【鈴鹿】リョウシ~コザト 黄色い花咲く尾根を辿って霊仙へ

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yamaneko0922
記事: 539
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
お住まい: 京都市左京区

【鈴鹿】リョウシ~コザト 黄色い花咲く尾根を辿って霊仙へ

投稿記事 by yamaneko0922 »

【 日 付 】2019年3月23日(土曜日)
【 山 域 】鈴鹿
【メンバー】山猫、家内
【 天 候 】曇りのち晴れ
【 ルート 】白谷橋7:10~8:38リョウシ~9:11コザト~10:59霊仙山最高点~11:10霊仙山(ランチ)11:36~12:07南霊仙~12:16近江展望台~12:52笹峠~13:48妛原~14:40白谷橋

昨年、長男と次男を伴って、山芍薬を探しに霊仙を訪れたのは初夏のような陽気の4月下旬の暑い日のことであった。霊仙を次に訪れる際には違ったルートはないかと考えたところ、このリョウシ、コザトという鈴鹿特有の奇妙な名のピークの連なる南尾根を経て霊仙山最高点に至るルートに惹かれることになった。そして、この長い尾根を訪れるには福寿草の花咲くこの季節がいいようだ。二日前の祝日、朝に出遅れなければ霊仙にとも思っていたのだが、蛇谷ヶ峰から帰ってSHIGEKIさんのrepで美しい黄色い妖精の写真に魅入ることになった。SHIGEKIさんの足跡を追って、霊仙を目指すことする。

比良、北山方面は曇りの予報であるの対して鈴鹿方面は好天が期待出来そうだ。名神高速を東に向かうと、琵琶湖の西側、比良のあたりには重苦しく雲がかかっているのに対して、東の空は明るく晴れている。

河内を過ぎると左手に分岐する権現谷林道を進む。林道はすぐにも切り立った峻険な崖の合間を縫って進むようになる。崖下では車がその上を通過出来ない岩がいくつも転がっているので、車を降りて石を除去する作業を強いられる。再び谷が開けるようになると、白谷林道の分岐点にたどり着いた。薄暗い谷間に陽光がさすにはまだ時間がかかりそうだ。

車を駐車して尾根を振り返ったところで目を疑った。急峻な尾根の取り付きはほとんど崖のように見える。それも細かい瓦礫の。斜面をよくよく見ると確かにこの瓦礫の斜面に向かう踏み跡がある。見たところかなり最近のもののようだ。おそらくSHIGEKIさんのものだろう。
登山口.jpg

瓦礫の斜面はいとも容易に落石する。そして一度落下した石は周りの石を巻き込んで落ちてゆく。ルートを探りながら登るためには私が先行したした方が良いだろう。まずは家内を落石が当たる心配のないところで待避させた上で、細心の注意を払って落石しないように足元を確認しながら登る。まずは大きく右へトラバースしながら上がり、折返す地点で家内の到着を待つ。瓦礫の斜面を左手に折り返すと、樹木の間に細かい足場が得られ、急斜面ではあるが階段を登るような感覚で尾根を登ってゆくことが出来た。足元をみると多数のスミレとネコノメソウが石灰岩の間にはやはり最近のものと思われる靴の後が見受けられる。


尾根は登るにつれ徐々に斜度が緩やかになり、歩きやすくなる。ふと尾根を見上げると、猿の群れが尾根の少し上を静かに登ってゆく。猿の通ったあたりに辿り着いてみると、緑色がかった新鮮な落とし物があった。

一の肩と思われる小さなピークを越えると思わず歓声をあげることになる。小さな鞍部の南側斜面に一面の福寿草が咲いている。写真を取るべく群落の中に足を踏み入れるのだが、足の踏み場もないほどだ。折しも東側の尾根の上から顔を出した朝陽がスポットライトのように樹間から花々を照らし始めた。朝の陽光を浴びた花株は金属的な光沢のある花弁をキラキラと輝かせる。
福寿草1.jpg
未だ開きかけの花もある一方で、中には花が散ったあと株も多数見かけるので数日前が花の盛りだったのだろう。それでもこれほどの黄色い妖精たちの輪舞は目を愉しませるに余りある。
福寿草2.jpg
尾根上には次々と福寿草の小群落が次々と現われ、苔むしたカレンフェルトの間にも可憐な花が顔を覗かせる。なだらかな尾根を黄色い妖精達に挨拶しながら歩くうちに間もなくリョウシが近づいてくる。

