【鈴鹿】納涼の天狗谷と灼熱の県境稜線歩き
Posted: 2018年7月24日(火) 23:07
【日 付】2018年7月21日(土)
【山 域】鈴鹿中部 三池岳周辺
【天 候】晴れ
【コース】鵜峠橋7:32---7:45天狗谷出合---9:21雲向橋--10:11 25m斜瀑上11:22---13:00県境稜線13:55---15:30石槫峠
---15:43小峠---16:28鵜峠橋
18年振りに訪れたのは鈴鹿の宇賀川天狗谷。その当時はまだ石槫トンネルもなく、石槫峠越えのワインディング
を宇賀渓まで走ったものだ。
トンネルの三重県側出口のすぐ脇から分岐する旧国道を少し入ったところが登山口だ。白龍神社への道を進
むと河原に下り、対岸に石槫峠手前の小峠への旧道が続いている。今もこの道を利用する人はいるのだろうか。
その道を見送って谷を進む。立ちはだかる堰堤を右から大巻きすると早くも汗だくである。
もうひとつ堰堤を越えればいよいよゴルジュの始まりだ。大きなチョックストンを抱いた10mほどのくの字
形の滝の出迎えを受ける。取付くシマもないので左側バンド状を巻き上がるが、足元ズルズルで悪い。上部に
はトラロープが設置されているものの、それを掴むのもひと苦労である。ここでもチェーンスパイクが威力を
発揮した。
巻き終わると続いて5mと10mの連瀑帯。ここも取り付けず、左から入る支流の小滝を登って途中から右へ
急斜面のトラバース。これがさっきの巻きに輪をかけて悪い。たっぷりと変な汗をかいてしまった。
10m滝の上まで巻き上がったので、見学のために一旦流れまで下りる。なんとかロープを使わずに滝見物。
なかなか見応えのある滝だった。巻きの頂点から谷への下降もなかなかで、ロープを出さずに済むギリギリの
線だった。
ここからは穏やかな渓相になり、美しいナメ滝や3連の滝が続いて楽しいところだ。花崗岩の白い岩肌が美し
い。
突然堰堤が現れてムードをぶち壊される。堰堤の上は荒れ河原でまったく潤いがない。ここで谷は二つに分か
れている。左が天狗谷本流、右がカニグチ谷だ。天狗谷にはもうひとつ堰堤があり、その向こうの頭上に旧国
道が走っている。カニグチ谷出合の連瀑を登って天狗谷へ戻り、そのまま国道へ出る。
橋の上から見る天狗谷は暗いゴルジュで、奥にはまたもや堰堤が景観を壊している。
ここには「雲間の滝」という石標があるのだが、これはどの滝を指すのだろうか。
左岸の巻き道を利用して堰堤を越えると8m滝。これは右のガラガラのルンゼを上がって途中から左へトラ
バースするのだが、あまり楽とは言えない巻きルートだ。かなり上まで追い上げられて谷へ復帰。続く8m滝は
左から越え、10mのスダレ滝は右から斜上。このあたりは非常に快適だ。そしてハイライトの25m斜瀑と対面
する。
右の水線沿いのラインを上がって中断中段の落ち口へ上がるところで躊躇。水量が少ないので問題なさそう
だが、滑れば豪快なウォータースライダーで振り出しへ戻ってしまう。万全を期して上段の下まで右へ逃げた。
この滝の頭はナメ床状で広々して実に気分がいい。登ってきた谷も一望できる開放的な場所だ。
時間はかなり早いが、起きてからほとんど食べていないので昼飯としよう。稜線までまだ350mの登りを残して
いるので、ここでビールを飲んでしまえば地獄を見るのはわかっているのだが・・・
うまい具合に日陰になっている左岸側で座敷を広げる。遡行終了前にランチタイムを取るのは久しぶりだ。
思い起こせば昔は沢でソーメンやざるそば、焼肉を楽しんだりしていたものだ。
