【越美国境】夜叉ヶ池から三国岳へ 天空の縦走路
Posted: 2019年3月11日(月) 21:43
【日 付】2019年3月9日(土)
【山 域】越美国境 三国岳周辺
【天 候】晴れ
【コース】広野ダム7:10---8:10林道終点---9:02トチの巨木---11:02夜叉ヶ池11:24---12:02 P1206m手前のコル13:05
---14:02三国岳14:20---15:33 Ca1020mJP---16:34林道---17:30広野ダム
広野ダムには1台の車の姿も見えなかった。今日は貸切りか。そう思いながら出発しようとしたところで1台
の車が隣に滑り込んできた。降りてきたドライバーの顔を見ると、なんとみれさんじゃあーりませんか。
(去年もこんなフレーズがあったな)
どうやら同じ目的地のようだが先に出発する。最近はいつものことだが体調がイマイチで頭もぼんやりしている。
早朝は食欲が湧かないので何も食べずに歩き始めることも多いのだ。
岩谷林道にはまったく雪がない。終点の登山口まで完全除雪と言うか除雪の必要がなかったのか。。
雪景色でないここを見るのはいつ以来なのか記憶がない。
対岸の登山道も完全に無雪期状態。夜叉ヶ丸ダイレクト尾根の取付きはどうにもヤブっぽく気が乗らない。
これだけ雪が無いと夏道登山道を歩けるのではないか。通常の積雪量なら谷沿いのトラバース道は地獄の滑り台
の連続となって、とても歩けたものではない。3月の初めに夏道を歩くというのも貴重な体験かもしれない。
ここでチョココルネの朝食を補給すると頭がスッキリしてきた。やはり朝は糖分の補給が必要だ。ボーッとして
いたのは低血糖状態だったのかもしれない。
方針変更して夏道を行く。途中2ヶ所ほどミニ滑り台が現われたが、ほとんどは地肌が出ており問題なくトチ
の巨木まで到着した。このトチを初めて見たのはもう40年も前のことだ。あの頃に比べるとかなり衰えが目立つ
ような気がする。
ここで登山道を離れて尾根に取り付いた。かなりの急斜面だがしばらくの我慢で尾根に乗った。
尾根上ではやっと雪が繋がり、スノーシューを履ける状態になった。少し進んだところで登山道と合流する。
地形図の登山道は付け替えられているようだ。
今朝は相当冷え込んだので霧氷を期待していたのだが、残念ながら見ることはできなかった。それでも先週に
続いて天気は最高、これで3週続けての快晴山行である。
夜叉ヶ池への屈曲点でトラバースにかかるが、クラストした層の上に乗った薄い雪がズルズルと滑ってスノー
シューが効かない。ここで滑り落ちるとまずいので、スノーシューを脱いで雪面を蹴り込みながらトラバース。
去年に続いて一面の雪原となった夜叉ヶ池とご対面だ。去年は手前のブナ林も池のまわりもすべてが霧氷で覆わ
れていた。それに比べるとただひたすら明るい雪の池は風情に欠けるが贅沢は言うまい。
意外なことに登山者が現われた。ダイレクト尾根を夜叉ヶ丸に上がって下りてきたらしい。ずいぶん速いなと
思ったが、登山口までチャリを漕いだということで納得。三周ヶ岳へ行くつもりだったが時間を食い過ぎたので、
少し国境稜線を散歩して夏道を下りますと言う。
単独の女性を見なかったかと聞いたのだが誰にも会っていないとの答え。みれさんはどこへ行ったのだろう。
夜叉ヶ丸への急登に備えてチェーンスパイクを履く。池の上の斜面は踏み抜くと股まで潜ってしまうところも
あってちょっと難儀だ。これは積雪が少な過ぎる故の現象だろう。右から巻き上がって越美国境稜線に出た。
雪面はほど良いクラスト状態でサクサクと気持ち良く歩けるのだが、チェーンスパイクの爪ではちょっと心許な
い。やはりちゃんとしたアイゼンも持って来るべきだった。先週の金草岳でもそう思いながら持って来なかった
のは、雪の越美国境慣れし過ぎているのかもしれない。
夜叉ヶ丸は立ち木のない好展望の山頂である。真っ白な雪のドームが二つ並ぶ気持ちのいい場所だが、今日は
少々風が強い。ランチタイムは三国岳でと思っていたが、風の条件は変わらないだろうと前進する。
1206mピークとのコルでお誂え向きの風のない場所を見つけて店を開いた。展望は限られているが、正面に三周
ヶ岳と前衛峰が見える特等席である。
快晴の越美国境稜線で味わうビールは格別だ。やはり自分にとって特別な場所だと実感する。
