【鈴鹿】あるところにはあるもんだ 奥の畑から清水の頭、雨乞岳周回で極上雪遊び

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シュークリーム
記事: 2060
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

【鈴鹿】あるところにはあるもんだ 奥の畑から清水の頭、雨乞岳周回で極上雪遊び

投稿記事 by シュークリーム »

職場の自室の窓から鈴鹿の山を見ると,県境稜線の黒いシルエットの向こうに雨乞岳の双耳峰が白く輝いている。まるで,昨日来てくれたことを忘れないでねと言いたげである。

天気予報を見ながら次回の山行を木曜日と決めたのだが,肝心の行き先が決まらない。鈴鹿とだけは決めてあるのだが。そんな時に,最近の山行記録を見てこのコースを決めたのが前日の水曜日だった。

【 日 付 】2019年2月14日(木)
【 山 域 】鈴鹿・雨乞岳
【メンバー】単独
【 天 候 】曇り
【 ルート 】林道ゲート 7:46 --- 8:31 桜地蔵 --- 9:08奥の畑入り口 --- 11:09 清水の頭 --- 11:56 雨乞岳 --- 12:20 杉峠(昼食)13:03 --- 13:51 蓮如上人旧跡 --- 15:11 林道ゲート

甲津畑の集落横を通り抜け,岩ヶ谷林道(千種街道)の起点までは自宅からちょうど1時間半だった。途中,全く雪がないのは予想通り。前回の御池であの程度の雪だったので,今回はあまり雪の期待はできそうにない。スノーシューはザックの重しで終始してしまう可能性も考え,軽いワカンを背負っていくことにする。
ゆったり流れる渋川にかかる千種街道の橋
ゆったり流れる渋川にかかる千種街道の橋
歩き始めてしばらくは渋川の流れを左に見ながら進む。この下流側には幾つかの滝をかける渋川もこの辺りには滝など全くなく,ほとんど高低差のなさそうな場所をただ水が流れているだけである。三重県側の沢は,東多古知谷や蛇谷などのように滝が連なって,そのまま稜線に突き上げるような急峻な沢が多いが,滋賀県側の沢はこの渋川や佐目子谷,神崎川のようにほとんど滝がなく,山の奥深くからゆったりと流れ出る沢が多い。その分,鈴鹿の山の奥深さを感じたり,静かな山歩きを楽しむには滋賀県側から入るのがいいかもと思ったりする。

千種街道も昔の山人の営みがそこかしこに残り,林道を歩いても飽きることがない。千種街道を滋賀県側から三重県側に通して歩くのも悪くないかなと思ったりする。1時間ほどで桜地蔵。今日の安全な山行を願ってお参りしていこう。この時期に綺麗な花が生けてあると思ったら造花だった。
奥の畑入り口
奥の畑入り口
蓮如上人旧跡の手前を奥の畑に向けて右折する。私は奥の畑に入るのは初めてである。来ようと思いながら機会を逃し,そのままになってしまっていた。いいところのようだが,沢登りの対象にはなっていないので,年中沢登りの私には縁がなかったのだ。

未踏の場所なので,念のためチェーンスパイクをつけていくことにする。ばりルートということだが,入り口にははっきりとした道型が付いている。新雪が積もった時には滑り台になって怖いところだろう。沢仲間のmichiさんに,「奥の畑の入り口に怖いところがあるんですが,どうすれば通過できますか」と聞かれて,私は行ったことがないのでわからない」と答えたことを思い出した。今だったら,「一歩一歩ステップを切りながら通過する」と答えることができる。
一面銀世界の奥の畑
一面銀世界の奥の畑
先週末の古いトレースがあったので,その通りに進むと自然に奥の畑に入ることができた。それまでほとんど雪がなかったのに,奥の畑は一面の銀世界だった。3方を斜面に囲まれているので,降るだけ降っても溶けるのは遅いのだろう。冬枯れの広葉樹林なので,明るく雰囲気がいい。主体はナラ類と,後はなんなのだろう。シオジの大木があるということだが,どれがそのシオジなのかわからなかった。
周りは霧氷祭り
周りは霧氷祭り
周囲の斜面の8,900mより上は綺麗に霧氷が付いている。今日は曇り空で,気温が上がりそうにないので,きっと美しい霧氷を楽しむことができそうだ。何度か渡渉を繰り返しながら緩斜面を進んでいく。確かにいいところだ。こんなところでテントを張ると気持ちいいに違いない。春が楽しみだ。

