【丹波高地】洞谷川聖ヶ谷(吉谷)から地蔵杉
Posted: 2017年9月12日(火) 23:54
【日 付】2017年9月9日(土)
【山 域】丹波高地 地蔵杉898.9m周辺
【天 候】晴れ
【コース】洞集落6:52---7:12聖ヶ谷出合---8:11一の滝上---10:51二俣---11:47地蔵杉13:09---13:28 775m鞍部---13:54音谷林道終点---
14:25駐車地
早朝の静原はどんよりとした空の下。しかしこれは雲海に覆われているせいだ。もう少しすれば青空が姿をみせてくれるだろう。
本日の沢は京都丹南の洞谷川聖ヶ谷。ガイドでは吉谷と書かれていたが、地元ではそう呼ばれていないらしい。
洞谷川の林道を10分ほど歩くと「聖ヶ谷一の滝 41m」と書かれた標柱がある。41mとはずいぶん細かいが、どうやって測ったのだ
ろう。川の対岸を望むと一条の美しい滝が見えた。あれがこれから向かう谷である。
林道から谷底まで50mほど急降下して入渓。出合はパッとしない様相だが、すぐにゴルジュに入り、前衛の5m滝を登って一の滝と対面
する。滝つぼには流木が多く見栄えが悪いが、滝そのものは美しい。
[attachment=7]P9090012.jpg1_1_1.jpg[/attachment]
ここは左から巻き上がるのだが、この巻きが実に悪い。実は一年前にも訪れたのだが、この巻きがこなせず追い返されてしまったの
だ。仕方なく林道終点から尾根を辿って地蔵杉に登ったのだが、忸怩たる思いが残った。
今日はチェーンスパイクを装着。小尾根まで這い上がって隣の土ルンゼと岩稜の小尾根を併用して進む。
土ルンゼの傾斜はきつく、立ち木もないので木の根を掘り出したり岩を押え込んだりと、なかなかシビアな登りが続いた。
本来ならアンザイレンして進むシーンだろう。最後はトラバースして反対側の小尾根に乗るとやっとひと息。足だけで立てるのはあり
がたいものである。
元の小尾根と合流して谷側の斜面を見ると、おあつらえ向きの傾斜に立ち木もたくさんある。踏み跡もあり、苦労なく谷に復帰したと
ころはちょうど一の滝の落ち口だった。この巻きだけで50分も食ってしまったが、とりあえず入学試験はクリアした。ここからどんな
渓相を見せてくれるのか楽しみだ。
[attachment=6]P9090037_1.JPG[/attachment]
ゴルジュの中、2段滝の奥の3m滝は、深い淵の奥に取り付く島もない様子だ。左手のガリーから抜けようと上がって行ったが、左足
が急に軽くなったと思った瞬間、体が下に流れだした。安定していると思ったスタンスは斜面に泥が乗っていただけだったのだ。
3~4m滑ったところで停止。両ヒジのあたりを擦りむいただけで、他に被害はなさそうである。
油断大敵だ。別に油断しているつもりはないし、慎重過ぎるぐらい慎重にホールドは選んでいるはずなのだが。
[attachment=5]P9090040_1.JPG[/attachment][attachment=4]P9090050_1.JPG[/attachment]
今度はさらに慎重に巻き上がって、2条15mの美しい斜瀑と対面する。この滝は快適に登れるが、この後も含めて一の谷の滝は登れな
いものが多い。10m以上クラスだと直登できる滝は皆無だろう。スラブ状の岩肌でしかも逆層、さらにぬめりがあるときている。
しかし次々に10~15mクラスの滝が現われるので退屈することはない。久し振りに沢らしい沢に来た感じである。それほど登られてい
ない沢だと思うのだが、意外なほど明瞭な巻き道がある。植林が入っているわけでもないので杣道ではなさそうだ。
[attachment=3]P9090094_1.JPG[/attachment][attachment=0]P9090067_1.JPG[/attachment]
やたら流木が目立つなと思ったところで谷は90度左折した。屈曲点に来ると、左のはるか高みから30mはありそうな2条の滝が落ち
ている。水量が乏しいので迫力不足は否めないが、ちょっと驚かされる景観だ。
