【越美国境】ヤマネと戯れたガンドウ尾根から金草岳

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【越美国境】ヤマネと戯れたガンドウ尾根から金草岳

投稿記事by 山日和 » 2017年3月28日(火) 23:23

【日 付】2017年3月26日(日)
【山 域】越美国境 金草岳
【天 候】晴れのち曇りのち小雪のち雨
【コース】芋ヶ平7:21---7:58尾根取付き点---9:42町境P920m---11:03ブナ平---11:44金草岳12:00---12:22ブナ平13:40---
     14:28 P920m 14:48---15:46 P610m---16:26芋ヶ平

 またも5時間半に及ぶマンションの理事会が終わった。このままビールを飲んでまったりしたい気持ちを抑えて山に向かう。
ヒザの調子は相変わらず良くないが、天気予報が若干マシになっているのでじっとしているわけにはいかない。
稀勢の里もケガを押して土俵に上がっている。これぐらいで欠場している場合ではないのだ。


 今日は先週の広野ダムの北側の芋ヶ平から金草岳を目指す。蓮如上人ゆかりの芋ヶ平を訪れるのは11年振りだ。高倉峠へ続く藤倉谷
林道の起点である。除雪はここで終わっていた。
林道には昨日のものだろう、ツボ足のトレースが残っていた。ズッポリと沈んで苦しそうだ。予想に反して先週のようにガチガチでは
なく、スノーシューを履かなければヒザまで潜ってしまう雪質である。
林道をしばらく歩いて、旧今庄・池田町境稜線への支尾根に取り付いた。
 急登を少し我慢すれば疎林の広い尾根に乗る。予報通りのいい天気で、日差しがあればモチベーションも上がるというものだ。
しかしこの天気も昼までだろう。なんとか展望の利く内に山頂に立ちたいものだ。


 もう少しで町境稜線というところでライトニング系のトレースが現われた。林道の下流側へ出る支尾根を下ったようだ。
金草岳から来ているのは間違いないので、懸案のガンドウ尾根と呼ばれる難所の通過は約束された。しかしノートレースの雪面を歩く
喜びがなくってしまったので、安心2割、失望8割というところか。


 無木立の雪のドームになった町境稜線のピークに立つと、荒々しい金草岳北面が大きく迫る。
しばらくはゆったりと広がっていた尾根はだんだん細くなり、ガンドウ尾根の核心部が近付いてきた。この尾根を辿るのは15年振り。
極端に痩せた尾根に雪が乗ると歩く場所が見つからないところだ。一度はここで敗退したこともある。
なんとトレースの主はスノーシューを履いたままで反対側の急斜面を下り、核心部を通過していた。相当な使い手というべきだろう。
滑ればアウトである。さすがにストックはピッケルに持ち替えていたようだが。
こちらはそれほど度胸はないのでアイゼンとピッケルに換装してトレースを辿った。その後もヤセ尾根のアップダウンが続き、尾根が
広がってブナ林が出てきたところでやっとひと息付いた。
しかし早くも山頂方面はガスに包まれ始めている。あと1時間早く出るべきだったと悔やんでも後の祭りである。


 ブナ林の後の急斜面はヒールリフターを立てて快適に直上。下りのトレースはジグを切っている。ここはシリセードで一気に下りた
方が楽しいところだ。上に行くほど斜面が立ってきて、片方のストックをピッケルに替えて慎重に進む。
ここは滑ってもどうということはないが、もう一度登り直すのは勘弁してほしい。


 11年前に登った林道からの最短ルートの尾根と合流すると立木は消え、斜面は白一色となった。まだ辛うじて権現山・高倉峠方面の
国境稜線が見えているが、これから向かう山頂方向も白一色となって、登るにつれ空と雪面の境もはっきりとしなくなった。
広大な山頂台地の雪原を歩いていると、方向感覚がおかしくなってしまう。
 とにかくこれ以上高いところがない地点が山頂である。ただ登り切ったというだけで何の感慨も湧かない。15年前も同じような状況
だった。おまけに雪までパラつき始めたので早々に下山開始。
予定では越美国境稜線を歩いて権現山まで行き北尾根を下るつもりだったが、この状況では行く意味もないだろう。不本意だが元来た
道を戻ろう。
 ほぼホワイトアウトの中、自分の登りのトレースを戻っているつもりが危うく国境稜線の方へ下りそうになってしまった。
自分の足跡だと思っていたのはさっきのトレースの主のものだった。昨日なら展望全開の素晴らしい周回を楽しめたことだろう。
うらやましい限りである。


