【奥越】大谷山 de ちょっとだけよ(^^;;
Posted: 2018年3月17日(土) 17:33
【日 付】 2018/3/14(水)
【山域山名】 奥越/ 大谷山 (福井県大野市)
【地形図】(1/25000)越前朝日
【メンバー】 単独
【天 候】 曇り時々晴れ
【ルート】 箱ヶ瀬トンネル南口駐車地ca620m 10:00---ca730mのコバ11:00/11:20
---ca870m林道出合(昼食地)12:20/14:10---駐車地15:10
■■■本レポート使用上のご注意■■■
洞吹(どうすい)の「ちょっとだけよシリーズ」第2弾!
“大谷山deちょっとだけよ(^^;;” へようこそ。
えっと、賢明なかたは、タイトルをご覧になってもうお気付きのことでしょう。
そうです。
いつものヤツです。
理由にもならない理由はあるにせよ、
ちょっとだけ登って途中で引き返してきた山なんぞ、ほとんど書くことがないのだけど、
久し振りに生存証明を兼ねての投稿です。
そういうわけで、
このレポートの80%は「どうでもええ話」になっているので、予めご了承願います。
■■■そうだ、山へ行こう!■■■
諸事情もあり、しばらく山に行ってなかったので、今シーズンはまだ雪の上に乗っていない。
寒いのが好きなワシでも寒かった冬が終わり、山はもう早春の気配を見せているのだろう。
ここらへんで、どこかの山に行っておこうじゃないの。
福井県奥越地域、九頭龍湖から九頭龍川の源流域にかけての南北両岸沿いに、
地形図には全く名が無いが、1000m~1300mクラスの三角点の山々が点在している。
以前から興味のある山域で、
5年前の1月に、山域の北東部にある野田ヶ大和(のだがたわ)と鮭ヶ洞に登ったが、
とても素晴らしい山だった。
今回は、その近辺で他の山に登ってみたいが、
久し振りの山登りだから、あんまり急傾斜のしんどい山はゴメンだな。
楽に登れて、ブナ林があって、たっぷりの雪で遊べる山。
こんな都合のいい山を探してネットをあちこち見ていると、
愛知県のレイさんのサイトに2015年3月の大谷山の記録があって、
写真もきれいし、なにやらよさげだったので、ここにしようと思う。
それで、その「大谷山」はどこにあるのかというと、
九頭龍ダムから国道158号線を油坂峠に向かって5kmほど東進すると、
地形図に「箱ヶ瀬隧道」と書かれたトンネルを通るが、
このトンネルの南口から取り付いて、690m標高点、910m標高点のある尾根を登ると、
一番高くなったところにある1160.9m三角点峰が大谷山だ。
さあ、ザックの準備だ。
しかし、しばらく雪山へ行ってないので、あれがない、これはどこだ? と、
道具をそろえるのに時間のかかること。
2年前の虎子山スノー衆以来使っていないガスコンロも、ちゃんと点火することを確認した。
これが使えないと、うどん鍋が食べられないからね。
■■■越の国へ向かって■■■
それでは出発いたしましょう。
話しは、山登りの前日(3/13)に地元大阪を発つところから始まります。
3/13(火)、朝にあった家の用事を済ませて、午前10時に家を出た。
吹田ICから名神高速に乗り、京都東ICでおりる。
今日は高速代節約のため、ここから九頭龍湖まで下道を走っていく。
思えば昔、二十歳の学生時代は、大阪から徹夜でずっと下道を走り、
翌日、岐阜県・長野県・群馬県・栃木県などの林道を一日走り回って、
またもう一晩徹夜で下道を帰ってくるというようなことを繰り返していたものだが、
会社勤めをするようになると、やむなくお金で時間を買う高速道路を多用するようになっていた。
勤めをリタイヤした今は、「お金はないが、時間だけはたっぷりある。」ということなので、
