【加越国境】スノー衆代わりの取立山で女神微笑む(19.1.13)
Posted: 2019年1月18日(金) 08:21
【 日 付 】2019.1.13
【 山 域 】【加越国境】取立山、こつぶり山
【メンバー】単独
【 天 候 】ガスのち快晴
【 ルート 】5:44駐車地ー7:14夏山登山口ー8:47取立山9:57ー10:42こつぶり山11:44ー 12:41取立山ー13:39夏山登山口ー14:21駐車地
11日昼過ぎガラケーのメールの着信ランプが点滅しています。来たかと確認するとやはり「残念ですがスノー衆は予定通り明日決行です」との山日和さんからの連絡でした。土曜日は仕事で参加できないので天候などで翌日に順延された場合参加するリザーブ登録だったのです。天気予報では順延した方が明らかにいいのですが、グループによる計画的な行動は、各自の予定がありますから中止すべき理由がなければ、催行者としては予定通りをせざるをえないでしょう。こういうこともあろうかと代替案を考えていました。リザーブ登録していて詳細なコース図をいただいているので、翌日に好天の下で高速道路のようになったトレースの上で楽ちんスノーシューハイクを楽しむことです。これを3年前のスノー衆、栗ヶ岳で実行し好結果を得て、控えめにコバンザメ登山と名付けましたが、山日和さんに「単なる二番煎じです」と一蹴されてしまいました。
とはいうもののせこい感じはぬぐえませんし、こんなものをレポに上げたらやぶこぎのメンバー、特に参加者からは冷たい目で見られそうですし、人のふんどしを利用するのは自分でも情けなくなりそうです。他の選択肢を考えなければなりません。御池岳か霊仙山か雨乞岳か、再び桧塚奥峰か、時間は切迫しているのに考えはまとまりません。とりあえずネットを見ていると、お~10日の取立山のレポが出ていました。7年前に途中で追いついてきた地元の方に教えられて大長山まで往復できたのです。雪はたっぷりあるし鉢伏山近くまでトレースがあったそうです。ということは13日にはその先の大長山までトレースがあるかもしれない。天気は両日とも快晴が約束されていますから、再び大長山まで往復できるかもしれません。連休の時でないとなかなかここまで来られないので、もうこれしかないと意思はかたまり意欲は漲ってきました。午前の仕事の際スタッフに計画を話しました。なぜそんなことをするのかというと、自分の心の中だけに留めておくと些細なことですぐに弱気な方に流されてトーンダウンすることが多くなったからです。一度口に出してしまったらそう簡単にはやめることはできません。やはり加齢による気力の衰えは隠せませんので、自らをそういう状況に追い込むことも必要なのです。
午後6時に出発します。高速道路は順調で8:40頃に車泊予定の北鯖江PAに着きました。途中で車外温度表示が氷点下になったところがあり寒さが気になりましたが、トイレを済ませて9時前には横になります。ふと目が覚めて時計を見ると、まだ10:20.隣の大型車がエアコンのためエンジンかけっぱなしで音がうるさいのと、シュラフはモンベルの#2で以前は暖かったのに今回はそれほど暖かくないのです。加齢のため代謝が低下しているせいなのでしょうか。その後も0:15、2:10、3:10と断続的に目が覚めます。3:10に目が覚めた時はもう寝るのはあきらめ、寝不足による登山を覚悟しました。計画では4:30起床、朝食を済ませて5:00出発、6:00駐車地、準備して6:30登山開始でしたが、もう適当に進めるしかありません。3:40頃には起き上がり、朝食を済ませ4:20ごろ出発、道路の凍結に注意しながらちんたら走り、5:10ごろ東山いこいの森入り口の広い駐車場へ到着。ここは広いですが除雪された周囲の雪がスペースを狭くするので、遅くなると一杯になり道路脇に駐車することになりますが私が一番乗りでした。まず入り口を見に行くと60cmくらいの積雪で、高速道路のようなトレースがばっちりできています。どうやら選択は吉だったようです。ゆっくり準備をしていると車が続いて2台来ました。準備を急ぐ気配はなく車から出てくる気配もなく、どうやら明るくなってから出発するようです。私は準備ができ次第出発します。なんといっても夏の登山口までは展望が全くなく、行くのに1時間はかかりそうなので、夏の駐車場近くで明るくなっているのが理想だからです。ただ気がかりは、寝るときは満天の星空だったのに、出発時は薄い雲が全天にかかっていて星が全く見えないことでした。