P1206mへ登り返せば再び360度の展望だ。三国岳への稜線はじつにたおやかで、駆け出して行きたくなる。
雪不足といいながらもこの稜線へ上がれば微塵もそんなことを感じさせない。
鞍部からゆるゆるとした登りを100mもこなせば山頂に導かれる。山頂手前にはブナ林が広がる広大な斜面があ
り、どこを歩いても自由だ。しかし寝不足のせいか、目をつむると歩きながら寝てしまいそうである。
三国岳の山頂も広大だ。またまた湖北、奥美濃、越美国境の山々が360度広がる。白山や御嶽、中央アルブスの
山々も視野に入った。もうすっかり見慣れてしまった風景ではあるのだが、これを目にする時の感動はいつも新
鮮だ。時間があれば左千方をと思っていたのだがその気もなくなった。
三国岳の北面の地形は実に複雑である。地形図では読み取れないが、複数の尾根が掘割のような深い谷で区切
られており、尾根を間違うとその谷を越えて行かないといけない。
ちゃんと地図を見ずに下り始めてしまい、谷を3本横切るハメになってしまった。本来の尾根は登ってきた稜線と
ほぼ平行に走っているのだ。相変わらずの学習能力のなさにガックリしながらなんとか本来の尾根に復帰した。
Ca1010mピークから林道に伸びる北尾根はこれまでに3回使っているが、逆回りは今日が初めてだ。
Ca1010mピークまでの稜線にも随所にいいブナ林があって楽しめる。ただ雪の少なさ故のヤブが頭を出している
のがうるさい。振り返ると三国岳の巨大な姿が圧倒的だ。
元々の構想では上谷山もついでにやってしまおうと思っていたのだが、まったくの絵に描いた餅だった。
Ca1010m北尾根は少し下ったところに気持ちのいいブナ林があるいい尾根だが、下部のヤブの状態が心配だった。
だがそれも杞憂で、雪が消えてもほぼ踏み跡があり楽勝で歩くことができた。
手を使わずに歩けるというのはいいもんだ。先週の金草岳とえらい違いである。
最後もアトラクション無しで林道に着地したが、まだ長い林道歩きが残っている。
しかしよく地図を見てみると、食後の方が歩く距離が長かった。道理で疲れるはずだ。
林道歩きの途中で地元のパトロールのおじさんに捕まって、いろいろ説教?されてしまった。
後で聞くとみれさんもダムで説教されたらしい。雪の岩谷林道へ入る人は要注意である。
山日和
【山 域】越美国境 三国岳周辺
【天 候】晴れ
【コース】広野ダム7:10---8:10林道終点---9:02トチの巨木---11:02夜叉ヶ池11:24---12:02 P1206m手前のコル13:05
---14:02三国岳14:20---15:33 Ca1020mJP---16:34林道---17:30広野ダム
広野ダムには1台の車の姿も見えなかった。今日は貸切りか。そう思いながら出発しようとしたところで1台
の車が隣に滑り込んできた。降りてきたドライバーの顔を見ると、なんとみれさんじゃあーりませんか。
(去年もこんなフレーズがあったな)
どうやら同じ目的地のようだが先に出発する。最近はいつものことだが体調がイマイチで頭もぼんやりしている。
早朝は食欲が湧かないので何も食べずに歩き始めることも多いのだ。
岩谷林道にはまったく雪がない。終点の登山口まで完全除雪と言うか除雪の必要がなかったのか。。
雪景色でないここを見るのはいつ以来なのか記憶がない。
対岸の登山道も完全に無雪期状態。夜叉ヶ丸ダイレクト尾根の取付きはどうにもヤブっぽく気が乗らない。
これだけ雪が無いと夏道登山道を歩けるのではないか。通常の積雪量なら谷沿いのトラバース道は地獄の滑り台
の連続となって、とても歩けたものではない。3月の初めに夏道を歩くというのも貴重な体験かもしれない。
ここでチョココルネの朝食を補給すると頭がスッキリしてきた。やはり朝は糖分の補給が必要だ。ボーッとして
いたのは低血糖状態だったのかもしれない。
方針変更して夏道を行く。途中2ヶ所ほどミニ滑り台が現われたが、ほとんどは地肌が出ており問題なくトチ
の巨木まで到着した。このトチを初めて見たのはもう40年も前のことだ。あの頃に比べるとかなり衰えが目立つ
ような気がする。
ここで登山道を離れて尾根に取り付いた。かなりの急斜面だがしばらくの我慢で尾根に乗った。
尾根上ではやっと雪が繋がり、スノーシューを履ける状態になった。少し進んだところで登山道と合流する。
地形図の登山道は付け替えられているようだ。