 ブナ平への急斜面で、下に障害物のないところへ横移動してシリセードしようとしたら、そのまま足が滑って強制シリセード状態と
なってしまった。まあ、手間が省けたということだ。
少し高度が下がるとガスもなくなったので、大きなブナの木の下で~♪ランチとしよう。展望があろうがなかろうが、天気が良かろうが
悪かろうがランチにかける時間があまり変わらないのが面白いところである。何を楽しいと思うかは気の持ちようなのだ。

 ガンドウ尾根の核心部はスノーシューを履いたまま通過するが、最核心部手前の下りはなかなかスリルがあった。
きっちりステップを切ってあるから行けたものの、ノートレースでスノーシューを履いて下るのはかなり勇気が要る。
トレースの主には脱帽である。


 登りの尾根との分岐でひと休みしていると、雪面をチョロチョロと走っている物体がある。
何かなと見ていたら、どんどんこちらへ近付いてきてザックに取り付いたりストックを登っていったりと忙しく動き回っている。
どうやらヤマネのようだ。まったく人を恐れる様子もなく遊び倒して消えて行った。
と思ったらまたやってきて、今度は私の足を登り始めた。背中から頭の方へ行ったようだがどこにいるのかわからない。ジャケットを
脱いで見てみると、フードにちょこんと座ってじっとこっちを見つめていた。愛いヤツじゃ。
自分の孫にもここまでまとわりつかれたことはない。じっとしていたらいつまでもヤマネとじゃれあっていられそうだったが、下山し
なくてはならない。この楽しいひと時だけで今日ここへ来た甲斐があったというものだ。
後ろ髪を引かれながら斜面を下って振り返ったら、まだ走り回っている姿が見えた。


 登りのトレースを辿るだけではあまりにも芸がないので、駐車地の近くへ下りられるところまで尾根を辿ることにする。
この尾根が拾い物だった。馬には乗ってみよ、尾根は歩いてみよだ。最初は広々とした雪原が続く尾根で、三重嶽南西尾根のような印
象だ。後半はどうせ植林がちだろうと期待もしていなかったが、案に相違して50年後が楽しみな若いブナ林があったり、尾根と谷が混
然一体となったような広がりを持つブナ主体の森があったり、想像もしなかった展開に心が満たされた。

 痛み始めたヒザをかばいながら、最後は雪の消えた植林の杣道を辿ると駐車地にほど近い林道にソフトランディングできた。
期待していた展望は得られなったが、それ以上の予期せぬ喜びを得られた山だったと言えるかもしれない。
家で寝ていたら何も手に入らないのだ。

                  山日和
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Re: 【越美国境】ヤマネと戯れたガンドウ尾根から金草岳

投稿記事by 落第忍者 » 2017年3月29日(水) 08:50

山日和さん、おはようございます。

これは私にとってはかなり難解なレポですね。
金草岳が未踏なのは言うまでもありませんが、美濃俣丸から北のことは全く判らないのですから。

そこで少しだけ勉強させて下さい。
芋ヶ平川と藤倉谷川、蓮如上人遺跡は地形図に載っているので特定しました。
藤倉谷林道起点から暫く歩いて取り付ける尾根は、地形図に550と750の数字があるところでしょうか。
でもよく読むと、この尾根は下山のトレースが有った方みたいで、山日和さんはもう一つ南の尾根っぽいですね。
町境稜線を南下しP1002を経て、Ca1000からCa1050の緩いコンターがブナ平ですか。

権現山は三等三角点(点名 藤倉)P1143.3かなと推測します。
ついでに三角点Viewerで調べてみると、金草岳は二等三角点(点名 塚奥山)なんですね。
予定されていた北尾根下山は、P1040、P744、林道を横切って、藤倉谷川出合で渡渉でしょうか。

