【比良】夜間歩行で蓬莱山へ
Posted: 2017年6月28日(水) 00:21
【日 付】2017年6月24日(土)~25日(日)
【山 域】比良 蓬莱山周辺
【天 候】曇りのち晴れ
【コース】びわこバレイゲート手前23:51---2:07クロトノハゲ---2:47打見山---.3:14蓬莱山8:06---9:13森山岳---9:49蓬莱山---
11:10ロープウェイ山麓駅---11:32駐車地
旧国道161号の木戸近辺に何軒かあったコンビニはすべてなくなっていた。結局和邇の駅前まで戻って買い物を済ませる。
これなら最初から和邇インターで湖西道路を降りればよかった。さらに言うなら、家の近所のコンビニで買っとけば何の問題もない
のだが。
スタートを切った時はもう日付も変わろうとしていた。ゲートの閉められたびわこバレイへの道。少し手前に車を止めて歩き出す。
これでさらに20分ほどのタイム加算。高度計を見て、山頂まで1000mの標高差があるのに気が付いた。寝る時間はあるのだろうか。
[attachment=7]IMG_1779_1.JPG[/attachment]
昼間なら何でもないところも、ヘッドランプが照らす限られた視界では見過ごしてしまうことがある。
事前にネットで確認していたキタダカ道の入口は、情報通り11番駐車場にあった。
林道が結構長く歩き、山道に入っても林道が狭くなっただけのようないい道が続いた。一定の傾斜を保ち、足元の心配も迷う心配も
ない峠越えの道は、坦々と高度を上げるだけのナイトハイクには最適だと言える。
誰もいない静かな夜道だが、湖西道路を走る車の音がいつまでも消えない。
草むらからガサガサっと音がして、鳥が飛び立ったようだ。少し驚かされるが、「まあ、鳥ぐらいいるだろう」という感じで気にな
ることもない。暗闇も物音も気にせず、恐怖心も淋しさも感じることがないというのは長所と言うべきか。
深夜のひんやりした空気は汗っかきの自分にはうれしいのだが、それでも流れる汗が止まらない。動いている時はいいが、休憩する
と汗が冷えて寒くなってくるので厄介だ。
道の真ん中になにか突っ立っている。天狗杉と呼ばれる杉の古木だった。闇の中で見ると結構不気味ではある。
[attachment=6]IMG_1785_1.JPG[/attachment]
クロトノハゲまで登れば後は水平移動に近い道のりだ。樹林越しに麓の明りをチラチラと見ながら進むと車の音とは別の音が聞こえ
てきた。音のする方に目を遣ると建物の影が見える。ロープウェイの駅舎のようだ。
天命水という水場で喉を潤し、階段を上がって行くと打見山頂のスキー場のリフト乗り場に出た。山道を歩いて来て人工物だらけの場
所に飛び出すというのはうれしくないものだが、なんとなく安心感がある。
ここではびわこバレイの都合のみで道が付けられており、スキー場の施設以外にもアスレチックの施設などが満載で、雰囲気的には御
在所に近い感覚だ。その中で登山道は端っこの方を通らせて頂いているという感じである。
[attachment=5]IMG_1813_1.JPG[/attachment]
だだっ広い草原を登って蓬莱山頂に着いた。下から見ると巨大なケルンのように見えたシルエットはリフトトップの建物だった。
期待していた夜景はイマイチで、早々にシェルター(テントではなく自立式のツェルトという位置付け)を張って潜り込み、ビールをあ
おる。もう3時半である。
ご来光を拝むというのが目的のひとつであることからすれば、ほとんど寝ている時間はない。
シュラフに入って1時間もしない内にシェルターが明るくなってきた。シェルターから抜け出して光の差す方を見るが、雲が多過ぎて
空が茜色に染まってくれない。こりゃ夜景に続いてご来光もダメか。仕方がない。もう一度シュラフに潜り込んだ。