すっかり重たくなった体を無理やり動かして上流へ向かう。かなり荒れた渓相で沢登りの興趣には欠ける。
傾斜はぐんぐん強まり、左から岩壁状の滝が落ちている。水はほとんど流れていない。
一見快適に登れそうだが、近くで見ると逆層のスラブでヌメッていてかなり高さもある。これが雲間の滝か。
中段のバンドを横断して右岸の小尾根を上がるがこれも緊張を強いられる悪い巻きだった。
大滝の上にも水のない滝が続く。稜線はすぐ上に見えているのになかなか近づかない。
青息吐息でやっと県境稜線に這い上がる。三池岳はすぐ目の前だが、日陰のない山頂にわざわざ行く意味も
ない。天狗谷と山秋谷を分ける尾根の小ピークで大休止。
下りは山秋谷を使って暑さ知らずと行くつもりだったが、乾いた靴で歩きたくなってしまった。
実は鈴鹿県境稜線の鞍掛峠から臼杵山の間で三池岳~石榑峠の区間だけが未踏だ。何もこんな酷暑の日に歩か
なくてもと思うが、これを逃すとなかなか歩く機会がなさそうだ。少し風もあるし、1時間もあれば石榑峠ま
で行けるだろう。と思ったのが甘かった。稜線は意外にアップダウンが多く、いくつもの小ピークを越えて行
かねばならない。意外にというのはちゃんと地形図を見ていない証拠なのだが。
途中のピークでシートを敷いてひっくり返ったりしながら石榑峠に到着。あとは小峠からの旧道を下るだけだ。
しばらく旧国道を歩いて小峠(と言っても全然峠らしくないが)から旧道へ入る。「白龍神社」の標識もあって迷
うこともない。最初はちょっと荒れ気味だったが、途中の木橋や梯子が新調されているところを見ると、結構手
入れされているようだ。今時この道を歩いて竜ヶ岳に登る人がいるのだろうか。
何度も流れで顔を洗いながら、朝の分岐まで戻ってきた。
やっぱり夏は沢に限ると言っても遡行が終わってからこれではあまり効果的とは言えない。
やっぱり夏は登りも下りも沢と言うことか。
山日和
【山 域】鈴鹿中部 三池岳周辺
【天 候】晴れ
【コース】鵜峠橋7:32---7:45天狗谷出合---9:21雲向橋--10:11 25m斜瀑上11:22---13:00県境稜線13:55---15:30石槫峠
---15:43小峠---16:28鵜峠橋
18年振りに訪れたのは鈴鹿の宇賀川天狗谷。その当時はまだ石槫トンネルもなく、石槫峠越えのワインディング
を宇賀渓まで走ったものだ。
トンネルの三重県側出口のすぐ脇から分岐する旧国道を少し入ったところが登山口だ。白龍神社への道を進
むと河原に下り、対岸に石槫峠手前の小峠への旧道が続いている。今もこの道を利用する人はいるのだろうか。
その道を見送って谷を進む。立ちはだかる堰堤を右から大巻きすると早くも汗だくである。
もうひとつ堰堤を越えればいよいよゴルジュの始まりだ。大きなチョックストンを抱いた10mほどのくの字
形の滝の出迎えを受ける。取付くシマもないので左側バンド状を巻き上がるが、足元ズルズルで悪い。上部に
はトラロープが設置されているものの、それを掴むのもひと苦労である。ここでもチェーンスパイクが威力を
発揮した。
巻き終わると続いて5mと10mの連瀑帯。ここも取り付けず、左から入る支流の小滝を登って途中から右へ
急斜面のトラバース。これがさっきの巻きに輪をかけて悪い。たっぷりと変な汗をかいてしまった。
10m滝の上まで巻き上がったので、見学のために一旦流れまで下りる。なんとかロープを使わずに滝見物。
なかなか見応えのある滝だった。巻きの頂点から谷への下降もなかなかで、ロープを出さずに済むギリギリの
線だった。
ここからは穏やかな渓相になり、美しいナメ滝や3連の滝が続いて楽しいところだ。花崗岩の白い岩肌が美し
