嫌気がさして
きた。
[attachment=0]P1100927_1.JPG[/attachment]
ようやく辿り着いた934m南の二俣では、右から合する谷に西日に煌めく美しい滝がかかっていた。
そこから少しで送水管が現われ、道が付けられていた。どうやら登山道もここで谷筋へ下りてきているようだ。もう谷芯も
いいだろうと道を使わせていただく。

 やっぱり道は早く、すぐに登山口かなと思っていると左下の流れに滝らしきものが見えた。
「もうええやろ」という気持ちは「確かめなあかん」という気持ちに勝てず、植林が出てきた斜面を駈け下りる。
上から想像したほどではなかったが、それでもなかなかの斜瀑だった。確かめたいという気持ちが大事なのだ。
もう道に戻る気にもならず、すっかり平流となった大長谷を下って行く。右上にコンクリートの壁みたいなものが見えた。
「あそこへ上がるか」と壁の脇から登り着くと、そこは昨晩一夜を過ごしたスキー場の駐車場だった。
これならここへ止めとけばよかった。

 ヤブ沢周遊も時間が立つと、鬱陶しい思い出を忘れてしまうから面白い。写真を見ながら書いていると、当然のことなが
ら写真はいいところでしか撮らないので余計にいい場面だけが増幅されてしまう。
このレポと写真を見て行く気になった人は注意が必要である。

                              山日和
添付ファイル
P1100927_1.JPG
P1100869_1.JPG
P1100861_1.JPG
P1100845_1.JPG
P1100829_1.JPG
SHIGEKI
記事: 1031
登録日時: 2011年7月25日(月) 18:30

Re: 【湖北】ヤブ沢周遊 矢谷からブンゲン 大長谷下降

投稿記事 by SHIGEKI »

山日和さん こんばんは。

 さすがにこの週末は台風には勝てなかった。
ヒマつぶしに書かずに終わりかけたレポを1本。



今回のは特に戦う相手ちゃいまっせ~  遠征して逃げるしかないっしょ。

奈良、和歌山の被災地には心が痛みます。


【小滝を越えて行くと、長さ10mばかりのナメ滝が出迎えた。その後もしばらくナメが続き、予想外にいい感じだ。なかなか
いいんじゃないの。3m~5mの小滝が次々と現われて楽しませてくれる。
 このままの状態で終わったらどうしようと心配していたら、しばらくの我慢で渓相は持ち直してきた。5mナメ滝、5m幅広
滝、8m斜瀑と楽しく登ると、Ca800mの二俣に到着した。本流は直角に右折する右俣だ。出合から長さ30mばかりのナメ
滝がかかっているのが見える。
 右に取ってナメ滝を登り始める。上部は完全な1枚岩のスラブ滝。滑るように流れ落ちる水流が美しい。
右側をフリクションで登れば、ここからが本当の核心部の始まりだった。
苔に覆われた3m滝、全長30mに及ぶ溝状の瀑流と続き、その上の15m滝は手が出ず左岸の渋い巻きでかわす。
その上にも小滝が続いて飽きさせない。当然ながら林相も自然林に変わっており、ヤブっぽさもないので楽しいところで
ある。


ムッチャ ええ渓でんがなぁ!!



 左手で声が聞こえた。どうやらスキー場からの登山道が近いようだ。声のする方へガサガサとヤブを漕いで行く。
声が近くなったところで「ピーッ」とホイッスルが大きく鳴った。どうやらクマと間違われたようだ。安心させるためにこちら
も日本語でコールを掛ける。
 ヤブの向こうにぽっかり開いた空間に、びっくりしたような4人の顔が並んでいた。
「鉄砲持ってたら撃ち殺してたで。」と言われて苦笑する。



言うたりなはれ ビシッと 「ワシが熊やったら、あんたら 命なかったで~」 


 ヤブ沢周遊も時間が立つと、鬱陶しい思い出を忘れてしまうから面白い。
写真を見ながら書いていると、当然のことなが
ら写真はいいところでしか撮らないので余計にいい場面だけが増幅されてしまう。
このレポと写真を見て行く気になった人は注意が必要である。 
    