緩やかに高度を上げていくと,周囲がいつの間にか霧氷の森に変わった。青空ならきっと素晴らしく綺麗なんだろうけどなと思うが,まあいつもいつもピーカンというわけにもいかないだろう。曇り空でも文句を言ってはいけない。

本谷を上がれるところまで上がり,すぐ上に稜線が見えるところで右斜面に取り付く。標高差100mもないだろう。やや急な坂をひと喘ぎするとすぐに綿向山と雨乞岳をつなぐ稜線に出た。すぐ右側に清水の頭。無雪期でも気持ちのいいところだが,積雪期は笹が雪に隠れて一面の雪原となり,鈴鹿でもアルペンちっくなところだ。
左:清水の頭 右:綿向山
左:清水の頭 右:綿向山
ここまで来て清水の頭に挨拶していかない手はない。笹が雪の下に隠れ平坦になった雪原を西へ歩くと5分ほどで清水の頭に着いた。いいところだ。西に綿向山。ここからの綿向山はいい。東が雨乞岳。北にイブネから,さらにその向こうに御池,霊仙,伊吹山なども見える。南側には野洲川ダム。ここを起点にして雨乞岳南尾根から清水の頭の南尾根を周回するのもいい。
雨乞岳へのルート
雨乞岳へのルート
清水の頭から雨乞岳までは極上の雪原歩き。一見遠くに見える雨乞岳頂上も,実は歩いて30分程度だ。ひと喘ぎで南雨乞岳へ,さらに雨乞岳本峰まではやはり極上の雪原歩き。こんなところを経験すると癖になってしまう。なにせ,つぼ足でルンルンと歩けてしまうのだ。
南雨乞岳から雨乞岳本峰を望む
南雨乞岳から雨乞岳本峰を望む
周囲には見渡す限り誰もいない。自分一人だけに準備されたこの風景なのだ。無雪期であれば笹漕ぎで苦労するコースも笹が全て雪に隠れて平坦な雪原になっている。風さえなければ雨乞岳頂上で昼食にするところだが,それなりに風が吹いている。吹きさらしで風を遮る場所もないので,杉峠まで下って昼食休憩にしよう。
杉峠への途中でイブネを俯瞰する
杉峠への途中でイブネを俯瞰する
イブネを正面に見ながら杉峠に下る。この下りも雪がしまっているせいで,チェーンスパイクだけで問題なく降ることができた。20分ほどであっさりと杉峠着。枯れた大杉の根元に陣取って昼食にする。気温が低いせいで,足が冷えたのか足が攣りかける。雪面にシートを敷き,そこに横になってのんびり昼食。まずは暖かい甘酒で疲れを取り,手抜きのコンビニおにぎり。ご飯が冷えて硬くなっている。

天気は回復傾向のはずだが,小雪がちらつき始めている。陽が当たれば気温が低くてもポカポカのはずなんだけど。風も時折吹き込んでくるので,適当に切り上げて下山することにする。トレースはどちらの方向にもない。今日,この山域にいるのは自分だけのようだ。

杉峠からの下りは雪に隠れてまったくコースがわからない。谷沿いに適当に降りるとそのうち古いトレースがでてきた。あとはトレースに従って降りるのみ。蓮如上人の旧跡あとでチェーンアイゼンを外し,歩きやすい林道を下った。

今日は雪をほとんど期待していなかったのだが,以外に雪の多いコースで,しかもこのところの冷え込みでつぼ足でも快適に歩くことができ,極上の雪山歩きを楽しむことができた。

来週からは気温も上がりそうで,そろそろ鈴鹿の雪も賞味期限切れかな。そろそろ北上することを考えたほうがいいかも。
                         @シュークリーム@
SHIGEKI
記事: 1028
登録日時: 2011年7月25日(月) 18:30