5:44に出発しましたが、出発にあたりスノーシューを持っていくかおいていくかでさんざん悩みました。トレースを見るとスノーシューは必要なく、アイゼンで十分そうだし、少しでも負荷を軽くしたいのでおいていきたいのだけれど、上がどうなっているかが分からないので持って行った方がいいし、あれこれ悩んだ挙句、結局なんとなく持っていくことにしました。
国道から入ってすぐ50mくらいでメイントレースから外れて谷筋の方へ入っていく見かけない踏み跡がありました。7年前の時、いこいの森で迷ってこの谷の右岸尾根を真東へ登って行ったら夏の駐車場へたどり着き、後で調べると最短距離だったことが分かりました。どうやらこの時のルートのようです。確信はなかったですが、地形、方向から見てまず間違いないだろうとたどることにしました。途中で施設の作業道に出て、ショートカットを繰り返し、最後の作業道を登って行くと後は尾根を登って行くだけで、ほぼ3年前の記憶が蘇ってきて駐車場への道路に出ました。道路にはメインのトレースが来ていて、それをたどれば直ぐに夏の駐車場へ着きます。駐車場を横切って行けばすぐに夏の登山口へ着きました。いつもここから尾根端までの急登がしんどいのですが、3月の残雪期と違って雪が少ないため作業道がはっきりしていて、右の作業道を行くと長さは長いですが傾斜が緩いので意外と楽でした。左へ行くと急登のショートカットとなり、いつもしんどい思いをしていました。今日も途中結構ショートカットをしている人がいてせっかちな人が多いようです。。
夏の登山口から尾根端を見上げると北東方面から次々と雲が流れてきてガスっていました。快晴の予報で大阪くんだりから遠路はるばる来たのにどうなることかと不安を抱えて登りついてみれば、やはり頂上から眺めると四方は真っ白けです。晴れていればここから下に広大で平坦な鞍部が広がり、正面には白山の山並み、左にはこつぶり山、右には鉢伏山、経ヶ岳の素晴らしい景色が広がるはずでした。お先真っ暗です。先行者と話をすると、こつぶり山へ行かれるそうで、GPSがないと難しいですね、行けるところまで行ってみますとアイゼンからスノーシューへ履き替えて降りて行かれました。私もせめて今冬初めてスノーシューを試そうと履き替えようとしました。素手でないと操作ができません。しかも、この時点でいつも使っているコー〇ンの防寒防水の手袋の内側が湿ってきて手が冷たくなってきていて、やぶこぎ御用達のテルモスに換えてもゴムで薄いので保温効果がありません。以前、八経ヶ岳で聖宝八丁を登っている時に同じ経験をして、山専用の本格的防寒防水手袋に替えたら手が暖かかくなったことがありました。そこでこんなこともあろうかとザックの底に入れたあったのを引っ張り出しはめてみるとやはり暖かかったです。そこで素手でスノーシューに履き替えようとしますが、久しぶりなのでスムースにできません。冷たい強い風が吹くので手がしびれてきて、凍傷が心配になるほどです。一旦手袋をはめて手を温めてからやり直します。何とか履き替えて手袋をはめてほっとしました。それでも手袋をはめたまま手をもんで温める必要がありました。
そうこうしているうちに5~6人登ってこられ、一人の地元の人は鉢伏山まで行けるか分からないけれど行けるところまで行ってみると、やはりスノーシューに履き替えて降りて行かれました。他の方は頂上付近で腰を下ろし天候の回復を待つようです。私は迷います。先行者のトレースを頼れば途中まで行って戻ってこれるだろうけれど、こんなガスで視界不良の状態で歩くだけで引き返すなんて全くつまりません。もうあきらめて帰ろうかとも思いますが、時々ガスが薄くなって太陽が顔を出しそうな雰囲気もわずかにあります。もしこのまま降りて後で晴れてきたとしたらと考えると降りる決心もつきません。
