【北海道】十勝岳
Posted: 2011年7月02日(土) 10:54
【 日 付 】2011年6月29日(水)~30(木)
【 山 域 】北海道 十勝連峰
【メンバー】あろん
【 天 候 】曇り山頂付近強風
【 ルート 】
1日目
中部空港9:15>スカイマーク>11:00新千歳空港11:49+JR+12:25札幌15:20=高速バス=17:25旭川=レンタカー=19:00吹上温泉白銀荘(泊)
2日目
白銀荘5:16—5:46九条武子歌碑—6:05雲の平分岐—6:43十勝岳避難小屋—7:30昭和火口—8:55十勝岳9:10—9:18引返し地点—9:30十勝岳—10:49十勝岳避難小屋10:57—12:15白銀荘==旭川空港17:50>スカイマーク>18:25新千歳空港20:10>スカイマーク>22:00中部空港
【交通宿泊費】
スカイマークエアライン往復 中部空港~新千歳空港 11,600円
JR北海道 新千歳空港→札幌 1,040円
高速バス 札幌→旭川 2,000円
スカイマークエアライン 旭川空港→新千歳空港 5,000円
レンタカー 駅レンタカー軽自動車1泊2日 5,190円
ガソリン代 940円
吹上温泉白銀荘(素泊) 2,600円
合計 28,370円
今年の北海道行きは十勝岳に決めていた。とはいってもスカイマークの5,800円が取れるかどうかだ。
2ヶ月前の9:30から発売で2日にかけてチケット争奪戦に臨まねばならない。パソコンの前に座って9:30を待つ。デスクトップに時計を表示させてジャストタイムで予約作業開始だ。お・お・重いっ!アクセス集中で動作が遅い。
名前や電話番号、年齢など入力して送信!おお!取れたではないか。この日は9:35頃には予定枚数が売り切れていた。翌日もこんな感じでチケットをゲット。あとは2ヵ月後の天候が良いことを祈るのみだ。
九州の久住山へ行ったばかりなので、財布も軽く、キャンセルも考えたがこの格安チケットは取消手数料、払戻手数料合計で4,500円も取られてしまい、手元に帰って来る金額は片道で1,300円しか戻ってこない。格安チケットのデメリットはキャンセル時のリスクが大きいということだ。金欠病が当分続くことになるだろうが、なんとかなるかと開き直って出かけることにした。
気がかりは残念ながら梅雨前線が東北地方南部まで上がってしまい、天気予報も曇りで風が強くなるようだ。
出発当日の朝は前十勝岳の山頂部分は見えるものの、奥の十勝岳本峰はわずかに火口縁が見えるだけで山頂は雲の中である。テンションは上がらないが気を取り直して出発した。 熊笹の切り開き道はところどころにぬかるみがあって歩きにくい。ズボンのすそが汚れてしまってスパッツをつけなかったことを後悔する。ぬかるみの道が終わる頃低い五葉松のような樹林帯が続き、九条武子の歌碑が現れる、よくもまあこんなところに歌碑を作ったものだ。
「たまゆらに けむりおさめてしずかなる 山にかへれば 美るにしたしも」
やがて溶岩の固まった黒い岩がごつごつと押し出してくる。こういう景観は火山に来ていることをあらためて気づかされる。
黒い溶岩に映える満開の白いイソツツジの大群落がすばらしい。
道はやがて望岳台からの道と合流し、道幅は驚くほど広くなる。北アルプスの有峰湖から太郎平の道を思わせる道だ。だだっ広い十勝岳の裾野のようではあるが樹木は少なく名も知らぬ花がパラパラと咲いている。風はほとんどなく雪渓を多く残した山肌を見上げながら涼しげな風景を楽しむ。
十勝岳山荘は数年前に立て替えられたようで、中に入れば5~6人が横になれる板縁と土間を囲むような腰掛状の縁台という造りだ。
避難小屋を越えると勾配が急になってくる。岩のガラガラを登るといよいよガスの中に突入した。だんだん上に行けば行くほど風も増してくる。登山者は前方に男性2人組、後方に若い単独の男性が見えるのみだ。やがてあっという間にこの男性に追い越される。彼は半袖でいかにも寒そうである。僕もこのあたりから冷えてきたのでTシャツ、長袖シャツ、雨具の三枚で登り始めた。風がどんどん強くなってくる。