Re: 【鈴鹿】あるところにはあるもんだ 奥の畑から清水の頭、雨乞岳周回で極上雪遊び

投稿記事 by SHIGEKI »

シュークリームさん こんばんは。


【 日 付 】2019年2月14日(木)
【 山 域 】鈴鹿・雨乞岳
【メンバー】単独
【 天 候 】曇り
【 ルート 】林道ゲート 7:46 --- 8:31 桜地蔵 --- 9:08奥の畑入り口 --- 11:09 清水の頭 --- 11:56 雨乞岳 --- 12:20 杉峠(昼食)13:03 --- 13:51 蓮如上人旧跡 --- 15:11 林道ゲート

お~ 不肖Sの散歩コースではありませんか :mrgreen:

1時間ほどで桜地蔵。今日の安全な山行を願ってお参りしていこう。この時期に綺麗な花が生けてあると思ったら造花だった。

長~いお付き合いの お守り地蔵さんです。



沢仲間のmichiさんに,「奥の畑の入り口に怖いところがあるんですが,どうすれば通過できますか」と聞かれて,私は行ったことがないのでわからない」と答えたことを思い出した。今だったら,「一歩一歩ステップを切りながら通過する」と答えることができる。

よほどの雪のあるときだけですね。



シオジの大木があるということだが,どれがそのシオジなのかわからなかった。

ランチには早すぎますが、ゆったりコバです。
20180227-P2270102.jpg
今日は雪をほとんど期待していなかったのだが,以外に雪の多いコースで,しかもこのところの冷え込みでつぼ足でも快適に歩くことができ,
極上の雪山歩きを楽しむことができた。

来週からは気温も上がりそうで,そろそろ鈴鹿の雪も賞味期限切れかな。そろそろ北上することを考えたほうがいいかも。

いい雪山歩きとなりましたね。

北部好天、残雪の時期に突入ですかね~

     では また 飛騨の山毛欅林で

         SHIGEKI


Kasaya
記事: 925
登録日時: 2011年2月20日(日) 14:34

Re: 【鈴鹿】あるところにはあるもんだ 奥の畑から清水の頭、雨乞岳周回で極上雪遊び

投稿記事 by Kasaya »

シュークリームさん こんばんは
毎度の鈴鹿レポは色々と参考になります。

職場の自室の窓から鈴鹿の山を見ると,県境稜線の黒いシルエットの向こうに雨乞岳の双耳峰が白く輝いている。まるで,昨日来てくれたことを忘れないでねと言いたげである。
津方面からも雨乞いは見えますか。ちょっと遠くて見えないかと思ってました。


滋賀県側の沢はこの渋川や佐目子谷,神崎川のようにほとんど滝がなく,山の奥深くからゆったりと流れ出る沢が多い。その分,鈴鹿の山の奥深さを感じたり,静かな山歩きを楽しむには滋賀県側から入るのがいいかもと思ったりする。

私も滋賀県側は奥深さを感じていいなあと思います。

蓮如上人旧跡の手前を奥の畑に向けて右折する。私は奥の畑に入るのは初めてである。来ようと思いながら機会を逃し,そのままになってしまっていた。いいところのようだが,沢登りの対象にはなっていないので,年中沢登りの私には縁がなかったのだ。

奥の畑が初めてとはちょっと意外でした。

ばりルートということだが,入り口にははっきりとした道型が付いている。
初めて奥の畑に行ったときはこの入口が分からなくて、難儀しました。いまは分かりやすいですね。


先週末の古いトレースがあったので,その通りに進むと自然に奥の畑に入ることができた。それまでほとんど雪がなかったのに,奥の畑は一面の銀世界だった。3方を斜面に囲まれているので,降るだけ降っても溶けるのは遅いのだろう。冬枯れの広葉樹林なので,明るく雰囲気がいい。主体はナラ類と,後はなんなのだろう。シオジの大木があるということだが,どれがそのシオジなのかわからなかった。