ゆっくりとドライブ旅を楽しみながら、山に向かう。
■■■懸案事項発生(その1)■■■
まずは湖西道路~国道161号で敦賀へ。
この途中でえらい忘れ物に気が付いた。
今日は朝から20度近いポカポカ陽気のため薄着になっていたので、
上に着る厚手のジャケットをうっかり積み忘れて、薄着のまま出てきてしまったのだ。
いくら昼間は暖かいとはいえ、まだ3月の奥越の夜は冷えるのに。
もうどうしようもないが、他に薄物を積んであったので重ね着で耐えることにして、
寝るのは、マイナス20度対応の冬用シュラフを積んでいるので大丈夫だ。
敦賀から476号木の芽トンネル~365号で武生。 その先、県道で今立経由、一乗谷へ。
そこで、県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館を見学する。
ワシは、歴史博物館とか民俗資料館とかがあると、つい入りたくなるのだ。
ついでに近くのJR一乗谷駅(無人駅)を撮影して、158号旧道で越前大野に入ったのは16:30頃。
大阪から230km、途中の食事・休憩・見学などを除くと、実走時間は4時間20分だった。
今回は、福井県内で山手の県道や曲がりくねった旧国道を走っているので、
幹線国道を走れば、もう少し短い時間で着けるのだろう。
■■■懸案事項発生(その2)■■■
大野市街に入ったとき、国道の脇に立てられた看板がチラッと目に入った。
「全面通行止 中休~下山」
???
一瞬のことなので詳細はわからないが、確かにそう書いてあった。
下山(しもやま)というと、これから進む九頭龍湖の手前にある集落だ。
ウソやろー、天下の幹線国道が全面通行止め?
中休(なかやすみ)は大野市街を抜けてすぐのところなので、
確認のため、とりあえず中休まで行ってみることにする。
中休の交差点まで来ると、案の定、自分が進む車線上に「全面通行止」の立て看板があり、
土木事務所の軽トラが止まっているが、人はいない。
対向車線は通れるので、立て看板を避けて前進する。
すぐ先、蕨生(わらびょう)の県道交差点で、
ついに、大々的なバリケードと何枚もの「全面通行止」の立て看板が立ち並び、
若い係員がニンジンを振っている。
洞「九頭龍湖のほうに行けないの?」
係「大きい雪崩れがあって通れません。」
洞「いつ頃開通するの?」
係「作業はしてるんですが、まだずってきてるので、ちょっとわからないです。」
洞「困ったなあ。」
係「迂回路は……」
洞「ん? 迂回路は?」
係「高速で米原・岐阜を回るしか……」
洞「#$%&△:@?」
さあ困った。どうしよう。
とりあえず、行きつけの蕎麦屋でおろし蕎麦を食いながら考えることにする。
蕎麦屋の奥さんの話しでは、
「先週の金曜日に通行止めになって、
すぐに通れるようになると思ってたのに、まだ通れないんですよ。
仏原のスノーシェッドの前後で2か所、雪崩れたらしくて。
和泉(九頭龍湖周辺の旧村名)の人たちも困ってるみたい。
JRだけは走ってるので、一日2本、臨時増発してるらしいけど、
2本くらいじゃ役に立たないよねえ。」だって。
大谷山はあきらめて転進するしかないかな。
転進先は谷峠のほうか、真名川ダムのほうか、いろいろ考えるものの、
季節的に道路開通が限られているし、
楽に登れて、ブナ林があって、たっぷりの雪で遊べる山が考えつかず、
モッカ谷山あたりで遊んでこようかなと思いながら、予定外の車泊地で眠りについた。
■■■いざ、九頭龍湖へ?■■■
3/14(水)の朝、よく晴れている。
朝食を食べながらも、まだ大谷山を諦めきれず、
8時頃、ダメ元でもう一度158号を見に行ってみると、なんと通行止めの立看板がない。
通れるようになったか……と進むと、