とりあえずスノーシューで歩いてみようと頂上付近を回り込みながら200mほど戻ります。1mほどの段差のところで雪を踏み均らして段差を作り腰かけて食事をしようとしますが、シートを持ってきていないので座ることができません。風が冷たいので立ったままでは寒いですがとりあえず腹ごしらえをします。また頂上まで歩きますがガスったままです。2人ほど諦めて降りて行かれました。体も冷えてきたのでいよいよ諦めて、どこかで車中泊して14日にスノー衆の二番煎じでもするしかないかと食事をしたところまで下りかけると、一瞬青空が出たのでまた戻ります。そんなことを3~4回繰り返した後、お~ついに北の方からガスが晴れ始めました。一気に晴れてきます。来たー!!ついに待ち望んでいたチャンスがきました。
もう気分はルンルンです。9:57なのでもう鉢伏山まで行くのは無理だし、こつぶり山からの白山の眺めも取立山よりもいいのでこつぶり山往復に切り替えました。取立山から降りて行く途中で振り返ると、いや~こんな青空になりました。待ってよかった。しかし、みると1時間以上も頂上にいたのですね。よく粘ったものです。実人生もこんなに粘ればもう少しいい人生だったろうなあ。晴れて視界は最高ですし、先行者のトレースがあるので迷うことはなく、歩きやすくまさにこれぞスノーシューハイクという感じでした。
こつぶり山には先行者が二人おられました。一人は何と大阪の能勢町の方で、取立山頂上で私を追い越して行った方で、あのガスっている間途中の避難小屋で過ごされたようです。三脚を担ぎ上げてセットし数秒おきに自動的にシャッターがおりるようにしていました。お話を聞くと当日朝1:00に家を出てこられたそうで、この後も今日中に帰宅されるそうです。もう一人の方は関電の方で、いつも巡視路を利用させていただきありがとうございます、登山経験があると仕事に有利ですねというと、送電線の保安は外注だし私は発電所関係ですからと言われました。私のスノーシューにいたく興味を持たれ、ワカンしか使ったことがないけれどやっぱりいいですかねと聞かれたので、MSRを宣伝しておきました。白山の手前にはまだ北東から雲が流れてくるので、その合間に写真を撮り、おふたりも帰られたので私も切り上げます。
左へのトレースは鉢伏山へ行くトレースです。できたら鉢伏山、さらには大長山で行きたかったのですが。
夏の駐車場まで戻ってきたとき、来た道を戻ればよかったのですが、車道にできるメインルートを歩いたことがなかったので、どんな所か確認しようと歩いていきましたが、余りにも遠く北側を迂回するので、しびれを切らして途中の左へのトラバースを下りることにしました。これが失敗でした。入り口は数人は歩いたしっかりしたトレースだったのに、次第に数が減りついには一人だけの足跡になってしまいました。おまけに灌木がうっとうしいの何の。途中でよろけて近くの木を掴んだら、この木がトゲだらけで手袋をしていなかったので5~6か所刺さっていたいのなんの。やっとのことで施設の真ん中あたりに出てましたがここからまだ距離が結構ありました。
14:21駐車場へ帰着。どうやらこの真東へ直行するルートが冬のベストルートのようですね。着替えて帰路に着き、眠気が出るときはいつもは三方五湖PAで仮眠するのですが、今回の眠気はいつもより強く、これはいけないと北鯖江PAで仮眠することにしました。いつもなら1,2時間のタイマーをセットするのですが今回はセットせずどのくらい寝るのか試してみたら、1時間40分で目が覚め、その後は全く眠気が出ることはなくスムースに帰宅できました。翌14日も快晴でしたので、五月山を3時間20分歩きましたが、意外と足が軽く疲れをあまり感じませんでした。どこかで車中泊して、14日に二番煎じをしてもよかったかなあ。いやいや欲張ってはいけませんね。こんな快晴の下で最高のスノーシューハイクができたのだから。