ホンマ、その通り、ブンゲン周辺のしかも滋賀側の谷、画像も文章もそそりますなぁ。

矢谷、どっかで聞いたと思って気になってましたが、十数年前、下流のみですが歩きました。

この画像と文章で悪のりせんよう、慎重に時期を見極めて、是非とも行ってみたいもんです。

下りの谷、チト、分かりマヘン、また、教えてくだはれ。

      SHIGEKI 
アバター
山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【湖北】ヤブ沢周遊 矢谷からブンゲン 大長谷下降

投稿記事 by 山日和 »

SHIGEKIさん、どうもです。

今回のは特に戦う相手ちゃいまっせ~  遠征して逃げるしかないっしょ。

奈良、和歌山の被災地には心が痛みます。


さすがに遠征してまで行こうとは思いませんでした。
紀伊半島はえらいことになってしまいましたね。山の行き帰りによく通ったところがムチャクチャな状態になってます。

ムッチャ ええ渓でんがなぁ!!

ふっふっふっ、引っ掛かりましたね。

[attachment=1]P1100813_1.JPG[/attachment]
[attachment=0]P1100858_1.JPG[/attachment]
言うたりなはれ ビシッと 「ワシが熊やったら、あんたら 命なかったで~」 

「町の中やったらあんたが撃たれてるで。顔見たら。」と心の中で叫んでました。

ホンマ、その通り、ブンゲン周辺のしかも滋賀側の谷、画像も文章もそそりますなぁ。

矢谷、どっかで聞いたと思って気になってましたが、十数年前、下流のみですが歩きました。

この画像と文章で悪のりせんよう、慎重に時期を見極めて、是非とも行ってみたいもんです。


あまり紹介されることがないのは、行く値打ちのある沢が少ない(ない?)んでしょうねえ。
まあ、一回ぐらい経験しといてもいいかも。
ほんのちょっと我慢すればいい沢だと思います。

下りの谷、チト、分かりマヘン、また、教えてくだはれ。

スキー場からブンゲンへダイレクトに上がる沢ですわ。左岸尾根に登山道があります。

                    山日和

s-矢谷.jpg
添付ファイル
P1100858_1.JPG
P1100813_1.JPG
とっちゃん
記事: 325
登録日時: 2011年2月20日(日) 21:02

Re: 【湖北】ヤブ沢周遊 矢谷からブンゲン 大長谷下降

投稿記事 by とっちゃん »

山日和さん、こんばんは~。

 さすがにこの週末は台風には勝てなかった。
ヒマつぶしに書かずに終わりかけたレポを1本。

台風のおかげで、おしゃかになっちゃいそうだったレポが書けてよかったね~。

【日 時】2011年7月10日(日)
【山 域】滋賀県北部 ブンゲン周辺
【天 候】晴れ
【コース】駐車地6:59---7:29入渓点(上の矢谷橋)---9:14二俣---11:50ブンゲン13:05
     ---14:48二俣---15:47駐車地

コースに、矢谷・大長谷って書いてちょうだ~い。私にも名前があるの~って、谷が叫んでない?表題にあるからいいんかな?。

 ニュースでは一昨日梅雨明けしたことを報じていた。例年からすれば信じられないほど早い梅雨明けだ。
奥伊吹スキー場の駐車場も早朝からカンカン照りだ。県道を少し戻ったところで駐車、さらに県道を下って矢谷を目指す。

ニュースのこともよく覚えてるのね~。アルツは襲ってきてないみたいね。(^_-)-☆


 姉川上流域に位置する矢谷はほとんど紹介されていない谷である。ネットで検索してもわずかに1本。それも隣の起し
又谷遡行の下りに使ったという記録だ。「百山百渓」の記述ではまあまあの沢らしい。当たるも八卦、当たらぬも八卦だ。

はっけよ~い。のこった!のこった!さて、勝負の結果は?/color]



矢谷橋から林道に入り、しばらく登って行くと再び橋が掛かっていた。欄干をみるとこちらも矢谷橋と書かれている。
ややこしい話だ。厳密に言うと下の橋は瀬戸山谷を渡って矢谷へ向かう橋。この橋は矢谷を渡る橋である。


橋の名前を見るのって、くせになっちゃうよね。そんなことない?