途中の電光掲示板に「中休~下山 夜間通行止 18時~翌7時」の表示が出ていた。
今朝7時から、昼間だけ通れるようになったようだ。
これなら、大谷山へ行ける。
国道の雪崩現場は仏原ダム湖にかかる琴洞橋の手前の右斜面で、
仏御前の滝の駐車場前から琴洞橋の先までが片側交互通行になっていた。
現場にはダム湖側に大量のデブリを投棄した跡があり、
「雪崩発生地点につき停車禁止」の看板が立っている。
少し離れた橋の上では、いつ雪崩れてもすぐに交通を遮断できるよう、
国交省の道路パトロールカーが常駐して斜面の監視をしていた。
もっとも、雪崩は気温が上がれば消えるので、崖崩れよりは始末がしやすいかも。
そんなことで、登山口の箱ヶ瀬トンネル南口に着いたのは9:20。
ちょうど1台ぶんだけ、広めの駐車スペースが除雪されていた。
それにしても、ここの第一印象は、
「今年は大雪だったはずなのに、思ったより雪が少ないなあ。」
来る途中の道路わきの斜面の雪も、ちょっとショボかったし。
ネットにあった2年前の写真に比べて、3月中旬の同じ時期なのに、
今のほうが雪が明らかに少なくて、なんかモチベーションが下がってきた。
目の前の国道は、クルマがブンブンとひっきりなしに行き来してうるさいし。
あまり気が進まなくなってきたが、しかし、せっかくここまで来たんだから、
せめて雪の上でうどん鍋を食ってから帰ろうと重い腰をあげて、のろのろと支度をする。
■■■さあ登ろう■■■
それでも一応、山靴を履いてザックを背負うと、気分がシャキッとしてきた。
お待たせしました。 やっと山に登りますよー。
結局、登り始めは午前10時。
昼までに行けるところまで行って、適当なところで昼メシ食って帰るだよ。
さあ、亀登山の始まりです。
今日はカンカン照りで、気温もすごく上がるという天気予報だったが、
実際は曇りで、時々薄日が射す程度なので暑くもなく、
これなら太陽にジリジリ焼かれずに助かる。
雪もまあまあ締まっているので、スノーシューは背負ってツボ足で登る。
雪面に踏みだした足はほんの数センチだけ雪に沈み、もう春先の雪だ。
取り付きのトンネル上部は尾根ラインまで雪の大斜面になっていて、
帰りに尻セードしたら楽しそうだが、
重力に任せて最大傾斜線を滑り降りると、
トンネル入口の上から国道の真ん中へダイビングすることになるので、
ここで尻セードは、やらないほうがよさそうだ。
■懸案事項発生(その3)■■■
眼下の九頭龍湖に架かる赤い吊り橋の箱ヶ瀬橋を見ながら、
ゆるい尾根をトロトロと登って行く。
左の斜面には、地形図にない林道が付いたり離れたりしている。
途中、何度か雪面の踏み抜きもあったけど、
スノーシューでは直登しにくい斜面もあるので、ツボ足のまま進み、
ca730m、傾斜も緩んで、そろそろスノーシューにしようかな、
と思ったその時、ワシが見たものは……
まさかの 「ゆ ・ き ・ 切 ・ れ !」
雪のない植林の尾根を、スノーシュー担いでダブルストックで進む図は、漫画みたい。
モチベーションはだだ下がり。
■■■昼メシはまだか■■■
しばらく植林の雪無し尾根を我慢しながら、フニャラフニャラと進む。
40mほど高度を稼ぐと雪が復活し、やっと雪山らしくなってきた。
左は植林だが、右にブナ林が出てきて、だんだんよくなってきたぞ。
モチベーションもモチなおす、なんちゃって。
しかし、いかんせん洞吹の亀登山。
時間ばかり経つがいっこうに高度が上がらず、
正午を過ぎて腹も減ってきたところで、ca870mの林道に出合う。
なんぼなんでも、駐車地からの標高差250mに2時間て、かかり過ぎやろ、
と自分で突っ込んでみても、これが現実。
ああ、情けなや。
ここで初めて展望が開けた。
