【奥越】たんどう谷周回で赤兎山
Posted: 2017年5月05日(金) 20:19
【日 付】2017年4月29日(土)
【山 域】奥越 赤兎山1628.6m
【天 候】晴れのち曇り一時雨
【コース】鳩ヶ湯7:08---10:10 P1476m--11:03 P1530m---11:29赤兎避難小屋12:57---13:19赤兎山13:30---14:22 P1351m---16:00鳩ヶ湯
洞吹情報によると、鳩ヶ湯までの道が先週開通したらしい。予定では4/28には上小池まで入れるようになるとか。
実際には行ってみなければわからないので、上小池まで入れた場合と入れなかった場合の2段構えで計画を組んだ。
鳩ヶ湯まで来てみると、少し先のさんきち橋のゲートがガッチリ閉まっている。これも想定の範囲内。
願教寺山は断念、すぐに切り替えて鳩ヶ湯の駐車場に車を入れた。
鳩ヶ湯は4年前にご主人が料理に使うための山菜採り中に事故で亡くなってしまった。その後名乗りを上げた地元の企業によっ
て再開されかけたのだが、2年前の大雪で建物が倒壊。
そして今年から生まれ変わった建物で営業を再開した初日が今日だということである。
真新しい建物は以前のいかにも秘湯の宿という風情はなくペンション風だが、営業再開しただけでも喜ばしいことだ。
[attachment=7]IMG_0690_1_1.JPG[/attachment]
急な鉄製階段を上がってたんどう谷左岸の林道に出る。適当にショートカットしながら上がって行くと、記憶にない新しい
林道が現われた。目指す尾根は崖になって取り付けない。右へ回り込んで弱点を探し、なんとか尾根に這い上がった。
この尾根は若干ヤブっぽさはあるものの大したことはない。林床には可憐なオウレンの花が咲き乱れていた。
今日は雪山では必携のストックを忘れてしまった。雪が締まっているのでチェーンスパイクだけでも歩けるが、やはりバラ
ンスを取るものが欲しい。足元を見るとおあつらえ向きの木の枝があった。今日はウッドストックで1日乗り切ろう。
[attachment=6]IMG_0704_1.JPG[/attachment][attachment=5]IMG_0720_1.JPG[/attachment]
950mあたりで雪が現われたがまだ植林の中。自然林に変わって1200mあたりでようやく雪が繋がった。振り返れば石徹白の
山々が屏風のように並び、三ノ峰、別山へと続く。こちらは青空が広がっているが、石徹白方面は雲が多くどんよりしている。
無木立の1476mピークまで来ると遮るもののない展望が開けた。少し風が冷たい。
ここまで来れば県境稜線まではわずかな高度差を残すのみだ。
[attachment=4]パノラマ3_1_1.jpg[/attachment]
先ほどから尾根上には見事なブナ林が続いている。一旦下って登り返すと雪堤の上を行くようになる。
右を見れば別山から石徹白の山々、左には豊かなブナ林と、その奥に頭を覗かせる経ヶ岳。右に左に首を振るのが忙しい。
広い1530mピークに立てば石川・福井県境に到達である。ギャップを挟んで目の前に赤兎避難小屋のあるピークがドーンと聳
えている。50mほど下ってピークへの登り返し。このセクションはかなり雪割れが進んでおり、1ヶ所3m以上あるクレバスが
口を開けていて肝を冷やした。
[attachment=3]IMG_0850_1_1.JPG[/attachment]
登り返した赤兎避難小屋は雪面から屋根が出ているだけの状態。積雪はまだ4m近くありそうだ。そうかと思えば夏道が露出
しているところもあったりなのが面白い。
せっかくだから展望のいいところでランチとしたいのが人情だが、少し風がある。誰が除雪してくれたのか、入口のところだ
け階段状に除雪された小屋に入ってランチタイムとしよう。
雪壁と窓の間に空間があるので光が入って明るいのがいい。無風の小屋は湯が沸くのも早い。
[attachment=2]IMG_0865_1.JPG[/attachment]
のんびりメシを食っていたら、屋根がパラパラと音を立て出した。雨が降ってきたようだ。外で食べなくてよかった。
しばらく降っていた雨も上がったようだ。ここから山頂までは緩やかな登りを残すだけである。無雪期には湿原の広がる山上