実際の下山はCa920から北上、P889を経てCa620から西進して450表記の等高線ですね。

何だか怖そうなところですから私が一人で行くことはないでしょうけど・・・
変なレスになってしまって申し訳ありません。

私の自宅は一戸建てですので判りませんが、マンションの理事会って大変なんですね。
2回連続で長時間の会議は勘弁して欲しいところです。
今年度は自治会内の組長でしたが、毎月の定例会は30分くらいで終わりますので。
落第忍者
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Re: 【越美国境】ヤマネと戯れたガンドウ尾根から金草岳

投稿記事by バーチャリ » 2017年3月29日(水) 17:02

山日和さん 今晩は
ヒザの調子は相変わらず良くないが、天気予報が若干マシになっているのでじっとしているわけにはいかない。
稀勢の里もケガを押して土俵に上がっている。これぐらいで欠場している場合ではないのだ。


膝は山日和さんは酷使しすぎですよね
私も1月から2月末にかけてひどかったですが最近大分良くなりましたが
18日花きちさんを誘い土蔵 猫洞に行きましたが
タイツを試しに履きましたがタイツいいかも :?:

林道をしばらく歩いて、旧今庄・池田町境稜線への支尾根に取り付いた。

例の本と同じ尾根ですか


[q_yab]しばらくはゆったりと広がっていた尾根はだんだん細くなり、ガンドウ尾根の核心部が近付いてきた。この尾根を辿るのは15年振り。
極端に痩せた尾根に雪が乗ると歩く場所が見つからないところだ。一度はここで敗退したこともある。
なんとトレースの主はスノーシューを履いたままで反対側の急斜面を下り、核心部を通過していた。相当な使い手というべきだろう。
滑ればアウトである。さすがにストックはピッケルに持ち替えていたようだが。
こちらはそれほど度胸はないのでアイゼンとピッケルに換装してトレースを辿った。


写真を見るとホント怖そうですね。
細引きはもっていかないのですか


広がってブナ林が出てきたところでやっとひと息付いた。
しかし早くも山頂方面はガスに包まれ始めている。あと1時間早く出るべきだったと悔やんでも後の祭りである。


18日だと☀が保証されていたのに

 ブナ林の後の急斜面はヒールリフターを立てて快適に直上。下りのトレースはジグを切っている。ここはシリセードで一気に下りた
方が楽しいところだ。上に行くほど斜面が立ってきて、片方のストックをピッケルに替えて慎重に進む。


山日和さんピッケルに持ち変えるとはよっぽど 急斜面ですね。 :?


 とにかくこれ以上高いところがない地点が山頂である。ただ登り切ったというだけで何の感慨も湧かない。15年前も同じような状況
だった。おまけに雪までパラつき始めたので早々に下山開始。


もう下山ですか

 ほぼホワイトアウトの中、自分の登りのトレースを戻っているつもりが危うく国境稜線の方へ下りそうになってしまった。
自分の足跡だと思っていたのはさっきのトレースの主のものだった。昨日なら展望全開の素晴らしい周回を楽しめたことだろう。
うらやましい限りである。


残念ですね昨日は最高の山日和でしたよ
猫洞で越美国境稜線に感激していましたが :D


少し高度が下がるとガスもなくなったので、大きなブナの木の下で~♪ランチとしよう。展望があろうがなかろうが、天気が良かろうが
悪かろうがランチにかける時間があまり変わらないのが面白いところである。何を楽しいと思うかは気の持ちようなのだ。


いくら山日和さんのポリシーとは言え
一人寒い中1時間 ランチ取るの理解できません( ^^)

 登りの尾根との分岐でひと休みしていると、雪面をチョロチョロと走っている物体がある。
何かなと見ていたら、どんどんこちらへ近付いてきてザックに取り付いたりストックを登っていったりと忙しく動き回っている。
どうやらヤマネのようだ。まったく人を恐れる様子もなく遊び倒して消えて行った。
と思ったらまたやってきて、今度は私の足を登り始めた。背中から頭の方へ行ったようだがどこにいるのかわからない。ジャケットを
脱いで見てみると、フードにちょこんと座ってじっとこっちを見つめていた。愛いヤツじゃ。