九頭龍湖を挟んだ正面には、
4日前に山日和さんが登ったという赤樽山と、その後ろに徳平山が見える。
赤樽山は、ここから見ると植林が目立っているが、
山日和さんの登った尾根は、見えている赤樽山の一番左奥の尾根なので、
その裏のほうは、まだ自然林が多く残っているのだろう。
この大谷山も、ここから上が真骨頂なのだろうが、そこは次回のお楽しみということにして、
洞吹本部の指令により、「本日はここまで!」を宣言。
ここでまったりするのよ。
ゆっくりとうどん鍋を食って、景色を眺めてボケーッとしてたら、
やっぱり山はええなあと思いながら、2時間なんてすぐに経つんだから。
そして時は流れ、14:10下山開始。
スノーシューは、今日一日ボッカ訓練の荷物になった。
駐車地に戻ると、相変わらず目の前を車がブンブン通ってうるさい。
大野に戻ってフロに入ると、
これから下道走って帰るには疲れたので、福井ICから高速に乗りました。
■■■命題■■■
復路は大野市~福井IC~吹田ICが240kmで、休憩時間除外の実走時間は2時間50分。
往路の下道利用4時間20分に比べて1時間30分短縮(35%短縮)になっているが、
高速料金は往路の1340円に比べ3780円増の5120円で、費用は3.8倍になる。
これを、下道を使うと1時間30分の運転アルバイトで賃金3780円を得ると考えれば、
なんと時間給2500円の高給取りになるが。
高速は楽で早いけど、この料金を高いと見るか、支払額相応の価値ありと見るか……。
しかし、現役時代には、
「リタイヤしたら、お金はないけど、時間だけはたっぷりある。」と思っていたのは大きな錯覚で、
この歳になってみると、実は、
「お金はないけど、人生に残された時間はもっとない。」というのが本当なのだと実感する。
だから、限りある時間の消費を抑えるため、
やっぱりお金で時間を買うという高速道路利用が正解なのか。
それより、こんな中身スカスカのレポートを書いてるほうが時間の無駄遣いとな?
うーん、悩ましい問題やな。
長々と駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
ほな、さいなら。
洞吹(どうすい)
【山域山名】 奥越/ 大谷山 (福井県大野市)
【地形図】(1/25000)越前朝日
【メンバー】 単独
【天 候】 曇り時々晴れ
【ルート】 箱ヶ瀬トンネル南口駐車地ca620m 10:00---ca730mのコバ11:00/11:20
---ca870m林道出合(昼食地)12:20/14:10---駐車地15:10
■■■本レポート使用上のご注意■■■
洞吹(どうすい)の「ちょっとだけよシリーズ」第2弾!
“大谷山deちょっとだけよ(^^;;” へようこそ。
えっと、賢明なかたは、タイトルをご覧になってもうお気付きのことでしょう。
そうです。
いつものヤツです。
理由にもならない理由はあるにせよ、
ちょっとだけ登って途中で引き返してきた山なんぞ、ほとんど書くことがないのだけど、
久し振りに生存証明を兼ねての投稿です。
そういうわけで、
このレポートの80%は「どうでもええ話」になっているので、予めご了承願います。
■■■そうだ、山へ行こう!■■■
諸事情もあり、しばらく山に行ってなかったので、今シーズンはまだ雪の上に乗っていない。
寒いのが好きなワシでも寒かった冬が終わり、山はもう早春の気配を見せているのだろう。
ここらへんで、どこかの山に行っておこうじゃないの。
福井県奥越地域、九頭龍湖から九頭龍川の源流域にかけての南北両岸沿いに、
地形図には全く名が無いが、1000m~1300mクラスの三角点の山々が点在している。
以前から興味のある山域で、
