【鈴鹿】忘れられた頭陀の窟に初詣
Posted: 2019年1月05日(土) 19:55
【日 付】2019年1月4日(金)
【山 域】鈴鹿
【コース】藤原簡易P7:29---10:25頭陀ヶ平---11:15頭陀の洞窟11:44---13:42頭陀ヶ平---藤原簡易P14:50
【メンバー】単独
雪の量と近さで初登りは藤原岳方面になることが多い。麓の集落の雪はほとんど無かったが木和田尾の巡視路に入るとそこそこ雪がある。子向井山のあたりからはスノーシューをつけてもいいぐらいだ。先行者は駐車場で少し先に出発したカップルだが、なかなか追いつかない。白瀬峠の分岐でようやく追いついた。御池岳を目指しているようで、2日前に挑んでここからのトラバースの吹き溜まり地帯につかまって撤退したとの事だった。どうりで雪が多いはずで、元旦に積もった雪が落ち着いた感じだった。御池岳へのルートを考えているようなので、この雪質なら真の谷から1時間でテーブルランドに着くとだけ助言しておいた。
頭陀ヶ平に向かうとすぐに吹き溜まり地帯だ、しまっている感じではなくいいかんじで沈み込み初スノーシューにはうってつけ。伊吹をながめながら気持ちよく上っていくとワカンの先行者に手前の鉄塔で追いついた。雪がいい感じなので藤原岳のテーブルランド探索でも楽しもうかと思いながら頭陀ヶ平に到着。三人組が白瀬峠が上ってきており、藤原岳に向かってしっかりトレースがついている。天気もいいし人の多そうな予感がする。これだったら御池を目指したほうが良かったなと思いつつも時間的に無理。
5年ぶりになる頭陀の窟の初詣に向かうことにした。ここなら人に会うこともなく静かな山登りが楽しめるはずだ。辻涼一さんの「鈴鹿夢幻」を読んで初めて洞窟の事を知り、これまで二度行った。
縦走路と反対側の真の谷の下流に向けてトラバースして下っていく。最初は木におおわれて谷に直接下っていきそうに思うが、しばらくすると尾根が広がり下に鉄塔と白い平地が見えて来る。これが標高点989の鉄の平で、まっすぐに下っていく。「鉄の平」は緑水さんの命名で、「鈴鹿の上高地」やコグルミ谷の「金明水」もそうだ。
頭陀ヶ平で吹いた風も鉄の平では無風になり御池岳の東のボタンブチが正面にどっしりと構えている。山葵洞に向かって南西に伸びている尾根を下りる。降り口には、すりきれそうな青テープが残っている。下ると一つ目の嵓にぶつかる。ここから尾根は広がり3つの小尾根にわかれるので、注意が必要だ。斜面は急でいつも苦労する場所なのだが、今日は雪が積もっているおかげで楽に下れる。もっとも上流の尾根を下って行くと大きな嵓が見え、嵓を回り込んでいくと頭陀の洞窟の参道に着く。このあたりはわかりずらいが、とにかく東のボタンブチが正面に見える尾根を下ることだ。
参道は大岩が両岸から迫る門のようになっていて、ルンゼの参道を10m上るとさざれ石の岩肌にツララの垂れた洞窟の暗い口が開いている。洞窟は1m強で人が一人入れるぐらいの大きさで御池岳と対峙する位置にある。参道には雪がふっくらと積もりウサギの足跡が一筋ついていた。ウサギのねぐらになっているのかもしれない。洞窟からは参道を通して真正面のピラミッド状に見える御池岳と真の谷の雪におおわれた木々が別世界の光景のように見える。
頭陀の窟は820mにあり150m下れば真の谷で水音も聞こえる。雪のおかげで下りは早く楽だったが、その分上りは大変だ。雪にスノーシューをけり込みながら一歩一歩岩尾根を時間をかけて上って行く。藤原岳の展望丘と西尾根がよく見える。岩尾根では吹いていた風も鉄の平では消え、ポカポカ陽気に思わず休憩。青空に竜ヶ岳の遠足尾根をひきつれた大きな山容をながめながらコーヒーを飲み至福の時間を味わう。さて頭陀ヶ平までの上りも時間をかけてゆっくり上る。風が強かったり、ガスっていたりすれば汗を流しながらガシガシ登るのだが、そんな気分じゃない。ゆっくりと登りを味わうように上るのだ。天候に恵まれ、時間に余裕のある雪山でしかできない初めての感覚だった。
頭陀ヶ平まで上り返すと御岳に北アルプス・中央アルプス・南アルプスまで見えておりいい一日だ。あとは木和田尾の来た道を自分の足跡をなぞるように下った。
