【飛騨】雪深き飛騨の山でドア・ツー・ドアのスノーシュー遊び 1745.9m峰(通称ガオロピーク)
Posted: 2019年2月28日(木) 15:17
今回は寡雪の年ということでスノー衆パート3は飛騨の山になった。せっかく高い高速道路料金とガソリン代を払っていくのだから日帰りで帰るのはもったいない。いつものようにその前か後にもう一山登ってこよう。前日の土曜日は天気は良さそうだが、風が強いのでパス。それに土日はテニスの練習日なので、なるべく空けておきたいのだ。天気予報を睨んでいると日曜日だけでなく、月曜日も晴れマークになってきた。
行き先は?飛騨の山は初めてなのでよくわからない。有名な猿ヶ馬場山でもいいが、行程が長そう。草川啓三さんの本を開いたら1745.9m峰というのが載っていた。草川さんのコースタイムで登りに5時間かかっているが、まあ何とかなるだろう。えいやでここに決める。
【 日 付 】2019年2月25日(月)
【 山 域 】飛騨 御母衣湖周辺
【メンバー】単独
【 天 候 】快晴
【 ルート 】福島第3トンネル出口駐車地 7:00 --- 牧谷右岸尾根 (co1207尾根) --- 10:23 1500m付近稜線 --- 11:47 1745.9m峰(ガオロピーク) 12:47 --- co1304尾根 --- 14:37 駐車地
午前5時にセットした目覚ましで目がさめると車外にはそれなりの風が吹いている。前日のスノー衆による体の疲れもあり,いまいちテンションが低い。今日は単独なので,とりあえず登山口まで行って嫌だったらそのまま引き返せばいい。のんびり準備をして出発する。どうせ登山口まで行ったら歩き始めるに決まっているのだ。そのあと自分の体がどう反応するのかは永年の経験でよくわかっている。
福島第3トンネル出口すぐ右に駐車スペースがあることはネットで調べてわかっている。雪が少ないこともあり,詰めれば4,5台は楽に駐車できるスペースだった。もちろん停まっているのは私の車だけ。 参考にした草川啓三さんの本ではスノーシェード脇のはしごを登ることになっているのだが,山日和さんに行き先を告げると「そんなアクロバチックなことをしなくても林道があるよ」との御宣託。さすがに山日和さんの引き出しはすごい。その林道は駐車地から始まっており,下山予定の尾根がその林道に向かって下りてきている。林道には30センチほどの積雪があり,ということはドア・ツー・ドアのスノーシューが楽しめるということだ。
車の横でスノーシューを履き,さあ出発。予定通りの牧谷右岸尾根への斜面に取り付く。昨晩は冷え込みが弱かったこともあり,朝一なのに雪が腐っている。そのため,尾根に上がるまでは多少の苦労だったが,上がってしまえばこっちのものだ。
登山口が標高750mで,このあと1450m付近まで標高差700mをひたすら登ることになる。山スキーで使われている尾根ということで斜度はそんなにないのかと思っていたら,なんのなんの結構な斜度を登らされるのだ。相変わらずテンション低めなので,下山予定の尾根に合流したらそのまま下山してもいいからと,自分に言い聞かせて登っていく。 下山予定の尾根をすぐ左に見ながら登っていくので,どんな尾根かよくわかる。斜度がほぼ均一で,歩きやすそうな尾根だ。標高1000mあたりからブナ,ヒノキの混交林となる。比較的狭い尾根上にヒノキの大木が通せんぼをするように生えている。ブナは斜面に生えるが尾根の真上に生えることはあまりない。「ヒノキってこんな生え方をするのかいな」と初めて気付く。 稜線手前の1400m付近でヒノキの大木が狭い稜線上で通せんぼをし、両側が切り立った雪壁になっている。2mほどの垂直の壁なのだが、草川さんや山日和さんも苦労したようだ。アイゼンを履いても、雪が柔らかいので効果はなさそうだ。仕方がないので、スノーシューを履いたまま木の根や枝を掴んでモンキークライムで体を持ち上げ、何とか突破した。 この雪壁がこの尾根の通過儀礼のようで、ここを過ぎるとすぐに緩斜面の稜線に出た。稜線上は雪が硬く締まり、歩きやすい。すぐ近くに1745.9のピークが見える・・・と思ったらこのピークはニセピークで、本当の頂上まではこの後1時間以上かかることになる。稜線上はブナとダケカンバの混交林となり、ヒノキは見かけなくなる。 標高が上がるにつれて、御母衣湖の向こうの飛騨の山々の向こうに北アルプスが顔を覗かせる。