【日本百名山】 皇海山-足尾山塊の盟主に登る

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kitayama-walk
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登録日時: 2011年6月06日(月) 01:33
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【日本百名山】 皇海山-足尾山塊の盟主に登る

投稿記事 by kitayama-walk »

【日 付】 2016年10月14日(金)
【天 候】 晴れ
【山 域】 上越
【メンバー】 kitayama-walk(単独行)

【コース】 7:45皇海橋(登山口) 7:50渡渉 8:25中間点 8:30広い二俣 8:40最上部の二俣 8:55不動沢のコル 9:10展望地 9:40▲皇海山10:05 10:30不動沢のコル 11:00鋸山12:10 12:30不動沢のコル 12:50広い二俣 13:25皇海橋(登山口)
GPS軌跡図
GPS軌跡図
 皇海山(すかいさん)-なかなか難読の山名である。群馬県と栃木県の県境にあって標高2144mを誇る山である。深田久弥が皇海山を百名山に選んだ理由は、「立派な風格をもった山だからである。初めて近くから眺めた時、その横がつまって、颯爽と峰頭をもたげ、一気に下の沢まで落ちている姿は、思わず脱帽したいほどの気品をそなえていた。」という。

 もともと皇海山は信仰登山の対象であり、かつては栃木県足尾側から庚申山(1892m)に登り、鋸山(1998m)を経て皇海山(2144m)に至ると「三山駆け」と呼ばれる信仰登山が行われていたという。深田久弥もやはり庚申山から鋸山を経て皇海山山頂に立っている。現在もこのコースを歩くことは可能であるが、初日は麓の銀山平から歩いて庚申山荘(無人)に泊まり、2日目に山頂往復する長時間(コースタイムで11時間強)の歩行を覚悟しなければならない。しかしながら、近時は群馬県側の栗原川林道が開放され、不動沢に沿った登山道が整備されて日帰り登山が可能となったことから、この不動沢コースを往復する登山者がほとんどになっている。

<プロローグ>
 日帰り登山が可能ということから、やはり群馬県側からアプローチすることにしたが、栗原川林道の通行状況は事前に確認しなければならない。栗原川林道は沼田市利根町の追貝側と根利側からの入口がある。前者は突起のある石が散乱する悪路であり、後者は少しましだという。しかし、いずれも20㎞にも及ぶ未舗装のダートな林道であることは間違いない。沼田市利根振興局に問い合わせたところ、根利側からのみ通行可能ということだった。先日、老神温泉(牧水苑)に宿泊し、翌朝5:40にレンタカーで出発した。栗原川根利林道のゲートに6:15に到着し、ゲートを開けてダートな林道走行を開始した。沼田市のホームページによると、RV車の走行のみ可能で普通車は通行不能と書かれていたので、レンタカーはトヨタのスペードという普通車であることから、果たして登山口の皇海橋まで辿り着けるかどうか不安を抱えながら走った。しかし、途中で路面が抉れているところが数か所あったものの、速度を落として進めば何とか通過することができた。心配したパンクもなく、7:35に無事に皇海橋まで辿り着いた。1時間20分の悪路の林道走行に神経を費やしてしまった。