【山 域】鈴鹿
【コース】藤原簡易P7:29---10:25頭陀ヶ平---11:15頭陀の洞窟11:44---13:42頭陀ヶ平---藤原簡易P14:50
【メンバー】単独
雪の量と近さで初登りは藤原岳方面になることが多い。麓の集落の雪はほとんど無かったが木和田尾の巡視路に入るとそこそこ雪がある。子向井山のあたりからはスノーシューをつけてもいいぐらいだ。先行者は駐車場で少し先に出発したカップルだが、なかなか追いつかない。白瀬峠の分岐でようやく追いついた。御池岳を目指しているようで、2日前に挑んでここからのトラバースの吹き溜まり地帯につかまって撤退したとの事だった。どうりで雪が多いはずで、元旦に積もった雪が落ち着いた感じだった。御池岳へのルートを考えているようなので、この雪質なら真の谷から1時間でテーブルランドに着くとだけ助言しておいた。
頭陀ヶ平に向かうとすぐに吹き溜まり地帯だ、しまっている感じではなくいいかんじで沈み込み初スノーシューにはうってつけ。伊吹をながめながら気持ちよく上っていくとワカンの先行者に手前の鉄塔で追いついた。雪がいい感じなので藤原岳のテーブルランド探索でも楽しもうかと思いながら頭陀ヶ平に到着。三人組が白瀬峠が上ってきており、藤原岳に向かってしっかりトレースがついている。天気もいいし人の多そうな予感がする。これだったら御池を目指したほうが良かったなと思いつつも時間的に無理。
5年ぶりになる頭陀の窟の初詣に向かうことにした。ここなら人に会うこともなく静かな山登りが楽しめるはずだ。辻涼一さんの「鈴鹿夢幻」を読んで初めて洞窟の事を知り、これまで二度行った。
縦走路と反対側の真の谷の下流に向けてトラバースして下っていく。最初は木におおわれて谷に直接下っていきそうに思うが、しばらくすると尾根が広がり下に鉄塔と白い平地が見えて来る。これが標高点989の鉄の平で、まっすぐに下っていく。「鉄の平」は緑水さんの命名で、「鈴鹿の上高地」やコグルミ谷の「金明水」もそうだ。
頭陀ヶ平で吹いた風も鉄の平では無風になり御池岳の東のボタンブチが正面にどっしりと構えている。山葵洞に向かって南西に伸びている尾根を下りる。降り口には、すりきれそうな青テープが残っている。下ると一つ目の嵓にぶつかる。ここから尾根は広がり3つの小尾根にわかれるので、注意が必要だ。斜面は急でいつも苦労する場所なのだが、今日は雪が積もっているおかげで楽に下れる。もっとも上流の尾根を下って行くと大きな嵓が見え、嵓を回り込んでいくと頭陀の洞窟の参道に着く。このあたりはわかりずらいが、とにかく東のボタンブチが正面に見える尾根を下ることだ。
参道は大岩が両岸から迫る門のようになっていて、ルンゼの参道を10m上るとさざれ石の岩肌にツララの垂れた洞窟の暗い口が開いている。洞窟は1m強で人が一人入れるぐらいの大きさで御池岳と対峙する位置にある。参道には雪がふっくらと積もりウサギの足跡が一筋ついていた。ウサギのねぐらになっているのかもしれない。洞窟からは参道を通して真正面のピラミッド状に見える御池岳と真の谷の雪におおわれた木々が別世界の光景のように見える。
頭陀の窟は820mにあり150m下れば真の谷で水音も聞こえる。雪のおかげで下りは早く楽だったが、その分上りは大変だ。雪にスノーシューをけり込みながら一歩一歩岩尾根を時間をかけて上って行く。藤原岳の展望丘と西尾根がよく見える。岩尾根では吹いていた風も鉄の平では消え、ポカポカ陽気に思わず休憩。青空に竜ヶ岳の遠足尾根をひきつれた大きな山容をながめながらコーヒーを飲み至福の時間を味わう。さて頭陀ヶ平までの上りも時間をかけてゆっくり上る。風が強かったり、ガスっていたりすれば汗を流しながらガシガシ登るのだが、そんな気分じゃない。ゆっくりと登りを味わうように上るのだ。天候に恵まれ、時間に余裕のある雪山でしかできない初めての感覚だった。
頭陀ヶ平まで上り返すと御岳に北アルプス・中央アルプス・南アルプスまで見えておりいい一日だ。あとは木和田尾の来た道を自分の足跡をなぞるように下った。