槍ヶ岳の穂先は判別できないが、大キレットから穂高の山々、焼岳。その右に少し離れて乗鞍岳、さらにその右に御岳。御岳の左に小さく綺麗な三角錐のピークがのぞいていたので、富士山かと思い喜んだのだが、ポポさんによると富士山は御岳に遮られて見えないという。残念。 P1745.9のピークは狭いが、前日と同じで風はほとんどなく、アンダーだけでも暑いくらいだ。さあ、シートを広げてお待ちかねの昼食タイムにしよう。北側には三方崩山と奥三方岳の白いピークが光っている。西側には白山と別山が指呼の距離だ。東には北アルプスが一望だ。この景色が今日の最高のご馳走だ。いくらお金を積んでもこんなご馳走にはありつけまい。今日のメニューはきつねうどん。トッピングの豚細切れは昨日食べてしまったのでなし。仕上げはいつもの甘酒でまったり。 頂上は電波が通じたのでFBUPするとポポさんからすぐにレスが来た。「どこまで登るんですか?」。「いや、ここが目的地です」。この人常にFBをチェックしているんだろうか。 たっぷりと景色を楽しんだのでそろそろ下山することにしよう。下りは未見の尾根なので、どのくらいかかるかわからない。登りに5時間近くかかっているので、下りの所要時間を3時間と見積もる。1時に出発すると4時に駐車地着になる。私は基本的に臆病なのだ。
ブナ林を楽しみながらのんびり下りていく。1500m付近で登ってきた尾根との分岐なので、GPSを取り出して下る尾根を間違えないようにしよう。co1304 mで尾根が二俣に分岐しているので注意が必要だ。GPSでチェックして間違いないことを確認する。
下りの尾根は上りの尾根よりも広く、雪壁などもないので歩きやすい。末端まで行ってしまうと御母衣湖に落ちてしまいそうなので、末端の少し手前を左に下りていく。今朝、林道から下りられることを確認しておいたのだ。雪が腐っているのでアイゼンに履き替えてもあまり効果がないだろう。ちょっと考えてスノーシューのまま降りることにする。腐った雪にはこの方が効果的だ。何の問題もなく朝歩いた林道にソフトランディング。結局頂上から2時間で下りてしまった。さあ、荘川温泉で汗を流して帰宅することにしよう。
今回は飛騨の山デビュー戦だったのだが、二日間とも願っても無いピーカンに恵まれて素晴らしい雪山歩きを堪能させてもらった。今回で、多少は飛騨の山の引き出しができ、いくつか登りたい山も出てきた。家庭や仕事の都合で今シーズン中に再訪できるかどうかわからないが、来年の楽しみができた。
行き先は?飛騨の山は初めてなのでよくわからない。有名な猿ヶ馬場山でもいいが、行程が長そう。草川啓三さんの本を開いたら1745.9m峰というのが載っていた。草川さんのコースタイムで登りに5時間かかっているが、まあ何とかなるだろう。えいやでここに決める。
【 日 付 】2019年2月25日(月)
【 山 域 】飛騨 御母衣湖周辺
【メンバー】単独
【 天 候 】快晴
【 ルート 】福島第3トンネル出口駐車地 7:00 --- 牧谷右岸尾根 (co1207尾根) --- 10:23 1500m付近稜線 --- 11:47 1745.9m峰(ガオロピーク) 12:47 --- co1304尾根 --- 14:37 駐車地
午前5時にセットした目覚ましで目がさめると車外にはそれなりの風が吹いている。前日のスノー衆による体の疲れもあり,いまいちテンションが低い。今日は単独なので,とりあえず登山口まで行って嫌だったらそのまま引き返せばいい。のんびり準備をして出発する。どうせ登山口まで行ったら歩き始めるに決まっているのだ。そのあと自分の体がどう反応するのかは永年の経験でよくわかっている。
福島第3トンネル出口すぐ右に駐車スペースがあることはネットで調べてわかっている。雪が少ないこともあり,詰めれば4,5台は楽に駐車できるスペースだった。もちろん停まっているのは私の車だけ。 参考にした草川啓三さんの本ではスノーシェード脇のはしごを登ることになっているのだが,山日和さんに行き先を告げると「そんなアクロバチックなことをしなくても林道があるよ」との御宣託。さすがに山日和さんの引き出しはすごい。その林道は駐車地から始まっており,下山予定の尾根がその林道に向かって下りてきている。林道には30センチほどの積雪があり,ということはドア・ツー・ドアのスノーシューが楽しめるということだ。