ホント可愛いヤマネちゃんですね
連れてかえりたいでらいですね


 痛み始めたヒザをかばいながら、最後は雪の消えた植林の杣道を辿ると駐車地にほど近い林道にソフトランディングできた。
期待していた展望は得られなったが、それ以上の予期せぬ喜びを得られた山だったと言えるかもしれない。


ヤマネちゃんの出会いが有り素晴らしい山旅でしたね

お疲れ様でした。
ヒザをお大事に 

  バーチャリ
バーチャリ
 
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登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【越美国境】ヤマネと戯れたガンドウ尾根から金草岳

投稿記事by 山日和 » 2017年3月29日(水) 22:02

落忍さん、どうもです。

これは私にとってはかなり難解なレポですね。
金草岳が未踏なのは言うまでもありませんが、美濃俣丸から北のことは全く判らないのですから。


最後までお読み頂きありがとうございます。 :D

藤倉谷林道起点から暫く歩いて取り付ける尾根は、地形図に550と750の数字があるところでしょうか。
でもよく読むと、この尾根は下山のトレースが有った方みたいで、山日和さんはもう一つ南の尾根っぽいですね。


ご明察です。上部で二つに分かれた南側が私の登った尾根ですね。


町境稜線を南下しP1002を経て、Ca1000からCa1050の緩いコンターがブナ平ですか。

そうです。ブナ平というのは勝手に呼んだだけですが。

権現山は三等三角点(点名 藤倉)P1143.3かなと推測します。
ついでに三角点Viewerで調べてみると、金草岳は二等三角点(点名 塚奥山)なんですね。


これもその通り。岐阜県側の最奥の集落だった塚の奥の山だから「塚奥山」ですね。なんとも芸の無い名前。(^^;)

予定されていた北尾根下山は、P1040、P744、林道を横切って、藤倉谷川出合で渡渉でしょうか。

その通りでおます。 :lol:

実際の下山はCa920から北上、P889を経てCa620から西進して450表記の等高線ですね。

はいはい。
こうやって地形図を辿りながらレポと画像を見てもらえば雰囲気はつかめると思います。
でもそういうのが面倒くさい時代なのか、画像とキャプションだけでイマジネーションを働かせる余地のないレポばかりのサイトが人気のようですが・・・
やぶこぎだけはこの路線を貫き通したいものです。


私の自宅は一戸建てですので判りませんが、マンションの理事会って大変なんですね。
2回連続で長時間の会議は勘弁して欲しいところです。


特に今期は12年に1度の大規模修繕(予算が3億ほど)に当たってて、私が理事長をやらされてるんで山の計画にかなり制約を受けました。
天気のいい土曜日に理事会で、日曜は悪天候なんてのが何度かありましたからねえ。
あと2カ月の我慢ですが。 :mrgreen:

                       山日和
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登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
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Re: 【越美国境】ヤマネと戯れたガンドウ尾根から金草岳

投稿記事by 山日和 » 2017年3月29日(水) 22:15

バーチャリさん、どうもです。

膝は山日和さんは酷使しすぎですよね
タイツを試しに履きましたがタイツいいかも :?:


そうでもないと思うんだけどねえ。
タイツはちょっと苦手なんで履く気がしないんです。 :oops:

>林道をしばらく歩いて、旧今庄・池田町境稜線への支尾根に取り付いた。

例の本と同じ尾根ですか


そうですね。

写真を見るとホント怖そうですね。
細引きはもっていかないのですか


前回はロープ持って行きましたが、単独ならなんとかなると思ってました。


18日だと☀が保証されていたのに

さっきも「あれっ」と思いましたが、28日のことですね。 :lol:

山日和さんピッケルに持ち変えるとはよっぽど 急斜面ですね。 :?