<皇海橋~不動沢のコル>
 皇海橋の両側にそれぞれ10台の駐車スペースがあったが、今日は平日であることからまだ1台しか駐まっていない。北側には公衆トイレがあり、登山届を出すようになっている。南側に「皇海山登山道入口 日本百名山(深田久弥選定)」を書かれて大きな標柱が立っている。すぐにゲートがあり、これを越えて行くと間もなく「皇海山山頂入口」という道標があり、ここから登山道になる。カラマツの林を抜けると、すぐに不動沢の渡渉がある。今日は水量が少ないので楽に渡渉ができる。渡渉後は沢筋から少し離れた左側沿いの登山道を緩やかに登って行く。小さな支沢を3つほど越えると不動沢の右岸沿いの道を辿って行く。やがて不動沢を右に渡渉してカラマツの中を登って行く。「皇海山山頂1.8㎞ 皇海山入口1.8㎞」という道標がある中間点である。さらに流れの少なくなってきた不動沢を辿ると、岩がごろごろと盛り上がっている場所に着く。ここが「広い二俣」と呼ばれているところである。ここで右俣に入ると、両岸が狭まってきてV字谷の様相を呈してくる。さらに進むと「小さな二俣」にやってくるが、ここでも右俣に入っていく。やがて右の尾根に取り付いて急登になった。固定ロープが何か所もあり、このコースでは最もきつい場所になっている。ここも少し頑張ればやがて不動沢のコルに着いた。
皇海橋の登山口
皇海橋の登山口
不動沢のコルから見る鋸山
不動沢のコルから見る鋸山
<不動沢のコル~皇海山山頂>
 不動沢のコル(標高1870m)は南が開けて明るい場所で、庚申山から登ってくるギザギザの鋸山が見える。後は鋸山に登ることにし、まずは皇海山山頂をめざすことにした。県境に沿って登山道がつけられている。シラビソの樹林帯の中を登って行くと、やがて立ち枯れが残る笹原に出てきた。ここから南西方向の眺望があり、赤城山や浅間山が見え、遠くには富士山の頭がうっすらと見えている。再び樹林の中に入り、さらに先に進むと急登になってきたところで、下山してくる男性単独行の先行者に出会った。やがて大きな岩があり、その左から岩間を通過したが、この岩の上に上がると南に鋸山から庚申山にかけてのパノラマが広がっており、このコースでは最高の展望地であるという。これを見逃してしまい残念である。傾斜が緩くなってきて前方に青銅の剣が立っていた。剣には「庚申二柱大神」と刻まれ、「奉納 当山開祖木林惟一」と記され、明治二六年七月二十一日という日付があった。木林惟一は東京庚申講の先達であり、庚申山から皇海山に至る道を拓いたのだと言われている。青銅の剣の先に皇海山の山頂があった。山頂は小さな広場になっていて、二等三角点があり、渡良瀬川水源碑が立っている。山頂は、以前よりも樹木が成長していて、より眺望がなくなった感じであるが、それでも樹間から日光白根山(2578m)の姿を確認することができた。もっとよく見れば、武尊山、谷川岳や燧ヶ岳の姿も見えたかも知れない。山頂でしばらく休憩していると、単独行の男性がやってきた。聞くと、何と同じく京都(綾部)からはるばるやってきたという。もうリタイヤしているので百名山に挑戦しているというので、しばらく山談義になった。
うっすらと富士山が見える
うっすらと富士山が見える
皇海山山頂に近いところにある「青銅の剣」
皇海山山頂に近いところにある「青銅の剣」
皇海山山頂は小さな広場になっているが、眺望は望めない
皇海山山頂は小さな広場になっているが、眺望は望めない
<皇海山山頂~鋸山>
 皇海山山頂の滞在時間は20分余りで不動沢のコルに下ることにした。下山途中では10人を超える登山者とすれ違った。平日だというのにたくさんの登山者(そのほとんどがリタイア組)が登ってくるのは、やはり皇海山が百名山であるからであろうか。その中のひとりは銀山平を午前3時に出発したとか。往復のコースタイムが14時間近いのでびっくりする。不動沢のコルまで下ってくると男性二人が休憩していた。聞くと今朝庚申山荘をスタートしてやってきたとか。不動沢コースではなく、本来の三山駆けコースを登ってくる登山者も結構いるのだ。さて、コルから鋸山(1998m)に向かう。P1901を通過すると一旦下りとなるが、左手に奥白根山や男体山の眺望が開けてくる。再び登り返していくと岩場があり、右から回り込むように登ると展望が一気に開けてくる。さらに急登になるが、固定ロープがあるものの、登山口で切れる危険があると書かれていたことから、これを使わず木の根などをつかんで登ると鋸山の山頂に到着した。山頂からの眺望は抜群である。来たには間近に皇海山が牛の背のようなどっしりとした山容を見せている。その右には日光白根山、太郎山、女峰山、男体山と並んで見える。左には、巻機山、武尊山、谷川岳が並んでいる。南西には赤城山があり、すぐ南には袈裟丸山(三百名山)、東には庚申山も見えている。晴天の下、誰もない鋸山山頂で至福のランチタイムを過ごすことができた。
鋸山山頂から皇海山に乾杯!
鋸山山頂から皇海山に乾杯!
鋸山からのパノラマ
鋸山からのパノラマ
<鋸山~登山口>
 1時間余のランチタイムを過ごした鋸山に後ろ髪を引かれる思いで下山することにした。後々の予定を考えるとそうのんびりとしてはいられない。銀山平からやってきた男性登山者が皇海山から戻ってきたのを汐に下山を開始した。登りと比べるとやはり下山は楽だ。20分ほどで不動沢のコルに到着する。休むことなくさらに下山する。往路をピストンするが、所々で通過点を確認しながら下る。広い二俣では青空にカツラの紅葉が映えている。今日は一日好天のもとで皇海山登山ができたことをうれしく思いながら登山口まで戻った。あとはまた長い林道走行が待っていたが、慎重な運転で無事にゲートまで戻ることができた。下山後は、白沢高原温泉「望郷の湯」(サウナあり)で汗を流した。
written by kitayama-walk
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クロオ
記事: 469
登録日時: 2011年2月20日(日) 09:08
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Re: 【日本百名山】 皇海山-足尾山塊の盟主に登る

