【若狭】どこまでも続くブナの森 庄部谷山から赤坂山へ

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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【若狭】どこまでも続くブナの森 庄部谷山から赤坂山へ

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2015年5月17日(日)
【山 域】若狭 庄部谷山・三国山・赤坂山
【天 候】晴れ
【コース】粟柄関所跡7:12---7:56黒谷二俣---9:22庄部谷山---10:42 P806m---11:33新庄乗越---12:26ランチ場13:29
     ---13:51三国山---14:35赤坂山14:56---15:40県境稜線鉄塔---16:30うつろ谷出合登山口---16:51駐車地

 珍しく粟柄関所跡に車を止めて歩き出した。いつもなら黒谷林道へ入って駐車するのだが、今日は折戸谷からここへ
戻って来る予定だからだ。いつもの駐車地にはこれも珍しく先客の車があった。
荒れ放題の黒谷林道支線には崩壊した斜面にはっきりとした踏み跡が付けられていた。以前はどこを歩けばいいのか
迷うほどだったのだが。しかし最終堰堤の巻きは相変わらず悪い。しっかり汗をかかされて二俣に降り立つ。
ひんやりとした流れで顔を洗うと、すーっと汗が引いていくようだ。

[attachment=7]DSCF3450-1_1_1.jpg[/attachment][attachment=6]DSCF3468_1.JPG[/attachment]
 黒谷右俣の流れは美しく、滝とも呼べない小さな落ち込みの両脇に立つトチの姿がなんとも言えず優美だ。今日は沢
支度ではないので、崩れかけた巡視路を辿る。流れの横に先客の姿があった。竿を持っている。釣り師だったのか。
じゃまをしないようにさっさと先行して平流帯に入った。ここから右岸の巡視路を歩くのは8年振りだろうか。この尾根には
イワカガミの大群落があり、花期に合わせて訪れようと思っていたのだが空振り。遅過ぎたのかまだなのか、咲いてい
たのは数えるほどだった。ブナの続く尾根をゆるゆると登って行くと、苦労もなく静かな庄部谷山の山頂に到着。
先はまだまだ長いのでのんびりしてはいられない。

[attachment=5]DSCF3491_1.JPG[/attachment][attachment=4]DSCF3538_1.JPG[/attachment]
 ここから野坂岳と三国山を結ぶ尾根のP806mまでずっとブナ林が続く。特にCa850mピークからのブナは巨木も多く、
実に雰囲気のある森を形作っている。今日は最高気温も高く、下界では真夏の暑さらしいが、森の中はひんやりとして
暑さ知らずである。
 以前計画が持ち上がっていた風力発電は立ち消えとなり、その下調べのためのテープがあちこちにあったのだが、
今は何もなく清々しい。それほど踏まれているわけでもなく、そこはかとなく続く踏み跡はちょっと油断をすると支尾根へ
誘い込まれてしまう。

 敦賀市と美浜町の境にあたる稜線上のP806mも落ち着きのあるいいところだ。ここからも更にブナ林は続く。少し南下
したところにある浅い谷が入ってくる場所がお気に入りなのだが、ランチには少々早過ぎる。
ビールを飲んで腹が膨れたら三国山の登りが嫌になって新庄乗越から下りてしまいそうだ。我慢して南下を続ける。
 P661mからは植林混じりとなる。潤いの無い杉林の中に立派なブナがぽつぽつと立っているのがミスマッチで面白い
ような面白くないような。掘り込まれた道型が出始めると新庄乗越は近い。ここまで来れば、三国山の山頂近くまで登
らないとランチ適地はないので仕方なく登り始めた。ここからの登りは先ほどの掘り込みとはスケールが違う、深く広く
掘り込まれた、近江坂のような道となる。ただの杣道にしては掘れ過ぎだし、道の付け方も最小勾配となるような緩や
かなカーブを描いている。なにか由緒のある道なのだろうか。

 200mほど頑張れば好展望の尾根筋に出るが、それは取りも直さず日を遮るものが無く暑いということだ。
鉄塔のあたりは眺めがいいので涼しい時期にはいいだろうが。まあ、このあたりの山は展望と言っても凡庸な山並み
を眺めるだけなので、ブナ林の中でランチタイムを楽しむのが私的には吉である。
 2番目の鉄塔を過ぎると尾根の東側にちょっとした台地が広がる。若目ではあるがブナの森だ。尾根から駈け下りて
最適な場所を探して歩き回る。ど真ん中あたりに腰を降ろせば、そよ風が吹き抜けて涼しい。
もうそろそろ冷たい麺の季節かと思っていたが、まだ温かいものの方が相応しい涼しさだ。
 以前来た時に見つけた大きなブナの姿がなかったので不思議に思ったが、ちょっと記憶と違った場所にあった。私の
知る限りでは三国山で一番のブナだと思う。若いブナばかりの中に1本だけ、見事な枝振りの巨木が立っている。