近くの林道歩いていても、橋の名前を見ちゃう私です。おもしろいのよね~。
一般的には、谷名が橋の名前になってるとこが多いような気がするんだけど。

山日和さんは、くせで見てるわけじゃないやろけどね。



 ともあれ、橋の右岸から入渓。あたりは植林一色で雰囲気も何もあったものではないが、谷そのものはそれほど悪くはない。
小滝を越えて行くと、長さ10mばかりのナメ滝が出迎えた。その後もしばらくナメが続き、予想外にいい感じだ。なかなか
いいんじゃないの。3m~5mの小滝が次々と現われて楽しませてくれる。

おお~、出だしは快調みたいね。

期待に胸がふくらんじゃう~。



これは「当たり」かと思っていたが、やはり湖北の沢はそう甘くはなかった。次第にヤブが流れに被るようになり、真っ直
ぐ立って歩けない場面が増えてきた。しかも蜘蛛の巣のオマケ付き。油断すると顔にベッタリと蜘蛛の巣が張り付いて気
持ち悪いことこの上ない。沢登りで何が一番嫌かと聞かれたら、この顔面蜘蛛の巣攻撃だと答えることは間違いない。

枝振り回しながら、腰をかがめて沢登りなの?

たしか、くもの巣嫌いだった?たんぽぽさんなら、悲鳴あげてたかも~。



 このままの状態で終わったらどうしようと心配していたら、しばらくの我慢で渓相は持ち直してきた。5mナメ滝、5m幅広滝、8m斜瀑と楽しく登ると、Ca800mの二俣に到着した。本流は直角に右折する右俣だ。出合から長さ30mばかりのナメ滝がかかっているのが見える。
 右に取ってナメ滝を登り始める。上部は完全な1枚岩のスラブ滝。滑るように流れ落ちる水流が美しい。
右側をフリクションで登れば、ここからが本当の核心部の始まりだった。
苔に覆われた3m滝、全長30mに及ぶ溝状の瀑流と続き、その上の15m滝は手が出ず左岸の渋い巻きでかわす。
その上にも小滝が続いて飽きさせない。当然ながら林相も自然林に変わっており、ヤブっぽさもないので楽しいところで
ある。


なんやかや言いながら、けっこう楽しませてもらっちゃってるんじゃ?


 この谷は上流に進むにつれ、激しく支流を分けている。進むべき谷を間違えるとドツボ(激ヤブ地獄)にはまってしまうので、慎重にルートを選択しなければいけない。目指すはブンゲン山頂西側の鞍部である。
矢谷の源流部は傾斜が緩く、息の切れる詰めがないのが助かる。簡易舗装したような谷筋を進むと意外にヤブも薄い
ようで、ひょっとしたらこのまま山頂に立てるのではと思ってしまった。

またまた、期待をもたす谷だこと~。


しかしさすがにそうはいかないのがブンゲンだ。最初左へ寄り過ぎたと思い、右の県境稜線側へ軌道修正。
これがあまりいい選択ではなかったようだ。いやらしい潅木のヤブが行く手を阻む。周りはぼんやりとした起伏のない地
形で現在位置が掴みにくい。
 左手で声が聞こえた。どうやらスキー場からの登山道が近いようだ。声のする方へガサガサとヤブを漕いで行く。
声が近くなったところで「ピーッ」とホイッスルが大きく鳴った。どうやらクマと間違われたようだ。安心させるためにこちら
も日本語でコールを掛ける。

ウォ~!!!と吠えなかったん?

せっかく間違ってくれてるんだから期待に答えな~。


 ヤブの向こうにぽっかり開いた空間に、びっくりしたような4人の顔が並んでいた。
「鉄砲持ってたら撃ち殺してたで。」と言われて苦笑する。

ここは、カーボーイみたいに、こっちも、かっこよく。

ロープでも投げる?


ここまで来ればブンゲンは目の前だ。登山道とは名ばかりの踏み跡を5分足らずでブンゲン山頂に立った。
3人パーティーがお食事中で休む場所もないので、素通りして北のピークへ向かった。まったく日陰のない場所だが、雲
が多いので少しはマシだ。店を広げてまずは冷えたビールを煽る。

あら~。けっこうブンゲンもお客様があるのね。

タケヤ谷からの沢登りかしらん?


ブナの木陰でランチの予定(山頂直下にそういう場所があるだろうと思っていたのだ)がえらい違いである。
 それでも炎天下で昼寝までして、さあ、下りはどうするか。品又峠経由は論外、先ほどの登山道を戻れば一番イージーだがイージー過ぎる。やはりここは大長谷を下るべきだろう。なんと言っても涼しいし。


ブナはもう少しスキー場に近いとこにたんまりあるって思うけど。
よう炎天下でお昼寝したね~。
日焼けして、真っ黒に・・・あれっ、こんなとこに熊が寝てるやん?

