【京都北山】イチゴ谷山から三国岳、天狗峠へ
Posted: 2018年5月08日(火) 23:46
【日 付】2018年4月22日(日)
【山 域】京都北山 三国岳周辺
【天 候】晴れ
【コース】久多上ノ町市後谷出合7:51--9:18 P909m 9:33---9:57イチゴ谷山---10:41経ヶ岳---12:04三国岳13:51
---15:34天狗峠15:49---16:27 P936南分岐---17:10京都府大小屋---17:40駐車地
今シーズンはたくさん雪が降ったわりに融けるのが早い。高い交通費をかけて遠征して現地でガッカリする
のは避けたいところだ。頭を切り替えて雪山モードから抜ける方がいいかもしれない。
ここ10数年、4月に入って一度も雪山を歩かないのは記憶がない。
というわけで選んだのは京都北山である。歩いたことのないイチゴ谷山から経ヶ岳、三国岳の尾根を辿り、
天狗峠(天狗岳)まで足を延ばすとしよう。
久多の集落を訪れるのは10数年ぶりだ。最近は市町村合併でとんでもない山の中が市内になっていたりする
のだが、この山深い里は昔から京都市内である。高校時代の合宿でコウンド谷から天狗峠を目指して、ヤブの
キツさに敗退した思い出がある。
イチゴ谷山とは可愛らしい名前だが、昔イチゴがよく採れたので付けられた・・・というわけではない。
尾根の取付きに「市後谷」の標識があったので山名の由来がわかった。
激登りの尾根の末端をクリアすればあとは比較的緩い尾根が続く。可もなく不可もない平凡な林相である。
登り着いた稜線は京都と滋賀の県境の909mピークだ。比良方面の展望が良く、武奈ヶ岳から蓬莱山への山稜が
正面に見えた。
ここからイチゴ谷山、経ヶ岳、三国岳へと続く稜線は高島トレイルの末端になっているのだろうか。朽木村と
高島町、安曇川町、今津町、マキノ町が合併しなければ、高島トレイルなるものも成立しなかったはずである。
尾根上にはたまに目を引く巨木があるが、まとまったブナ林があるわけでもなく、ちょっと魅力に欠ける。
アップダウンが多いし、今日はとにかく暑い。まだ4月だというのに各地で真夏日の予想が出ている。
坦々と歩いて三国岳の山頂に到着。この山頂も平凡でメシを食う気にもならない。第一、日陰がない。
大谷源頭へ下りてランチタイムを楽しもう。由良川源流の大谷は実にいい谷で2回遡行している。滝は数えるほ
どしかないのだが、とにかく流れと樹林が美しいのだ。その折りに見た源頭部のゆったりとした風景が頭に残っ
ていた。自分にとっては三国岳イコール大谷源頭というイメージがある。
久しぶりに見る大谷源頭は変わらず美しかった。ブナやミズナラの大木が立ち、バイケイソウの鮮やかな緑が
谷底を飾っている。これで少しぐらい水が流れていれば完璧なのだが、残念ながら水流は絶えていた。
しかしわずかに残った猫の額ほどの残雪でビールを冷やせたのはラッキーだった。
日陰に腰を降ろすと、頬を撫でる微風が心地よい。こんな陽気ならラーメンではなくざるそばにすれば良かった。
食後は山頂まで戻るだけでも息も絶え絶えだ。このまま岩屋谷へ下りてしまおうかと真剣に考えた。この登山
道もいい雰囲気だった記憶があるし、特に天狗峠まで行かなければならない理由も見つからない。
気持ちはほとんど岩屋谷へ向いていたが、足は天狗峠への尾根に踏み出していた。この稜線も今までと大差な
く、平凡な印象を受ける。植林が入っていなくても北山は杉が多く、ブナ必須の自分とは相いれない部分がある
のは仕方がない。そして同じようにアップダウンがじわじわと効いてきた。
一旦下って天狗峠へ最後の急登に喘ぐ。ここには見事な台杉があり、もう終わったように見えたイワウチワが
満開だ。加えてシャクナゲも鮮やかなピンクで咲き誇り、おまけのつもりで足を延ばしたのに今日一番のいいと
ころに思えたのは皮肉なものだ。
そろそろいい時間になってきた。下山は以前登ったことのある滝谷を下降するつもりだった。登山靴で登った
ので難所はないはずだが、鞍部からの下りを見るとどうも気が乗らない。意を決して登り返したピークからの尾
根はビッシリとヤブに覆われていた。それなら936mピーク手前まで戻って東への尾根を辿る方が安全で早そう
である。なぜならさっき通った時に「久多」と書いた標識があったからだ。戻ると言っても距離的に遠回りにな
るわけではないので確実な方を選ぼう、と自分らしくない選択をしてみる。
久多への尾根は明瞭で快適。これなら谷をもぞもぞと下るより早いだろう。戻って正解だった。
最後は思惑と反対に、北向きの尾根に入り、しかも左の谷へ下りて行った。この谷へ下る道がまたよく整備され
ており、今日一日の中で一番登山道らしい、いい道だった。
不思議に思いながら谷へ下ると立派な小屋が見えた。京都府立大の小屋だ。ここは岩屋谷の三国岳への登山口。
林道の終点である。これで立派な道の謎が解けた。ここは京都府立大の演習林で、さっきの道は演習林内の歩道
だったのだ。なるほど、これでスッキリした。
