【台高・沢登り】ゴルジュと大滝がコンパクトに詰まった谷 大河内川瀬場谷
Posted: 2018年4月24日(火) 06:07
旧海山町の谷としては小木森滝のかかる小木森谷や八町滝がかかる真砂谷に較べやや知名度は低いが、大河内川瀬場谷も40mクラスの大滝2本がかかる谷として、「関西起点沢登りルート100」に紹介されている。一度は行って見たいと思っていたのだが、単独で行くには敷居が高く、長いこと躊躇していた。今回、いつもの沢仲間を誘ったところ、えっちゃんが付き合ってくれるというので出かけることにした。
【 日 付 】2018年4月22(日) 【 山 域 】台高南部
【メンバー】えっちゃん、シュークリーム 【 天 候 】快晴 【 ルート 】大郷谷出会い 7:52 --- 7:59 入渓 --- 8:35 最初の連瀑帯 --- 9:36 2番目の連瀑帯 --- 9:50 オイマ滝 --- 11:03 オイマ滝落ち口 --- 11:18 40m滝(昼食)12:00 --- 12:36 40m滝落ち口 --- 13:33 廃林道 --- 15:12 駐車地
高速を海山ICで降り、船津駅近くの国道42号線両郷橋北を左折し、県道603号線をしばらく走ると瀬場谷が出会うので、ここを右折し、大郷谷との出会い付近に車を止める。どんな山の中かと想像していたが、県道603号線はきれいに舗装されており、アクセスの容易な谷だった。
橋から見る瀬場谷は澄んだ水が美しい、おとなしげな沢で、この奥にあのようなゴルジュにかかる連瀑と大滝が潜んでいるとは想像もできない。まさに羊の皮を被った狼のような谷だった。 車止めを超えて沢沿いに500mほども歩くと堰堤があるので、この上から入渓する。しばらくは伏流になっている。澄んだ水が印象的で、えっちゃんはこんな癒し系の沢も好きだという。しばらくはなんの変哲も無いゴーロが続き、ゴーロ歩きにやや飽きてきた頃、谷が右折したあたりに何かが潜んでいるような気配。「なんかありそうだね」と私。 右折すると期待通り最初の滝が出てきた。取り付けば直登できそうだが、取り付くためには泳ぐ必要がありそうだ。まだ朝イチだし、泳ぐのはためらわれたので、少し戻った右岸ルンゼから巻くことにする。この巻きが意外に渋く、ルートを探すうちに上へ上へと追いやられる。 確保する必要がある切り立ったピンポイント。自分は岩の隙間にカムを噛ませて突破し、えっちゃんにはカムプラス立木にスリングを巻いて、二重の確保をして通過してもらう。何といっても、嫁入り前の娘さんに傷をつけるわけにはいかない。なんてことを言いながら、えっちゃんの沢歴は私より長いのだ。私でもビビるような斜面を笑顔で通過してしまう筋金入りの沢ガールなのでそんな忖度は必要ないのかもしれないが。
最初の連瀑帯をまとめて巻き、最後の6m滝の巻き。
「ここ行けそうなんだけど、蛇がいるのよね」とえっちゃん。
見ると確かに手を伸ばしたあたりに小さな蛇が休息中である。毒ヘビではなさそうなので、脅かすと逃げていくだろうと思い、尻尾をつまんでやると怒ったようで、頭部をS字状に曲げて攻撃態勢を取ってきた。こんなところで蛇と喧嘩していてもしょうがないので、別のルートをとる。結局、第一連瀑帯は全部まとめて巻いてしまった。 この後は、台高の谷らしく大岩が連続する。コースを考えながら岩間滝を突破していくのはそれなりに面白い。そんなことをしているうちに第二の連瀑帯に到着する。ここも直登できそうにないので、左岸を巻いていく。最後の8m滝の滝下に降り、今度は右岸を巻いて突破する。この巻きも一筋縄ではいかない。いかにも台高らしい。 第二連瀑帯を突破し、右折するといきなりオイマ滝2段30mの登場である。昔、オイマという女性が身投げした滝らしい。滝下でしばし大滝鑑賞。うまく写真を撮りたいが、日が当たっている上半分が白飛びしてしまい。いい写真にならない。 左岸を巻き登ることにする。木は生えているが、傾斜が強く、落ちるとタダでは済まない。ロープを出し、二人で交互にトップを変わりながら尺取り虫方式で3ピッチで上まで登る。巻き終わって降りると落ち口にピンポイントで降りることができた。
「40m滝で休みましょう」とえっちゃん。「はい」。
40m滝はすぐだった。全体に日があたり、明るくいい滝だ。中段まで登ったあたりで昼食にする。谷の中はちょうどいい温度だが、日が当たると暖かい。あまりに気持ちがいいので、うとうとしてしまいそうだ。 「この滝、登れそうだね」と私。ただし、カムを使えそうなスリットがないので、ハーケンを使うしかない。今日はハーケンを持ってきていないので却下。帰宅して調べて見るとやっぱり「わらじの会」の人たちが直登していた。
40m滝も左岸を巻き登るが、傾斜がきついので、ここもロープを出す。2ピッチで上がることができた。
40m滝の上は源流の雰囲気だ。少し上の植林小屋跡を越えたあたりの二俣を左俣に入り、林道を目指す。林道近くになると廃タイヤがゴロゴロと落ちている。誰かが不法投棄したんだろうかと考えていると、廃林道に廃タイヤで作られた堰堤があった。「これがあのタイヤのもとかあ」。 廃林道を歩いているとあちこちに崩れた廃タイヤ製の堰堤があった。
「こんな廃タイヤの堰堤なんて崩れるに決まってるじゃないか」
おそらく合法的に不法投棄したものではないのか。