イージーはイジでも選択できん?
涼しいが一番やろな~。


 ブンゲンとのコルからヤブに突っ込み、3分ほどで源流に出た。水もすぐに流れ出したので、いざという時には稜線直下
の水場として使えるだろう。
階段状の源流帯を調子よく下って行くと7mほどの滝に阻まれた。左岸の岩場からクライムダウンを試みるも、最後がハ
ング気味で嫌らしい。ここは安全を期して懸垂で切り抜ける。下から見れば登りなら流れの左を簡単に登れそうな滝だったが、下りはやはり難しい。もう1本、5m程の滝でも右から懸垂でクリア。後はさしたる見どころもなく淡々と下る。

何メートルのロープ持っていったん?

懸垂も、また楽しい~。



ようやく辿り着いた934m南の二俣では、右から合する谷に西日に煌めく美しい滝がかかっていた。
 やっぱり道は早く、すぐに登山口かなと思っていると左下の流れに滝らしきものが見えた。
「もうええやろ」という気持ちは「確かめなあかん」という気持ちに勝てず、植林が出てきた斜面を駈け下りる。
上から想像したほどではなかったが、それでもなかなかの斜瀑だった。


最後にも、ちゃんとお楽しみが待っててくれたのね~。

 ヤブ沢周遊も時間が立つと、鬱陶しい思い出を忘れてしまうから面白い。写真を見ながら書いていると、当然のことながら写真はいいところでしか撮らないので余計にいい場面だけが増幅されてしまう。
このレポと写真を見て行く気になった人は注意が必要である。

月日の経つってこともいいもんですね~。

いい思い出に変わってから、レポを書けたのも、台風のおかげかも。

日の目を見て、矢谷さんも喜んでくれているのでは?

☆~~とっちゃん~☆


                            
最後に編集したユーザー とっちゃん [ 2011年9月07日(水) 21:10 ], 累計 2 回
ふ~さん
記事: 526
登録日時: 2011年2月20日(日) 19:58

Re: 【湖北】ヤブ沢周遊 矢谷からブンゲン 大長谷下降

投稿記事 by ふ~さん »

おはようございます。
さすがにこの週末は台風には勝てなかった。
ヒマつぶしに書かずに終わりかけたレポを1本。
なるほど。さすがの山日和さんも、女房・子供と台風には勝てないわけだ。暴風じゃ、傘さして沢登りできませんよね。(*_*)
姉川上流域に位置する矢谷はほとんど紹介されていない谷である。ネットで検索してもわずかに1本。それも隣の起し
又谷遡行の下りに使ったという記録だ。「百山百渓」の記述ではまあまあの沢らしい。当たるも八卦、当たらぬも八卦だ。
なるほど。鎌ヶ峰の塩蔵谷もそんな状況でした。沢自体を目的とするのか、それとも、沢のみならず、山頂への登路として沢を捉えるのかという立ち位置にも関連している気がします。

人は名沢に押し寄せます。その気持ち、私にもよくわかります。

でもね、これはある意味百名山を追う心理にも共通します。百名山が悪いわけではありません。人生は短いですしね。達成できることも限られている。

ですがね、蓋をあけてみないとわからないミステリーほどわくわくするものもありません。名も知れぬ沢に人知れぬ魅力を求めて入渓する気持ちは大切にしたい。もちろん、ヤブ沢は「うへぇ」って感じですけどね。

かつて、横山岳の登路にとった、とやまた谷もそうでした。しかし、途中で見つけた朽ちたトロッコやら巨樹の思い出は鮮烈です。

矢谷~大長谷。いい沢旅だったようにお見受けします。発掘レポありがとう。

 ふ~さん
アバター
山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【湖北】ヤブ沢周遊 矢谷からブンゲン 大長谷下降

投稿記事 by 山日和 »

とっちゃん、どうもです。

台風のおかげで、おしゃかになっちゃいそうだったレポが書けてよかったね~。

もう書かないつもりだったけど、ちょうどよかったです。
でも台風の被害に遭った人にはそんなこと言えないけどね。

ニュースのこともよく覚えてるのね~。アルツは襲ってきてないみたいね。(^_-)-☆

「梅雨明け」で検索して確認しました~。(^^ゞ

橋の名前を見るのって、くせになっちゃうよね。そんなことない?