【 山 域 】【加越国境】取立山、こつぶり山
【メンバー】単独
【 天 候 】ガスのち快晴
【 ルート 】5:44駐車地ー7:14夏山登山口ー8:47取立山9:57ー10:42こつぶり山11:44ー 12:41取立山ー13:39夏山登山口ー14:21駐車地
11日昼過ぎガラケーのメールの着信ランプが点滅しています。来たかと確認するとやはり「残念ですがスノー衆は予定通り明日決行です」との山日和さんからの連絡でした。土曜日は仕事で参加できないので天候などで翌日に順延された場合参加するリザーブ登録だったのです。天気予報では順延した方が明らかにいいのですが、グループによる計画的な行動は、各自の予定がありますから中止すべき理由がなければ、催行者としては予定通りをせざるをえないでしょう。こういうこともあろうかと代替案を考えていました。リザーブ登録していて詳細なコース図をいただいているので、翌日に好天の下で高速道路のようになったトレースの上で楽ちんスノーシューハイクを楽しむことです。これを3年前のスノー衆、栗ヶ岳で実行し好結果を得て、控えめにコバンザメ登山と名付けましたが、山日和さんに「単なる二番煎じです」と一蹴されてしまいました。
とはいうもののせこい感じはぬぐえませんし、こんなものをレポに上げたらやぶこぎのメンバー、特に参加者からは冷たい目で見られそうですし、人のふんどしを利用するのは自分でも情けなくなりそうです。他の選択肢を考えなければなりません。御池岳か霊仙山か雨乞岳か、再び桧塚奥峰か、時間は切迫しているのに考えはまとまりません。とりあえずネットを見ていると、お~10日の取立山のレポが出ていました。7年前に途中で追いついてきた地元の方に教えられて大長山まで往復できたのです。雪はたっぷりあるし鉢伏山近くまでトレースがあったそうです。ということは13日にはその先の大長山までトレースがあるかもしれない。天気は両日とも快晴が約束されていますから、再び大長山まで往復できるかもしれません。連休の時でないとなかなかここまで来られないので、もうこれしかないと意思はかたまり意欲は漲ってきました。午前の仕事の際スタッフに計画を話しました。なぜそんなことをするのかというと、自分の心の中だけに留めておくと些細なことですぐに弱気な方に流されてトーンダウンすることが多くなったからです。一度口に出してしまったらそう簡単にはやめることはできません。やはり加齢による気力の衰えは隠せませんので、自らをそういう状況に追い込むことも必要なのです。
午後6時に出発します。高速道路は順調で8:40頃に車泊予定の北鯖江PAに着きました。途中で車外温度表示が氷点下になったところがあり寒さが気になりましたが、トイレを済ませて9時前には横になります。ふと目が覚めて時計を見ると、まだ10:20.隣の大型車がエアコンのためエンジンかけっぱなしで音がうるさいのと、シュラフはモンベルの#2で以前は暖かったのに今回はそれほど暖かくないのです。加齢のため代謝が低下しているせいなのでしょうか。その後も0:15、2:10、3:10と断続的に目が覚めます。3:10に目が覚めた時はもう寝るのはあきらめ、寝不足による登山を覚悟しました。計画では4:30起床、朝食を済ませて5:00出発、6:00駐車地、準備して6:30登山開始でしたが、もう適当に進めるしかありません。3:40頃には起き上がり、朝食を済ませ4:20ごろ出発、道路の凍結に注意しながらちんたら走り、5:10ごろ東山いこいの森入り口の広い駐車場へ到着。ここは広いですが除雪された周囲の雪がスペースを狭くするので、遅くなると一杯になり道路脇に駐車することになりますが私が一番乗りでした。まず入り口を見に行くと60cmくらいの積雪で、高速道路のようなトレースがばっちりできています。どうやら選択は吉だったようです。ゆっくり準備をしていると車が続いて2台来ました。準備を急ぐ気配はなく車から出てくる気配もなく、どうやら明るくなってから出発するようです。私は準備ができ次第出発します。なんといっても夏の登山口までは展望が全くなく、行くのに1時間はかかりそうなので、夏の駐車場近くで明るくなっているのが理想だからです。ただ気がかりは、寝るときは満天の星空だったのに、出発時は薄い雲が全天にかかっていて星が全く見えないことでした。