車の横でスノーシューを履き,さあ出発。予定通りの牧谷右岸尾根への斜面に取り付く。昨晩は冷え込みが弱かったこともあり,朝一なのに雪が腐っている。そのため,尾根に上がるまでは多少の苦労だったが,上がってしまえばこっちのものだ。
登山口が標高750mで,このあと1450m付近まで標高差700mをひたすら登ることになる。山スキーで使われている尾根ということで斜度はそんなにないのかと思っていたら,なんのなんの結構な斜度を登らされるのだ。相変わらずテンション低めなので,下山予定の尾根に合流したらそのまま下山してもいいからと,自分に言い聞かせて登っていく。 下山予定の尾根をすぐ左に見ながら登っていくので,どんな尾根かよくわかる。斜度がほぼ均一で,歩きやすそうな尾根だ。標高1000mあたりからブナ,ヒノキの混交林となる。比較的狭い尾根上にヒノキの大木が通せんぼをするように生えている。ブナは斜面に生えるが尾根の真上に生えることはあまりない。「ヒノキってこんな生え方をするのかいな」と初めて気付く。 稜線手前の1400m付近でヒノキの大木が狭い稜線上で通せんぼをし、両側が切り立った雪壁になっている。2mほどの垂直の壁なのだが、草川さんや山日和さんも苦労したようだ。アイゼンを履いても、雪が柔らかいので効果はなさそうだ。仕方がないので、スノーシューを履いたまま木の根や枝を掴んでモンキークライムで体を持ち上げ、何とか突破した。 この雪壁がこの尾根の通過儀礼のようで、ここを過ぎるとすぐに緩斜面の稜線に出た。稜線上は雪が硬く締まり、歩きやすい。すぐ近くに1745.9のピークが見える・・・と思ったらこのピークはニセピークで、本当の頂上まではこの後1時間以上かかることになる。稜線上はブナとダケカンバの混交林となり、ヒノキは見かけなくなる。 標高が上がるにつれて、御母衣湖の向こうの飛騨の山々の向こうに北アルプスが顔を覗かせる。槍ヶ岳の穂先は判別できないが、大キレットから穂高の山々、焼岳。その右に少し離れて乗鞍岳、さらにその右に御岳。御岳の左に小さく綺麗な三角錐のピークがのぞいていたので、富士山かと思い喜んだのだが、ポポさんによると富士山は御岳に遮られて見えないという。残念。 P1745.9のピークは狭いが、前日と同じで風はほとんどなく、アンダーだけでも暑いくらいだ。さあ、シートを広げてお待ちかねの昼食タイムにしよう。北側には三方崩山と奥三方岳の白いピークが光っている。西側には白山と別山が指呼の距離だ。東には北アルプスが一望だ。この景色が今日の最高のご馳走だ。いくらお金を積んでもこんなご馳走にはありつけまい。今日のメニューはきつねうどん。トッピングの豚細切れは昨日食べてしまったのでなし。仕上げはいつもの甘酒でまったり。 頂上は電波が通じたのでFBUPするとポポさんからすぐにレスが来た。「どこまで登るんですか?」。「いや、ここが目的地です」。この人常にFBをチェックしているんだろうか。 たっぷりと景色を楽しんだのでそろそろ下山することにしよう。下りは未見の尾根なので、どのくらいかかるかわからない。登りに5時間近くかかっているので、下りの所要時間を3時間と見積もる。1時に出発すると4時に駐車地着になる。私は基本的に臆病なのだ。
ブナ林を楽しみながらのんびり下りていく。1500m付近で登ってきた尾根との分岐なので、GPSを取り出して下る尾根を間違えないようにしよう。co1304 mで尾根が二俣に分岐しているので注意が必要だ。GPSでチェックして間違いないことを確認する。
下りの尾根は上りの尾根よりも広く、雪壁などもないので歩きやすい。末端まで行ってしまうと御母衣湖に落ちてしまいそうなので、末端の少し手前を左に下りていく。今朝、林道から下りられることを確認しておいたのだ。雪が腐っているのでアイゼンに履き替えてもあまり効果がないだろう。ちょっと考えてスノーシューのまま降りることにする。腐った雪にはこの方が効果的だ。何の問題もなく朝歩いた林道にソフトランディング。結局頂上から2時間で下りてしまった。さあ、荘川温泉で汗を流して帰宅することにしよう。
今回は飛騨の山デビュー戦だったのだが、二日間とも願っても無いピーカンに恵まれて素晴らしい雪山歩きを堪能させてもらった。今回で、多少は飛騨の山の引き出しができ、いくつか登りたい山も出てきた。家庭や仕事の都合で今シーズン中に再訪できるかどうかわからないが、来年の楽しみができた。