もしかして「橋フェチ?」
でもなんとなく気になるね。いつできたのかも。

近くの林道歩いていても、橋の名前を見ちゃう私です。おもしろいのよね~。
一般的には、谷名が橋の名前になってるとこが多いような気がするんだけど。


その谷に1本だけ橋がかかってるならそれでもいいけどね。
同じ名前の橋を見たのは初めてのような。

おお~、出だしは快調みたいね。

期待に胸がふくらんじゃう~。


このあたりでは鳩胸になってました。(^^)/~~~

[attachment=4]P1100815_1.JPG[/attachment]
枝振り回しながら、腰をかがめて沢登りなの?
たしか、くもの巣嫌いだった?たんぽぽさんなら、悲鳴あげてたかも~。


クモの巣好きな人はおらんでしょう。

なんやかや言いながら、けっこう楽しませてもらっちゃってるんじゃ?

いい所だけ取ったらいい沢でした。あたり前?

[attachment=3]P1100831_1.JPG[/attachment]
[attachment=2]P1100878_1.JPG[/attachment]
またまた、期待をもたす谷だこと~。

地形図でもわかる源頭のやさしそうな地形に期待してしまいました。

ウォ~!!!と吠えなかったん?

せっかく間違ってくれてるんだから期待に答えな~。


ホンマに撃たれるがな。

あら~。けっこうブンゲンもお客様があるのね。

タケヤ谷からの沢登りかしらん?


普通に登山道上がって来たようでした。登山道ができてからはポピュラーな山になってしまったみたい。

ブナはもう少しスキー場に近いとこにたんまりあるって思うけど。
よう炎天下でお昼寝したね~。


おかげで虫に刺されたみたいで病院通い。(@_@;)

イージーはイジでも選択できん?
涼しいが一番やろな~。


別にそんなことはないけど、大長谷はこんな時でもなければ来ることないと思ったもんで。

何メートルのロープ持っていったん?

20mです。いっぱいいっぱいでした。

[attachment=1]P1100914_1.JPG[/attachment]
最後にも、ちゃんとお楽しみが待っててくれたのね~。

お楽しみとするかどうかは心がけ次第ですわ。

[attachment=0]P1100931_1.JPG[/attachment]
月日の経つってこともいいもんですね~。

いい思い出に変わってから、レポを書けたのも、台風のおかげかも。


嫌なことは全部忘れてしまいました。
忘却は金やね。(^^)

                  山日和
添付ファイル
P1100931_1.JPG
P1100914_1.JPG
P1100878_1.JPG
P1100831_1.JPG
P1100815_1.JPG
アバター
山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【湖北】ヤブ沢周遊 矢谷からブンゲン 大長谷下降

投稿記事 by 山日和 »

ふ~さん、どうもです。

なるほど。さすがの山日和さんも、女房・子供と台風には勝てないわけだ。暴風じゃ、傘さして沢登りできませんよね。(*_*)

孫にも勝てませんが・・・。(^_^;)

なるほど。鎌ヶ峰の塩蔵谷もそんな状況でした。沢自体を目的とするのか、それとも、沢のみならず、山頂への登路として沢を捉えるのかという立ち位置にも関連している気がします。

まさにそこですよね。核心部だけ楽しんで良しとするかどうかは、この心のあり様と大きく関わっています。
それはそれで否定はしませんけど、尾根があって谷があって山があるんだというのが私の基本的なスタンスです。
確かに沢の核心部は面白いけど、それだけじゃないでしょうと思いますね。

人は名沢に押し寄せます。その気持ち、私にもよくわかります。

でもね、これはある意味百名山を追う心理にも共通します。百名山が悪いわけではありません。人生は短いですしね。達成できることも限られている。



[attachment=1]P1100868_1.JPG[/attachment]
[attachment=0]P1100917_1.JPG[/attachment]
そうですね。人気の沢は人に会わないことはない。なにを選ぶかですよね。
これは単なる価値観の違いでしかないでしょう。

ですがね、蓋をあけてみないとわからないミステリーほどわくわくするものもありません。名も知れぬ沢に人知れぬ魅力を求めて入渓する気持ちは大切にしたい。もちろん、ヤブ沢は「うへぇ」って感じですけどね。