台地も今はだだっ広い雪原だ。ササが露出し出すとまったく雪のない赤兎山頂に到着。積雪期に訪れるのは初めてだ。
もうかれこれ1ヶ月、山の中で一人も人に会っていない。今日も記録更新だなと思っていたら、小原峠の方から4人パーティー
が現われた。大きな荷物を担いでいる。今日は避難小屋泊まりということだ。小屋の入口を掘り出すつもりスコップを持って
来たらしいが、「小屋に入れますよ」と教えてあげたら喜んでいた。
[attachment=0]IMG_0871_1_1.JPG[/attachment]
下山はたんどう谷を挟んで反対側の右岸尾根を辿る。この尾根はたんどう谷を遡行した下りに使ったのだが、あまり素晴ら
しいブナ林という印象がなかった。結構下生えが多いので雑然とした印象だったのだ。下生えがすべて雪の下に隠された今は、
改めてブナの純林がどこまでも続いていることに気付かされた。
ブナ林を気分良く歩いていたら、山頂方面から「ガラガラガラッ」という轟音が流れてきた。雷鳴だ。天気予報では雷の発
生しやすい気象条件だと言っていたが、その通りだ。山頂にいなくてよかった。
しかしいつこっちの方に来るかわからないので、自然と早足になる。幸い、その後2度ほど雷鳴を聞いただけで治まった。
[attachment=1]パノラマ8_2_1.jpg[/attachment]
この尾根には3ヶ所ばかり特筆すべきブナの森がある。その最後のP1351m下に広がる森が一番良かった。
登山道はここから尾根を離れてたんどう谷の方へ下って行くのだが、この道は積雪期には危険が多くて使えない。そのまま尾
根を進んで鳩ヶ湯へダイレクトに下るとしよう。
複雑な地形のところが多く、進むべき方向を保つのが難しい。何度も軌道修正しながら雪の消えたハッキリとした尾根に乗る。
踏み跡もしっかりしていて道レベルだ。
最後の最後で直進し過ぎて県道のガケにぶち当たったのはご愛敬。要らぬ笹ヤブ漕ぎをして鳩ヶ湯旅館の裏手へ飛び出した。
結構な車が止まっており、鳩ヶ湯も賑わいを取り戻したようだ。
今日は次善の策としてのプランニングだったが、何度も登っている願教寺山よりも新鮮でよかったかもしれない。
山日和
【山 域】奥越 赤兎山1628.6m
【天 候】晴れのち曇り一時雨
【コース】鳩ヶ湯7:08---10:10 P1476m--11:03 P1530m---11:29赤兎避難小屋12:57---13:19赤兎山13:30---14:22 P1351m---16:00鳩ヶ湯
洞吹情報によると、鳩ヶ湯までの道が先週開通したらしい。予定では4/28には上小池まで入れるようになるとか。
実際には行ってみなければわからないので、上小池まで入れた場合と入れなかった場合の2段構えで計画を組んだ。
鳩ヶ湯まで来てみると、少し先のさんきち橋のゲートがガッチリ閉まっている。これも想定の範囲内。
願教寺山は断念、すぐに切り替えて鳩ヶ湯の駐車場に車を入れた。
鳩ヶ湯は4年前にご主人が料理に使うための山菜採り中に事故で亡くなってしまった。その後名乗りを上げた地元の企業によっ
て再開されかけたのだが、2年前の大雪で建物が倒壊。
そして今年から生まれ変わった建物で営業を再開した初日が今日だということである。
真新しい建物は以前のいかにも秘湯の宿という風情はなくペンション風だが、営業再開しただけでも喜ばしいことだ。
[attachment=7]IMG_0690_1_1.JPG[/attachment]
急な鉄製階段を上がってたんどう谷左岸の林道に出る。適当にショートカットしながら上がって行くと、記憶にない新しい
林道が現われた。目指す尾根は崖になって取り付けない。右へ回り込んで弱点を探し、なんとか尾根に這い上がった。
この尾根は若干ヤブっぽさはあるものの大したことはない。林床には可憐なオウレンの花が咲き乱れていた。
今日は雪山では必携のストックを忘れてしまった。雪が締まっているのでチェーンスパイクだけでも歩けるが、やはりバラ
ンスを取るものが欲しい。足元を見るとおあつらえ向きの木の枝があった。今日はウッドストックで1日乗り切ろう。
[attachment=6]IMG_0704_1.JPG[/attachment][attachment=5]IMG_0720_1.JPG[/attachment]
