【若狭】インフルを吹き飛ばせ!! 湯ノ花谷左岸尾根から赤坂山
Posted: 2019年2月20日(水) 21:08
【日 付】2019年2月18日(月)
【山 域】若狭 赤坂山周辺
【天 候】曇りのち晴れ
【コース】湯ノ花谷出合9:57---11:53 P727m 13:13---14:04国境稜線---14:32粟柄越---14:43赤坂山14:58---
16:07うつろ谷出合登山口
インフルエンザにかかってしまった。病院で薬を処方してもらったらすぐに熱は下がったが、数日は出社に及ばずだ。
しんどくもないのに家でじっとしているぐらい苦痛なことはない。密室状態の車で出かけて、人に会わない山に登るの
なら迷惑を掛けることもないだろう。みんなが仕事をしているのに山へ向かうのは多少良心がうずくが。
あまり遠出はできない(温泉も食事も感染防止のためパス)ので近場で遊べるところを探す。
今年の雪の少なさを逆手に取って、例年のこの季節なら車でアプローチできない折戸谷界隈を目指した。
松屋から先の路面状態が不安だったが雪のカケラもない。折戸谷林道へ入ってからもほとんど積雪はなく、湯ノ花谷出合
の手前まで進むことができた。
どのあたりから雪上歩行できるだろうと思っていたら、取付きから雪が繋がっていた。山は来てみなければわからない
ものである。
最初の急登と巡視路のトラバースで異様なほど汗をかいてしまった。体が重く足が上がらない。インフルエンザの影響
がもろに出ているのか。なんとか鉄塔まで辿り着いて身の振り方を考えた。しかしいくらなんでもここでやめてしまうの
はあんまりだ。行けるところまで行ってのんびりしよう。
幸い雪はよく締まっており、スノーシューのヒールリフターを効かせて階段を上がるように歩くことができる。
鉄塔の上のトチノキ林まで頑張れば727mピークまでひと息だ。湯ノ花谷左岸尾根は何度も歩いているが、雪の季節には
来たことがなかった。前述した理由からである。下生えが雪に埋もれてスッキリとした森はいい。もう少し積もっていれ
ばというところだが、そうするとここまで来れないかもしれないので無い物ねだりということになるのだろう。
ふたつの尾根に挟まれた浅い谷にはトチが多く、見ごたえのある風景を作り出している。
この山域の主と言えるトチの巨木は、雪の上では違った表情を見せてくれた。
広々とした727mピークに着いた。出発からなんと2時間も経っている。スタートが遅かったせいもあり、ここでランチ
タイムとする。ずっと曇っていた空から日差しが出始めた。家でくすぶっていることを思えば、ここで鍋をつつけるだけ
でも十分だろう。
腹がふくれれば気分も変わる。ここまで来たらもう少しというのが人情というもの。お楽しみのブナ林はこれからなの
だ。ひと汗かくと毒素を出し切ったのか、ずいぶん体が軽くなった。これならいつもとさして変わらないペースで歩けそ
うである。
一旦鞍部へ下ると東側に三国と赤坂のピークが光っていた。天気は県境に近付くほど良くなっていくようだ。
鞍部からはブナの極相林が始まる。何本か太いものもあるが、全体的には若い木が多い。ブナ林は841mピークまで続く。
ピークを左から巻くと、南面に大きな雪庇ができていた。ここはいつもトラバースしてしまうのだが、雪のドーム状にな
っているピークを見ると登ればよかったかなと後悔する。
潅木帯を抜けると江若国境稜線、いわゆる高島トレイルに飛び出す。これまでの樹林に包まれた閉鎖された空間から一
気に解き放たれ、延々と続く雪原の稜線と眼下に広がる琵琶湖の大観に目を奪われる。
ランチ場で引き返さなくて良かったとしみじみ思った。
雪面には土日の登山者のトレースがいくつも刻まれていた。午後の斜光線に鈍い光を放つ寒風への広大な斜面が魅力的
だが、今日は粟柄越へ向かう。
人気の赤坂山界隈もさすがに平日のこの時間には人影は見えない。赤坂山頂には寄る気がなかったのだが、粟柄越まで
来て気が変わった。考えてみれば積雪期の赤坂山には登ったことがない。体調も問題ないことだし、貸切りの山頂を楽し
むとしよう。ここからはマキノからのトレースが入り乱れて、無傷の雪面を探すのが難しいぐらいである。
10分ほどで山頂に到着。今日は晴れてはいるものの霞がちで、あまり遠望が利かないのが残念だ。
金糞岳から奥美濃、越美国境の山々が辛うじて見える程度だった。
下山は粟柄越えの古道を忠実に辿ることにしよう。鉄塔からダイレクトに下りたら勢い余って登山道ラインを突き抜け
てしまい、登り返す羽目に。
この古道は深く掘り込まれた道に積もった雪が優しいラインを描いていた。無雪期でも美しく感じる道なのだが、雪に覆
われたこの時期も格別の味わいがある。
沢を2回渡るところだけが道形が消えてわかりにくかったが、勝手知ったる道だ。
午後になってもそれほど雪の緩みもなく、予定通りの時間で登山口に到着した。