5年前の1月に、山域の北東部にある野田ヶ大和(のだがたわ)と鮭ヶ洞に登ったが、
とても素晴らしい山だった。
今回は、その近辺で他の山に登ってみたいが、
久し振りの山登りだから、あんまり急傾斜のしんどい山はゴメンだな。
楽に登れて、ブナ林があって、たっぷりの雪で遊べる山。
こんな都合のいい山を探してネットをあちこち見ていると、
愛知県のレイさんのサイトに2015年3月の大谷山の記録があって、
写真もきれいし、なにやらよさげだったので、ここにしようと思う。
それで、その「大谷山」はどこにあるのかというと、
九頭龍ダムから国道158号線を油坂峠に向かって5kmほど東進すると、
地形図に「箱ヶ瀬隧道」と書かれたトンネルを通るが、
このトンネルの南口から取り付いて、690m標高点、910m標高点のある尾根を登ると、
一番高くなったところにある1160.9m三角点峰が大谷山だ。
さあ、ザックの準備だ。
しかし、しばらく雪山へ行ってないので、あれがない、これはどこだ? と、
道具をそろえるのに時間のかかること。
2年前の虎子山スノー衆以来使っていないガスコンロも、ちゃんと点火することを確認した。
これが使えないと、うどん鍋が食べられないからね。
■■■越の国へ向かって■■■
それでは出発いたしましょう。
話しは、山登りの前日(3/13)に地元大阪を発つところから始まります。
3/13(火)、朝にあった家の用事を済ませて、午前10時に家を出た。
吹田ICから名神高速に乗り、京都東ICでおりる。
今日は高速代節約のため、ここから九頭龍湖まで下道を走っていく。
思えば昔、二十歳の学生時代は、大阪から徹夜でずっと下道を走り、
翌日、岐阜県・長野県・群馬県・栃木県などの林道を一日走り回って、
またもう一晩徹夜で下道を帰ってくるというようなことを繰り返していたものだが、
会社勤めをするようになると、やむなくお金で時間を買う高速道路を多用するようになっていた。
勤めをリタイヤした今は、「お金はないが、時間だけはたっぷりある。」ということなので、
ゆっくりとドライブ旅を楽しみながら、山に向かう。
■■■懸案事項発生(その1)■■■
まずは湖西道路~国道161号で敦賀へ。
この途中でえらい忘れ物に気が付いた。
今日は朝から20度近いポカポカ陽気のため薄着になっていたので、
上に着る厚手のジャケットをうっかり積み忘れて、薄着のまま出てきてしまったのだ。
いくら昼間は暖かいとはいえ、まだ3月の奥越の夜は冷えるのに。
もうどうしようもないが、他に薄物を積んであったので重ね着で耐えることにして、
寝るのは、マイナス20度対応の冬用シュラフを積んでいるので大丈夫だ。
敦賀から476号木の芽トンネル~365号で武生。 その先、県道で今立経由、一乗谷へ。
そこで、県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館を見学する。
ワシは、歴史博物館とか民俗資料館とかがあると、つい入りたくなるのだ。
ついでに近くのJR一乗谷駅(無人駅)を撮影して、158号旧道で越前大野に入ったのは16:30頃。
大阪から230km、途中の食事・休憩・見学などを除くと、実走時間は4時間20分だった。
今回は、福井県内で山手の県道や曲がりくねった旧国道を走っているので、
幹線国道を走れば、もう少し短い時間で着けるのだろう。
■■■懸案事項発生(その2)■■■
大野市街に入ったとき、国道の脇に立てられた看板がチラッと目に入った。
「全面通行止 中休~下山」
???
一瞬のことなので詳細はわからないが、確かにそう書いてあった。
下山(しもやま)というと、これから進む九頭龍湖の手前にある集落だ。
ウソやろー、天下の幹線国道が全面通行止め?
