【鈴鹿】焼合谷から釈迦ヶ岳 雷様に追われてランニング下山
Posted: 2017年7月12日(水) 20:43
【日 付】2017年7月2日(日)
【山 域】鈴鹿 釈迦ヶ岳周辺
【天 候】晴れのち曇りのち雨
【コース】尾高高原キャンプ場7:35---7:52入渓点---11:45源頭部ランチ場13:09---13:28釈迦ヶ岳---13:55松尾尾根の頭---
15:33キャンプ場
鈴鹿で沢登りと言えばすぐに出てくるのは赤坂谷、ツメカリ谷、元越谷、蛇谷、東多古地谷、カズラ谷というところだろう。
少し知名度が落ちて矢原川、藤川谷、池ヶ谷、中ノ谷あたりだろうか。この焼合谷は釈迦ヶ岳から落ちる花崗岩の沢で、白い
岩肌を流れる水流は美しく、それなりに滝もあるので楽しめる、私のお気に入りの沢である。
ここへ入るのももう6回目。尾高高原キャンプ場に車を止めて歩き出す。
林道をしばらく歩くと、駐車地で姿を見た釣り師の姿が谷に見えた。これでトラブルなく先行できる。
[attachment=6]P7020036_2_1.JPG[/attachment]
今日は一日曇りの予報で期待はしていなかったが、入渓するころには日差しも出てきて顔がほころぶ。
週末の雨で水量は若干多めというところか。あまり水量が少ないとみすぼらしいし、多過ぎると遡行そのものが困難になるしで、
ほどほどというのが一番楽しい。
水害で荒れた河原と滝場が交互に出てくるような状況が続く。水温は意外に低いので頭からシャワーという気にはとてもなれ
ないし、股まで浸かるのも億劫だ。
前回は釜に浸かって滝身の左を登った女郎滝も今日はパス。右からイージーに巻き上がってしまった。
[attachment=5]P7020050_2_1.JPG[/attachment][attachment=4]P7020128_1.JPG[/attachment]
手ごろな滝でビデオの自撮りをしたりしながらのんびり歩けば早くも源流の雰囲気。やぶこぎで以前話題になった二俣は正面
の厳しいルンゼを見送って左の本流を進む。
ここから先は一気に傾斜が強まり、切れ目なく滝が続く印象だ。但し、ここまで来ると水流は細り迫力には欠ける。
そして岩棚状の15mほどの滝と対面。ここは左の凹角状を登るのだが、落ち口の下はホールドが乏しくちょっと厳しい。
前回は難なくクリアした滝も自信が持てず、一旦下りて左手の落ち葉が積もる嫌らしい斜面を登った。
年を重ねるごとに登れなくなっている自分を実感する。こんなことではいかんなあ。
[attachment=3]P7020138_1.JPG[/attachment]
最後の滝を登ると扇状に分かれた谷の間には鈴鹿らしい二次林が広がる。何と言うこともない見慣れた風景だが、妙に落ち
着くのはなぜだろう。
山頂まではあと100m足らずだがここでメシにしよう。水が冷たいのでビールの回転急速冷蔵法も有効だ。
何が楽しくてひとりで1時間半近くものんびりしているのかわからないが、すっかり足に根が生えてしまった。こういう時に
登りを残しているのは辛い。源頭部の強烈な急斜面はなかなか足が上がらず、ヒマラヤの8000m峰で低酸素状態に苛まれて歩い
ているようだ。晴れ間はとうに消えて、頭上はいつ降り出してもおかしくないような雲に覆われている。
15分ほど辛抱すると県境稜線に辿り着いた。ちょうど東尾根との分岐点で、釈迦の山頂はすぐそこである。
さっきから人の声が全然聞こえないので不思議に思っていたが、山頂は珍しくまったくの無人だった。普段なら山頂から松尾尾
根の分岐にかけて休んでいる人をたくさん見かけるのだが。
[attachment=2]パノラマ1_1_1.jpg[/attachment]
こちらも山頂に用事があるわけではないので、写真だけ撮ってそそくさと松尾尾根へ向った。
大陰のガレ場からは庵座谷を挟んで御在所、雨乞方面のダイナミックな展望が楽しめる。東雨乞岳山頂直下から引っかき傷のよ
うに下へ伸びるのは念仏ハゲのガレ谷だ。昔やぶこぎネットで、あそこで冬季やぶリンピックの滑降競技をやろうという話があ