[attachment=4]IMG_1828_1_1.JPG[/attachment]
日が当たり出すとシェルターの中の温度も上昇する。結局2時間ほどしか寝ていないが、暑くて寝ていられなくなりシュラフを抜け
出して外に出た。いい天気だ。
カップうどんのコーヒーの朝食を摂る。考えてみればストーブを使うのもやぶオフ以来である。展望全開の山頂でモーニングコーヒー
を楽しむのもオツなものだ。
こんな時間に誰も来るはずがないと思っていたら、トレランの男性がやってきた。お互い珍しい者同士でしばし歓談。
志賀の駅から1時間半で上がってきたと言うからさすがだ。暑い時期はこの時間に限りますねと意見が一致して、元来た道へ走り去って
行った。
さて、これからどうするか。今日は所用があるので11時半頃までには下山したい。小女郎峠まで往復して小女郎池見物というプラン
もあったが、このコースは日陰がなく暑い。ということで、先日はカットして歩いていない長池への巡視路の末端部を歩いて、途中か
ら森山岳へ上がり、これも冬に歩けなかった蓬莱山への尾根を歩いてみよう。
[attachment=3]IMG_1839_1_1.JPG[/attachment]
ただでさえ荒涼としたスキー場だが、谷間に作られたコースはコの字型に谷が削られて、まるで造成地のようだ。
コースの両脇にはいい樹林が残されている。スキー場がなければどれほど素晴らしい山だっただろう。
ゲレンデの谷底を下ってチャンピォンコースのリフト乗り場に出る。ここには名残のクリンソウがまだまとまって咲いていた。
リフト乗り場より下流は自然林の中を美しい渓流が流れており、スキー場のエリアとは別世界。巡視路との出合まで気持ち良く歩く。
[attachment=2]IMG_1845_1.JPG[/attachment]
ジャガ谷の左岸にプラ階段があり、巡視路であることを示していた。緩やかに登って尾根に取り付くと鉄塔がある。ちょうど先月支
尾根を上がって来た地点である。今日は山腹を進む巡視路を辿らず、森山岳へダイレクトに上がる左手の尾根を進もう。
この尾根はまったくヤブ無しの自然林。そよ風が吹き、木漏れ日の差す涼しい樹林の中を歩いていると、小女郎峠往復を選ばなくてよ
かったなあと思う。
ほとんど登りらしい登りもなく森山岳山頂に到着。展望はないが落ち着いた山頂だ。ただ、比良岳のようなブナ林ではない。
[attachment=1]IMG_1862_1.JPG[/attachment][attachment=0]IMG_1869_1.JPG[/attachment]
ここから蓬莱山までは未踏区間である。これまでと同じような自然林の中、明瞭な踏み跡が続き、途中からは立派な堀込みの道まで
現れた。蓬莱山との鞍部あたりは右手のヘク谷側から放置植林が上がってきているが、左側のジャガ谷には豊かな自然林が広がる。
このあたりはもう少し時間を掛けて探ってみたいところである。
鞍部からの尾根も緩やかで、やがて樹林が切れて、まともに日を浴びる笹原に変わると、ヤブ漕ぎもないままに間もなく本日2度目の
蓬莱山頂。出発した時には誰もいなかった山頂は大賑わいだ。登山者もいればロープウェイで上がって来た観光客あり、パラグライダー
の人達もありで落ち着こうという気になれない。
まあ、山頂はすでに堪能しているのですぐに通過。稜線に延々と張られたネットフェンスの切れ目から金毘羅峠への道に入った。
この道はたしか40年以上前に歩いたはずだがまったく記憶がない。意外に人気コースのようで、次から次へと登山者が上がって来て挨
拶に忙しい。道もよく整備されて歩きやすく、出発点がロープウェイ乗り場というアクセスの良さも要因なのだろう。
山麓駅まで下りて来るとこれまでの涼しい日陰から直射日光の下に放り出される。
自販機で買ったコーラをラッパ飲みしながら、クソ暑い舗装路を車まで歩く。