その通りです。だから最近は遡行図を持って行くこともやめてます。カンペを見て確認しながら歩いたってドキドキしないじゃないですか。
ガイドブック片手に観光地巡りして、写真と同じ風景を見て安心するようなのは面白くありません。
もちろん事前の研究はしますし、それ自体否定しませんけど、それは安全のためです。
「ここは右から巻き」なんて本に書いてある通り歩いてたら沢登りの面白さは半減するでしょう。
見た瞬間に自分の経験と勘で判断してルートを決める。これが醍醐味だと思いますよ。
大白水谷の大滝でも、ほとんどすべての記録が右岸を直登してますが、我々は左岸を巻いてよかったのかもしれません。
もちろん失敗もありますが、それもまた沢登り。無事に帰って来れば笑い話です。
そういう意味では未知の谷を何の情報もなく単独で歩く兎夢さんは大したものだと思います。

かつて、横山岳の登路にとった、とやまた谷もそうでした。しかし、途中で見つけた朽ちたトロッコやら巨樹の思い出は鮮烈です。

矢谷~大長谷。いい沢旅だったようにお見受けします。発掘レポありがとう。


とやまた谷もその意味では「いい谷」だったんでしょうね。
今回のコースもそうなのかもしれません。少なくとも自分で引いたラインを歩き通したという点では。

                       山日和

 
添付ファイル
P1100917_1.JPG
P1100868_1.JPG
アバター
柳川洞吹
記事: 681
登録日時: 2011年2月22日(火) 22:07
お住まい: クルマの中(簡易旅館仕様車)

Re: 【湖北】ヤブ沢周遊 矢谷からブンゲン 大長谷下降

投稿記事 by 柳川洞吹 »

山日和さん こんばんは

 さすがにこの週末は台風には勝てなかった。
ヒマつぶしに書かずに終わりかけたレポを1本。


そのヒマつぶしにお付き合いするのでありますが、このレスもすでに周回遅れの様相を呈しております。

 姉川上流域に位置する矢谷はほとんど紹介されていない谷である。ネットで検索してもわずかに1本。それも隣の起し
又谷遡行の下りに使ったという記録だ。「百山百渓」の記述ではまあまあの沢らしい。当たるも八卦、当たらぬも八卦だ。


こんな谷、知りませんね。
でも、地図に名前がのってるなあ。
ほとんど紹介されていないのは、ヤブ谷の証拠というべしで、当然でしょう。

 ともあれ、橋の右岸から入渓。あたりは植林一色で雰囲気も何もあったものではないが、谷そのものはそれほど悪くはない。
小滝を越えて行くと、長さ10mばかりのナメ滝が出迎えた。その後もしばらくナメが続き、予想外にいい感じだ。なかなか
いいんじゃないの。3m~5mの小滝が次々と現われて楽しませてくれる。


あれ、嬉しい誤算ですか?

 これは「当たり」かと思っていたが、やはり湖北の沢はそう甘くはなかった。次第にヤブが流れに被るようになり、真っ直
ぐ立って歩けない場面が増えてきた。しかも蜘蛛の巣のオマケ付き。油断すると顔にベッタリと蜘蛛の巣が張り付いて気
持ち悪いことこの上ない。沢登りで何が一番嫌かと聞かれたら、この顔面蜘蛛の巣攻撃だと答えることは間違いない。


やっぱりね。
この顔面クモの巣攻撃だけは避けたいところです。

 このままの状態で終わったらどうしようと心配していたら、しばらくの我慢で渓相は持ち直してきた。

どっちやねん。
はっきりせい。

ここからが本当の核心部の始まりだった。
苔に覆われた3m滝、全長30mに及ぶ溝状の瀑流と続き、その上の15m滝は手が出ず左岸の渋い巻きでかわす。
その上にも小滝が続いて飽きさせない。当然ながら林相も自然林に変わっており、ヤブっぽさもないので楽しいところである。


結局、よかったわけですか

 左手で声が聞こえた。どうやらスキー場からの登山道が近いようだ。声のする方へガサガサとヤブを漕いで行く。
声が近くなったところで「ピーッ」とホイッスルが大きく鳴った。どうやらクマと間違われたようだ。安心させるためにこちらも日本語でコールを掛ける。