林道の途中で林道をショートカットしようと斜面を降りると、最後が猛烈なシダ漕ぎになった。シダ漕ぎが終わると林道へ降りるのに懸垂下降。最後まで楽しませてくれる谷だった。
「濃い谷をありがとうございました」とえっちゃん。台高の谷、侮りがたし。
【 日 付 】2018年4月22(日) 【 山 域 】台高南部
【メンバー】えっちゃん、シュークリーム 【 天 候 】快晴 【 ルート 】大郷谷出会い 7:52 --- 7:59 入渓 --- 8:35 最初の連瀑帯 --- 9:36 2番目の連瀑帯 --- 9:50 オイマ滝 --- 11:03 オイマ滝落ち口 --- 11:18 40m滝(昼食)12:00 --- 12:36 40m滝落ち口 --- 13:33 廃林道 --- 15:12 駐車地
高速を海山ICで降り、船津駅近くの国道42号線両郷橋北を左折し、県道603号線をしばらく走ると瀬場谷が出会うので、ここを右折し、大郷谷との出会い付近に車を止める。どんな山の中かと想像していたが、県道603号線はきれいに舗装されており、アクセスの容易な谷だった。
橋から見る瀬場谷は澄んだ水が美しい、おとなしげな沢で、この奥にあのようなゴルジュにかかる連瀑と大滝が潜んでいるとは想像もできない。まさに羊の皮を被った狼のような谷だった。 車止めを超えて沢沿いに500mほども歩くと堰堤があるので、この上から入渓する。しばらくは伏流になっている。澄んだ水が印象的で、えっちゃんはこんな癒し系の沢も好きだという。しばらくはなんの変哲も無いゴーロが続き、ゴーロ歩きにやや飽きてきた頃、谷が右折したあたりに何かが潜んでいるような気配。「なんかありそうだね」と私。 右折すると期待通り最初の滝が出てきた。取り付けば直登できそうだが、取り付くためには泳ぐ必要がありそうだ。まだ朝イチだし、泳ぐのはためらわれたので、少し戻った右岸ルンゼから巻くことにする。この巻きが意外に渋く、ルートを探すうちに上へ上へと追いやられる。 確保する必要がある切り立ったピンポイント。自分は岩の隙間にカムを噛ませて突破し、えっちゃんにはカムプラス立木にスリングを巻いて、二重の確保をして通過してもらう。何といっても、嫁入り前の娘さんに傷をつけるわけにはいかない。なんてことを言いながら、えっちゃんの沢歴は私より長いのだ。私でもビビるような斜面を笑顔で通過してしまう筋金入りの沢ガールなのでそんな忖度は必要ないのかもしれないが。
最初の連瀑帯をまとめて巻き、最後の6m滝の巻き。
「ここ行けそうなんだけど、蛇がいるのよね」とえっちゃん。
見ると確かに手を伸ばしたあたりに小さな蛇が休息中である。毒ヘビではなさそうなので、脅かすと逃げていくだろうと思い、尻尾をつまんでやると怒ったようで、頭部をS字状に曲げて攻撃態勢を取ってきた。こんなところで蛇と喧嘩していてもしょうがないので、別のルートをとる。結局、第一連瀑帯は全部まとめて巻いてしまった。 この後は、台高の谷らしく大岩が連続する。コースを考えながら岩間滝を突破していくのはそれなりに面白い。そんなことをしているうちに第二の連瀑帯に到着する。ここも直登できそうにないので、左岸を巻いていく。最後の8m滝の滝下に降り、今度は右岸を巻いて突破する。この巻きも一筋縄ではいかない。いかにも台高らしい。 第二連瀑帯を突破し、右折するといきなりオイマ滝2段30mの登場である。昔、オイマという女性が身投げした滝らしい。滝下でしばし大滝鑑賞。うまく写真を撮りたいが、日が当たっている上半分が白飛びしてしまい。いい写真にならない。 左岸を巻き登ることにする。木は生えているが、傾斜が強く、落ちるとタダでは済まない。ロープを出し、二人で交互にトップを変わりながら尺取り虫方式で3ピッチで上まで登る。巻き終わって降りると落ち口にピンポイントで降りることができた。
「40m滝で休みましょう」とえっちゃん。「はい」。
40m滝はすぐだった。全体に日があたり、明るくいい滝だ。中段まで登ったあたりで昼食にする。谷の中はちょうどいい温度だが、日が当たると暖かい。あまりに気持ちがいいので、うとうとしてしまいそうだ。 「この滝、登れそうだね」と私。ただし、カムを使えそうなスリットがないので、ハーケンを使うしかない。今日はハーケンを持ってきていないので却下。帰宅して調べて見るとやっぱり「わらじの会」の人たちが直登していた。
40m滝も左岸を巻き登るが、傾斜がきついので、ここもロープを出す。2ピッチで上がることができた。
40m滝の上は源流の雰囲気だ。少し上の植林小屋跡を越えたあたりの二俣を左俣に入り、林道を目指す。林道近くになると廃タイヤがゴロゴロと落ちている。誰かが不法投棄したんだろうかと考えていると、廃林道に廃タイヤで作られた堰堤があった。「これがあのタイヤのもとかあ」。 廃林道を歩いているとあちこちに崩れた廃タイヤ製の堰堤があった。
「こんな廃タイヤの堰堤なんて崩れるに決まってるじゃないか」
おそらく合法的に不法投棄したものではないのか。
林道の途中で林道をショートカットしようと斜面を降りると、最後が猛烈なシダ漕ぎになった。シダ漕ぎが終わると林道へ降りるのに懸垂下降。最後まで楽しませてくれる谷だった。
「濃い谷をありがとうございました」とえっちゃん。台高の谷、侮りがたし。