【北ア】燕岳から蝶ヶ岳へ縦走、三俣1300mからダウンヒル

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skywalk
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登録日時: 2011年3月07日(月) 21:33

【北ア】燕岳から蝶ヶ岳へ縦走、三俣1300mからダウンヒル

投稿記事 by skywalk »

【 日 付 】2016年8月12日(金)~8月13日(土)
【 山 域 】 北アルプス
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】しゃくなげ荘>中房温泉6:15>合戦尾根>燕山荘ー燕岳往復>表銀座縦走路>14:27大天井テン場宿泊5:15>常念岳>蝶ヶ岳>三俣>しゃくなげ荘

 今年の夏山遠征第2弾は以前からプランを練っていた燕岳、常念岳の縦走を実行することにした。8年位前だったか餓鬼岳から常念岳まで三日間で縦走し三股へ下ってデポしておいたMTBで一気に麓まで駈け下り大糸線の細野駅から安曇沓掛駅まで折り畳んだMTBとともに電車に乗り餓鬼岳登山口まで戻ったことがあった。MTBで登山口に向かうと県道の山麓線を過ぎた辺りからペダルが重くなり残りは歩いて登山口に戻った。夏の太陽が照りつけ暑かった覚えがある。
 8年前のプランを再度演じるには歳をとりすぎた。もっと省エネの楽ちんプランとして考えたのは、安曇野市の温泉健康施設しゃくなげ荘から中房温泉行の登山バスに乗り燕岳から常念岳まで一泊で縦走して三股に下れば後はMTBで麓まで一気下り県道山麓線を少し北上すればしゃくなげ荘に戻れるという寸法である。

 8月11日午後から自宅を出発。夜の内にMTBを三俣にデポしようと林道を進むと真っ黒な林道のヘアピンカーブで先が見えず一度止まってゆるゆるとカーブを切る。そんなことを繰り返して三俣の駐車場に着いた。MTBをデポしたら麓へ引き返し公衆便所前の駐車場で夜を明かした。当てにしていたアルプス公園はゲートが閉まっていた。