ここは右手の斜面をかなり上がって小尾根に乗ったのだが、反対側の5mほど下に流れがあって驚いた。この谷はなんだ。
考えてみると、さっきの滝の上で流れが180度Uターンしてここに繋がっているのだろう。
下流方向へ進んでみると、まさにその通りだった。地形図ではまったく表れない地形の妙というところだろう。
この後も滝は続くが、少し登れる滝が増えてきた。左岸から変わった形の滝を落とす支谷が合流する二俣の先で、谷はやっと落ち着
きを見せた。
地形図通りの広々とした平流帯。奥美濃の東前の谷中流にある「水飲み」と呼ばれる平坦地を思い起こさせる桃源郷である。
ここでランチと行きたいところだが、後がしんどくなる。先を急ごう。
[attachment=2]P9090143_1.JPG[/attachment]
何もないままにツメに入るかと思ったが、ここでまたまさかの連瀑帯が始まった。
そして最後の二俣で谷を離れて中間尾根へ。地蔵杉898.9m三角点へのダイレクト尾根だ。
杉主体の尾根はやがてブナ林に変わり山頂到着。山の名前とは裏腹に、山頂一帯はブナ林に覆われている。一年前はただ山頂に立った
だけだったが、今日はミッションを完遂しての登頂である。ビールの味も一段と美味く感じるというものだ。
先週の堂ヶ谷は荒れた沢筋、痛む足、杉林の山頂と、いいところがなかったが、今日は足も回復してすべてが上手くいった。
[attachment=1]P9090165_1.JPG[/attachment]
下山は洞峠方面へ進んだ775mの鞍部から、音谷林道の終点目指して下りてみよう。
鞍部の手前のピークから広々とした尾根に釣られて外してしまったが、登り返しなしのトラバースで復帰。鞍部から谷を見ると最初は
問題なさそうだが、その先はわからない。右手の尾根を下りる方が得策だと判断して、二俣まで尾根を下った。
その先の谷筋はゴルジュの様相を呈しており、木の間越しに連瀑帯らしきものが垣間見える。
今度は左の山腹に取り付いてトラバース。そのまま植林の中を下って行くと、ドンピシャで昨年歩いた林道の終点に下り立った。
後は音谷の滝を遠望する林道をのんびり歩くだけだ。
山日和
【山 域】丹波高地 地蔵杉898.9m周辺
【天 候】晴れ
【コース】洞集落6:52---7:12聖ヶ谷出合---8:11一の滝上---10:51二俣---11:47地蔵杉13:09---13:28 775m鞍部---13:54音谷林道終点---
14:25駐車地
早朝の静原はどんよりとした空の下。しかしこれは雲海に覆われているせいだ。もう少しすれば青空が姿をみせてくれるだろう。
本日の沢は京都丹南の洞谷川聖ヶ谷。ガイドでは吉谷と書かれていたが、地元ではそう呼ばれていないらしい。
洞谷川の林道を10分ほど歩くと「聖ヶ谷一の滝 41m」と書かれた標柱がある。41mとはずいぶん細かいが、どうやって測ったのだ
ろう。川の対岸を望むと一条の美しい滝が見えた。あれがこれから向かう谷である。
林道から谷底まで50mほど急降下して入渓。出合はパッとしない様相だが、すぐにゴルジュに入り、前衛の5m滝を登って一の滝と対面
する。滝つぼには流木が多く見栄えが悪いが、滝そのものは美しい。
[attachment=7]P9090012.jpg1_1_1.jpg[/attachment]
ここは左から巻き上がるのだが、この巻きが実に悪い。実は一年前にも訪れたのだが、この巻きがこなせず追い返されてしまったの
だ。仕方なく林道終点から尾根を辿って地蔵杉に登ったのだが、忸怩たる思いが残った。
今日はチェーンスパイクを装着。小尾根まで這い上がって隣の土ルンゼと岩稜の小尾根を併用して進む。
土ルンゼの傾斜はきつく、立ち木もないので木の根を掘り出したり岩を押え込んだりと、なかなかシビアな登りが続いた。
本来ならアンザイレンして進むシーンだろう。最後はトラバースして反対側の小尾根に乗るとやっとひと息。足だけで立てるのはあり
がたいものである。
元の小尾根と合流して谷側の斜面を見ると、おあつらえ向きの傾斜に立ち木もたくさんある。踏み跡もあり、苦労なく谷に復帰したと