それなりに急でした。上部ではかなり慎重に行きました。

もう下山ですか

何もみえないのにじっとしててもねえ。 :mrgreen:

残念ですね昨日は最高の山日和でしたよ
猫洞で越美国境稜線に感激していましたが :D


いやー、羨ましい限りです。 :D

いくら山日和さんのポリシーとは言え
一人寒い中1時間 ランチ取るの理解できません( ^^)


そうですか~? このために山に来てるようなものなんで :lol:


ホント可愛いヤマネちゃんですね
連れてかえりたいぐらいですね



天然記念物なんで、連れて帰ったらお縄頂戴です。 :mrgreen:

ヤマネちゃんの出会いが有り素晴らしい山旅でしたね

お疲れ様でした。
ヒザをお大事に 


ありがとうございます。
展望以外は満足の行く山旅でした。 :D

           山日和     

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Re: 【越美国境】ヤマネと戯れたガンドウ尾根から金草岳

投稿記事by 柳川洞吹 » 2017年3月30日(木) 21:34

山日和さん こんばんは

  またも5時間半に及ぶマンションの理事会が終わった。
  このままビールを飲んでまったりしたい気持ちを抑えて山に向かう。


素晴らしい。意欲的ですね。
ワシは最近、慣性の法則がよく効いて「不動如山(動かざること山のごとし)」。
武田信玄やな。
思えば現役時代は連日、朝から晩まで動き回っていたので、
休日も「慣性の法則」が動くほうに働いていたのかもね。 ;)

  今日は先週の広野ダムの北側の芋ヶ平から金草岳を目指す。
  蓮如上人ゆかりの芋ヶ平を訪れるのは11年振りだ。
  高倉峠へ続く藤倉谷林道の起点である。
  除雪はここで終わっていた。


芋ヶ平、懐かしいですね。
「除雪はここまで」の、お約束地点。
11年前のときは4月だったので雪解けが進んでいて、林道に少し入れましたね。

  金草岳から来ているのは間違いないので、
  懸案のガンドウ尾根と呼ばれる難所の通過は約束された。
  しかしノートレースの雪面を歩く喜びがなくってしまったので、
  安心2割、失望8割というところか。


これは複雑な心境ですね。

  しばらくはゆったりと広がっていた尾根はだんだん細くなり、
  ガンドウ尾根の核心部が近付いてきた。
  この尾根を辿るのは15年振り。
  極端に痩せた尾根に雪が乗ると歩く場所が見つからないところだ。
  一度はここで敗退したこともある。


ガンドウ尾根、あれからもう15年になりますか。
その前年の初見参では装備不足との判断で撤退し、
翌年、確保用のロープを用意して、Q氏と3人で再挑戦したんでしたね。
初見参の撤退の帰り、長大斜面の豪快な尻セードが楽しかったです。
駐車地に戻りついて、
はるかに見上げる山腹にくっきりと刻まれた二条の尻セード痕がキラキラと夕陽に輝く遠望風景は、
強烈に印象に残ってます。
ん? この尻セードって金草岳のことだったよね?

  なんとトレースの主はスノーシューを履いたままで反対側の急斜面を下り、
  核心部を通過していた。
  相当な使い手というべきだろう。
  滑ればアウトである。さすがにストックはピッケルに持ち替えていたようだが。


なななんと。
あそこをスノーシュー履いたままで?
信じられな~い。 :roll:

  こちらはそれほど度胸はないのでアイゼンとピッケルに換装してトレースを辿った。
  その後もヤセ尾根のアップダウンが続き、尾根が
  広がってブナ林が出てきたところでやっとひと息付いた。


ワシ、びびりやから、ガンドウ尾根はなんぼなんでも一人ではよう行きません。
核心部のヤセ尾根渡りもドキドキものやけど、
すぐあとの急斜面登高も、滑り落ちたら奈落の谷底やし。
一人でもしトラブルが起きたら、終わりやもん。
そこはさすが山日和師匠、ようやります。

  11年前に登った林道からの最短ルートの尾根と合流すると立木は消え、
  斜面は白一色となった。


こっちのルートのときはもう4月だったので、途中はだいぶ雪が薄くて藪っぽかったですね。
このときだったと思うけど、
マーフィーの山の法則「隣の芝生は青い。隣の尾根は白い。」って言ってたのは。

  これから向かう山頂方向も白一色となって、
  登るにつれ空と雪面の境もはっきりとしなくなった。
  広大な山頂台地の雪原を歩いていると、方向感覚がおかしくなってしまう。
  とにかくこれ以上高いところがない地点が山頂である。
  ただ登り切ったというだけで何の感慨も湧かない。15年前も同じような状況だった。