リョウシのピークに差し掛かると黄色い妖精たちはいつの間にか姿を消す。ピークは山名標もなく、樹林に囲まれた殺風景なところであったが、しかしピークの北には大きく南霊岳を望む。コザトに向かうべく尾根を東に辿ると、南霊岳から霊仙最高点へと続く稜線が姿を顕した。このあたりから望む霊仙の山頂は御池岳のように平に見える。

コザトへの鞍部には杉の植林地が続くが、植林地を抜けると自然林の緩やかな登りとなる。しばし南側への展望が大きく開け、御池岳のテーブルランドを大きく正面に望む。コザトも樹林に囲まれた殺風景なピークであるが、なだらかに見える霊仙最高点を正面に望むようになる。ここからの霊仙はT字尾根から望む御池岳を思い出させる。

尾根上の馬酔木の藪を左右に避けながら細い尾根を進むが、細尾根になると踏み跡も不明瞭となり遂に藪こぎを強いられるようになる。家内は「道はあっているの?」と不安げに聞くが、どう考えてもこの痩せ尾根を迂回する方法はない。藪を進むうちに突然、林道の法面の上に飛び出した。国土地理院の1/25,000地図に記載されている林道よりも南側なので、新たに作られた林道なのだろう。

林道を越えて、尾根の続きへと上がると、斜面にみられる多くの倒木のせいですっかり尾根は明るい。杉の植林の尾根を進むともう一つの林道に出る。こちらは地図に記された白谷林道だ。林道脇ではマルバマンサクの花が春を告げている。
マルバマンサク.jpg

わずかばかりの間、林道を歩くと、林道の左手からいよいよ霊仙へと登る尾根に取り付く。最後はカレンフェルトの急斜面ではあるが、ほどよく足場があるので登りやすい。後ろを振り返るとリョウシ、コザトと蛇行しつつ辿ってきた尾根を一望する。
尾根.jpg
霊仙最高点のピークが近づくと途端に多くの人影が目に入る。ピークに出た途端、緩やかな南霊岳からの稜線、霊仙山山頂との間に広がるカルスト地形が視界に飛び込む。北の方角には伊吹山の大きな山容を目にする。その斜面に最早ほとんど雪は見当たらないのだが、その右手には遥か彼方に白い山が目に入る。能郷白山だろうか。

ところで、この霊仙山の魅力はいうまでもなく特異なカレンフェルトによる日本離れした光景だろう。最初にこの山に登ったときに想起したのは丁度30年前、学生時代に訪れたイギリスの湖水地方で山歩きした時の情景であった。その後、知人のイギリス人にたまたま以前の霊仙山の山行の写真を見せた際、彼は同じような反応を示した。「これは本当に日本なのか?故郷のイギリス北部の風景のようだ」。この連想の一致が偶然ではないことをつい最近になって知る。つまりピーター・ラビットが野に遊ぶ雄大な風景はまさにカルスト地形であるということを。
霊仙山帳より南霊岳方面
霊仙山帳より南霊岳方面
ここまでは南斜面を登ってきたので風の影だったのだろう。ここからは途端に北風に曝されることになる。霊仙山山頂にかけて斜面を下っているうちは霜柱はまだ凍ったままで良かったのだが、山頂にかけての道は霜が溶けて泥濘がひどい状態である。この日は未だゲイターをつけずにいたのだが、みるみるうちにズボンの両裾が泥まみれになった。

山頂の南斜面の岩陰で風を避けて焼売を蒸し、ランチにする。さすがに花の霊仙、山頂にはほぼひっきりなしに人が訪れる。山頂を後にすると草をなるべく踏まないように気をつけながら鹿道を辿り、カルストの谷を渡る。勿論、ゲイターはつけているのだが、今度は有り難いことに地面の泥濘は全くない。

