【湖北】安蔵山の想い出☆雪降る山頂でみた幻想
Posted: 2019年2月01日(金) 10:46
先週の水曜日(1/23)の未明のランニングで、公園にはられたチェーンに気がつかず、左膝から転倒して膝蓋骨を骨折。一昨日、受傷後、ようやくギプスがとれて膝を固定する装具となったお陰で久しぶりに風呂に入浴することが出来る。ギプスで固定されていたのは一週間であるが、驚くことに既に関節の拘縮がはじまっているようである。やはり思うようには膝の関節は曲げることは出来ず、自分の身体であるにもかかわらず、膝の関節だけが別人の身体のようである。再び山歩きが出来る日はまだ遠そうであるが、昨年末の短くも印象的であった山行記録を振り返らせて頂きたい。
【 日 付 】2019年12月28日(金曜日)
【 山 域 】 湖北
【メンバー】山猫+家内
【 天 候 】曇りときどき晴れのち雪
【 ルート 】旧田戸集落10:33~11:10安蔵山登山口梯子~13:46安蔵山13:54~15:09安蔵山登山口梯子15:12~15:41駐車地点
湖北に雪が降り積もるようになった頃、真っ先に訪ねたいとかねがね心に決めていたのがこの安蔵山である。というのも登山口へと至る県道285号線が冬期は積雪で通れなくなるためである。本来は12/1より翌年の4/19まで冬期通行止めということであるが、実際は道が閉鎖される訳ではなく、通行止めの看板の横を通過出来るようだ。しかし、除雪がされないために県道が通れなくなるのは時間の問題だろう。通行不能となる前のギリギリのタイミングを見計らっていた。
琵琶湖の湖西を北上すると湖の南の方は晴れているのだが、北に向かうにつれ日本海側に雪をもたらしている重苦しい雲が広がる。琵琶湖の上では青空を徐々に炭色の雲が覆い隠してゆく。
もしも安蔵山の登山口に入る県道が積雪で通れないようであれば七々頭ヶ岳か横山岳へと山行先を変更するつもりで菅並集落に到着してみると、除雪されていない県道には既に10cm以上の雪が積もっている。既に一台の車が通ったようであり、平行線の轍が新雪の上に刻み込まれている。轍がなければスタッドレスとはいえFFの車で乗り入れるのは無理である。おそらく日中の降雪のために夕方までには間違いなく積雪量は増えるだろうが、この程度ならばなんとか戻ることが可能だろうと、新雪の上の平行に走るシュプールを追って県道へと入る。
降雪の直後のためだろう、樹々に降り積もった新雪が谷の深さと静寂を際立たせる。田戸に辿り着くと広場に車を停める。先行する車は中河内方面へと、さらに奥へと入ってゆくようだ。高時川にかかる橋を渡って林道奥川並線へと入る。
雲の合間にわずかに青い空が見えたかと思うとみるみるうちに青空が広がり始めた。静かな谷間には藍色の水を湛えた奥川並川の流れの音だけが響きわたる。林道上に無造作につけられた多数の踏み跡はどうやら猿のものだ。突然、林道の下の斜面に生える樹が大きく揺れたかと思うと眼の前の林道を一匹の猿が横切り、斜面をよじ登っていった。
安蔵山から南に延びる尾根を大きく回り込むと、登山口の鉄梯子が左手に現れる。梯子を上がると杉の植林地の中をピンクテープの目印を辿って急斜面を登ってゆく。雪に埋もれた夏道を見出すのはそう難しくない。すぐに尾根の手前の467m峰との鞍部に辿り着く。西側の遥か眼下には樹間に車を停めた田戸の広場が見える。
ここからは尾根道となりルート・ファインディングの苦労はない。雪に埋もれた夏道を探すまでもなく、尾根上には道を示すかのように鹿の足跡が延々と続いている。青空は消えたものの、時折雲の合間から陽光が気まぐれに差し込んでは真新しい雪の上に樹々の淡いシルエットを落としてゆく。