昭和火口のあたりで先行の2人組に追いつく。このあたりになるともう20m先が見えない。
「この下が昭和火口ですか?」と聞くと「そうみたいだねぇ」と返事が返ってきた。
休憩にすると入れ替わるように彼らは歩き始めた。じっとしていると寒い。ついに手袋を装着した。
ここからしばらくはスリバチ火口とグランド火口の間の稜線歩きとなるが、な~~んにも見えない。足元の砂地に感心しながらケルンや岩に記されたペンキマークを頼りに歩く。もう10m先が見えない。風は風速20mぐらいになってるんじゃないだろうか。ガスが稜線をビュンビュンわたっていく。ズボンのすそもバタバタし始めた。帽子も飛ばされないように何度もかぶりなおす。 ガスの向こう側から突然現れる対向者におおっ!と思いながら歩けば、道はやがて硫黄を含んだ岩と土になってくる。岩も多くなって勾配が増し、ひと登りすれば山頂に到着した。
山頂には僕を含めて8人だ。折れた三角点が転がっていて、その代わりといってはなんだが、立派な「光顔巍々(こうげんぎぎ)」と彫られた石標が立てられている。仏教に関連する石碑らしく、十勝岳も山岳信仰の山にしたかったようだ。 山頂の周りの岩は「武運長久」とか大正、昭和あたりの落書きが目立つ。
寒い。垂れてくる鼻水をすすりながら山頂の写真を撮っていると、先ほどの二人組みが「こちらが風が当たらないですよ」と岩陰に誘ってくれた。彼らと再び話を交わす。「これからどちらへ?」と聞かれるので「美瑛岳経由して白銀荘に周回で戻ります。」と答えると、「僕らもその予定でしたがこの風とガスですのでピストンで望岳台へ帰ります。」と言う。
やがて彼らが元の道へと去っていくと外人を含めたパーティーがやってきた。平日のこんな天気でも次から次へとやってくる。さすが百名山だ。
さあ、気合を入れなおして美瑛岳を目指そう。
山頂部で念のためコンパスをあわせた。視界は10m。風速はやっぱり常時15mはあるだろうか。
トントンと山頂から70mほど下ったところで雨がパラパラっと来た。一気にモチベーションがさがった。そう思うと風で息もしにくくなってきた。美瑛岳まで2時間強。
「や~めたっと!」踵を返して十勝岳に登り返す。
帰路はもうずいぶん下のほうまでガスで覆われてしまっていた。避難小屋あたりまで来るとやっとガスも取れて広大な景色が裾野へと広がっている。不思議に風もパタッとやんでいる。地形のせいだろうが、こうまで風がなくなるのはキツネにつままれたようで面白い。 ふと気づくとチーチーともピーピーともとれるような鳴き声が聞こえてきた。
「ナキウサギだ!」目を凝らしてみるが姿は見えなかった。
白銀荘の温泉で汗を流しレンタカーに乗り込む。時間が余ってしまったので美瑛の観光をすることにした。
白金温泉の成分で色が変わると言う「青い池」や美瑛の丘陵地域の「ケンとメリーの木」とか「セブンスターの木」とか回って旭川空港から帰路に着いた。
最初からピストンの予定であれば時間的に吹上温泉発の町営バスが利用できたし、旭川~札幌間は帰路も高速バスが使えてもう少し安くできたかもしれない。
でもなかなか来られないところなので、欲張りたいし、コースもあればピストンだと物足りない。
ついでに格安航空券利用のデメリットを上げておこうかな。
「キャンセルの金銭的リスクが大きい。」
遠征に共通したことなんだろうけど、予約済みであるがために行程を無理に強行すると事故につながる確立が高くなると思う。
天気のよい日を狙って直前に予約すれば間違いないだろうけど、航空機など高額になる。難しい選択だけど行く回数を減らしてこちらにシフトしていったほうが良いのかなとも思えてきた。
特に歳を重ねてくると自重することも覚えなければいけないなぁと、まじめに考える山旅となりましたとさ。