南側の南霊岳への尾根に上がると、多くの人と擦れ違う。南霊岳のピークの直下をトラバースするようになるとカレンフェルトの石灰岩の間に福寿草が一株、二株と咲いている。群落はみられないのだろうかと思ってあたりを見回すと、急峻な斜面の下で群落が目についた。リョウシの南尾根で多くの福寿草を目にした後でなければ躊躇なく斜面を下って、群落を訪ねていたことだろう。

近江展望台のカレンフェルトと急峻な斜面から下り始めると、さすがに周回するには時間が遅いのだろう、全く人と出会うこともなくなった。右下の廃村の落合集落とは別に、正面の谷あいに小さな集落が目に入る。後で確認したところ、入谷の集落らしい。果たしてここも既に廃村となっているのだろうか。

急坂をジグザグと下りきると、笹峠への山毛欅の樹林に入る。以前訪れた際も笹峠から山毛欅越しに望む近江展望台が印象的だったのだが、その印象は立派な山毛欅の樹のお陰かもしれない。
笹峠.jpg
一般登山路は廃村の今畑集落に向かっておりてゆく。廃村の今畑集落を訪れたいところであったが、笹峠からのなだらかな尾根を妛原に向かって直進することにする。自然林の快適な尾根が続き、壇香梅の花が随所で咲き誇っている。小さな鬼走りの黄緑色の花も足元を彩る。
油瀝青.jpg
尾根上の展望地からは左下に権現谷林道と正面の鍋尻山の眺望が大きく開ける。尾根は末端部では多少、傾斜は増すものの下藪もほとんどなく、歩きやすい快適な道を辿るうちに妛原に出る。登山道が着地した集落の裏手には一輪の福寿草がひっそりと咲いていた。村の方が植えたのだろうか。

後は長い林道歩きである。林道を辿ると、朝見た光景の通り、まもなく林道の両側には峻険な崖が続くようになる。迫力ある景色に林道歩きも飽きない。家内が道端に摘み取られた後の蕗の薹を見つける。再び谷が広がるようになると、林道の脇に三本の杉の大樹が見えてくる。三本杉の大樹を過ぎるとまもなく白谷橋に帰り着いた。

霊仙を訪れるのには最後にもう一つの楽しみがある。河内の風穴の手前にある「風緑」におけるかき氷だ。天然素材のみで作られるシロップをかけて味わうかき氷は極上であり、子供達の大のお気に入りでもある。かぼちゃ、人参、黒胡麻、甘酒など魅力的なメニューが並ぶのだが、家内とかき氷を一つずつ食べるにはまだ気温も高くはないので、躊躇なくこの時期限定の摘みたての生いちごとそばがきぜんざいを選ぶ。ピンク色のシロップをかけた氷を口に運ぶと新鮮な甘酸っぱい苺の香りが口の中いっぱいに広がるのだった。

風緑の対岸の八幡神社の岸辺には満開の藪椿の下に多数の光沢のある細い葉が伸びだしている。後一月もしないうちに一面が胡蝶花で覆われることになるだろう。
山猫 🐾
SHIGEKI
記事: 1028
登録日時: 2011年7月25日(月) 18:30

Re: 【鈴鹿】リョウシ~コザト 黄色い花咲く尾根を辿って霊仙へ

投稿記事 by SHIGEKI »

yamanekoさん こんばんは。

素晴らしいフットワークですね。 :D

【 日 付 】2019年3月23日(土曜日)
【 山 域 】鈴鹿
【メンバー】山猫、家内
【 天 候 】曇りのち晴れ
【 ルート 】白谷橋7:10~8:38リョウシ~9:11コザト~10:59霊仙山最高点~11:10霊仙山(ランチ)11:36~12:07南霊仙~12:16近江展望台~12:52笹峠~13:48妛原~14:40白谷橋

二日前の祝日、朝に出遅れなければ霊仙にとも思っていたのだが、蛇谷ヶ峰から帰ってSHIGEKIさんのrepで美しい黄色い妖精の写真に魅入ることになった。SHIGEKIさんの足跡を追って、霊仙を目指すことする。


やっぱ、普通霊仙を目指しますよね~

不肖Sは、気まぐれ散歩でしかありはしません。

コザト手前から周辺ウロウロしてゆっくり花見、昼寝でしたから・・・


崖下では車がその上を通過出来ない岩がいくつも転がっているので、車を降りて石を除去する作業を強いられる。再び谷が開けるようになると、白谷林道の分岐点にたどり着いた。