雪の奥の畑はまだ行ったことがありません。
今年は雪が少なく滋賀県側に行くのも容易なので、この時期に一度行ってみたくなりました。

確かにいいところだ。こんなところでテントを張ると気持ちいいに違いない。春が楽しみだ。

ここは水も豊富でテント泊には良さげです。人もあまり通らないのでゆったりできる気がします。

本谷を上がれるところまで上がり,すぐ上に稜線が見えるところで右斜面に取り付く。標高差100mもないだろう。やや急な坂をひと喘ぎするとすぐに綿向山と雨乞岳をつなぐ稜線に出た。すぐ右側に清水の頭。無雪期でも気持ちのいいところだが,積雪期は笹が雪に隠れて一面の雪原となり,鈴鹿でもアルペンちっくなところだ。

ここもよさげですね

清水の頭から雨乞岳までは極上の雪原歩き。一見遠くに見える雨乞岳頂上も,実は歩いて30分程度だ。ひと喘ぎで南雨乞岳へ,さらに雨乞岳本峰まではやはり極上の雪原歩き。こんなところを経験すると癖になってしまう。なにせ,つぼ足でルンルンと歩けてしまうのだ。

笹薮に雪がのって難儀する場所かと思いましたが、踏み抜くことなく歩けたということでしょうか。


トレースはどちらの方向にもない。今日,この山域にいるのは自分だけのようだ。
平日登山の特典ですね。
今日は雪をほとんど期待していなかったのだが,以外に雪の多いコースで,しかもこのところの冷え込みでつぼ足でも快適に歩くことができ,極上の雪山歩きを楽しむことができた。
鈴鹿でもある処にはあるんですねえ。意外でした。

来週からは気温も上がりそうで,そろそろ鈴鹿の雪も賞味期限切れかな。そろそろ北上することを考えたほうがいいかも。

スノー衆はかなり北上の様ですね。
お疲れ様でした。
kasaya
シュークリーム
記事: 2060
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【鈴鹿】あるところにはあるもんだ 奥の畑から清水の頭、雨乞岳周回で極上雪遊び

投稿記事 by シュークリーム »

shigekiさん、おはようございます。

お~ 不肖Sの散歩コースではありませんか :mrgreen:

奥の畑に行ってみて、shigekiさんが好むわけがわかりました。いいところですね。新緑の頃にテント泊してみたいですね。

長~いお付き合いの お守り地蔵さんです。

地元の人に大事にされている感じですね。

よほどの雪のあるときだけですね。

雪山に慣れていない人には怖いでしょう。

いい雪山歩きとなりましたね。
北部好天、残雪の時期に突入ですかね~


これからは北も晴天の日が多くなります。今年は残雪歩きも楽しみたいと思っています。
                         @シュークリーム@
シュークリーム
記事: 2060
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【鈴鹿】あるところにはあるもんだ 奥の畑から清水の頭、雨乞岳周回で極上雪遊び

投稿記事 by シュークリーム »

kasayaさん、おはようございます。

シュークリームさん こんばんは
毎度の鈴鹿レポは色々と参考になります。


鈴鹿に詳しいkasayaさんにそう言ってもらうと嬉しいですね。冬の時期は特に雪の最新情報が貴重ですので、なるべくオンタイムでレポをあげるようにしています。給料をもらっていないので、勤務時間中にレポ書いても怒られないしね。

津方面からも雨乞いは見えますか。ちょっと遠くて見えないかと思ってました。

私の部屋は5階にあるので、県境稜線の上に雨乞が頭だけ覗かせています。25年間、毎日鈴鹿を眺めながら仕事をしてきました。

私も滋賀県側は奥深さを感じていいなあと思います。

三重県側はハイキングを楽しむ領域、滋賀県側は山の奥深さを味わう領域ですね。

奥の畑が初めてとはちょっと意外でした。

みなさん、意外に思うようですね。今回初めて行ってその良さを知りました。若葉の季節が良さそうですね。

初めて奥の畑に行ったときはこの入口が分からなくて、難儀しました。いまは分かりやすいですね。

はい、ちゃんとコースになっていますね。昔のバリルートが今はどんどん一般ルート化しているような。

雪の奥の畑はまだ行ったことがありません。
今年は雪が少なく滋賀県側に行くのも容易なので、この時期に一度行ってみたくなりました。


ほんとにあるところにはあるんもんだと思いました。こんな寡雪の年に、標高の低いところにこれだけの雪が残っているんですからねえ。

ここは水も豊富でテント泊には良さげです。人もあまり通らないのでゆったりできる気がします。

shigekiさんの庭ですね。shigekiさんが足しげく通うわけがわかりました。

本谷を上がれるところまで上がり,すぐ上に稜線が見えるところで右斜面に取り付く。標高差100mもないだろう。やや急な坂をひと喘ぎするとすぐに綿向山と雨乞岳をつなぐ稜線に出た。すぐ右側に清水の頭。無雪期でも気持ちのいいところだが,積雪期は笹が雪に隠れて一面の雪原となり,鈴鹿でもアルペンちっくなところだ。