とはいうものの9月以降の料金設定が5,800円で再開されてるようだしなぁ・・・・。ん~~~~
つう
【 山 域 】北海道 十勝連峰
【メンバー】あろん
【 天 候 】曇り山頂付近強風
【 ルート 】
1日目
中部空港9:15>スカイマーク>11:00新千歳空港11:49+JR+12:25札幌15:20=高速バス=17:25旭川=レンタカー=19:00吹上温泉白銀荘(泊)
2日目
白銀荘5:16—5:46九条武子歌碑—6:05雲の平分岐—6:43十勝岳避難小屋—7:30昭和火口—8:55十勝岳9:10—9:18引返し地点—9:30十勝岳—10:49十勝岳避難小屋10:57—12:15白銀荘==旭川空港17:50>スカイマーク>18:25新千歳空港20:10>スカイマーク>22:00中部空港
【交通宿泊費】
スカイマークエアライン往復 中部空港~新千歳空港 11,600円
JR北海道 新千歳空港→札幌 1,040円
高速バス 札幌→旭川 2,000円
スカイマークエアライン 旭川空港→新千歳空港 5,000円
レンタカー 駅レンタカー軽自動車1泊2日 5,190円
ガソリン代 940円
吹上温泉白銀荘(素泊) 2,600円
合計 28,370円
今年の北海道行きは十勝岳に決めていた。とはいってもスカイマークの5,800円が取れるかどうかだ。
2ヶ月前の9:30から発売で2日にかけてチケット争奪戦に臨まねばならない。パソコンの前に座って9:30を待つ。デスクトップに時計を表示させてジャストタイムで予約作業開始だ。お・お・重いっ!アクセス集中で動作が遅い。
名前や電話番号、年齢など入力して送信!おお!取れたではないか。この日は9:35頃には予定枚数が売り切れていた。翌日もこんな感じでチケットをゲット。あとは2ヵ月後の天候が良いことを祈るのみだ。
九州の久住山へ行ったばかりなので、財布も軽く、キャンセルも考えたがこの格安チケットは取消手数料、払戻手数料合計で4,500円も取られてしまい、手元に帰って来る金額は片道で1,300円しか戻ってこない。格安チケットのデメリットはキャンセル時のリスクが大きいということだ。金欠病が当分続くことになるだろうが、なんとかなるかと開き直って出かけることにした。
気がかりは残念ながら梅雨前線が東北地方南部まで上がってしまい、天気予報も曇りで風が強くなるようだ。
出発当日の朝は前十勝岳の山頂部分は見えるものの、奥の十勝岳本峰はわずかに火口縁が見えるだけで山頂は雲の中である。テンションは上がらないが気を取り直して出発した。 熊笹の切り開き道はところどころにぬかるみがあって歩きにくい。ズボンのすそが汚れてしまってスパッツをつけなかったことを後悔する。ぬかるみの道が終わる頃低い五葉松のような樹林帯が続き、九条武子の歌碑が現れる、よくもまあこんなところに歌碑を作ったものだ。
「たまゆらに けむりおさめてしずかなる 山にかへれば 美るにしたしも」
やがて溶岩の固まった黒い岩がごつごつと押し出してくる。こういう景観は火山に来ていることをあらためて気づかされる。
黒い溶岩に映える満開の白いイソツツジの大群落がすばらしい。
道はやがて望岳台からの道と合流し、道幅は驚くほど広くなる。北アルプスの有峰湖から太郎平の道を思わせる道だ。だだっ広い十勝岳の裾野のようではあるが樹木は少なく名も知らぬ花がパラパラと咲いている。風はほとんどなく雪渓を多く残した山肌を見上げながら涼しげな風景を楽しむ。
十勝岳山荘は数年前に立て替えられたようで、中に入れば5~6人が横になれる板縁と土間を囲むような腰掛状の縁台という造りだ。
避難小屋を越えると勾配が急になってくる。岩のガラガラを登るといよいよガスの中に突入した。だんだん上に行けば行くほど風も増してくる。登山者は前方に男性2人組、後方に若い単独の男性が見えるのみだ。やがてあっという間にこの男性に追い越される。彼は半袖でいかにも寒そうである。僕もこのあたりから冷えてきたのでTシャツ、長袖シャツ、雨具の三枚で登り始めた。風がどんどん強くなってくる。