[attachment=3]DSCF3596_1.JPG[/attachment]
 ランチ場から三国山頂はすぐだ。この山頂は潅木の間を少し切り開いただけの潤いのない頂上でどうも好きになれな
い。先客が3人休憩中だったが、ひとりは上半身裸(もちろん男性)でいかにも暑そうだ。
ここからは黒河越への分岐を経て山腹のトラバース道を行く。実に23年振りに歩く道である。あまりいい印象が残って
いなかったのだが、途中小さな流れを渡るところで水を得られたり、ほとんど樹林の中を行くので涼しくていい。
最短コースの県境稜線ヤブコギルートを行かなくてよかった。

[attachment=2]DSCF3621_1.JPG[/attachment]
 崩壊の進む明王ノ禿は、2年前には歩けた尾根芯(崩壊地のキワ)はもう歩く場所が残されていない。
本日最後の登り(のハズだった)をこなして赤坂山の山頂に立つ。庄部谷山が遠い。
 遮るもののない展望がこの山頂の売り物だ。眼下に琵琶湖が広がり、西には日本海もチラッと見える。愛知県から来
た3人パーティーと話をしていると20分以上経ってしまった。

[attachment=1]DSCF3636_1.JPG[/attachment][attachment=0]DSCF3656_1.JPG[/attachment]
 さあ、後は粟柄越の古道を下るだけだ。鉄塔から尾根のトラバース道へ入るとイワカガミの群落があった。ここはいか
にも日当たりの良さそうな斜面だ。
芸術的とも言いたいようなカーブを描く古道を下って行くと、左側に巡視路が分岐した。これは・・・。以前から気になって
いた湯の花谷左岸尾根と繋がる道だろうか。迷わず左の道に入った。
最初の鉄塔を過ぎると樹林帯に入り、程なく湯の花谷左俣である六セン谷の源流に立った。
疎林の中、ナメが走る源頭の雰囲気は素晴らしい。これは最後に大きなおまけを手に入れることができた。谷を渡って
続く道を辿れば左岸尾根に合流できるだろうか。もう1本谷を渡ったところで次の鉄塔に出た。何の気なしに踏み跡の
方向へ進むと源流方向への尾根に乗っている。この尾根はこの尾根でなかなかのブナ林なので悪くはない。
このままだと再び県境稜線へ舞い戻ってしまうがあきらめよう。最後は少しヤブを漕いで稜線直下の鉄塔へ飛び出した。
振り出しに戻って再度粟柄越の古道に入る。今度は脇目を振らずに下山しよう。

                            山日和
添付ファイル
DSCF3656_1.JPG
DSCF3636_1.JPG
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落第忍者
記事: 1229
登録日時: 2011年2月20日(日) 15:31
お住まい: 三重県伊賀市
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Re: 【若狭】どこまでも続くブナの森 庄部谷山から赤坂山へ

投稿記事 by 落第忍者 »

山日和さん、おはようございます。

いつもはもっと早くにアップされると思っているのですが、1週間後は珍しいのではないでしょうか。
カシミールで必ず辿れるように記述されているのですが、知らない山域はやっぱり時間がかかりますね。
庄部谷山はやぶこぎネットでは何度も聞きますが、行ってみたいと思いながら未だに果たせていません。
少し古い記録を読みますと標高856.1メートルになっていますが、今の地形図では855.9メートルになっていますから、少し前の見直しで低くなった山の一つだったのですね。

また三国山と赤坂山も未踏ですから判らないのですが、P661mからの登り返しは植林混じりと相俟って辛そうです。
立派なブナの純林だったらどんなに良いことでしょう。
私が山で飲まないのは、飲んでしまうと歩くのが嫌になると思うからです。
それが登りだったら尚更ですね。
少し昼寝をする余裕でもあればまた違うのかもしれませんけど。

最後は意識してのリングワンデリングだったのでしょうか。
山歩きを初めたばかりの頃、伊賀霊山で意識せずに陥ったことがあって山って恐いなあと思ったことがあります。

涼しそうな写真がとてもいいですね。
山日和さんの嬉しそうな顔が浮かんできます。
落第忍者
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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【若狭】どこまでも続くブナの森 庄部谷山から赤坂山へ

投稿記事 by 山日和 »

