【台高】反省多き沢旅なれどサスケ滝まで遡る 奥の平谷
Posted: 2017年4月19日(水) 18:49
【日 付】2017年4月16日(日)
【山 域】台高
【コース】千石林道駐車地8:55---13:45鎌滝------15:05サスケ滝---16:55千石林道駐車地
【メンバー】斉藤さん、シュークリーム、わりばし
雪山の難易度が雪の質や量によって変わるように、沢歩きは時期と水量によって難しさ大きく変わるのを実感させられた沢旅だった。今年の台高は遅くまで雪が残り雪解け水の影響で、通常ならさほど水量の多くない時期だが、予想外に水量が多い。
大盛況の闇天では、山菜におしゃれな御馳走をたらふく食べて美酒に酔いしれ地元の人たちの話に耳をかたむけた。千石林道駐車場から地元の人たちが「おくのひら」と呼ぶ谷に入り河原を歩き摂津林道の登り口のあたりから入渓する。
小滝が出はじめ5mの初音滝を岩のすき間から上るとその先からゴルジュが始まる。廊下を左に回り込むと大きな釜をかかえた魚止滝で水量が多い。ここは釜の手前の右岸にあるロープから上る所だ。斉藤さんが残置ハーケンにスリングを通して足場を作り空身で岩棚に上り、後に続く。ロープを出し草付きの斜面を左から巻きながら上るのだが、この草付きがグチュクチュでいやらしい。全員ハンマーを土の斜面に突き刺しながら進んだ。個人的には今回の数ある巻きの中でここの斜面が一番いやらしかった。
[attachment=4]IMG_1852.jpg[/attachment]
ここから右に切り返してトラバースし滝の落ち口上からガレ場を下るのだが、シュークリさんはどう下ったのか覚えていないようだし、我々二人もガレ場の記述を飛ばしている。滝の上に出ようと決め、滝の落ち口上のガレ場の反対の場所から懸垂した。滝の上に立って、ガレ場から下りて滝を越えた事にシュークさんが気づいた。
少し進むと左岸枝谷からまっすぐに落ちる15m滝が見えるが左に曲がると仙人滝のゴルジュが待っている。水量が少なければ、直登した方が楽なようだが今日は難しそうだ。少しもどって左岸から巻く15m滝上の壁のバンドを使うが、トラバースはさすがに気をつかう。途中には立派な炭窯跡があり先人達の痕跡が見られる。
谷は一度は開けて明るくなるが、すぐに両岸が立ちゴルジュになる。オーバーハングした岩壁に囲まれた陰鬱とした谷にうねった縞模様の壁が見られる。その先はひとひねりした岩に大量の水が押し寄せる法螺貝の滝で見るものを圧倒する。少しもどり他のルート案内と違う右岸を巻く。ここもいやらしいトラバースがあるので私とシュークリさんは軽アイゼンをつけて、ザレ場から取り付く。昔は杣道だったという微妙なルートをたどるとザイルを出すことなく谷に戻れた。
[attachment=3]IMG_1861.jpg[/attachment]
いくつかの小滝を越えると泳がなければならない淵が出てきたので左岸を巻き気味に歩く。このあたりからは、私がよく出没するエリアで、その先に鎌滝。ドーム状の岩壁に滝が流れ込んでおり、その水しぶきがドームの中を舞い落ち口から光が差し込み幻想的な光景を見せている。水量が多いのでドーム内のミストも半端ない。皆この景色に息をのみ見とれている。
[attachment=2]IMG_1864.jpg[/attachment]
左岸を巻き右岸から合流してくる金谷をすぎ末広7m滝を越えるとゴーロがはじまる。谷の主のサワグルミの巨木も健在。その先に巨大な岩がころがる大石滝20mが流れていた。この滝の名称は記述により違っているが摂津林道との関係から大石滝とした。
[attachment=0]IMG_1876.jpg[/attachment]
左岸の小尾根を上ると上流にトラバースする道が出てくるので上流の小尾根に向かう。小尾根の下部にはリンゴ畑さんが設置したトラローブがある。このロープの中央は、黄色い部分が消え黒いナイロン部分だけ残っており、体をあずければ間違いなく切れる。ザイルを出して通過すると目の前にはサスケ滝が現れた。
サスケ滝は水量が少ないとZ字に流れるのだが、今日はD字に流れDの真ん中にも水が流れている。気疲れする巻きの連続の末、サスケ滝に辿りつた感慨に浸る暇もなく下山に取り掛かる。
[attachment=1]IMG_1879.jpg[/attachment]
帰り用に残しておいたザイルを回収しトラバースしながら小尾根を越えていく。見覚えのある場所を通過しながら進むが、2か所斜面が落ちている所がありそのたびに上らされながら巻いていく。結局、植林地に出たあたりでは摂津林道の100m上の地点を歩いていたので杣道のある尾根を下る。これを摂津林道まで下れば問題なく帰れたのだが、間違いと思い途中から尾根を上ってしまう。となりの尾根までトラバースしてここを東に下れば摂津林道にたどり着くのだが、ここもなぜが北に下ろうとして斜面が急なので引き返す。話し合いをしてもと来た道をもどり摂津林道を探すことにした。すると難なくたどり着き下山できた。
この日は、私は地図とコンパスを忘れ、毎回こまめに地図に書き込みをする斉藤さんもプリンターのトラブルで地図を持ってこれなかった。気心の知れたメンバーだが、経験に頼りすぎ気持ちが緩んでいたところもあり大いに反省させられた。ヘトヘトになりながらも闇下することもなく無事下山できたお礼をこめて摂津林道の山の神に手を合わせて帰った。