中休(なかやすみ)は大野市街を抜けてすぐのところなので、
確認のため、とりあえず中休まで行ってみることにする。
中休の交差点まで来ると、案の定、自分が進む車線上に「全面通行止」の立て看板があり、
土木事務所の軽トラが止まっているが、人はいない。
対向車線は通れるので、立て看板を避けて前進する。
すぐ先、蕨生(わらびょう)の県道交差点で、
ついに、大々的なバリケードと何枚もの「全面通行止」の立て看板が立ち並び、
若い係員がニンジンを振っている。
洞「九頭龍湖のほうに行けないの?」
係「大きい雪崩れがあって通れません。」
洞「いつ頃開通するの?」
係「作業はしてるんですが、まだずってきてるので、ちょっとわからないです。」
洞「困ったなあ。」
係「迂回路は……」
洞「ん? 迂回路は?」
係「高速で米原・岐阜を回るしか……」
洞「#$%&△:@?」
さあ困った。どうしよう。
とりあえず、行きつけの蕎麦屋でおろし蕎麦を食いながら考えることにする。
蕎麦屋の奥さんの話しでは、
「先週の金曜日に通行止めになって、
すぐに通れるようになると思ってたのに、まだ通れないんですよ。
仏原のスノーシェッドの前後で2か所、雪崩れたらしくて。
和泉(九頭龍湖周辺の旧村名)の人たちも困ってるみたい。
JRだけは走ってるので、一日2本、臨時増発してるらしいけど、
2本くらいじゃ役に立たないよねえ。」だって。
大谷山はあきらめて転進するしかないかな。
転進先は谷峠のほうか、真名川ダムのほうか、いろいろ考えるものの、
季節的に道路開通が限られているし、
楽に登れて、ブナ林があって、たっぷりの雪で遊べる山が考えつかず、
モッカ谷山あたりで遊んでこようかなと思いながら、予定外の車泊地で眠りについた。
■■■いざ、九頭龍湖へ?■■■
3/14(水)の朝、よく晴れている。
朝食を食べながらも、まだ大谷山を諦めきれず、
8時頃、ダメ元でもう一度158号を見に行ってみると、なんと通行止めの立看板がない。
通れるようになったか……と進むと、
途中の電光掲示板に「中休~下山 夜間通行止 18時~翌7時」の表示が出ていた。
今朝7時から、昼間だけ通れるようになったようだ。
これなら、大谷山へ行ける。
国道の雪崩現場は仏原ダム湖にかかる琴洞橋の手前の右斜面で、
仏御前の滝の駐車場前から琴洞橋の先までが片側交互通行になっていた。
現場にはダム湖側に大量のデブリを投棄した跡があり、
「雪崩発生地点につき停車禁止」の看板が立っている。
少し離れた橋の上では、いつ雪崩れてもすぐに交通を遮断できるよう、
国交省の道路パトロールカーが常駐して斜面の監視をしていた。
もっとも、雪崩は気温が上がれば消えるので、崖崩れよりは始末がしやすいかも。
そんなことで、登山口の箱ヶ瀬トンネル南口に着いたのは9:20。
ちょうど1台ぶんだけ、広めの駐車スペースが除雪されていた。
それにしても、ここの第一印象は、
「今年は大雪だったはずなのに、思ったより雪が少ないなあ。」
来る途中の道路わきの斜面の雪も、ちょっとショボかったし。
ネットにあった2年前の写真に比べて、3月中旬の同じ時期なのに、
今のほうが雪が明らかに少なくて、なんかモチベーションが下がってきた。
目の前の国道は、クルマがブンブンとひっきりなしに行き来してうるさいし。
あまり気が進まなくなってきたが、しかし、せっかくここまで来たんだから、
せめて雪の上でうどん鍋を食ってから帰ろうと重い腰をあげて、のろのろと支度をする。
■■■さあ登ろう■■■
それでも一応、山靴を履いてザックを背負うと、気分がシャキッとしてきた。
お待たせしました。 やっと山に登りますよー。
結局、登り始めは午前10時。
昼までに行けるところまで行って、適当なところで昼メシ食って帰るだよ。
さあ、亀登山の始まりです。
今日はカンカン照りで、気温もすごく上がるという天気予報だったが、
実際は曇りで、時々薄日が射す程度なので暑くもなく、
これなら太陽にジリジリ焼かれずに助かる。