今日は残念ながら温泉もメシもパスして家に直行だ。
山日和
【山 域】比良 蓬莱山周辺
【天 候】曇りのち晴れ
【コース】びわこバレイゲート手前23:51---2:07クロトノハゲ---2:47打見山---.3:14蓬莱山8:06---9:13森山岳---9:49蓬莱山---
11:10ロープウェイ山麓駅---11:32駐車地
旧国道161号の木戸近辺に何軒かあったコンビニはすべてなくなっていた。結局和邇の駅前まで戻って買い物を済ませる。
これなら最初から和邇インターで湖西道路を降りればよかった。さらに言うなら、家の近所のコンビニで買っとけば何の問題もない
のだが。
スタートを切った時はもう日付も変わろうとしていた。ゲートの閉められたびわこバレイへの道。少し手前に車を止めて歩き出す。
これでさらに20分ほどのタイム加算。高度計を見て、山頂まで1000mの標高差があるのに気が付いた。寝る時間はあるのだろうか。
[attachment=7]IMG_1779_1.JPG[/attachment]
昼間なら何でもないところも、ヘッドランプが照らす限られた視界では見過ごしてしまうことがある。
事前にネットで確認していたキタダカ道の入口は、情報通り11番駐車場にあった。
林道が結構長く歩き、山道に入っても林道が狭くなっただけのようないい道が続いた。一定の傾斜を保ち、足元の心配も迷う心配も
ない峠越えの道は、坦々と高度を上げるだけのナイトハイクには最適だと言える。
誰もいない静かな夜道だが、湖西道路を走る車の音がいつまでも消えない。
草むらからガサガサっと音がして、鳥が飛び立ったようだ。少し驚かされるが、「まあ、鳥ぐらいいるだろう」という感じで気にな
ることもない。暗闇も物音も気にせず、恐怖心も淋しさも感じることがないというのは長所と言うべきか。
深夜のひんやりした空気は汗っかきの自分にはうれしいのだが、それでも流れる汗が止まらない。動いている時はいいが、休憩する
と汗が冷えて寒くなってくるので厄介だ。
道の真ん中になにか突っ立っている。天狗杉と呼ばれる杉の古木だった。闇の中で見ると結構不気味ではある。
[attachment=6]IMG_1785_1.JPG[/attachment]
クロトノハゲまで登れば後は水平移動に近い道のりだ。樹林越しに麓の明りをチラチラと見ながら進むと車の音とは別の音が聞こえ
てきた。音のする方に目を遣ると建物の影が見える。ロープウェイの駅舎のようだ。
天命水という水場で喉を潤し、階段を上がって行くと打見山頂のスキー場のリフト乗り場に出た。山道を歩いて来て人工物だらけの場
所に飛び出すというのはうれしくないものだが、なんとなく安心感がある。
ここではびわこバレイの都合のみで道が付けられており、スキー場の施設以外にもアスレチックの施設などが満載で、雰囲気的には御
在所に近い感覚だ。その中で登山道は端っこの方を通らせて頂いているという感じである。
[attachment=5]IMG_1813_1.JPG[/attachment]
だだっ広い草原を登って蓬莱山頂に着いた。下から見ると巨大なケルンのように見えたシルエットはリフトトップの建物だった。
期待していた夜景はイマイチで、早々にシェルター(テントではなく自立式のツェルトという位置付け)を張って潜り込み、ビールをあ
おる。もう3時半である。
ご来光を拝むというのが目的のひとつであることからすれば、ほとんど寝ている時間はない。
シュラフに入って1時間もしない内にシェルターが明るくなってきた。シェルターから抜け出して光の差す方を見るが、雲が多過ぎて
空が茜色に染まってくれない。こりゃ夜景に続いてご来光もダメか。仕方がない。もう一度シュラフに潜り込んだ。
[attachment=4]IMG_1828_1_1.JPG[/attachment]
