【南紀・沢登り】関西有数規模のナメを見に 白見谷第二支流
Posted: 2018年4月06日(金) 17:43
3月末で退職したのだが、事情があって相変わらず旧職場に出勤する毎日が続いている。むしろ退職前よりも忙しくなったような。まあ、もともと仕事と趣味との境界が限り無く曖昧な職業だったので、仕事の部分がなくなって趣味の部分のみが残ったと考えれば悪いことではない。無給の分、身体の自由度はあるので、天気予報を見ながら気楽に平日登山を楽しもうと思っている。
南紀の沢ももう大分行き尽くした感はあるのだが、白見谷第二支流に関西有数規模のナメがあるという。行ったことがないので一度は見学に行ってこようと思い、暖かな木曜日に出かけることにした。
【 日 付 】2018年4月5日(木)
【 山 域 】南紀・熊野川流域
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れのち曇り
【 ルート 】国道脇駐車地 7:09 --- 7:57 第一支流出会い --- 8:13 第二支流出会い --- 9:10 ナメ帯下部 --- 10:30 白見山 11:25 --- 11:46 下山尾根分岐 --- 12:50第一支流出会い --- 13:25 駐車地
4時半に自宅を出発し、2時間で新宮に到着。「すきや」で朝食を摂ろうと車を止めた途端、「あれ、財布がない 」。お金を持ってくるのを忘れたのだ。朝食はおろか、お昼のおにぎりを買うお金もない。一瞬、「このまま撤退 」の文字もちらつく。いやいや、「行動食と非常食は持っているので、これでなんとかなるだろう」と思い、このまま進むことにする。降りてくるまでお腹が持てばいいけど。
白見滝の近くの国道168号線脇のスペースに車を止めてふと見ると、熊野川の土手にタラの木の集団があるじゃないの。しかしよく見るともう新芽がすっかり大きくなっているし。収穫期はしっかり過ぎてしまっている。これじゃ来週の山菜闇天もタラの芽なしかな?腹の足しにナッツ類を少しかじって出発。
白見谷は2011年の水害で大きな被害を受けた谷の一つで、観光名所であった白見滝も押し流された巨岩で埋まってしまった。しかし、固い岩盤でできた白見滝そのものは頑健で、岩を除去することでよみがえった。
沢登りのゲレンデとして有名だった白見谷第一支流は無傷で、昔のままの美しいナメも健在だ。白見谷に入るのはこれで3回目。うち2回は第一支流に入ったのだが、関西有数規模のナメがあるという第二支流はまだ未踏だ。
駐車地近くから白見谷への山道を入る。過去2回往復しているのでもう迷わないかと思ったらまた道に迷った。どうも過去の記憶などあてにならない。白見谷沿いにしっかりした杣道が通っているのだが、枝谷ごとに寸断されてしまっている。それでも、送電線が通っているので巡視路として整備され、それほど悪くはない。山抜け箇所を抜けると昔通りの杣道となり、歩きやすくなった。
第一支流出会いまで約50分。今日はそのまま通り過ぎて第二支流まで行く。第二支流出会いには昔の造林小屋があったらしいが気が付かなかった。第二支流に入ってしばらくは何の変哲もないゴーロ帯。左岸は植林、右岸は広葉樹の二次林だ。常緑樹が多いので、この時期でも薄暗い。日頃奥美濃の沢を登っている兎夢さんなどには薄暗くて違和感があるだろう。でも、まあ、南紀の沢には南紀の沢の良さがある。 単調なゴーロ帯であってもやっぱり沢歩きは楽しい。と言いながらも、あまりにもゴーロ帯が長く続くので、第二支流のナメも水害で壊滅したのかとやや不安になってきた頃、標高650m付近でようやくナメが現れた。その上は山頂まで突き抜ける大規模なナメ帯だ。熊野から南紀にかけての沢にはナメが多いが、これだけ横幅があって明るいナメはそう滅多にあるものではない。幅広のナメが天空に突き上げている様は有名な米子沢に似ているような(といっても、米子沢に行ったことはないのだが)。 惜しむらくは斜度があるので、ルンルン気分でナメ歩きというわけにはいかない。フリクションがいいのと、若干の凹凸があるので登れるのだが、フリクションが悪ければ怖くて登る気にならない。 標高750mあたりの二俣。左俣は頂上直下のガレに消えている。右俣も斜度がきつくて登れそうにないので、中間尾根に逃げる。そのまま150mほどの標高差を登ると稜線の杣道に出た。白見山の頂上はすぐそこ。 まだ時間も早いのでゆっくりしたいところだが、食べ物がない。長いことザックに入れっぱなしの干し柿を出すと、糖分が溶けてぬるぬるになっている。おそらく、糖分を資化する酵母の類が繁殖しているのだろう。まあ、たんぱく質を資化する細菌ほどは危険ではないだろうと判断し、気にせず食べることにする。今までなんの異常もないところを見ると判断は正しかったようだ。