そうです、コールは日本語に限ります。
昔、かの山で山日和さんがやったように、英語でコールしたらあきません。
まさか山日和さんが別ルートで沢を詰めていたなんて知らないワシは、あのコール聞いてうろたえましたがな。
「クマかと思ったらガイジンさんや。どないしょ。なんて言うたらええのかな。
 えーと、えーと、ディス イズ ア ペン。マイネーム イズ ドースイ……よし、どす来い。」

 3人パーティーがお食事中で休む場所もないので、素通りして北のピークへ向かった。まったく日陰のない場所だが、雲が多いので少しはマシだ。店を広げてまずは冷えたビールを煽る。
ブナの木陰でランチの予定(山頂直下にそういう場所があるだろうと思っていたのだ)がえらい違いである。


楽しいランチタイムですが、あそこは日陰なんかなかったでしょ。

 ブンゲンとのコルからヤブに突っ込み、3分ほどで源流に出た。
やはり甘くはなかった。こちらも流れに覆い被さるヤブをくぐったりかわしたり、いい加減嫌気がさしてきた。


またですか。

「あそこへ上がるか」と壁の脇から登り着くと、そこは昨晩一夜を過ごしたスキー場の駐車場だった。
これならここへ止めとけばよかった。


ポポポ~ン、ご苦労さんま。

 ヤブ沢周遊も時間が立つと、鬱陶しい思い出を忘れてしまうから面白い。写真を見ながら書いていると、当然のことながら写真はいいところでしか撮らないので余計にいい場面だけが増幅されてしまう。
このレポと写真を見て行く気になった人は注意が必要である。


思い出は美化されるわけですね。
そこに筆の滑りと藪から出まかせが加われば、鬼にピッケルでしょ。

よい山旅を!
                                          洞吹(どうすい)
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山日和
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登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【湖北】ヤブ沢周遊 矢谷からブンゲン 大長谷下降

投稿記事 by 山日和 »

洞吹さん、どうもです。

そのヒマつぶしにお付き合いするのでありますが、このレスもすでに周回遅れの様相を呈しております。

お付き合い、ありがとさんです。でもまだ周回遅れというほどではないですよ。

こんな谷、知りませんね。
でも、地図に名前がのってるなあ。
ほとんど紹介されていないのは、ヤブ谷の証拠というべしで、当然でしょう。


でしょう~。

[attachment=3]P1100807_1.JPG[/attachment][attachment=2]P1100809_1.JPG[/attachment]
あれ、嬉しい誤算ですか?

ある程度は計算済みでした。「百山百渓」によればそう悪くはなさそうでしたから。

やっぱりね。
この顔面クモの巣攻撃だけは避けたいところです。


この区間は実際はそう長くはなかったですよ。

どっちやねん。
はっきりせい。

結局、よかったわけですか


人生楽あれば苦有りです。トータルで見れば悪くない谷でした。

[attachment=1]P1100833_1.JPG[/attachment][attachment=0]P1100865_1.JPG[/attachment]
そうです、コールは日本語に限ります。
昔、かの山で山日和さんがやったように、英語でコールしたらあきません。
まさか山日和さんが別ルートで沢を詰めていたなんて知らないワシは、あのコール聞いてうろたえましたがな。
「クマかと思ったらガイジンさんや。どないしょ。なんて言うたらええのかな。
 えーと、えーと、ディス イズ ア ペン。マイネーム イズ ドースイ……よし、どす来い。」


あの時の洞吹さんの驚いた顔は見ものでした。ただでさえ考えられんとこから人が現われて、それがまた知り合いなんやから。
こっちは登山口に止まってた車でわかってただけに面白かったですわ。(^^♪

楽しいランチタイムですが、あそこは日陰なんかなかったでしょ。

雲が出てなければ熱中症必至です。

ポポポ~ン、ご苦労さんま。

車道歩きが短いし下りだからよかったんですけどね。
ここに車止めとけば沢から上がって1分、ピンポイントでした。

思い出は美化されるわけですね。
そこに筆の滑りと藪から出まかせが加われば、鬼にピッケルでしょ。


思い出は美しすぎて~♪
でも出まかせなんてひどいわ~。(^^♪


                 山日和
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P1100865_1.JPG
P1100833_1.JPG
P1100809_1.JPG
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