日が当たり出すとシェルターの中の温度も上昇する。結局2時間ほどしか寝ていないが、暑くて寝ていられなくなりシュラフを抜け
出して外に出た。いい天気だ。
カップうどんのコーヒーの朝食を摂る。考えてみればストーブを使うのもやぶオフ以来である。展望全開の山頂でモーニングコーヒー
を楽しむのもオツなものだ。
こんな時間に誰も来るはずがないと思っていたら、トレランの男性がやってきた。お互い珍しい者同士でしばし歓談。
志賀の駅から1時間半で上がってきたと言うからさすがだ。暑い時期はこの時間に限りますねと意見が一致して、元来た道へ走り去って
行った。
さて、これからどうするか。今日は所用があるので11時半頃までには下山したい。小女郎峠まで往復して小女郎池見物というプラン
もあったが、このコースは日陰がなく暑い。ということで、先日はカットして歩いていない長池への巡視路の末端部を歩いて、途中か
ら森山岳へ上がり、これも冬に歩けなかった蓬莱山への尾根を歩いてみよう。
[attachment=3]IMG_1839_1_1.JPG[/attachment]
ただでさえ荒涼としたスキー場だが、谷間に作られたコースはコの字型に谷が削られて、まるで造成地のようだ。
コースの両脇にはいい樹林が残されている。スキー場がなければどれほど素晴らしい山だっただろう。
ゲレンデの谷底を下ってチャンピォンコースのリフト乗り場に出る。ここには名残のクリンソウがまだまとまって咲いていた。
リフト乗り場より下流は自然林の中を美しい渓流が流れており、スキー場のエリアとは別世界。巡視路との出合まで気持ち良く歩く。
[attachment=2]IMG_1845_1.JPG[/attachment]
ジャガ谷の左岸にプラ階段があり、巡視路であることを示していた。緩やかに登って尾根に取り付くと鉄塔がある。ちょうど先月支
尾根を上がって来た地点である。今日は山腹を進む巡視路を辿らず、森山岳へダイレクトに上がる左手の尾根を進もう。
この尾根はまったくヤブ無しの自然林。そよ風が吹き、木漏れ日の差す涼しい樹林の中を歩いていると、小女郎峠往復を選ばなくてよ
かったなあと思う。
ほとんど登りらしい登りもなく森山岳山頂に到着。展望はないが落ち着いた山頂だ。ただ、比良岳のようなブナ林ではない。
[attachment=1]IMG_1862_1.JPG[/attachment][attachment=0]IMG_1869_1.JPG[/attachment]
ここから蓬莱山までは未踏区間である。これまでと同じような自然林の中、明瞭な踏み跡が続き、途中からは立派な堀込みの道まで
現れた。蓬莱山との鞍部あたりは右手のヘク谷側から放置植林が上がってきているが、左側のジャガ谷には豊かな自然林が広がる。
このあたりはもう少し時間を掛けて探ってみたいところである。
鞍部からの尾根も緩やかで、やがて樹林が切れて、まともに日を浴びる笹原に変わると、ヤブ漕ぎもないままに間もなく本日2度目の
蓬莱山頂。出発した時には誰もいなかった山頂は大賑わいだ。登山者もいればロープウェイで上がって来た観光客あり、パラグライダー
の人達もありで落ち着こうという気になれない。
まあ、山頂はすでに堪能しているのですぐに通過。稜線に延々と張られたネットフェンスの切れ目から金毘羅峠への道に入った。
この道はたしか40年以上前に歩いたはずだがまったく記憶がない。意外に人気コースのようで、次から次へと登山者が上がって来て挨
拶に忙しい。道もよく整備されて歩きやすく、出発点がロープウェイ乗り場というアクセスの良さも要因なのだろう。
山麓駅まで下りて来るとこれまでの涼しい日陰から直射日光の下に放り出される。
自販機で買ったコーラをラッパ飲みしながら、クソ暑い舗装路を車まで歩く。
今日は残念ながら温泉もメシもパスして家に直行だ。
山日和