そうでしたか~ 先日はノータッチですんなり通過できました。



車を駐車して尾根を振り返ったところで目を疑った。急峻な尾根の取り付きはほとんど崖のように見える。それも細かい瓦礫の。斜面をよくよく見ると確かにこの瓦礫の斜面に向かう踏み跡がある。見たところかなり最近のもののようだ。おそらくSHIGEKIさんのものだろう。

残念ながら、ここではなく手前の斜面、バンド状の獣道?が見えたところから適当に登ってます。

新ハイのI氏はもっと手前からの取り付きだったようです。

帰りは、この尾根尻を下りましたが反対方向へ巻いてズリ落ちましたので、別人の足跡のようです。


瓦礫の斜面はいとも容易に落石する。そして一度落下した石は周りの石を巻き込んで落ちてゆく。ルートを探りながら登るためには私が先行したした方が良いだろう。まずは家内を落石が当たる心配のないところで待避させた上で、細心の注意を払って落石しないように足元を確認しながら登る。まずは大きく右へトラバースしながら上がり、折返す地点で家内の到着を待つ。

離れていても、かなり危ないでしょう。滑落よりも怖いですね!

単独でも落石起こして誰もいないのが分かっていても「ゾッ」としました。



瓦礫の斜面を左手に折り返すと、樹木の間に細かい足場が得られ、急斜面ではあるが階段を登るような感覚で尾根を登ってゆくことが出来た。足元をみると多数のスミレとネコノメソウが石灰岩の間にはやはり最近のものと思われる靴の後が見受けられる。

青紫と黄緑から黄色のグラデ たくさん咲いてました。

不肖Sは、ある瞬間に光る 花猫の目 が大好きな花です。



尾根は登るにつれ徐々に斜度が緩やかになり、歩きやすくなる。ふと尾根を見上げると、猿の群れが尾根の少し上を静かに登ってゆく。猿の通ったあたりに辿り着いてみると、緑色がかった新鮮な落とし物があった。

ヌクヌク でしたでしょう :mrgreen: 湯気のでるような・・・


リョウシのピークに差し掛かると黄色い妖精たちはいつの間にか姿を消す。ピークは山名標もなく、樹林に囲まれた殺風景なところであったが、しかしピークの北には大きく南霊岳を望む。コザトに向かうべく尾根を東に辿ると、南霊岳から霊仙最高点へと続く稜線が姿を顕した。このあたりから望む霊仙の山頂は御池岳のように平に見える。

この辺から、左への支尾根 が 真っ白の岩尾根です。

ところで、この霊仙山の魅力はいうまでもなく特異なカレンフェルトによる日本離れした光景だろう。最初にこの山に登ったときに想起したのは丁度30年前、学生時代に訪れたイギリスの湖水地方で山歩きした時の情景であった。その後、知人のイギリス人にたまたま以前の霊仙山の山行の写真を見せた際、彼は同じような反応を示した。「これは本当に日本なのか?故郷のイギリス北部の風景のようだ」。この連想の一致が偶然ではないことをつい最近になって知る。つまりピーター・ラビットが野に遊ぶ雄大な風景はまさにカルスト地形であるということを。

そうですか~  いいこと聞きました!

イギリス北部!! 行ったことないですけど 使わせて頂きます。

「霊仙、昔旅したまるでイギリス北部のようだ。」とか。


霊仙を訪れるのには最後にもう一つの楽しみがある。河内の風穴の手前にある「風緑」におけるかき氷だ。天然素材のみで作られるシロップをかけて味わうかき氷は極上であり、子供達の大のお気に入りでもある。かぼちゃ、人参、黒胡麻、甘酒など魅力的なメニューが並ぶのだが、家内とかき氷を一つずつ食べるにはまだ気温も高くはないので、躊躇なくこの時期限定の摘みたての生いちごとそばがきぜんざいを選ぶ。ピンク色のシロップをかけた氷を口に運ぶと新鮮な甘酸っぱい苺の香りが口の中いっぱいに広がるのだった。

へぇ~ それも知りませんでした。

で、かき氷と熱いぜんざいを食べたのですか?