ったのを思い出した。
[attachment=1]P7020155_1_1.JPG[/attachment]
松尾尾根をそのまま下ると朝明の方へ出てしまうので、途中から自他ヶ峰方面へ左折しなければならない。分岐を見逃さない
ように思っていたら、ずいぶん立派な道標が立っていて驚いた。「尾高高原登山道」とある。
これは楽勝と喜んだのが間違いだった。基本的には尾根通しの間違えようのない道のはずだが、ところどころ踏み跡の薄いとこ
ろがある。
それだけのことならどうと言うこともない。しかし空から余計なプレゼントを贈られた。
いきなりの驟雨が降り始めた。よく繁った樹林帯の中なので雨をまともに食らうことがないので助かる。
しかしプレゼント第2弾が襲ってきた。頭の後で何か光ったと思ったら雷鳴が響き渡る。近くに落ちたわけではないが気持ちのい
いものではない。2回目は頭の真上。おへそを押さえて走り出す。それが何回繰り返されただろうか。ルートをじっくり吟味する
余裕もなく、ヒルチェックどころではない。
それでも植林帯まで下ると再び道は明瞭になった。このまま進めば駐車地にダイレクトで出るはずだ。しかし倒木が目立って
歩きにくく、道も判然としない。暑いのが嫌で雨具を着けていない全身はずぶ濡れだ。
しかも暑さ対策でコンバーチブルのズボンの裾を外して半ズボンで歩いているので足もドロドロである。
[attachment=0]P7020170_1.JPG[/attachment]
ようやく川べりに出たと思ったら堰堤のバックウォーターにぶつかり唖然としたが、右岸に踏み跡があり事なきを得た。
堰堤を巻いたところでまた道が途切れる。登山靴のままヤケクソで渡渉、対岸の斜面を這い上がると朝辿った林道に飛び出した。
やれやれだ。
帽子代わりにヘルメットを被って、全身グタグタのまるで敗残兵のような姿である。
キャンプ場で歓声を上げる子供たちから隠れるように、ようやく車まで戻って来た。
車のリヤゲートの下でヒルチェックすると小物ばかり3匹。あの状況の中では至って軽微な被害と言えるだろう。
山日和
【山 域】鈴鹿 釈迦ヶ岳周辺
【天 候】晴れのち曇りのち雨
【コース】尾高高原キャンプ場7:35---7:52入渓点---11:45源頭部ランチ場13:09---13:28釈迦ヶ岳---13:55松尾尾根の頭---
15:33キャンプ場
鈴鹿で沢登りと言えばすぐに出てくるのは赤坂谷、ツメカリ谷、元越谷、蛇谷、東多古地谷、カズラ谷というところだろう。
少し知名度が落ちて矢原川、藤川谷、池ヶ谷、中ノ谷あたりだろうか。この焼合谷は釈迦ヶ岳から落ちる花崗岩の沢で、白い
岩肌を流れる水流は美しく、それなりに滝もあるので楽しめる、私のお気に入りの沢である。
ここへ入るのももう6回目。尾高高原キャンプ場に車を止めて歩き出す。
林道をしばらく歩くと、駐車地で姿を見た釣り師の姿が谷に見えた。これでトラブルなく先行できる。
[attachment=6]P7020036_2_1.JPG[/attachment]
今日は一日曇りの予報で期待はしていなかったが、入渓するころには日差しも出てきて顔がほころぶ。
週末の雨で水量は若干多めというところか。あまり水量が少ないとみすぼらしいし、多過ぎると遡行そのものが困難になるしで、
ほどほどというのが一番楽しい。
水害で荒れた河原と滝場が交互に出てくるような状況が続く。水温は意外に低いので頭からシャワーという気にはとてもなれ
ないし、股まで浸かるのも億劫だ。
前回は釜に浸かって滝身の左を登った女郎滝も今日はパス。右からイージーに巻き上がってしまった。
[attachment=5]P7020050_2_1.JPG[/attachment][attachment=4]P7020128_1.JPG[/attachment]
手ごろな滝でビデオの自撮りをしたりしながらのんびり歩けば早くも源流の雰囲気。やぶこぎで以前話題になった二俣は正面
の厳しいルンゼを見送って左の本流を進む。