昭和火口のあたりで先行の2人組に追いつく。このあたりになるともう20m先が見えない。
「この下が昭和火口ですか?」と聞くと「そうみたいだねぇ」と返事が返ってきた。
休憩にすると入れ替わるように彼らは歩き始めた。じっとしていると寒い。ついに手袋を装着した。
ここからしばらくはスリバチ火口とグランド火口の間の稜線歩きとなるが、な~~んにも見えない。足元の砂地に感心しながらケルンや岩に記されたペンキマークを頼りに歩く。もう10m先が見えない。風は風速20mぐらいになってるんじゃないだろうか。ガスが稜線をビュンビュンわたっていく。ズボンのすそもバタバタし始めた。帽子も飛ばされないように何度もかぶりなおす。 ガスの向こう側から突然現れる対向者におおっ!と思いながら歩けば、道はやがて硫黄を含んだ岩と土になってくる。岩も多くなって勾配が増し、ひと登りすれば山頂に到着した。
山頂には僕を含めて8人だ。折れた三角点が転がっていて、その代わりといってはなんだが、立派な「光顔巍々(こうげんぎぎ)」と彫られた石標が立てられている。仏教に関連する石碑らしく、十勝岳も山岳信仰の山にしたかったようだ。 山頂の周りの岩は「武運長久」とか大正、昭和あたりの落書きが目立つ。
寒い。垂れてくる鼻水をすすりながら山頂の写真を撮っていると、先ほどの二人組みが「こちらが風が当たらないですよ」と岩陰に誘ってくれた。彼らと再び話を交わす。「これからどちらへ?」と聞かれるので「美瑛岳経由して白銀荘に周回で戻ります。」と答えると、「僕らもその予定でしたがこの風とガスですのでピストンで望岳台へ帰ります。」と言う。
やがて彼らが元の道へと去っていくと外人を含めたパーティーがやってきた。平日のこんな天気でも次から次へとやってくる。さすが百名山だ。
さあ、気合を入れなおして美瑛岳を目指そう。
山頂部で念のためコンパスをあわせた。視界は10m。風速はやっぱり常時15mはあるだろうか。
トントンと山頂から70mほど下ったところで雨がパラパラっと来た。一気にモチベーションがさがった。そう思うと風で息もしにくくなってきた。美瑛岳まで2時間強。
「や~めたっと!」踵を返して十勝岳に登り返す。
帰路はもうずいぶん下のほうまでガスで覆われてしまっていた。避難小屋あたりまで来るとやっとガスも取れて広大な景色が裾野へと広がっている。不思議に風もパタッとやんでいる。地形のせいだろうが、こうまで風がなくなるのはキツネにつままれたようで面白い。 ふと気づくとチーチーともピーピーともとれるような鳴き声が聞こえてきた。
「ナキウサギだ!」目を凝らしてみるが姿は見えなかった。
白銀荘の温泉で汗を流しレンタカーに乗り込む。時間が余ってしまったので美瑛の観光をすることにした。
白金温泉の成分で色が変わると言う「青い池」や美瑛の丘陵地域の「ケンとメリーの木」とか「セブンスターの木」とか回って旭川空港から帰路に着いた。
最初からピストンの予定であれば時間的に吹上温泉発の町営バスが利用できたし、旭川~札幌間は帰路も高速バスが使えてもう少し安くできたかもしれない。
でもなかなか来られないところなので、欲張りたいし、コースもあればピストンだと物足りない。
ついでに格安航空券利用のデメリットを上げておこうかな。
「キャンセルの金銭的リスクが大きい。」
遠征に共通したことなんだろうけど、予約済みであるがために行程を無理に強行すると事故につながる確立が高くなると思う。
天気のよい日を狙って直前に予約すれば間違いないだろうけど、航空機など高額になる。難しい選択だけど行く回数を減らしてこちらにシフトしていったほうが良いのかなとも思えてきた。
特に歳を重ねてくると自重することも覚えなければいけないなぁと、まじめに考える山旅となりましたとさ。
とはいうものの9月以降の料金設定が5,800円で再開されてるようだしなぁ・・・・。ん~~~~
つう