雪もまあまあ締まっているので、スノーシューは背負ってツボ足で登る。
雪面に踏みだした足はほんの数センチだけ雪に沈み、もう春先の雪だ。
取り付きのトンネル上部は尾根ラインまで雪の大斜面になっていて、
帰りに尻セードしたら楽しそうだが、
重力に任せて最大傾斜線を滑り降りると、
トンネル入口の上から国道の真ん中へダイビングすることになるので、
ここで尻セードは、やらないほうがよさそうだ。
■懸案事項発生(その3)■■■
眼下の九頭龍湖に架かる赤い吊り橋の箱ヶ瀬橋を見ながら、
ゆるい尾根をトロトロと登って行く。
左の斜面には、地形図にない林道が付いたり離れたりしている。
途中、何度か雪面の踏み抜きもあったけど、
スノーシューでは直登しにくい斜面もあるので、ツボ足のまま進み、
ca730m、傾斜も緩んで、そろそろスノーシューにしようかな、
と思ったその時、ワシが見たものは……
まさかの 「ゆ ・ き ・ 切 ・ れ !」
雪のない植林の尾根を、スノーシュー担いでダブルストックで進む図は、漫画みたい。
モチベーションはだだ下がり。
■■■昼メシはまだか■■■
しばらく植林の雪無し尾根を我慢しながら、フニャラフニャラと進む。
40mほど高度を稼ぐと雪が復活し、やっと雪山らしくなってきた。
左は植林だが、右にブナ林が出てきて、だんだんよくなってきたぞ。
モチベーションもモチなおす、なんちゃって。
しかし、いかんせん洞吹の亀登山。
時間ばかり経つがいっこうに高度が上がらず、
正午を過ぎて腹も減ってきたところで、ca870mの林道に出合う。
なんぼなんでも、駐車地からの標高差250mに2時間て、かかり過ぎやろ、
と自分で突っ込んでみても、これが現実。
ああ、情けなや。
ここで初めて展望が開けた。
九頭龍湖を挟んだ正面には、
4日前に山日和さんが登ったという赤樽山と、その後ろに徳平山が見える。
赤樽山は、ここから見ると植林が目立っているが、
山日和さんの登った尾根は、見えている赤樽山の一番左奥の尾根なので、
その裏のほうは、まだ自然林が多く残っているのだろう。
この大谷山も、ここから上が真骨頂なのだろうが、そこは次回のお楽しみということにして、
洞吹本部の指令により、「本日はここまで!」を宣言。
ここでまったりするのよ。
ゆっくりとうどん鍋を食って、景色を眺めてボケーッとしてたら、
やっぱり山はええなあと思いながら、2時間なんてすぐに経つんだから。
そして時は流れ、14:10下山開始。
スノーシューは、今日一日ボッカ訓練の荷物になった。
駐車地に戻ると、相変わらず目の前を車がブンブン通ってうるさい。
大野に戻ってフロに入ると、
これから下道走って帰るには疲れたので、福井ICから高速に乗りました。
■■■命題■■■
復路は大野市~福井IC~吹田ICが240kmで、休憩時間除外の実走時間は2時間50分。
往路の下道利用4時間20分に比べて1時間30分短縮(35%短縮)になっているが、
高速料金は往路の1340円に比べ3780円増の5120円で、費用は3.8倍になる。
これを、下道を使うと1時間30分の運転アルバイトで賃金3780円を得ると考えれば、
なんと時間給2500円の高給取りになるが。
高速は楽で早いけど、この料金を高いと見るか、支払額相応の価値ありと見るか……。
しかし、現役時代には、
「リタイヤしたら、お金はないけど、時間だけはたっぷりある。」と思っていたのは大きな錯覚で、
この歳になってみると、実は、
「お金はないけど、人生に残された時間はもっとない。」というのが本当なのだと実感する。
だから、限りある時間の消費を抑えるため、
やっぱりお金で時間を買うという高速道路利用が正解なのか。
それより、こんな中身スカスカのレポートを書いてるほうが時間の無駄遣いとな?
うーん、悩ましい問題やな。
長々と駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
ほな、さいなら。
洞吹(どうすい)