15年前のときもホワイトアウトで、
あのときワシは、濃いガスと雪面の境目がわからないような真っ白な中を歩いているうちに、
平衡感覚がおかしくなってきて、自分が浮遊しているようで、
いま、身体が直立しているのか斜めになっているのか、
どっちの方向が上でどっちが下なのかわからなくなって、
何度も雪の中に倒れてしまいそうになりました。
空間識失調(バーティゴ)の体験でした。

  おまけに雪までパラつき始めたので早々に下山開始。
  少し高度が下がるとガスもなくなったので、大きなブナの木の下で~♪ランチとしよう。
  展望があろうがなかろうが、天気が良かろうが悪かろうが
  ランチにかける時間があまり変わらないのが面白いところである。
  何を楽しいと思うかは気の持ちようなのだ。


15年前のときは、山頂で濃いガスに巻かれながら、
1時間ほどかけてうどん鍋を食べてましたね。
同行のQ氏は「なんだ、この人たちは」と思っていたようですが。

  ガンドウ尾根の核心部はスノーシューを履いたまま通過するが、
  最核心部手前の下りはなかなかスリルがあった。
  きっちりステップを切ってあるから行けたものの、
  ノートレースでスノーシューを履いて下るのはかなり勇気が要る。


おやおや、帰りは山日和さんもスノーシューのまま核心部へ突入ですか。
「最核心部手前の下り」はアイピケでもイヤですよ。

  トレースの主には脱帽である。

山日和師匠にも脱帽。

  登りの尾根との分岐でひと休みしていると、雪面をチョロチョロと走っている物体がある。
  何かなと見ていたら、どんどんこちらへ近付いてきて
  ザックに取り付いたりストックを登っていったりと忙しく動き回っている。
  どうやらヤマネのようだ。まったく人を恐れる様子もなく遊び倒して消えて行った。


へえー、ヤマネですか。
もう冬眠から覚めて雪の上を走り回っているんだ。
ワシはまだ見たことないし。
いいものを見ましたね。

  と思ったらまたやってきて、今度は私の足を登り始めた。
  背中から頭の方へ行ったようだがどこにいるのかわからない。
  ジャケットを脱いで見てみると、
  フードにちょこんと座ってじっとこっちを見つめていた。愛いヤツじゃ。


ええっ、ヤマネがじゃれついてくるなんてすごいな。
人間が怖くないんですね。

  登りのトレースを辿るだけではあまりにも芸がないので、
  駐車地の近くへ下りられるところまで尾根を辿ることにする。
  この尾根が拾い物だった。
  馬には乗ってみよ、尾根は歩いてみよだ。


これもマーフィー・山の法則ですか。

  最初は広々とした雪原が続く尾根で、三重嶽南西尾根のような印象だ。
  尾根と谷が混然一体となったような広がりを持つブナ主体の森があったり、
  想像もしなかった展開に心が満たされた。


ワシは、こちらは行ったことがないけど、
なかなかいい尾根だったようですね。

  期待していた展望は得られなったが、
  それ以上の予期せぬ喜びを得られた山だったと言えるかもしれない。


ヤマネがよかったなあ。

  家で寝ていたら何も手に入らないのだ。

ギクッ!
グサッと刺さるわあ。(^^;;

よい山旅を!
             洞吹(どうすい)
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柳川洞吹
 
記事: 545
登録日時: 2011年2月22日(火) 22:07
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Re: 【越美国境】ヤマネと戯れたガンドウ尾根から金草岳

投稿記事by 山日和 » 2017年3月30日(木) 23:19

洞吹さん、どうもです。

素晴らしい。意欲的ですね。
ワシは最近、慣性の法則がよく効いて「不動如山(動かざること山のごとし)」。


意地ですわ。洞吹さんの場合「最近」ではないんじゃ?