ここから先は一気に傾斜が強まり、切れ目なく滝が続く印象だ。但し、ここまで来ると水流は細り迫力には欠ける。
そして岩棚状の15mほどの滝と対面。ここは左の凹角状を登るのだが、落ち口の下はホールドが乏しくちょっと厳しい。
前回は難なくクリアした滝も自信が持てず、一旦下りて左手の落ち葉が積もる嫌らしい斜面を登った。
年を重ねるごとに登れなくなっている自分を実感する。こんなことではいかんなあ。
[attachment=3]P7020138_1.JPG[/attachment]
最後の滝を登ると扇状に分かれた谷の間には鈴鹿らしい二次林が広がる。何と言うこともない見慣れた風景だが、妙に落ち
着くのはなぜだろう。
山頂まではあと100m足らずだがここでメシにしよう。水が冷たいのでビールの回転急速冷蔵法も有効だ。
何が楽しくてひとりで1時間半近くものんびりしているのかわからないが、すっかり足に根が生えてしまった。こういう時に
登りを残しているのは辛い。源頭部の強烈な急斜面はなかなか足が上がらず、ヒマラヤの8000m峰で低酸素状態に苛まれて歩い
ているようだ。晴れ間はとうに消えて、頭上はいつ降り出してもおかしくないような雲に覆われている。
15分ほど辛抱すると県境稜線に辿り着いた。ちょうど東尾根との分岐点で、釈迦の山頂はすぐそこである。
さっきから人の声が全然聞こえないので不思議に思っていたが、山頂は珍しくまったくの無人だった。普段なら山頂から松尾尾
根の分岐にかけて休んでいる人をたくさん見かけるのだが。
[attachment=2]パノラマ1_1_1.jpg[/attachment]
こちらも山頂に用事があるわけではないので、写真だけ撮ってそそくさと松尾尾根へ向った。
大陰のガレ場からは庵座谷を挟んで御在所、雨乞方面のダイナミックな展望が楽しめる。東雨乞岳山頂直下から引っかき傷のよ
うに下へ伸びるのは念仏ハゲのガレ谷だ。昔やぶこぎネットで、あそこで冬季やぶリンピックの滑降競技をやろうという話があ
ったのを思い出した。
[attachment=1]P7020155_1_1.JPG[/attachment]
松尾尾根をそのまま下ると朝明の方へ出てしまうので、途中から自他ヶ峰方面へ左折しなければならない。分岐を見逃さない
ように思っていたら、ずいぶん立派な道標が立っていて驚いた。「尾高高原登山道」とある。
これは楽勝と喜んだのが間違いだった。基本的には尾根通しの間違えようのない道のはずだが、ところどころ踏み跡の薄いとこ
ろがある。
それだけのことならどうと言うこともない。しかし空から余計なプレゼントを贈られた。
いきなりの驟雨が降り始めた。よく繁った樹林帯の中なので雨をまともに食らうことがないので助かる。
しかしプレゼント第2弾が襲ってきた。頭の後で何か光ったと思ったら雷鳴が響き渡る。近くに落ちたわけではないが気持ちのい
いものではない。2回目は頭の真上。おへそを押さえて走り出す。それが何回繰り返されただろうか。ルートをじっくり吟味する
余裕もなく、ヒルチェックどころではない。
それでも植林帯まで下ると再び道は明瞭になった。このまま進めば駐車地にダイレクトで出るはずだ。しかし倒木が目立って
歩きにくく、道も判然としない。暑いのが嫌で雨具を着けていない全身はずぶ濡れだ。
しかも暑さ対策でコンバーチブルのズボンの裾を外して半ズボンで歩いているので足もドロドロである。
[attachment=0]P7020170_1.JPG[/attachment]
ようやく川べりに出たと思ったら堰堤のバックウォーターにぶつかり唖然としたが、右岸に踏み跡があり事なきを得た。
堰堤を巻いたところでまた道が途切れる。登山靴のままヤケクソで渡渉、対岸の斜面を這い上がると朝辿った林道に飛び出した。
やれやれだ。
帽子代わりにヘルメットを被って、全身グタグタのまるで敗残兵のような姿である。
キャンプ場で歓声を上げる子供たちから隠れるように、ようやく車まで戻って来た。
車のリヤゲートの下でヒルチェックすると小物ばかり3匹。あの状況の中では至って軽微な被害と言えるだろう。
山日和