標高700mを過ぎたあたりで尾根はなだらかになり、山毛欅の大樹が目立つようになる。いつした雪が振り始め、積雪も徐々に深くなった。ツボ足でも歩けない訳ではないが、このあたりで携行してきたスノーシューにご登場願うことにする。
山毛欅の樹高が高くなり壮麗な森となると漂わせるようになると、ほどなく山頂についた。
山毛欅の林の中に開けた山頂広場にたどり着くと、忽然と現れた霧氷を纏った純白の樹々に目を奪われる。不思議なことにこの山頂広場の樹々だけ、霧氷で厚化粧されているのであった。湿った雪のせいだろう、普段みかける繊細な霧氷とは異なり、雪が勢いよく樹に吹き付けられたような形状である。
樹々はヒメシャラのように思えるのだが、複雑に弯曲した姿になるのは豪雪のせいなのであろう。曲がりくねった幹や枝に霧氷を纏った樹々の姿はあたかも艶やかに雪の中で輪舞する妖精のようである。涔涔(しんしん)と降る雪の中で踊り続ける樹々の幻想的光景にしばし時間を忘れそうになるのであった。
県道の積雪も心配であるので、この日は山頂からピストン往復で下山路につく。スノーシューを履いての下りは早い。駐車場に戻り着くとやはり林道上の積雪の量は増えている。林道上の轍が広くなっているのは、我々がここに到着してからさらに数台の車が通過しているためだろう。轍のお陰もあって無事、菅波集落まで運転することが出来た。次にこの道に入ることが出来るのは残雪の季節までお預けと思っていたが、まさか1月の半ばに再び通行することが可能になるとどうして予想できようか。
菅並の集落を通過している際は雪が降っていたのだが、ものの数分も走らないうちに丹生の集落に来ると青空が広がりはじめた。湖北に来るときは木ノ本でつるやパン、七本槍を醸す富田酒造に寄り道するのがお決まりである。つるやぱんではチーズフォンデュ・パン、餃子パン、焼きチーズパン、富田酒造では山田錦と渡船、それから有機農法の玉栄の純米の3本セットを入手。
往路と同じく湖西経由で京都に向かうと比良の山麓を走るあたりで大雪となった。和邇から途中に抜けて大原へとR367を下ると雪道の準備をしていなかったためだろか、トンネルを越えたあたりで何台かの車が立ち往生しているのだった。翌日は京都市内も久しぶりに積雪をみるのであった。
【 日 付 】2019年12月28日(金曜日)
【 山 域 】 湖北
【メンバー】山猫+家内
【 天 候 】曇りときどき晴れのち雪
【 ルート 】旧田戸集落10:33~11:10安蔵山登山口梯子~13:46安蔵山13:54~15:09安蔵山登山口梯子15:12~15:41駐車地点
湖北に雪が降り積もるようになった頃、真っ先に訪ねたいとかねがね心に決めていたのがこの安蔵山である。というのも登山口へと至る県道285号線が冬期は積雪で通れなくなるためである。本来は12/1より翌年の4/19まで冬期通行止めということであるが、実際は道が閉鎖される訳ではなく、通行止めの看板の横を通過出来るようだ。しかし、除雪がされないために県道が通れなくなるのは時間の問題だろう。通行不能となる前のギリギリのタイミングを見計らっていた。
琵琶湖の湖西を北上すると湖の南の方は晴れているのだが、北に向かうにつれ日本海側に雪をもたらしている重苦しい雲が広がる。琵琶湖の上では青空を徐々に炭色の雲が覆い隠してゆく。
もしも安蔵山の登山口に入る県道が積雪で通れないようであれば七々頭ヶ岳か横山岳へと山行先を変更するつもりで菅並集落に到着してみると、除雪されていない県道には既に10cm以上の雪が積もっている。既に一台の車が通ったようであり、平行線の轍が新雪の上に刻み込まれている。轍がなければスタッドレスとはいえFFの車で乗り入れるのは無理である。おそらく日中の降雪のために夕方までには間違いなく積雪量は増えるだろうが、この程度ならばなんとか戻ることが可能だろうと、新雪の上の平行に走るシュプールを追って県道へと入る。