芋ヶ平、懐かしいですね。
「除雪はここまで」の、お約束地点。
11年前のときは4月だったので雪解けが進んでいて、林道に少し入れましたね。


そうでしたそうでした。いい天気で、林道ずんずん歩いてかなり高いところまで行けましたね。
帰りは地獄の闇下でしたが・・・(^_^;)

>しかしノートレースの雪面を歩く喜びがなくってしまったので、安心2割、失望8割というところか。

これは複雑な心境ですね。


そうなんですよ。まさかトレースがあると思わなかっただけにねえ。 :oops:


ガンドウ尾根、あれからもう15年になりますか。
その前年の初見参では装備不足との判断で撤退し、
翌年、確保用のロープを用意して、Q氏と3人で再挑戦したんでしたね。
初見参の撤退の帰り、長大斜面の豪快な尻セードが楽しかったです。


そうそう、あれは楽しかったです。
敗退した時は雪の状態が悪過ぎました。
あまり雪がなくて、ボロボロのヤセ尾根の上に潅木が乗ってて歩ける状態ではなかったような。


駐車地に戻りついて、
はるかに見上げる山腹にくっきりと刻まれた二条の尻セード痕がキラキラと夕陽に輝く遠望風景は、
強烈に印象に残ってます。
ん? この尻セードって金草岳のことだったよね?


それは違うと思います。芋ヶ平からは杉林しか見えませんよ。
尻セードはあっちこっちでやっるからどれのことだったか。
印象に残ってるのは願教寺の南面や日岸の東面、小白山の東面ですね。かなり長い距離を一気に滑りました。 :lol:

なななんと。
あそこをスノーシュー履いたままで?
信じられな~い。 :roll:


でしょー。どんな神経してるんだか。 :o


ワシ、びびりやから、ガンドウ尾根はなんぼなんでも一人ではよう行きません。
核心部のヤセ尾根渡りもドキドキものやけど、
すぐあとの急斜面登高も、滑り落ちたら奈落の谷底やし。
一人でもしトラブルが起きたら、終わりやもん。
そこはさすが山日和師匠、ようやります。


ありがとうこぜえます。この緊張感がタマランのですけどね。 :mrgreen:


こっちのルートのときはもう4月だったので、途中はだいぶ雪が薄くて藪っぽかったですね。
このときだったと思うけど、
マーフィーの山の法則「隣の芝生は青い。隣の尾根は白い。」って言ってたのは。


それも違いますねえ。それは湖西の中山へ登った時ですわ。こっちの尾根がヤブっぽくて、乗鞍側の尾根がずいぶん白く見えました。 :D

15年前のときもホワイトアウトで、
あのときワシは、濃いガスと雪面の境目がわからないような真っ白な中を歩いているうちに、
平衡感覚がおかしくなってきて、自分が浮遊しているようで、
いま、身体が直立しているのか斜めになっているのか、
どっちの方向が上でどっちが下なのかわからなくなって、
何度も雪の中に倒れてしまいそうになりました。
空間識失調(バーティゴ)の体験でした。


それは花房山の時では? :mrgreen:

15年前のときは、山頂で濃いガスに巻かれながら、
1時間ほどかけてうどん鍋を食べてましたね。
同行のQ氏は「なんだ、この人たちは」と思っていたようですが。


そうでした。私と洞吹さんは平然としてましたが、Qちゃんはドキドキしてたみたいですね。 :lol:

おやおや、帰りは山日和さんもスノーシューのまま核心部へ突入ですか。
「最核心部手前の下り」はアイピケでもイヤですよ。


きっちりとステップが切ってあったんで、まあ行けるじゃろという感じでした。ちょっと嫌でしたけど。


へえー、ヤマネですか。
もう冬眠から覚めて雪の上を走り回っているんだ。
ワシはまだ見たことないし。
いいものを見ましたね。

ええっ、ヤマネがじゃれついてくるなんてすごいな。
人間が怖くないんですね。


ホントにいい経験でした。雑談コーナーに動画をアップしたのでご覧あれ。 :lol:


>馬には乗ってみよ、尾根は歩いてみよだ。

これもマーフィー・山の法則ですか。


これはちょっと意味合いが違うような・・・

ワシは、こちらは行ったことがないけど、
なかなかいい尾根だったようですね。


林道を歩くよりよほどいいと思いました。前もこっちを行けばよかったですわ。

>家で寝ていたら何も手に入らないのだ。

ギクッ!
グサッと刺さるわあ。(^^;;


:mrgreen: :mrgreen: :mrgreen:

                 山日和
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登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
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