ころはちょうど一の滝の落ち口だった。この巻きだけで50分も食ってしまったが、とりあえず入学試験はクリアした。ここからどんな
渓相を見せてくれるのか楽しみだ。
[attachment=6]P9090037_1.JPG[/attachment]
ゴルジュの中、2段滝の奥の3m滝は、深い淵の奥に取り付く島もない様子だ。左手のガリーから抜けようと上がって行ったが、左足
が急に軽くなったと思った瞬間、体が下に流れだした。安定していると思ったスタンスは斜面に泥が乗っていただけだったのだ。
3~4m滑ったところで停止。両ヒジのあたりを擦りむいただけで、他に被害はなさそうである。
油断大敵だ。別に油断しているつもりはないし、慎重過ぎるぐらい慎重にホールドは選んでいるはずなのだが。
[attachment=5]P9090040_1.JPG[/attachment][attachment=4]P9090050_1.JPG[/attachment]
今度はさらに慎重に巻き上がって、2条15mの美しい斜瀑と対面する。この滝は快適に登れるが、この後も含めて一の谷の滝は登れな
いものが多い。10m以上クラスだと直登できる滝は皆無だろう。スラブ状の岩肌でしかも逆層、さらにぬめりがあるときている。
しかし次々に10~15mクラスの滝が現われるので退屈することはない。久し振りに沢らしい沢に来た感じである。それほど登られてい
ない沢だと思うのだが、意外なほど明瞭な巻き道がある。植林が入っているわけでもないので杣道ではなさそうだ。
[attachment=3]P9090094_1.JPG[/attachment][attachment=0]P9090067_1.JPG[/attachment]
やたら流木が目立つなと思ったところで谷は90度左折した。屈曲点に来ると、左のはるか高みから30mはありそうな2条の滝が落ち
ている。水量が乏しいので迫力不足は否めないが、ちょっと驚かされる景観だ。
ここは右手の斜面をかなり上がって小尾根に乗ったのだが、反対側の5mほど下に流れがあって驚いた。この谷はなんだ。
考えてみると、さっきの滝の上で流れが180度Uターンしてここに繋がっているのだろう。
下流方向へ進んでみると、まさにその通りだった。地形図ではまったく表れない地形の妙というところだろう。
この後も滝は続くが、少し登れる滝が増えてきた。左岸から変わった形の滝を落とす支谷が合流する二俣の先で、谷はやっと落ち着
きを見せた。
地形図通りの広々とした平流帯。奥美濃の東前の谷中流にある「水飲み」と呼ばれる平坦地を思い起こさせる桃源郷である。
ここでランチと行きたいところだが、後がしんどくなる。先を急ごう。
[attachment=2]P9090143_1.JPG[/attachment]
何もないままにツメに入るかと思ったが、ここでまたまさかの連瀑帯が始まった。
そして最後の二俣で谷を離れて中間尾根へ。地蔵杉898.9m三角点へのダイレクト尾根だ。
杉主体の尾根はやがてブナ林に変わり山頂到着。山の名前とは裏腹に、山頂一帯はブナ林に覆われている。一年前はただ山頂に立った
だけだったが、今日はミッションを完遂しての登頂である。ビールの味も一段と美味く感じるというものだ。
先週の堂ヶ谷は荒れた沢筋、痛む足、杉林の山頂と、いいところがなかったが、今日は足も回復してすべてが上手くいった。
[attachment=1]P9090165_1.JPG[/attachment]
下山は洞峠方面へ進んだ775mの鞍部から、音谷林道の終点目指して下りてみよう。
鞍部の手前のピークから広々とした尾根に釣られて外してしまったが、登り返しなしのトラバースで復帰。鞍部から谷を見ると最初は
問題なさそうだが、その先はわからない。右手の尾根を下りる方が得策だと判断して、二俣まで尾根を下った。
その先の谷筋はゴルジュの様相を呈しており、木の間越しに連瀑帯らしきものが垣間見える。
今度は左の山腹に取り付いてトラバース。そのまま植林の中を下って行くと、ドンピシャで昨年歩いた林道の終点に下り立った。
後は音谷の滝を遠望する林道をのんびり歩くだけだ。
山日和