5:44に出発しましたが、出発にあたりスノーシューを持っていくかおいていくかでさんざん悩みました。トレースを見るとスノーシューは必要なく、アイゼンで十分そうだし、少しでも負荷を軽くしたいのでおいていきたいのだけれど、上がどうなっているかが分からないので持って行った方がいいし、あれこれ悩んだ挙句、結局なんとなく持っていくことにしました。
国道から入ってすぐ50mくらいでメイントレースから外れて谷筋の方へ入っていく見かけない踏み跡がありました。7年前の時、いこいの森で迷ってこの谷の右岸尾根を真東へ登って行ったら夏の駐車場へたどり着き、後で調べると最短距離だったことが分かりました。どうやらこの時のルートのようです。確信はなかったですが、地形、方向から見てまず間違いないだろうとたどることにしました。途中で施設の作業道に出て、ショートカットを繰り返し、最後の作業道を登って行くと後は尾根を登って行くだけで、ほぼ3年前の記憶が蘇ってきて駐車場への道路に出ました。道路にはメインのトレースが来ていて、それをたどれば直ぐに夏の駐車場へ着きます。駐車場を横切って行けばすぐに夏の登山口へ着きました。いつもここから尾根端までの急登がしんどいのですが、3月の残雪期と違って雪が少ないため作業道がはっきりしていて、右の作業道を行くと長さは長いですが傾斜が緩いので意外と楽でした。左へ行くと急登のショートカットとなり、いつもしんどい思いをしていました。今日も途中結構ショートカットをしている人がいてせっかちな人が多いようです。。
夏の登山口から尾根端を見上げると北東方面から次々と雲が流れてきてガスっていました。快晴の予報で大阪くんだりから遠路はるばる来たのにどうなることかと不安を抱えて登りついてみれば、やはり頂上から眺めると四方は真っ白けです。晴れていればここから下に広大で平坦な鞍部が広がり、正面には白山の山並み、左にはこつぶり山、右には鉢伏山、経ヶ岳の素晴らしい景色が広がるはずでした。お先真っ暗です。先行者と話をすると、こつぶり山へ行かれるそうで、GPSがないと難しいですね、行けるところまで行ってみますとアイゼンからスノーシューへ履き替えて降りて行かれました。私もせめて今冬初めてスノーシューを試そうと履き替えようとしました。素手でないと操作ができません。しかも、この時点でいつも使っているコー〇ンの防寒防水の手袋の内側が湿ってきて手が冷たくなってきていて、やぶこぎ御用達のテルモスに換えてもゴムで薄いので保温効果がありません。以前、八経ヶ岳で聖宝八丁を登っている時に同じ経験をして、山専用の本格的防寒防水手袋に替えたら手が暖かかくなったことがありました。そこでこんなこともあろうかとザックの底に入れたあったのを引っ張り出しはめてみるとやはり暖かかったです。そこで素手でスノーシューに履き替えようとしますが、久しぶりなのでスムースにできません。冷たい強い風が吹くので手がしびれてきて、凍傷が心配になるほどです。一旦手袋をはめて手を温めてからやり直します。何とか履き替えて手袋をはめてほっとしました。それでも手袋をはめたまま手をもんで温める必要がありました。
そうこうしているうちに5~6人登ってこられ、一人の地元の人は鉢伏山まで行けるか分からないけれど行けるところまで行ってみると、やはりスノーシューに履き替えて降りて行かれました。他の方は頂上付近で腰を下ろし天候の回復を待つようです。私は迷います。先行者のトレースを頼れば途中まで行って戻ってこれるだろうけれど、こんなガスで視界不良の状態で歩くだけで引き返すなんて全くつまりません。もうあきらめて帰ろうかとも思いますが、時々ガスが薄くなって太陽が顔を出しそうな雰囲気もわずかにあります。もしこのまま降りて後で晴れてきたとしたらと考えると降りる決心もつきません。