インフルエンザにでもかからなければ歩くことない平日の雪山を堪能した一日だった。
山日和
【山 域】若狭 赤坂山周辺
【天 候】曇りのち晴れ
【コース】湯ノ花谷出合9:57---11:53 P727m 13:13---14:04国境稜線---14:32粟柄越---14:43赤坂山14:58---
16:07うつろ谷出合登山口
インフルエンザにかかってしまった。病院で薬を処方してもらったらすぐに熱は下がったが、数日は出社に及ばずだ。
しんどくもないのに家でじっとしているぐらい苦痛なことはない。密室状態の車で出かけて、人に会わない山に登るの
なら迷惑を掛けることもないだろう。みんなが仕事をしているのに山へ向かうのは多少良心がうずくが。
あまり遠出はできない(温泉も食事も感染防止のためパス)ので近場で遊べるところを探す。
今年の雪の少なさを逆手に取って、例年のこの季節なら車でアプローチできない折戸谷界隈を目指した。
松屋から先の路面状態が不安だったが雪のカケラもない。折戸谷林道へ入ってからもほとんど積雪はなく、湯ノ花谷出合
の手前まで進むことができた。
どのあたりから雪上歩行できるだろうと思っていたら、取付きから雪が繋がっていた。山は来てみなければわからない
ものである。
最初の急登と巡視路のトラバースで異様なほど汗をかいてしまった。体が重く足が上がらない。インフルエンザの影響
がもろに出ているのか。なんとか鉄塔まで辿り着いて身の振り方を考えた。しかしいくらなんでもここでやめてしまうの
はあんまりだ。行けるところまで行ってのんびりしよう。
幸い雪はよく締まっており、スノーシューのヒールリフターを効かせて階段を上がるように歩くことができる。
鉄塔の上のトチノキ林まで頑張れば727mピークまでひと息だ。湯ノ花谷左岸尾根は何度も歩いているが、雪の季節には
来たことがなかった。前述した理由からである。下生えが雪に埋もれてスッキリとした森はいい。もう少し積もっていれ
ばというところだが、そうするとここまで来れないかもしれないので無い物ねだりということになるのだろう。
ふたつの尾根に挟まれた浅い谷にはトチが多く、見ごたえのある風景を作り出している。
この山域の主と言えるトチの巨木は、雪の上では違った表情を見せてくれた。
広々とした727mピークに着いた。出発からなんと2時間も経っている。スタートが遅かったせいもあり、ここでランチ
タイムとする。ずっと曇っていた空から日差しが出始めた。家でくすぶっていることを思えば、ここで鍋をつつけるだけ
でも十分だろう。
腹がふくれれば気分も変わる。ここまで来たらもう少しというのが人情というもの。お楽しみのブナ林はこれからなの
だ。ひと汗かくと毒素を出し切ったのか、ずいぶん体が軽くなった。これならいつもとさして変わらないペースで歩けそ
うである。
一旦鞍部へ下ると東側に三国と赤坂のピークが光っていた。天気は県境に近付くほど良くなっていくようだ。
鞍部からはブナの極相林が始まる。何本か太いものもあるが、全体的には若い木が多い。ブナ林は841mピークまで続く。
ピークを左から巻くと、南面に大きな雪庇ができていた。ここはいつもトラバースしてしまうのだが、雪のドーム状にな
っているピークを見ると登ればよかったかなと後悔する。
潅木帯を抜けると江若国境稜線、いわゆる高島トレイルに飛び出す。これまでの樹林に包まれた閉鎖された空間から一
気に解き放たれ、延々と続く雪原の稜線と眼下に広がる琵琶湖の大観に目を奪われる。
ランチ場で引き返さなくて良かったとしみじみ思った。
雪面には土日の登山者のトレースがいくつも刻まれていた。午後の斜光線に鈍い光を放つ寒風への広大な斜面が魅力的
だが、今日は粟柄越へ向かう。
人気の赤坂山界隈もさすがに平日のこの時間には人影は見えない。赤坂山頂には寄る気がなかったのだが、粟柄越まで
来て気が変わった。考えてみれば積雪期の赤坂山には登ったことがない。体調も問題ないことだし、貸切りの山頂を楽し
むとしよう。ここからはマキノからのトレースが入り乱れて、無傷の雪面を探すのが難しいぐらいである。
10分ほどで山頂に到着。今日は晴れてはいるものの霞がちで、あまり遠望が利かないのが残念だ。
金糞岳から奥美濃、越美国境の山々が辛うじて見える程度だった。
下山は粟柄越えの古道を忠実に辿ることにしよう。鉄塔からダイレクトに下りたら勢い余って登山道ラインを突き抜け
てしまい、登り返す羽目に。
この古道は深く掘り込まれた道に積もった雪が優しいラインを描いていた。無雪期でも美しく感じる道なのだが、雪に覆
われたこの時期も格別の味わいがある。
沢を2回渡るところだけが道形が消えてわかりにくかったが、勝手知ったる道だ。
午後になってもそれほど雪の緩みもなく、予定通りの時間で登山口に到着した。
インフルエンザにでもかからなければ歩くことない平日の雪山を堪能した一日だった。
山日和