ここもよさげですね

ここは文句なくいいです。もし積雪期に行ったことがないなら一度行ってみてください。御池とはまた違った魅力がありますよ。

笹薮に雪がのって難儀する場所かと思いましたが、踏み抜くことなく歩けたということでしょうか。

今は雪がしまっていますので、踏み抜くことは全くありませんでした。今がチャンスです。
気温が上がると踏みぬきます。


鈴鹿でもある処にはあるんですねえ。意外でした。

ほんとにね。あまり期待していなかっただけに、いい方向に裏切られました。
                         @シュークリーム@
宮指路
記事: 1008
登録日時: 2011年2月27日(日) 21:13

Re: 【鈴鹿】あるところにはあるもんだ 奥の畑から清水の頭、雨乞岳周回で極上雪遊び

投稿記事 by 宮指路 »

シュークリームさん、こんにちは

甲津畑の集落横を通り抜け,岩ヶ谷林道(千種街道)の起点までは自宅からちょうど1時間半だった。途中,全く雪がないのは予想通り。前回の御池であの程度の雪だったので,今回はあまり雪の期待はできそうにない。スノーシューはザックの重しで終始してしまう可能性も考え,軽いワカンを背負っていくことにする。


ワカンは持っていないですが、スノーシューより軽いんですね。まあコンパクトなのは間違いないですが
ここは雪が多いと通過が大変です。

,甲津畑.JPG

歩き始めてしばらくは渋川の流れを左に見ながら進む。この下流側には幾つかの滝をかける渋川もこの辺りには滝など全くなく,ほとんど高低差のなさそうな場所をただ水が流れているだけである。三重県側の沢は,東多古知谷や蛇谷などのように滝が連なって,そのまま稜線に突き上げるような急峻な沢が多いが,滋賀県側の沢はこの渋川や佐目子谷,神崎川のようにほとんど滝がなく,山の奥深くからゆったりと流れ出る沢が多い。その分,鈴鹿の山の奥深さを感じたり,静かな山歩きを楽しむには滋賀県側から入るのがいいかもと思ったりする。

地形図を見るとうなずけます。滋賀県側からでは仙香谷やツメカリ谷はそこそこ手頃な滝がありますね。


未踏の場所なので,念のためチェーンスパイクをつけていくことにする。ばりルートということだが,入り口にははっきりとした道型が付いている。新雪が積もった時には滑り台になって怖いところだろう。沢仲間のmichiさんに,「奥の畑の入り口に怖いところがあるんですが,どうすれば通過できますか」と聞かれて,


確かにここは凍って斜面になっているとアイゼンなしでは怖いです。最初に行った時はここで敗退しました。

先週末の古いトレースがあったので,その通りに進むと自然に奥の畑に入ることができた。それまでほとんど雪がなかったのに,奥の畑は一面の銀世界だった。3方を斜面に囲まれているので,降るだけ降っても溶けるのは遅いのだろう。冬枯れの広葉樹林なので,明るく雰囲気がいい。主体はナラ類と,後はなんなのだろう。シオジの大木があるということだが,どれがそのシオジなのかわからなかった。


最近はテープが付いているのでテープに沿って行くと右手下方にそれらしき大木があります。

周囲の斜面の8,900mより上は綺麗に霧氷が付いている。今日は曇り空で,気温が上がりそうにないので,きっと美しい霧氷を楽しむことができそうだ。何度か渡渉を繰り返しながら緩斜面を進んでいく。確かにいいところだ。こんなところでテントを張ると気持ちいいに違いない。春が楽しみだ。