とりあえずスノーシューで歩いてみようと頂上付近を回り込みながら200mほど戻ります。1mほどの段差のところで雪を踏み均らして段差を作り腰かけて食事をしようとしますが、シートを持ってきていないので座ることができません。風が冷たいので立ったままでは寒いですがとりあえず腹ごしらえをします。また頂上まで歩きますがガスったままです。2人ほど諦めて降りて行かれました。体も冷えてきたのでいよいよ諦めて、どこかで車中泊して14日にスノー衆の二番煎じでもするしかないかと食事をしたところまで下りかけると、一瞬青空が出たのでまた戻ります。そんなことを3~4回繰り返した後、お~ついに北の方からガスが晴れ始めました。一気に晴れてきます。来たー!!ついに待ち望んでいたチャンスがきました。
もう気分はルンルンです。9:57なのでもう鉢伏山まで行くのは無理だし、こつぶり山からの白山の眺めも取立山よりもいいのでこつぶり山往復に切り替えました。取立山から降りて行く途中で振り返ると、いや~こんな青空になりました。待ってよかった。しかし、みると1時間以上も頂上にいたのですね。よく粘ったものです。実人生もこんなに粘ればもう少しいい人生だったろうなあ。晴れて視界は最高ですし、先行者のトレースがあるので迷うことはなく、歩きやすくまさにこれぞスノーシューハイクという感じでした。
こつぶり山には先行者が二人おられました。一人は何と大阪の能勢町の方で、取立山頂上で私を追い越して行った方で、あのガスっている間途中の避難小屋で過ごされたようです。三脚を担ぎ上げてセットし数秒おきに自動的にシャッターがおりるようにしていました。お話を聞くと当日朝1:00に家を出てこられたそうで、この後も今日中に帰宅されるそうです。もう一人の方は関電の方で、いつも巡視路を利用させていただきありがとうございます、登山経験があると仕事に有利ですねというと、送電線の保安は外注だし私は発電所関係ですからと言われました。私のスノーシューにいたく興味を持たれ、ワカンしか使ったことがないけれどやっぱりいいですかねと聞かれたので、MSRを宣伝しておきました。白山の手前にはまだ北東から雲が流れてくるので、その合間に写真を撮り、おふたりも帰られたので私も切り上げます。
左へのトレースは鉢伏山へ行くトレースです。できたら鉢伏山、さらには大長山で行きたかったのですが。
夏の駐車場まで戻ってきたとき、来た道を戻ればよかったのですが、車道にできるメインルートを歩いたことがなかったので、どんな所か確認しようと歩いていきましたが、余りにも遠く北側を迂回するので、しびれを切らして途中の左へのトラバースを下りることにしました。これが失敗でした。入り口は数人は歩いたしっかりしたトレースだったのに、次第に数が減りついには一人だけの足跡になってしまいました。おまけに灌木がうっとうしいの何の。途中でよろけて近くの木を掴んだら、この木がトゲだらけで手袋をしていなかったので5~6か所刺さっていたいのなんの。やっとのことで施設の真ん中あたりに出てましたがここからまだ距離が結構ありました。
14:21駐車場へ帰着。どうやらこの真東へ直行するルートが冬のベストルートのようですね。着替えて帰路に着き、眠気が出るときはいつもは三方五湖PAで仮眠するのですが、今回の眠気はいつもより強く、これはいけないと北鯖江PAで仮眠することにしました。いつもなら1,2時間のタイマーをセットするのですが今回はセットせずどのくらい寝るのか試してみたら、1時間40分で目が覚め、その後は全く眠気が出ることはなくスムースに帰宅できました。翌14日も快晴でしたので、五月山を3時間20分歩きましたが、意外と足が軽く疲れをあまり感じませんでした。どこかで車中泊して、14日に二番煎じをしてもよかったかなあ。いやいや欲張ってはいけませんね。こんな快晴の下で最高のスノーシューハイクができたのだから。