食料は持ってこなかったが、忘れずに持ってきた文庫本を読んでいると、風が出て寒くなってきたので、下山することにする。第一支流と第二支流の中間尾根を下る。この尾根にはよく整備された杣道があり、昔人の杣道らしく、ピークを絶妙にはずしながらほぼ等斜度で降っているので、歩きやすい。白見山からほぼ2時間で下山することができた。お風呂に入るお金もないので、そのまま自宅に直帰する。
南紀の沢ももう大分行き尽くした感はあるのだが、白見谷第二支流に関西有数規模のナメがあるという。行ったことがないので一度は見学に行ってこようと思い、暖かな木曜日に出かけることにした。
【 日 付 】2018年4月5日(木)
【 山 域 】南紀・熊野川流域
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れのち曇り
【 ルート 】国道脇駐車地 7:09 --- 7:57 第一支流出会い --- 8:13 第二支流出会い --- 9:10 ナメ帯下部 --- 10:30 白見山 11:25 --- 11:46 下山尾根分岐 --- 12:50第一支流出会い --- 13:25 駐車地
4時半に自宅を出発し、2時間で新宮に到着。「すきや」で朝食を摂ろうと車を止めた途端、「あれ、財布がない 」。お金を持ってくるのを忘れたのだ。朝食はおろか、お昼のおにぎりを買うお金もない。一瞬、「このまま撤退 」の文字もちらつく。いやいや、「行動食と非常食は持っているので、これでなんとかなるだろう」と思い、このまま進むことにする。降りてくるまでお腹が持てばいいけど。
白見滝の近くの国道168号線脇のスペースに車を止めてふと見ると、熊野川の土手にタラの木の集団があるじゃないの。しかしよく見るともう新芽がすっかり大きくなっているし。収穫期はしっかり過ぎてしまっている。これじゃ来週の山菜闇天もタラの芽なしかな?腹の足しにナッツ類を少しかじって出発。
白見谷は2011年の水害で大きな被害を受けた谷の一つで、観光名所であった白見滝も押し流された巨岩で埋まってしまった。しかし、固い岩盤でできた白見滝そのものは頑健で、岩を除去することでよみがえった。
沢登りのゲレンデとして有名だった白見谷第一支流は無傷で、昔のままの美しいナメも健在だ。白見谷に入るのはこれで3回目。うち2回は第一支流に入ったのだが、関西有数規模のナメがあるという第二支流はまだ未踏だ。
駐車地近くから白見谷への山道を入る。過去2回往復しているのでもう迷わないかと思ったらまた道に迷った。どうも過去の記憶などあてにならない。白見谷沿いにしっかりした杣道が通っているのだが、枝谷ごとに寸断されてしまっている。それでも、送電線が通っているので巡視路として整備され、それほど悪くはない。山抜け箇所を抜けると昔通りの杣道となり、歩きやすくなった。
第一支流出会いまで約50分。今日はそのまま通り過ぎて第二支流まで行く。第二支流出会いには昔の造林小屋があったらしいが気が付かなかった。第二支流に入ってしばらくは何の変哲もないゴーロ帯。左岸は植林、右岸は広葉樹の二次林だ。常緑樹が多いので、この時期でも薄暗い。日頃奥美濃の沢を登っている兎夢さんなどには薄暗くて違和感があるだろう。でも、まあ、南紀の沢には南紀の沢の良さがある。 単調なゴーロ帯であってもやっぱり沢歩きは楽しい。と言いながらも、あまりにもゴーロ帯が長く続くので、第二支流のナメも水害で壊滅したのかとやや不安になってきた頃、標高650m付近でようやくナメが現れた。その上は山頂まで突き抜ける大規模なナメ帯だ。熊野から南紀にかけての沢にはナメが多いが、これだけ横幅があって明るいナメはそう滅多にあるものではない。幅広のナメが天空に突き上げている様は有名な米子沢に似ているような(といっても、米子沢に行ったことはないのだが)。 惜しむらくは斜度があるので、ルンルン気分でナメ歩きというわけにはいかない。フリクションがいいのと、若干の凹凸があるので登れるのだが、フリクションが悪ければ怖くて登る気にならない。 標高750mあたりの二俣。左俣は頂上直下のガレに消えている。右俣も斜度がきつくて登れそうにないので、中間尾根に逃げる。そのまま150mほどの標高差を登ると稜線の杣道に出た。白見山の頂上はすぐそこ。 まだ時間も早いのでゆっくりしたいところだが、食べ物がない。長いことザックに入れっぱなしの干し柿を出すと、糖分が溶けてぬるぬるになっている。おそらく、糖分を資化する酵母の類が繁殖しているのだろう。まあ、たんぱく質を資化する細菌ほどは危険ではないだろうと判断し、気にせず食べることにする。今までなんの異常もないところを見ると判断は正しかったようだ。
食料は持ってこなかったが、忘れずに持ってきた文庫本を読んでいると、風が出て寒くなってきたので、下山することにする。第一支流と第二支流の中間尾根を下る。この尾根にはよく整備された杣道があり、昔人の杣道らしく、ピークを絶妙にはずしながらほぼ等斜度で降っているので、歩きやすい。白見山からほぼ2時間で下山することができた。お風呂に入るお金もないので、そのまま自宅に直帰する。