私も考えたことがあります。

緩やかに高度を上げていくと,周囲がいつの間にか霧氷の森に変わった。青空ならきっと素晴らしく綺麗なんだろうけどなと思うが,まあいつもいつもピーカンというわけにもいかないだろう。曇り空でも文句を言ってはいけない。

この日はきっと寒かったんでしょうね。山の天気予報は往々にして外れることがあります。


本谷を上がれるところまで上がり,すぐ上に稜線が見えるところで右斜面に取り付く。標高差100mもないだろう。やや急な坂をひと喘ぎするとすぐに綿向山と雨乞岳をつなぐ稜線に出た。すぐ右側に清水の頭。無雪期でも気持ちのいいところだが,積雪期は笹が雪に隠れて一面の雪原となり,鈴鹿でもアルペンちっくなところだ。


昨年秋に山仲間と来ましたがここは本当に気持ちが良いところです。

ここまで来て清水の頭に挨拶していかない手はない。笹が雪の下に隠れ平坦になった雪原を西へ歩くと5分ほどで清水の頭に着いた。いいところだ。西に綿向山。ここからの綿向山はいい。東が雨乞岳。北にイブネから,さらにその向こうに御池,霊仙,伊吹山なども見える。南側には野洲川ダム。ここを起点にして雨乞岳南尾根から清水の頭の南尾根を周回するのもいい。

青空がなかったのが惜しかったですねぇ~


周囲には見渡す限り誰もいない。自分一人だけに準備されたこの風景なのだ。無雪期であれば笹漕ぎで苦労するコースも笹が全て雪に隠れて平坦な雪原になっている。


雨乞岳の手前は無雪期は深い笹に覆われています。

、雨乞い.JPG

20分ほどであっさりと杉峠着。枯れた大杉の根元に陣取って昼食にする。気温が低いせいで,足が冷えたのか足が攣りかける。雪面にシートを敷き,そこに横になってのんびり昼食。まずは暖かい甘酒で疲れを取り,手抜きのコンビニおにぎり。ご飯が冷えて硬くなっている。


私はコンビニで買う時にチンしてもらって、ホッカイロを貼り付け保温パックに入れておきます。こうすれば山でも温かく食べれます。

来週からは気温も上がりそうで,そろそろ鈴鹿の雪も賞味期限切れかな。そろそろ北上することを考えたほうがいいかも。



明日は山仲間と綿向き山へ熊野神社から周回コースを楽しもうと思っています。鈴鹿は明日がラストチャンスになりそうです。

                                宮指路
シュークリーム
記事: 2060
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【鈴鹿】あるところにはあるもんだ 奥の畑から清水の頭、雨乞岳周回で極上雪遊び

投稿記事 by シュークリーム »

宮指路さん、おはようございます。

ワカンは持っていないですが、スノーシューより軽いんですね。まあコンパクトなのは間違いないですが

春山だとスノーシューよりワカンを使うことが多いですね。ワカンでも沈まないし、第一軽いですからね。

確かにここは凍って斜面になっているとアイゼンなしでは怖いです。最初に行った時はここで敗退しました。

雪があると簡単に滑り台になりそうですね。

最近はテープが付いているのでテープに沿って行くと右手下方にそれらしき大木があります。

そうですか。今度行った時に注意してみてみます。

昨年秋に山仲間と来ましたがここは本当に気持ちが良いところです。

そうですね。無雪期もいいですが、雪が笹を覆い尽くすと一面の広い稜線になって本当に気持ちいいですね。毎年きたいところです。

私はコンビニで買う時にチンしてもらって、ホッカイロを貼り付け保温パックに入れておきます。こうすれば山でも温かく食べれます。

なるほどホッカイロまで使いますか。確かにそうすれば暖かいコンビニおにぎりが食べられますね。

明日は山仲間と綿向き山へ熊野神社から周回コースを楽しもうと思っています。鈴鹿は明日がラストチャンスになりそうです。

綿向山どうだったですか?レポ楽しみにしています。
                         @シュークリーム@
yamaneko0922
記事: 539
登録日時: 2018年11月20日(火) 06:39
お住まい: 京都市左京区