投稿記事 by クロオ »

kitayama-walkさん、こんばんは


 【コース】 7:45皇海橋(登山口) 7:50渡渉 8:25中間点 8:30広い二俣 8:40最上部の二俣 8:55不動沢のコル 9:10展望地 9:40▲皇海山10:05 10:30不動沢のコル 11:00鋸山12:10 12:30不動沢のコル 12:50広い二俣 13:25皇海橋(登山口)


 私も、2014年9月22日に全く同じ悪路を走り、全く同じコースで登りました。皇海山へは、普通に歩けましたが、鋸山へは、岩場があり、ちょっと緊張感を持って登りました。
皇海橋
皇海橋

 日帰り登山が可能ということから、やはり群馬県側からアプローチすることにしたが、栗原川林道の通行状況は事前に確認しなければならない。栗原川林道は沼田市利根町の追貝側と根利側からの入口がある。前者は突起のある石が散乱する悪路であり、後者は少しましだという。しかし、いずれも20㎞にも及ぶ未舗装のダートな林道であることは間違いない。沼田市利根振興局に問い合わせたところ、根利側からのみ通行可能ということだった。


 私が行った時も、栗原川林道は全面通行止めでした。林道入り口には、う回路の案内があり、立派な地図も置いてありました。
栗原川林道入り口、全面通行止めの案内(2014年9月)
栗原川林道入り口、全面通行止めの案内(2014年9月)
置いてあったう回路の地図
置いてあったう回路の地図
 実は、私は2007年9月15日にも登ろうとして栗原川林道入り口まで行ったことがあります。その時も全面通行止めでした。何も事前確認もせずに行き、入り口で全面通行止めを知りました。急遽、予定を変えて、日光白根山に登りました。
栗原川林道入り口、全面通行止めの案内(2007年9月)
栗原川林道入り口、全面通行止めの案内(2007年9月)

 青銅の剣の先に皇海山の山頂があった。山頂は小さな広場になっていて、二等三角点があり、渡良瀬川水源碑が立っている。山頂は、以前よりも樹木が成長していて、より眺望がなくなった感じであるが、それでも樹間から日光白根山(2578m)の姿を確認することができた。


 皇海山山頂は展望がほとんどなく、あまり感動が無かったのが正直なところです。
皇海山山頂
皇海山山頂

 さて、コルから鋸山(1998m)に向かう。P1901を通過すると一旦下りとなるが、左手に奥白根山や男体山の眺望が開けてくる。再び登り返していくと岩場があり、右から回り込むように登ると展望が一気に開けてくる。さらに急登になるが、固定ロープがあるものの、登山口で切れる危険があると書かれていたことから、これを使わず木の根などをつかんで登ると鋸山の山頂に到着した。山頂からの眺望は抜群である。来たには間近に皇海山が牛の背のようなどっしりとした山容を見せている。その右には日光白根山、太郎山、女峰山、男体山と並んで見える。左には、巻機山、武尊山、谷川岳が並んでいる。南西には赤城山があり、すぐ南には袈裟丸山(三百名山)、東には庚申山も見えている。晴天の下、誰もない鋸山山頂で至福のランチタイムを過ごすことができた。


 鋸山側からは皇海山が立派に見えていました。展望がよく来た甲斐を感じました。
鋸山山頂
鋸山山頂
皇海山 鋸山から
皇海山 鋸山から
                                        クロオ
六右衛門(YaS)
記事: 159
登録日時: 2011年5月11日(水) 20:34
お住まい: 大阪府三島郡島本町山崎
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Re: 【日本百名山】 皇海山-足尾山塊の盟主に登る

投稿記事 by 六右衛門(YaS) »

kitayama-walk さん こんばんは

 レポの最後にある鋸山からのパノラマは、日光の山がこう見えるのかととても新鮮でした。小生は1980年11月初旬に銀山平〜庚申山荘〜庚申山〜鋸山と登ったのですが、皇海山は見えていましたがいったん下って登り直しのため断念しました。当時住んでいた茨城県を朝出発し、皇海山を日帰りしようという無謀な計画で、当然のごとく鋸山で時間切れでした。(休みも入れて往復10時間弱かかりました。また当時は群馬県側からのコースはなく、六林班峠と庚申山経由の2本だったと思います。)

関西からだとこの辺りの山域はあまりに遠く、行くには余程の決断が必要なので、皇海山は未踏のまま終わりそうです。
もしこの辺りに遠征されるなら、百名山ではありませんが女峰山もいい山ですよ。日光市街・寂光滝から登り1670mです。

  六右衛門(YaS)
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