落忍さん、どうもです。

いつもはもっと早くにアップされると思っているのですが、1週間後は珍しいのではないでしょうか。

それだけ気合の入っていない証拠でしょうか。 :mrgreen:

カシミールで必ず辿れるように記述されているのですが、知らない山域はやっぱり時間がかかりますね。
庄部谷山はやぶこぎネットでは何度も聞きますが、行ってみたいと思いながら未だに果たせていません。


軌跡を載せるより記述を辿ってルートを想像する方が楽しいでしょう。
でも知らない山域だとちんぷんかんぷんかもね。 :lol:
おまけに軌跡を付けときます。緑色が今回の軌跡です。
里から近くて標高も低く、しかもたいていの尾根は歩けて谷も厳しいところは少ないので、手軽に楽しめるいい山域ですよ。
ぜひ訪れてみて下さい。アドバイスはしますよ。「トチのカツラのワンダーランド」は必見です。びっくりしますよ。 :lol:

[attachment=0]11254062_670380103063785_8200045313720879841_n.jpg[/attachment]
少し古い記録を読みますと標高856.1メートルになっていますが、今の地形図では855.9メートルになっていますから、少し前の見直しで低くなった山の一つだったのですね。

そうだったんですか。知らなかったなあ。三角点の標石の上で以前の標高ってわけですね。(^^ゞ

[attachment=2]DSCF3502_1_1.JPG[/attachment]
また三国山と赤坂山も未踏ですから判らないのですが、P661mからの登り返しは植林混じりと相俟って辛そうです。
立派なブナの純林だったらどんなに良いことでしょう。


まあ、それまでが良過ぎるからああいう風に書いただけで、それなり悪くはないですよ。

[attachment=1]DSCF3556_1.JPG[/attachment]
私が山で飲まないのは、飲んでしまうと歩くのが嫌になると思うからです。
それが登りだったら尚更ですね。
少し昼寝をする余裕でもあればまた違うのかもしれませんけど。


私も嫌になります。でも歩かないと帰れないもんね。飲まないのはもっと嫌だし。 :mrgreen:

最後は意識してのリングワンデリングだったのでしょうか。
山歩きを初めたばかりの頃、伊賀霊山で意識せずに陥ったことがあって山って恐いなあと思ったことがあります。


リングワンデリングというのとは違いますね。あまりにいい感じの踏み跡だったので追っかけたら元の尾根に向かってたというだけで。
それがわかって歩いてるんだから「ワンデリング(ワンダリング?)」ではありません。
知らないうちに元に戻ってたというのが「ワンダリング」ですよ。

涼しそうな写真がとてもいいですね。
山日和さんの嬉しそうな顔が浮かんできます。


涼しいところはいいんだけどねえ。(^_^;)

                                   山日和
添付ファイル
11254062_670380103063785_8200045313720879841_n.jpg
DSCF3556_1.JPG
DSCF3502_1_1.JPG
とよ
記事: 88
登録日時: 2012年2月23日(木) 16:50

Re: 【若狭】どこまでも続くブナの森 庄部谷山から赤坂山へ

投稿記事 by とよ »


山日和さん、こんにちは。
オフ会は残念ながら参加できませんでした。
当日はてっきり雨だろうと前日に馬ノ鞍峰に行き、日曜日に家の用事を振り替えてしまったためです(T T

さて、山日和さんの写真を見て、去年行った黒谷右俣の素晴らしい風景がフラッシュバックしました。
最終堰堤の右岸の巻きがもう少しよければいいんですが:(

折戸谷に降りるどんなルートでも、自然林が続く満足いく山歩きができるとこがこの山域のいいとこですね〜 :D


とよ
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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【若狭】どこまでも続くブナの森 庄部谷山から赤坂山へ

投稿記事 by 山日和 »

とよさん、どうもです。

オフ会は残念ながら参加できませんでした。
当日はてっきり雨だろうと前日に馬ノ鞍峰に行き、日曜日に家の用事を振り替えてしまったためです(T T


残念でしたねえ。まだまだ読みが甘い!! これでスノー衆が晴れるのもだれのおかげかわかったでしょう。 :lol:

さて、山日和さんの写真を見て、去年行った黒谷右俣の素晴らしい風景がフラッシュバックしました。
最終堰堤の右岸の巻きがもう少しよければいいんですが:(


沢靴を履いてれば、堰堤を小さく巻いて谷に下りるのが一番安全で楽ですね。

折戸谷に降りるどんなルートでも、自然林が続く満足いく山歩きができるとこがこの山域のいいとこですね〜 :D

その通りです。しかしちょっとネタ切れになってきました。 :mrgreen:

                     山日和

ランチ場付近
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