後は岩屋谷の美しい流れを見ながらのんびり歩くだけだ。
山日和
【山 域】京都北山 三国岳周辺
【天 候】晴れ
【コース】久多上ノ町市後谷出合7:51--9:18 P909m 9:33---9:57イチゴ谷山---10:41経ヶ岳---12:04三国岳13:51
---15:34天狗峠15:49---16:27 P936南分岐---17:10京都府大小屋---17:40駐車地
今シーズンはたくさん雪が降ったわりに融けるのが早い。高い交通費をかけて遠征して現地でガッカリする
のは避けたいところだ。頭を切り替えて雪山モードから抜ける方がいいかもしれない。
ここ10数年、4月に入って一度も雪山を歩かないのは記憶がない。
というわけで選んだのは京都北山である。歩いたことのないイチゴ谷山から経ヶ岳、三国岳の尾根を辿り、
天狗峠(天狗岳)まで足を延ばすとしよう。
久多の集落を訪れるのは10数年ぶりだ。最近は市町村合併でとんでもない山の中が市内になっていたりする
のだが、この山深い里は昔から京都市内である。高校時代の合宿でコウンド谷から天狗峠を目指して、ヤブの
キツさに敗退した思い出がある。
イチゴ谷山とは可愛らしい名前だが、昔イチゴがよく採れたので付けられた・・・というわけではない。
尾根の取付きに「市後谷」の標識があったので山名の由来がわかった。
激登りの尾根の末端をクリアすればあとは比較的緩い尾根が続く。可もなく不可もない平凡な林相である。
登り着いた稜線は京都と滋賀の県境の909mピークだ。比良方面の展望が良く、武奈ヶ岳から蓬莱山への山稜が
正面に見えた。
ここからイチゴ谷山、経ヶ岳、三国岳へと続く稜線は高島トレイルの末端になっているのだろうか。朽木村と
高島町、安曇川町、今津町、マキノ町が合併しなければ、高島トレイルなるものも成立しなかったはずである。
尾根上にはたまに目を引く巨木があるが、まとまったブナ林があるわけでもなく、ちょっと魅力に欠ける。
アップダウンが多いし、今日はとにかく暑い。まだ4月だというのに各地で真夏日の予想が出ている。
坦々と歩いて三国岳の山頂に到着。この山頂も平凡でメシを食う気にもならない。第一、日陰がない。
大谷源頭へ下りてランチタイムを楽しもう。由良川源流の大谷は実にいい谷で2回遡行している。滝は数えるほ
どしかないのだが、とにかく流れと樹林が美しいのだ。その折りに見た源頭部のゆったりとした風景が頭に残っ
ていた。自分にとっては三国岳イコール大谷源頭というイメージがある。
久しぶりに見る大谷源頭は変わらず美しかった。ブナやミズナラの大木が立ち、バイケイソウの鮮やかな緑が
谷底を飾っている。これで少しぐらい水が流れていれば完璧なのだが、残念ながら水流は絶えていた。
しかしわずかに残った猫の額ほどの残雪でビールを冷やせたのはラッキーだった。
日陰に腰を降ろすと、頬を撫でる微風が心地よい。こんな陽気ならラーメンではなくざるそばにすれば良かった。
食後は山頂まで戻るだけでも息も絶え絶えだ。このまま岩屋谷へ下りてしまおうかと真剣に考えた。この登山
道もいい雰囲気だった記憶があるし、特に天狗峠まで行かなければならない理由も見つからない。
気持ちはほとんど岩屋谷へ向いていたが、足は天狗峠への尾根に踏み出していた。この稜線も今までと大差な
く、平凡な印象を受ける。植林が入っていなくても北山は杉が多く、ブナ必須の自分とは相いれない部分がある
のは仕方がない。そして同じようにアップダウンがじわじわと効いてきた。
一旦下って天狗峠へ最後の急登に喘ぐ。ここには見事な台杉があり、もう終わったように見えたイワウチワが
満開だ。加えてシャクナゲも鮮やかなピンクで咲き誇り、おまけのつもりで足を延ばしたのに今日一番のいいと
ころに思えたのは皮肉なものだ。
そろそろいい時間になってきた。下山は以前登ったことのある滝谷を下降するつもりだった。登山靴で登った
ので難所はないはずだが、鞍部からの下りを見るとどうも気が乗らない。意を決して登り返したピークからの尾
根はビッシリとヤブに覆われていた。それなら936mピーク手前まで戻って東への尾根を辿る方が安全で早そう
である。なぜならさっき通った時に「久多」と書いた標識があったからだ。戻ると言っても距離的に遠回りにな
るわけではないので確実な方を選ぼう、と自分らしくない選択をしてみる。
久多への尾根は明瞭で快適。これなら谷をもぞもぞと下るより早いだろう。戻って正解だった。
最後は思惑と反対に、北向きの尾根に入り、しかも左の谷へ下りて行った。この谷へ下る道がまたよく整備され
ており、今日一日の中で一番登山道らしい、いい道だった。
不思議に思いながら谷へ下ると立派な小屋が見えた。京都府立大の小屋だ。ここは岩屋谷の三国岳への登山口。
林道の終点である。これで立派な道の謎が解けた。ここは京都府立大の演習林で、さっきの道は演習林内の歩道
だったのだ。なるほど、これでスッキリした。
後は岩屋谷の美しい流れを見ながらのんびり歩くだけだ。
山日和