 翌朝4時半くらいからしゃくなげ荘に移動。奥の方の登山者専用駐車場に車を止め朝食を済ませて出発準備を整えた。
 しゃくなげ荘には温泉はもちろんスポーツ施設や足湯もあってのんびり過ごせるようになっている。
 本館前のバス停で5時20分のバスを待っていると時間より早くバスが到着して「満車だから次のバスに乗ってください。」と言い残して行ってしまった。次のバスも満車近く、私は4号車に何とか乗せてもらった。客を全部捌くまで増発便を出してくれるが、まだ多くの登山客が取り残されていた。
 6時15分、予定より少し遅れて中房温泉に着いた。登山届を出して登山口に来てみるとトイレ前に男女とも長蛇の列ができていた。さすが北アルプスだ。
 三大急登と言われる合戦尾根は確かに急ではあるが、登り易くリズム良く高度を稼ぐことができる。
 7時40分、第3ベンチに着いた。もう半分来てしまったことになる。
富士見ベンチを通過してなおも登り続けると
8時45分、合戦小屋に着いた。ここはスイカが名物らしく、息を切らして登ってきた登山者が冷やしたスイカで喉を潤していた。
アキノキリンソウはどこにでも咲いている。
今日の幕営地となる大天井岳がはるか遠くに見えている。
リンドウの蕾はだいぶ膨らみ秋の到来を待っている。
対してハクサンフウロはやつれ気味だ。
燕山荘が見えてきました。傾斜もだいぶ緩くなりルンルン花見登山です。
ハルリンドウみたいな小さな花はミヤマリンドウかな。
シナノオトギリ(弟切)の名前は、可憐な姿とは裏腹にその薬効を巡って兄弟で殺し合ったという逸話に由来する。
燕山荘の下はお花畑で様々な色の花が咲いていた。
9時55分、大パノラマが広がる燕山荘に着きました。
ハイマツの濃い緑と花崗岩の白ザレが美しいコントラストをなす燕岳、ザックを下ろして山頂まで往復しましょう。
IMGP4847.JPG
イルカ岩か、なるほどそっくりだけど目玉は誰かの創作ですね。
今年初めて女王様(コマクサ)にも謁見できた。
メガネ岩はだいぶ潰れてます。形状記憶合金なら元に戻るんだけど。
10時23分、燕山頂に着きました。険しい岩場が続く北燕にも行ってみたいけど疲れたし止めておきましょう。
北に見える後立山連峰は鹿島槍でしょうか。
小屋に戻ったらおにぎり弁当でランチにしました。稜線に出られたご褒美にビールで乾杯です。
 昼食を済ませたら稜線を進みます。暫くは表銀座縦走路の平坦なルートで腹ごなしできます。
岩場も横目に見ながら通過していくだけで楽々。
蛙岩ってどれだろう。気にしたこともないから分からない。
これはウメバチソウかな?
P2678mで平たん路は終わり、大下りとなる。大天井岳もだいぶ近づいた。
IMGP4860.JPG
コルから、さぁ登り返しだ。暑いので途中の日陰に倒れこむようにして休む。
ここにもナデシコの花畑があったけど、もう終わりかけで元気がない。
また平たん路に出て足休めができる。
最後のコルから大天井の登りが始まる。最初は痩せた尾根を登る。
IMGP4867.JPG
胸突き八丁の登りは苦しいなぁ。もう少しだ、がんばれ。
IMGP4868.JPG
14時27分、大天荘のテン場に着きました。まだいい場所が残っていましたが、3時を過ぎると石ころがゴロゴロする場所しかなくなりました。近くでは場所取りを巡って小競り合いも。小屋でテン場代700円を支払い、ついでに水1L(200円)を買いました。沢の水をポンプアップしたもので生でも飲めます。
 テントを張ったら山頂まで行ってみましょう。
ちょっとガスって展望は良くありませんでした。
小屋の裏はお花畑になっていてミヤマタンポポの大きな花が目立ちます。
葉っぱも茎も細長いのはミヤマキンポウゲ。
テントで一休みしてから紙パックのワインをストローでチュルチュル。これでは、どうにも美味しくないなぁ。
夕食は例によってラーメンおにぎり。さぁ、寝るぞと力んだところで眠れる訳がない。横になって体を休めるだけだ。今日は雨の心配もないし、風も穏やかだ。今日も眠れないけど明日を楽しみに夜明けを待ちましょう。
(二日目)
8月13日(土)午前4時にもなればキャンプ村はガチャガチャと賑やかになってきます。
私もシュラフから出て朝の準備を始めます。朝食はラーメンにパン、ソーセージなどで済ませます。荷物をまとめテントを撤収していると朝日が昇り始めました。今日も好い天気です。
5時15分、大天荘を出発。
穂高岳が大きな島のように雲海に浮かんでいます。
IMGP4878.JPG
槍ヶ岳は朝日を受けて輝き始めました。ここから見る眺めは最高だ。穂高や槍ヶ岳にいたんじゃ絶対にこの眺めは見れないからね。
大天井から常念岳手前の小屋までほとんどアップダウンは無く緩やかに下って行きます。
今日も女王様(コマクサ)に見送られて軽快な縦走路を進みます。
東天井岳から少し下って横通岳は名前のとおり山腹をトラバースして行きます。
常念岳が近づきました。コルにある常念小屋は雲海に飲まれました。
IMGP4883.JPG
7時、常念小屋に着きました。
小屋から常念頂上まで標高差400m弱。一気登りという訳にはいかないので途中何度か小休止。
雲海が上がってくると大キレットのコルに雲海の滝が現れることがあるが、今日は風向きが悪くて現れそうにもない。
だいぶ山頂が近づいた。あとワンピッチで行けるかな。
8時10分、常念山頂(2857m)に到着。
横通岳から大天井岳に至る縦走路を振り返ります。
IMGP4891.JPG
足元にはイワギキョウが厳しい環境に耐えて花を咲かせています。
いいペースで来られたので蝶ヶ岳まで足を延ばすことにしました。蝶ヶ岳には半分ガスがかかってきました。蝶ヶ岳に登ったのは、40年近く昔のことだ。今回のチャンスを逃すと再訪の機会はないかもしれない。
常念南尾根の岩場。今日の旅の成功を祈念してVサインを出しているのでしょうか。
この縦走路はP2512mを過ぎると一旦森林帯に入ります。気温がかなり上がっていたので森林の木陰がありがたい。
P2592mの乗り越しはつらいが、足元のハクサンフウロやウメバチソウのお花畑が元気づけてくれる。
ちょこんと見える蝶ヶ槍まで最後の登り。
ピークまであと少し、ファイトぉ~。
10時44分、蝶ヶ槍に到着。まだ展望が残っていましたが、休んでいるうちにガスに包まれました。
IMGP4902.JPG
蝶ヶ岳は山頂近くのヒュッテまで緩やかな起伏が続きます。
11時20分、蝶ヶ岳ヒュッテに着きました。奥に見える丘が山頂です。平坦で取り留めのない山頂を踏んでからヒュッテに戻り三股へ下り始めました。
山頂からしばらく急斜面の下りが続きます。急斜面の下りをこなしたところで蝶沢を渡ります。期待していた水は伏流していて流れていません。上の方から水音がするのでガレ沢を少し登って給水しました。ここで給水しないと三股近くまで水場はありません。
蝶ヶ岳の登山道は緩急のメリハリがはっきりしていて、しばらく緩斜面が続きます。針葉樹の森ですが、明るくて気持ち良いところだ。
まめうち平で一休みした後は、また急斜面の下りになります。
本沢の吊り橋を渡ればすぐ三股です。
三股に出てから林道を600m歩き、MTBをデポした駐車場に着きました。(14:30)
欲張って蝶が岳まで足を延ばしたせいで二日目も9時間を超える日程になりましたが、達成感、充足感も120%。
後はMTBに跨り一気にダウンヒルです。下り始めると少し登り坂になったところがありましたが、ギアを落としペダルを踏んで通過できました。さぁ、ダウンヒル再開。風を切りブレーキを軋ませながら県道の山麓線まで下ります。標高1300mの三股から650mの山麓線まで一気に下ると夏の太陽が容赦なく照りつけて暑い。平坦なように見える山麓線にも緩い登りがあり、暑さの中でペダルを漕ぐのはつらい。
15時15分、しゃくなげ荘の駐車場に着きました。二日間の冒険が無事に終了しました。二日間とも天候に恵まれ稜線からの展望を存分に楽しめました。高山植物もまだまだ残っていて旅の疲れを癒してくれました。機会があれば、またトライしてみたくなる美味しいコースプランに大満足。
skywalk
記事: 520
登録日時: 2011年3月07日(月) 21:33