Re: 【鈴鹿】あるところにはあるもんだ 奥の畑から清水の頭、雨乞岳周回で極上雪遊び

投稿記事 by yamaneko0922 »

シュークリームさん こんばんは

先程は久々の私のレポへの早速のコメント有難うございます。本日は神戸で学友との飲み会で、なんとか最終の東京行きののぞみに乗ったらところです。

先日の御池岳のレスで雨乞岳の写真をご紹介頂いていたので、正直、この山行のレポがとても気になっておりました。

奥の畑を訪れたことがなかったのですが、ここから雨乞岳へ登るルートはいつか辿ってみたいと思っていたところでもありました。

先日、雨乞とイブネに霧氷を次男に見せるべく赴いたのはいいのですが、イブネや雨乞岳からの眺望を家内が次男に見せた途端、僕はついてなかったんだね、呟いた次男のコメントが脳裏から離れず、次男に雨乞岳からの眺望をいつか見せたいと思っているのでした。まずは次男にシュークリームさんのレポと写真を見せてみたいと思います。

先日のコメントでは、写真に撮るとあまり‥とのことでしたが、おそらく曇が薄くなったところから柔らかな光が気まぐれに溢れ落ちては、霧氷の稜線の上に写真に収めきれない束の間の輝きを描いていたのではないでしょうか。樹間の間から、そし瞬く間に谷間へと消えてゆくこの季節の美しさと移ろいを感じました。

ところで、そろそろシュークリームさんの鎖骨はすっかりよくなった頃ですよね。もしかして、トレッキング・ポールもなしで登られておられました?
山猫 🐾
シュークリーム
記事: 2060
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【鈴鹿】あるところにはあるもんだ 奥の畑から清水の頭、雨乞岳周回で極上雪遊び

投稿記事 by シュークリーム »

yamanekoさん,こんにちは。レスありがとうございます。

先程は久々の私のレポへの早速のコメント有難うございます。本日は神戸で学友との飲み会で、なんとか最終の東京行きののぞみに乗ったらところです。

yamanekoさんやsatoさんが加入してくれたんでやぶ板も随分賑やかになりました。これからもどんどんレポあげてくださいね。
今日は金糞岳へ南側の尾根から登ろうと思っていたのですが,急に歯医者に行かなければならなくなり断念しました。まあ,週末のスノー衆がありますんで,飛騨で遊んできます。


奥の畑を訪れたことがなかったのですが、ここから雨乞岳へ登るルートはいつか辿ってみたいと思っていたところでもありました。

わたしも初めて行きましたが,いいルートですね。奥の畑がいいし,清水の頭から雨乞までの稜線歩きも気持ちいいです。一度行ってみてください。

先日、雨乞とイブネに霧氷を次男に見せるべく赴いたのはいいのですが、イブネや雨乞岳からの眺望を家内が次男に見せた途端、僕はついてなかったんだね、呟いた次男のコメントが脳裏から離れず、次男に雨乞岳からの眺望をいつか見せたいと思っているのでした。まずは次男にシュークリームさんのレポと写真を見せてみたいと思います。


山は天気次第ですからね。次男さんも今度はピーカンの素晴らしい眺望が見られるといいですね。

先日のコメントでは、写真に撮るとあまり‥とのことでしたが、おそらく曇が薄くなったところから柔らかな光が気まぐれに溢れ落ちては、霧氷の稜線の上に写真に収めきれない束の間の輝きを描いていたのではないでしょうか。樹間の間から、そし瞬く間に谷間へと消えてゆくこの季節の美しさと移ろいを感じました。

まず最初に私の写真技術の拙さがあるんですが,曇り空だったんでコントラストがつかなくて,自分が見た風景と写真のあまりの格差に愕然としてしまいました。やっぱ撮り方をちゃんと考えないといけないですね。

ところで、そろそろシュークリームさんの鎖骨はすっかりよくなった頃ですよね。もしかして、トレッキング・ポールもなしで登られておられました?

ありがとうございます。痛みはほとんど取れたんですが,腕を捻るとまだ違和感があります。時間とともに改善して行っているのは実感しています。
腕を捻らなければ大丈夫なんで,トレッキングポールはずっと使っていますよ。
                         @シュークリーム@
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