今朝は相当冷え込んだので霧氷を期待していたのだが、残念ながら見ることはできなかった。それでも先週に
続いて天気は最高、これで3週続けての快晴山行である。
夜叉ヶ池への屈曲点でトラバースにかかるが、クラストした層の上に乗った薄い雪がズルズルと滑ってスノー
シューが効かない。ここで滑り落ちるとまずいので、スノーシューを脱いで雪面を蹴り込みながらトラバース。
去年に続いて一面の雪原となった夜叉ヶ池とご対面だ。去年は手前のブナ林も池のまわりもすべてが霧氷で覆わ
れていた。それに比べるとただひたすら明るい雪の池は風情に欠けるが贅沢は言うまい。
意外なことに登山者が現われた。ダイレクト尾根を夜叉ヶ丸に上がって下りてきたらしい。ずいぶん速いなと
思ったが、登山口までチャリを漕いだということで納得。三周ヶ岳へ行くつもりだったが時間を食い過ぎたので、
少し国境稜線を散歩して夏道を下りますと言う。
単独の女性を見なかったかと聞いたのだが誰にも会っていないとの答え。みれさんはどこへ行ったのだろう。
夜叉ヶ丸への急登に備えてチェーンスパイクを履く。池の上の斜面は踏み抜くと股まで潜ってしまうところも
あってちょっと難儀だ。これは積雪が少な過ぎる故の現象だろう。右から巻き上がって越美国境稜線に出た。
雪面はほど良いクラスト状態でサクサクと気持ち良く歩けるのだが、チェーンスパイクの爪ではちょっと心許な
い。やはりちゃんとしたアイゼンも持って来るべきだった。先週の金草岳でもそう思いながら持って来なかった
のは、雪の越美国境慣れし過ぎているのかもしれない。
夜叉ヶ丸は立ち木のない好展望の山頂である。真っ白な雪のドームが二つ並ぶ気持ちのいい場所だが、今日は
少々風が強い。ランチタイムは三国岳でと思っていたが、風の条件は変わらないだろうと前進する。
1206mピークとのコルでお誂え向きの風のない場所を見つけて店を開いた。展望は限られているが、正面に三周
ヶ岳と前衛峰が見える特等席である。
快晴の越美国境稜線で味わうビールは格別だ。やはり自分にとって特別な場所だと実感する。
P1206mへ登り返せば再び360度の展望だ。三国岳への稜線はじつにたおやかで、駆け出して行きたくなる。
雪不足といいながらもこの稜線へ上がれば微塵もそんなことを感じさせない。
鞍部からゆるゆるとした登りを100mもこなせば山頂に導かれる。山頂手前にはブナ林が広がる広大な斜面があ
り、どこを歩いても自由だ。しかし寝不足のせいか、目をつむると歩きながら寝てしまいそうである。
三国岳の山頂も広大だ。またまた湖北、奥美濃、越美国境の山々が360度広がる。白山や御嶽、中央アルブスの
山々も視野に入った。もうすっかり見慣れてしまった風景ではあるのだが、これを目にする時の感動はいつも新
鮮だ。時間があれば左千方をと思っていたのだがその気もなくなった。
三国岳の北面の地形は実に複雑である。地形図では読み取れないが、複数の尾根が掘割のような深い谷で区切
られており、尾根を間違うとその谷を越えて行かないといけない。
ちゃんと地図を見ずに下り始めてしまい、谷を3本横切るハメになってしまった。本来の尾根は登ってきた稜線と
ほぼ平行に走っているのだ。相変わらずの学習能力のなさにガックリしながらなんとか本来の尾根に復帰した。
Ca1010mピークから林道に伸びる北尾根はこれまでに3回使っているが、逆回りは今日が初めてだ。
Ca1010mピークまでの稜線にも随所にいいブナ林があって楽しめる。ただ雪の少なさ故のヤブが頭を出している
のがうるさい。振り返ると三国岳の巨大な姿が圧倒的だ。
元々の構想では上谷山もついでにやってしまおうと思っていたのだが、まったくの絵に描いた餅だった。
Ca1010m北尾根は少し下ったところに気持ちのいいブナ林があるいい尾根だが、下部のヤブの状態が心配だった。
だがそれも杞憂で、雪が消えてもほぼ踏み跡があり楽勝で歩くことができた。
手を使わずに歩けるというのはいいもんだ。先週の金草岳とえらい違いである。
最後もアトラクション無しで林道に着地したが、まだ長い林道歩きが残っている。
しかしよく地図を見てみると、食後の方が歩く距離が長かった。道理で疲れるはずだ。
林道歩きの途中で地元のパトロールのおじさんに捕まって、いろいろ説教?されてしまった。
後で聞くとみれさんもダムで説教されたらしい。雪の岩谷林道へ入る人は要注意である。
山日和