Re: 【北ア】燕岳から蝶ヶ岳へ縦走、三俣1300mからダウンヒル

投稿記事 by skywalk »

縦走二日目を追加編集しました。
続きをお楽しみください。
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山日和
記事: 3583
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【北ア】燕岳から蝶ヶ岳へ縦走、三俣1300mからダウンヒル

投稿記事 by 山日和 »

skywalkさん、こんにちは。亀レスですんません。

燕~大天井~常念乗越間は歩いたことがありません。一度ぐらいはと思いながらも、車の回収をどうするか(タクシーで回収した記録
も見ましたが、もったいない!!)で二の足を踏んでました。
三股起点で常念~蝶の周回はやったんですけど、登山口と下山口が離れており、なおかつ片方に交通機関がないというのが高い壁でした。
しゃくなげ荘に車を止めてバスで中房温泉へ入り、三股からチャリとは目からうろこでしたわ。 :shock:
これはいいですねえ。今年は無理でも来年やってみようっと。 :D
山行へのコメント無しで失礼しました。

                          山日和
skywalk
記事: 520
登録日時: 2011年3月07日(月) 21:33

Re: 【北ア】燕岳から蝶ヶ岳へ縦走、三俣1300mからダウンヒル

投稿記事 by skywalk »

山日和さん、こんばんは。
拙いレポですが、ご参考になりましたでしょうか。
三股から餓鬼岳の登山口まで戻った時は、だんだん坂がきつくなって遂にはペダルを漕げなくなりました。
それに比べると今回はほとんど下りだけですから、ずっと楽でした。我ながら「うまくやったね。」とニンマリしています。
燕、常念間は最後の登り以外フラットでとても軽快な縦走路です。槍や穂高の大展望と高山植物を楽しんで行けばよいという快適コースです。
試して見て損のないコースです。(タクシー代も小屋代も払ってないから損のしようがないけど)一度お試しください。
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