降雪の直後のためだろう、樹々に降り積もった新雪が谷の深さと静寂を際立たせる。田戸に辿り着くと広場に車を停める。先行する車は中河内方面へと、さらに奥へと入ってゆくようだ。高時川にかかる橋を渡って林道奥川並線へと入る。
雲の合間にわずかに青い空が見えたかと思うとみるみるうちに青空が広がり始めた。静かな谷間には藍色の水を湛えた奥川並川の流れの音だけが響きわたる。林道上に無造作につけられた多数の踏み跡はどうやら猿のものだ。突然、林道の下の斜面に生える樹が大きく揺れたかと思うと眼の前の林道を一匹の猿が横切り、斜面をよじ登っていった。
安蔵山から南に延びる尾根を大きく回り込むと、登山口の鉄梯子が左手に現れる。梯子を上がると杉の植林地の中をピンクテープの目印を辿って急斜面を登ってゆく。雪に埋もれた夏道を見出すのはそう難しくない。すぐに尾根の手前の467m峰との鞍部に辿り着く。西側の遥か眼下には樹間に車を停めた田戸の広場が見える。
ここからは尾根道となりルート・ファインディングの苦労はない。雪に埋もれた夏道を探すまでもなく、尾根上には道を示すかのように鹿の足跡が延々と続いている。青空は消えたものの、時折雲の合間から陽光が気まぐれに差し込んでは真新しい雪の上に樹々の淡いシルエットを落としてゆく。
標高700mを過ぎたあたりで尾根はなだらかになり、山毛欅の大樹が目立つようになる。いつした雪が振り始め、積雪も徐々に深くなった。ツボ足でも歩けない訳ではないが、このあたりで携行してきたスノーシューにご登場願うことにする。
山毛欅の樹高が高くなり壮麗な森となると漂わせるようになると、ほどなく山頂についた。
山毛欅の林の中に開けた山頂広場にたどり着くと、忽然と現れた霧氷を纏った純白の樹々に目を奪われる。不思議なことにこの山頂広場の樹々だけ、霧氷で厚化粧されているのであった。湿った雪のせいだろう、普段みかける繊細な霧氷とは異なり、雪が勢いよく樹に吹き付けられたような形状である。
樹々はヒメシャラのように思えるのだが、複雑に弯曲した姿になるのは豪雪のせいなのであろう。曲がりくねった幹や枝に霧氷を纏った樹々の姿はあたかも艶やかに雪の中で輪舞する妖精のようである。涔涔(しんしん)と降る雪の中で踊り続ける樹々の幻想的光景にしばし時間を忘れそうになるのであった。
県道の積雪も心配であるので、この日は山頂からピストン往復で下山路につく。スノーシューを履いての下りは早い。駐車場に戻り着くとやはり林道上の積雪の量は増えている。林道上の轍が広くなっているのは、我々がここに到着してからさらに数台の車が通過しているためだろう。轍のお陰もあって無事、菅波集落まで運転することが出来た。次にこの道に入ることが出来るのは残雪の季節までお預けと思っていたが、まさか1月の半ばに再び通行することが可能になるとどうして予想できようか。
菅並の集落を通過している際は雪が降っていたのだが、ものの数分も走らないうちに丹生の集落に来ると青空が広がりはじめた。湖北に来るときは木ノ本でつるやパン、七本槍を醸す富田酒造に寄り道するのがお決まりである。つるやぱんではチーズフォンデュ・パン、餃子パン、焼きチーズパン、富田酒造では山田錦と渡船、それから有機農法の玉栄の純米の3本セットを入手。
往路と同じく湖西経由で京都に向かうと比良の山麓を走るあたりで大雪となった。和邇から途中に抜けて大原へとR367を下ると雪道の準備をしていなかったためだろか、トンネルを越えたあたりで何台かの車が立ち往生しているのだった。翌日は京都市内も久しぶりに積雪をみるのであった。