い。
突然堰堤が現れてムードをぶち壊される。堰堤の上は荒れ河原でまったく潤いがない。ここで谷は二つに分か
れている。左が天狗谷本流、右がカニグチ谷だ。天狗谷にはもうひとつ堰堤があり、その向こうの頭上に旧国
道が走っている。カニグチ谷出合の連瀑を登って天狗谷へ戻り、そのまま国道へ出る。
橋の上から見る天狗谷は暗いゴルジュで、奥にはまたもや堰堤が景観を壊している。
ここには「雲間の滝」という石標があるのだが、これはどの滝を指すのだろうか。
左岸の巻き道を利用して堰堤を越えると8m滝。これは右のガラガラのルンゼを上がって途中から左へトラ
バースするのだが、あまり楽とは言えない巻きルートだ。かなり上まで追い上げられて谷へ復帰。続く8m滝は
左から越え、10mのスダレ滝は右から斜上。このあたりは非常に快適だ。そしてハイライトの25m斜瀑と対面
する。
右の水線沿いのラインを上がって中断中段の落ち口へ上がるところで躊躇。水量が少ないので問題なさそう
だが、滑れば豪快なウォータースライダーで振り出しへ戻ってしまう。万全を期して上段の下まで右へ逃げた。
この滝の頭はナメ床状で広々して実に気分がいい。登ってきた谷も一望できる開放的な場所だ。
時間はかなり早いが、起きてからほとんど食べていないので昼飯としよう。稜線までまだ350mの登りを残して
いるので、ここでビールを飲んでしまえば地獄を見るのはわかっているのだが・・・
うまい具合に日陰になっている左岸側で座敷を広げる。遡行終了前にランチタイムを取るのは久しぶりだ。
思い起こせば昔は沢でソーメンやざるそば、焼肉を楽しんだりしていたものだ。
すっかり重たくなった体を無理やり動かして上流へ向かう。かなり荒れた渓相で沢登りの興趣には欠ける。
傾斜はぐんぐん強まり、左から岩壁状の滝が落ちている。水はほとんど流れていない。
一見快適に登れそうだが、近くで見ると逆層のスラブでヌメッていてかなり高さもある。これが雲間の滝か。
中段のバンドを横断して右岸の小尾根を上がるがこれも緊張を強いられる悪い巻きだった。
大滝の上にも水のない滝が続く。稜線はすぐ上に見えているのになかなか近づかない。
青息吐息でやっと県境稜線に這い上がる。三池岳はすぐ目の前だが、日陰のない山頂にわざわざ行く意味も
ない。天狗谷と山秋谷を分ける尾根の小ピークで大休止。
下りは山秋谷を使って暑さ知らずと行くつもりだったが、乾いた靴で歩きたくなってしまった。
実は鈴鹿県境稜線の鞍掛峠から臼杵山の間で三池岳~石榑峠の区間だけが未踏だ。何もこんな酷暑の日に歩か
なくてもと思うが、これを逃すとなかなか歩く機会がなさそうだ。少し風もあるし、1時間もあれば石榑峠ま
で行けるだろう。と思ったのが甘かった。稜線は意外にアップダウンが多く、いくつもの小ピークを越えて行
かねばならない。意外にというのはちゃんと地形図を見ていない証拠なのだが。
途中のピークでシートを敷いてひっくり返ったりしながら石榑峠に到着。あとは小峠からの旧道を下るだけだ。
しばらく旧国道を歩いて小峠(と言っても全然峠らしくないが)から旧道へ入る。「白龍神社」の標識もあって迷
うこともない。最初はちょっと荒れ気味だったが、途中の木橋や梯子が新調されているところを見ると、結構手
入れされているようだ。今時この道を歩いて竜ヶ岳に登る人がいるのだろうか。
何度も流れで顔を洗いながら、朝の分岐まで戻ってきた。
やっぱり夏は沢に限ると言っても遡行が終わってからこれではあまり効果的とは言えない。
やっぱり夏は登りも下りも沢と言うことか。
山日和