後一月もしないうちに一面が胡蝶花で覆われることになるだろう。

シャガ ですね。 男鬼やイワス、高室を歩いていたときに思い出のある花でした。

   SHIGEKI
20190319-P3192128.jpg
yamaneko0922
記事: 539
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
お住まい: 京都市左京区

Re: 【鈴鹿】リョウシ~コザト 黄色い花咲く尾根を辿って霊仙へ

投稿記事 by yamaneko0922 »

SHIGEKIさん コメント有難うございます

やっぱ、普通霊仙を目指しますよね~
不肖Sは、気まぐれ散歩でしかありはしません。


私はSHIGEKIさんと違って、なにせこのルートを辿るのが始めたなので

>残念ながら、ここではなく手前の斜面、バンド状の獣道?が見えたところから適当に登ってます。

そうですか。足跡がSHIGEKIさんのもんではなかったとは残念

>不肖Sは、ある瞬間に光る 花猫の目 が大好きな花です。

私も好きな花です。まだ今年は遭えておりませんが。

>ヌクヌク でしたでしょう :mrgreen: 湯気のでるような・・・

出てました! :mrgreen:
落とし物.jpg

>で、かき氷と熱いぜんざいを食べたのですか?

ぜんざいはそれほど厚くはなかったのですが、どちらも美味しく戴きました :D
いちご.jpg
機会があれば是非、どうぞ。
頬が落ちるかもしれませんので、ご注意を :mrgreen:

>シャガ ですね。 男鬼やイワス、高室を歩いていたときに思い出のある花でした。

私もその季節に歩いてみたいと思います
昨年の同じ場所で
昨年の同じ場所で
山猫 🐾
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【鈴鹿】リョウシ~コザト 黄色い花咲く尾根を辿って霊仙へ

投稿記事 by 山日和 »

yamanekoさん、こんにちは。

河内を過ぎると左手に分岐する権現谷林道を進む。林道はすぐにも切り立った峻険な崖の合間を縫って進むようになる。崖下では車がその上を通過出来ない岩がいくつも転がっているので、車を降りて石を除去する作業を強いられる。

この林道はすごいところを走ってますよね。あれほど深い谷によく道を付けたものだと思います。

車を駐車して尾根を振り返ったところで目を疑った。急峻な尾根の取り付きはほとんど崖のように見える。それも細かい瓦礫の。

私は右手の谷側の樹林を上がりました。急なことは急ですが、立ち木を掴んで落石の心配もなかったですけどね。

一の肩と思われる小さなピークを越えると思わず歓声をあげることになる。小さな鞍部の南側斜面に一面の福寿草が咲いている。写真を取るべく群落の中に足を踏み入れるのだが、足の踏み場もないほどだ。

ここにこんな群落があるんですねえ。私は花の時期には雪山ばっかりなので、鈴鹿で花を愛でる機会が少ないんです。花より雪団子ですね。 :lol:

未だ開きかけの花もある一方で、中には花が散ったあと株も多数見かけるので数日前が花の盛りだったのだろう。それでもこれほどの黄色い妖精たちの輪舞は目を愉しませるに余りある。

こういうのを見ると行ってみたくなりますね。

尾根上の馬酔木の藪を左右に避けながら細い尾根を進むが、細尾根になると踏み跡も不明瞭となり遂に藪こぎを強いられるようになる。家内は「道はあっているの?」と不安げに聞くが、どう考えてもこの痩せ尾根を迂回する方法はない。

まあ、道が合ってるもなにも尾根の一本道ですから前進するしかないですよね。 :mrgreen:

藪を進むうちに突然、林道の法面の上に飛び出した。国土地理院の1/25,000地図に記載されている林道よりも南側なので、新たに作られた林道なのだろう。

私もこの林道で勘違いしてしまいました。尾根に上がらずそのまま林道を進みましたが、これはこれでよかったような。

霊仙最高点のピークが近づくと途端に多くの人影が目に入る。ピークに出た途端、緩やかな南霊岳からの稜線、霊仙山山頂との間に広がるカルスト地形が視界に飛び込む。

私はその手前の岩ノ峰のピークでランチとしました。人が多いのも嫌だし風があったので。
静かでいいところでした。

ところで、この霊仙山の魅力はいうまでもなく特異なカレンフェルトによる日本離れした光景だろう。最初にこの山に登ったときに想起したのは丁度30年前、学生時代に訪れたイギリスの湖水地方で山歩きした時の情景であった。
その後、知人のイギリス人にたまたま以前の霊仙山の山行の写真を見せた際、彼は同じような反応を示した。「これは本当に日本なのか?故郷のイギリス北部の風景のようだ」。この連想の一致が偶然ではないことをつい最近になって知る。つまりピーター・ラビットが野に遊ぶ雄大な風景はまさにカルスト地形であるということを。

なるほど。勉強になります。

山頂の南斜面の岩陰で風を避けて焼売を蒸し、ランチにする。さすがに花の霊仙、山頂にはほぼひっきりなしに人が訪れる。

私は三角点はカットです。とにかく人の少ない方へ。 :mrgreen:

急坂をジグザグと下りきると、笹峠への山毛欅の樹林に入る。以前訪れた際も笹峠から山毛欅越しに望む近江展望台が印象的だったのだが、その印象は立派な山毛欅の樹のお陰かもしれない。

ここのブナ林は規模は小さいもののいいですよね。霊仙では顕著なブナ林が少ないですから。

後は長い林道歩きである。

笹峠の手前から権現谷の方へトラバースして行くという手もあります。
viewtopic.php?f=4&t=4012
途中のナガサコ近辺はいいところでした。 :D

霊仙を訪れるのには最後にもう一つの楽しみがある。河内の風穴の手前にある「風緑」におけるかき氷だ。天然素材のみで作られるシロップをかけて味わうかき氷は極上であり、子供達の大のお気に入りでもある。かぼちゃ、人参、黒胡麻、甘酒など魅力的なメニューが並ぶのだが、家内とかき氷を一つずつ食べるにはまだ気温も高くはないので、躊躇なくこの時期限定の摘みたての生いちごとそばがきぜんざいを選ぶ。ピンク色のシロップをかけた氷を口に運ぶと新鮮な甘酸っぱい苺の香りが口の中いっぱいに広がるのだった。

へえー、それは知りませんでした。またまた勉強になりました。 :lol:

                山日和
ナガサコはとてもいいところ
ナガサコはとてもいいところ
yamaneko0922
記事: 539
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
お住まい: 京都市左京区

Re: 【鈴鹿】リョウシ~コザト 黄色い花咲く尾根を辿って霊仙へ

投稿記事 by yamaneko0922 »

山日和さん こんにちは

>私は右手の谷側の樹林を上がりました。急なことは急ですが、立ち木を掴んで落石の心配もなかったですけどね。


私達も写真の右手の斜面から上がっております。それでも一部で瓦礫の斜面を通過することになりました・・・とはいえ、短い区間ですが。

>ここにこんな群落があるんですねえ。私は花の時期には雪山ばっかりなので、鈴鹿で花を愛でる機会が少ないんです。花より雪団子ですね。

確かにこの時期、残雪の山か花の山か迷うことになりますが、リョウシ・コザトを周回してみたかったこともあり。
それにしても上谷山が賞味期限内であったとは!

>私はその手前の岩ノ峰のピークでランチとしました。人が多いのも嫌だし風があったので。静かでいいところでした。

確かに!

>ここのブナ林は規模は小さいもののいいですよね。霊仙では顕著なブナ林が少ないですから。

書きそびれましたが、山毛欅の間にある欅が林相を魅力的なものにしているように思われます。

>笹峠の手前から権現谷の方へトラバースして行くという手もあります。
viewtopic.php?f=4&t=4012
途中のナガサコ近辺はいいところでした。 :D


過去のレポのご紹介有難うございます。確かにナガサコのあたり、魅力的に思われます。
それにしても行者谷への下降が問題ですが、将来のルートに考えてみます。

>へえー、それは知りませんでした。またまた勉強になりました。 :lol:

かき氷というと、食べ終わることには舌もシロップの色に染まるようなものと思っておりましたが、ここの天然素材の美味しいかき氷、是非、お試し下さい。きっとお孫さん達も喜ばれるのではないでしょうか。
山猫 🐾
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