950mあたりで雪が現われたがまだ植林の中。自然林に変わって1200mあたりでようやく雪が繋がった。振り返れば石徹白の
山々が屏風のように並び、三ノ峰、別山へと続く。こちらは青空が広がっているが、石徹白方面は雲が多くどんよりしている。
無木立の1476mピークまで来ると遮るもののない展望が開けた。少し風が冷たい。
ここまで来れば県境稜線まではわずかな高度差を残すのみだ。
[attachment=4]パノラマ3_1_1.jpg[/attachment]
先ほどから尾根上には見事なブナ林が続いている。一旦下って登り返すと雪堤の上を行くようになる。
右を見れば別山から石徹白の山々、左には豊かなブナ林と、その奥に頭を覗かせる経ヶ岳。右に左に首を振るのが忙しい。
広い1530mピークに立てば石川・福井県境に到達である。ギャップを挟んで目の前に赤兎避難小屋のあるピークがドーンと聳
えている。50mほど下ってピークへの登り返し。このセクションはかなり雪割れが進んでおり、1ヶ所3m以上あるクレバスが
口を開けていて肝を冷やした。
[attachment=3]IMG_0850_1_1.JPG[/attachment]
登り返した赤兎避難小屋は雪面から屋根が出ているだけの状態。積雪はまだ4m近くありそうだ。そうかと思えば夏道が露出
しているところもあったりなのが面白い。
せっかくだから展望のいいところでランチとしたいのが人情だが、少し風がある。誰が除雪してくれたのか、入口のところだ
け階段状に除雪された小屋に入ってランチタイムとしよう。
雪壁と窓の間に空間があるので光が入って明るいのがいい。無風の小屋は湯が沸くのも早い。
[attachment=2]IMG_0865_1.JPG[/attachment]
のんびりメシを食っていたら、屋根がパラパラと音を立て出した。雨が降ってきたようだ。外で食べなくてよかった。
しばらく降っていた雨も上がったようだ。ここから山頂までは緩やかな登りを残すだけである。無雪期には湿原の広がる山上
台地も今はだだっ広い雪原だ。ササが露出し出すとまったく雪のない赤兎山頂に到着。積雪期に訪れるのは初めてだ。
もうかれこれ1ヶ月、山の中で一人も人に会っていない。今日も記録更新だなと思っていたら、小原峠の方から4人パーティー
が現われた。大きな荷物を担いでいる。今日は避難小屋泊まりということだ。小屋の入口を掘り出すつもりスコップを持って
来たらしいが、「小屋に入れますよ」と教えてあげたら喜んでいた。
[attachment=0]IMG_0871_1_1.JPG[/attachment]
下山はたんどう谷を挟んで反対側の右岸尾根を辿る。この尾根はたんどう谷を遡行した下りに使ったのだが、あまり素晴ら
しいブナ林という印象がなかった。結構下生えが多いので雑然とした印象だったのだ。下生えがすべて雪の下に隠された今は、
改めてブナの純林がどこまでも続いていることに気付かされた。
ブナ林を気分良く歩いていたら、山頂方面から「ガラガラガラッ」という轟音が流れてきた。雷鳴だ。天気予報では雷の発
生しやすい気象条件だと言っていたが、その通りだ。山頂にいなくてよかった。
しかしいつこっちの方に来るかわからないので、自然と早足になる。幸い、その後2度ほど雷鳴を聞いただけで治まった。
[attachment=1]パノラマ8_2_1.jpg[/attachment]
この尾根には3ヶ所ばかり特筆すべきブナの森がある。その最後のP1351m下に広がる森が一番良かった。
登山道はここから尾根を離れてたんどう谷の方へ下って行くのだが、この道は積雪期には危険が多くて使えない。そのまま尾
根を進んで鳩ヶ湯へダイレクトに下るとしよう。
複雑な地形のところが多く、進むべき方向を保つのが難しい。何度も軌道修正しながら雪の消えたハッキリとした尾根に乗る。
踏み跡もしっかりしていて道レベルだ。
最後の最後で直進し過ぎて県道のガケにぶち当たったのはご愛敬。要らぬ笹ヤブ漕ぎをして鳩ヶ湯旅館の裏手へ飛び出した。
結構な車が止まっており、鳩ヶ湯も賑わいを取り戻したようだ。
今日は次善の策としてのプランニングだったが、何度も登っている願教寺山よりも新鮮でよかったかもしれない。
山日和