【山 域】台高
【コース】千石林道駐車地8:55---13:45鎌滝------15:05サスケ滝---16:55千石林道駐車地
【メンバー】斉藤さん、シュークリーム、わりばし
雪山の難易度が雪の質や量によって変わるように、沢歩きは時期と水量によって難しさ大きく変わるのを実感させられた沢旅だった。今年の台高は遅くまで雪が残り雪解け水の影響で、通常ならさほど水量の多くない時期だが、予想外に水量が多い。
大盛況の闇天では、山菜におしゃれな御馳走をたらふく食べて美酒に酔いしれ地元の人たちの話に耳をかたむけた。千石林道駐車場から地元の人たちが「おくのひら」と呼ぶ谷に入り河原を歩き摂津林道の登り口のあたりから入渓する。
小滝が出はじめ5mの初音滝を岩のすき間から上るとその先からゴルジュが始まる。廊下を左に回り込むと大きな釜をかかえた魚止滝で水量が多い。ここは釜の手前の右岸にあるロープから上る所だ。斉藤さんが残置ハーケンにスリングを通して足場を作り空身で岩棚に上り、後に続く。ロープを出し草付きの斜面を左から巻きながら上るのだが、この草付きがグチュクチュでいやらしい。全員ハンマーを土の斜面に突き刺しながら進んだ。個人的には今回の数ある巻きの中でここの斜面が一番いやらしかった。
[attachment=4]IMG_1852.jpg[/attachment]
ここから右に切り返してトラバースし滝の落ち口上からガレ場を下るのだが、シュークリさんはどう下ったのか覚えていないようだし、我々二人もガレ場の記述を飛ばしている。滝の上に出ようと決め、滝の落ち口上のガレ場の反対の場所から懸垂した。滝の上に立って、ガレ場から下りて滝を越えた事にシュークさんが気づいた。
少し進むと左岸枝谷からまっすぐに落ちる15m滝が見えるが左に曲がると仙人滝のゴルジュが待っている。水量が少なければ、直登した方が楽なようだが今日は難しそうだ。少しもどって左岸から巻く15m滝上の壁のバンドを使うが、トラバースはさすがに気をつかう。途中には立派な炭窯跡があり先人達の痕跡が見られる。
谷は一度は開けて明るくなるが、すぐに両岸が立ちゴルジュになる。オーバーハングした岩壁に囲まれた陰鬱とした谷にうねった縞模様の壁が見られる。その先はひとひねりした岩に大量の水が押し寄せる法螺貝の滝で見るものを圧倒する。少しもどり他のルート案内と違う右岸を巻く。ここもいやらしいトラバースがあるので私とシュークリさんは軽アイゼンをつけて、ザレ場から取り付く。昔は杣道だったという微妙なルートをたどるとザイルを出すことなく谷に戻れた。
[attachment=3]IMG_1861.jpg[/attachment]
いくつかの小滝を越えると泳がなければならない淵が出てきたので左岸を巻き気味に歩く。このあたりからは、私がよく出没するエリアで、その先に鎌滝。ドーム状の岩壁に滝が流れ込んでおり、その水しぶきがドームの中を舞い落ち口から光が差し込み幻想的な光景を見せている。水量が多いのでドーム内のミストも半端ない。皆この景色に息をのみ見とれている。
[attachment=2]IMG_1864.jpg[/attachment]
左岸を巻き右岸から合流してくる金谷をすぎ末広7m滝を越えるとゴーロがはじまる。谷の主のサワグルミの巨木も健在。その先に巨大な岩がころがる大石滝20mが流れていた。この滝の名称は記述により違っているが摂津林道との関係から大石滝とした。
[attachment=0]IMG_1876.jpg[/attachment]
左岸の小尾根を上ると上流にトラバースする道が出てくるので上流の小尾根に向かう。小尾根の下部にはリンゴ畑さんが設置したトラローブがある。このロープの中央は、黄色い部分が消え黒いナイロン部分だけ残っており、体をあずければ間違いなく切れる。ザイルを出して通過すると目の前にはサスケ滝が現れた。
サスケ滝は水量が少ないとZ字に流れるのだが、今日はD字に流れDの真ん中にも水が流れている。気疲れする巻きの連続の末、サスケ滝に辿りつた感慨に浸る暇もなく下山に取り掛かる。
[attachment=1]IMG_1879.jpg[/attachment]
帰り用に残しておいたザイルを回収しトラバースしながら小尾根を越えていく。見覚えのある場所を通過しながら進むが、2か所斜面が落ちている所がありそのたびに上らされながら巻いていく。結局、植林地に出たあたりでは摂津林道の100m上の地点を歩いていたので杣道のある尾根を下る。これを摂津林道まで下れば問題なく帰れたのだが、間違いと思い途中から尾根を上ってしまう。となりの尾根までトラバースしてここを東に下れば摂津林道にたどり着くのだが、ここもなぜが北に下ろうとして斜面が急なので引き返す。話し合いをしてもと来た道をもどり摂津林道を探すことにした。すると難なくたどり着き下山できた。
この日は、私は地図とコンパスを忘れ、毎回こまめに地図に書き込みをする斉藤さんもプリンターのトラブルで地図を持ってこれなかった。気心の知れたメンバーだが、経験に頼りすぎ気持ちが緩んでいたところもあり大いに反省させられた。ヘトヘトになりながらも闇下することもなく無事下山できたお礼をこめて摂津林道の山の神に手を合わせて帰った。