【奥熊野】城ノ浜周回。~消えた山と砂浜を巡る~

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zipp
記事: 1165
登録日時: 2011年3月09日(水) 22:49

【奥熊野】城ノ浜周回。~消えた山と砂浜を巡る~

投稿記事 by zipp »


 冬型気圧配置が強まり、例によって熊野灘縁の陽だまり山行に向かう。
今回は、以前から入ってみたかった大紀町錦と紀北町紀伊長島境の半島だ。一部遊歩道があるのを確認はしていた。また航空写真を見ると孫太郎オートキャンプ場の北の尾根からコンター290mピークへ続く破線道のある尾根、またここから南の郡界尾根は、山火事の防火帯としてであろうか切り開かれているのがわかる。

 ※山域を以前は「東紀州」としていたが、「奥熊野」とした。
最近意味不明の「奥熊野」が出回っているので敢えて(^^;。
 熊野は、海岸線でいえば和歌山田辺~大紀町錦の範囲になり、口熊野と奥熊野に分けられ、紀州藩の和歌山城から近い方が口熊野、遠い方を奥熊野と云う。
境界は、熊野川で分けるの適当であろう。つまり三重県側の元紀州藩域が「奥熊野」なのである。

[attachment=4]DSCN0881_925.jpg[/attachment]
【 日 付 】2015年01月31日
【 山 域 】奥熊野 城ノ浜・多田ヶ瀬・野々瀬・349.7m三角点〔名古〕周辺
【メンバー】びぃ zipp
【 天 候 】晴れ一時曇り風花
【 ルート 】≪城ノ浜~290m郡界尾根~野々瀬~多田ヶ瀬~城ノ浜≫
 08:25 駐車地(孫太郎オートキャンプ地近く)… 09:30 290mピーク(郡界尾根出合)… 10:05 co260m附近(退却)… 10:20~10:35 郡界尾根co200m(採掘尾根分岐)… 10:55~11:05 錦側小浜… 11:25~14:20 野々瀬浜(散策&ランチ)… 14:50~15:00 138m標高点(遊歩道展望台)… 15:15~15:40 多田ヶ瀬… 15:50 遊歩道西端四阿… 16:10~16:30 城ノ浜西端四阿… 16:40 駐車地

 国道260号線と分かれて、最初のトンネルを越えたところに「孫太郎オートキャンプ場」への分岐がある。その路肩に車を停めさせてもらった(帰路に見ると、トンネル手前に駐車スペースがあった)。
 適当に斜面を登って尾根に出ると、航空写真で見た木々を幅広く切り払われた道?が尾根に続いていた。周りはウバメガシを主とした自然林で、その上思いのほか眺望がいい。
紀伊長島の街、「紀伊の松島」と称される桂城湾に浮かぶ島々、そしてその上に聳える雪を被った大台山系の山々。が、山々は雪雲に覆われ、その雪雲はこちらにさへ向かって来るような気配だ。
 ただ、この防火帯にはふくらはぎ程度の高さまでコシダが被っていた。昨日の雨で露もあり、足回りを地下足袋としたのは選択ミスだった。歩くほどに露が地下足袋の布を通して足が冷たくなってきた。
このシダも左側が植林となる頃には、腰ほどの高さに繁茂しだし、シダの生えていない樹林下を縫ってなんとか郡界尾根の三叉路に到達。ここも腰ほどのシダに覆われている。

[attachment=3]DSCN0859_925.jpg[/attachment]
 このまま右に折れて周回するには、あまりにも早すぎるので郡界尾根上の349.7三角点をピストンすることにした。見る限り尾根にはシダは繁茂してないし…。
快適な尾根歩きはすぐ終わった。尾根の左半分は皆伐後に植林の苗木が植えられ、防鹿ネットに覆われている。その分眺望はいいのだが、ネットは右側の自然林と接して張られているので、尾根上を進めない。
仕方なく右側の山腹斜面の自然林の樹下を歩くことになるのだが、海辺の木々は株立ちで枝を広げクネクネと曲がって成長するものが多く、木々の間を迷路を縫うように進まざるを得ない。また木々の間に体を入れてもザックがひかかり、時間もかかる。
唯一右側に展望が開け、錦湾に姫越山が見えたかと思ったら、すぐに雪雲が姫越山山頂を覆ってしまった。
 結局、349.7峰手前の最低鞍部の手前で自然林の木々が若く繁茂しているところで、これ以上は進む気力がなくなって引き返すことにした。

[attachment=2]DSCN0873_925.jpg[/attachment]
 三叉路まで戻ってくると、上空に鎌の刃のような翼をもった猛禽が飛んだ。近くに飛ぶトビより数倍早い動きで滑空する。久しぶりに見た、ハヤブサである。
南東に向かう防火帯を下るのだがここも腰ほどのシダが繁茂し、尾根を外して樹下を歩く。
 co200mの尾根分岐でひと休み。ザックを降ろして南西に降りる尾根を少し下れば、絶景(?)が広がっていた。「城ノ浜(孫太郎)遊歩道」へと続く尾根先がストンと切られ無くなっていたのだ。
この削られた山は常滑沖の中部新空港の下に眠っている。隣町の錦にも同様に削られ無くなった山がある。
そんな風景を望めていると、今度はミサゴが飛んだ。そして風花が舞う。

 少々感慨に浸りながら尾根を下ると、郡界尾根を外してること知った。
登り返すのも面倒なので、そのまま尾根を進み錦側の小さな浜に降り立つ。
穏やかな海に平瀬島がすぐそこに見え、一艘の漁船が留まって作業をしている。長閑な風景だ。
 少し浜を散策し、子尾根を乗り越え土砂の積み出し桟橋のある野々瀬の浜に向かう。
山が削られてできた膨大な空虚な空間の中に、メカニカルな土砂を運び出したコンベアや桟橋、発電設備が残り、蒼い海や島々の風景の中、異様な風景が出現した。
本格的に雪が舞い始めて、風が避けられる浜の隅でランチだ。雪は舞い散るが、陽光が届き、海の照り返しもあってポカポカの浜辺のランチである。

[attachment=1]DSCN0900_925.jpg[/attachment]
 浜の西端より尾根に取り付き少し登ると水平道が現れた。その道は少し辿ると怪しくなり、そこからは少々のヤブを漕いで上に登ると、遊歩道の東の四阿の近くに飛びだした。 この遊歩道、もう20年ほど前に「熊野灘レクレーション都市構想」の頃に県が整備したものと聞く。が、ほとんど使われることなく、維持だけはされているような設備のように思えた。
138標高点には、展望台が立ち水洗トイレまであるのである。ここからは遊歩道を離れ、尾根を降りて多田ヶ瀬の浜へと向かう。

 この浜は、岩礁が砂州で繋がりできたような浜で、35m標高点の北には池とは呼べないような湿地があり半島の左右が海に開かれている。
さらにその標高点の西の浜は、東は岩礁なのだが、岩礁の下部に穴が開いて、波が打ち寄せる天然のプールができていた。ちょっと不思議な浜だ。

[attachment=0]DSCN0905_925.jpg[/attachment]
 浜の北、谷地を越えたところに遊歩道(崩壊しつつある)が降りてきていて、それを進めば先ほどの遊歩道と合流し、ホテル「季の座」の奥のコテージ横に飛び出した。
城ノ浜に向かい、浜の北にある四阿でコーヒーを淹れ一服し、駐車地へと向かった。

 今日歩いた防火帯のシダを刈って道をつくれば、海と山、それに破壊された自然が感じられる眺望のいい周回コースができるだろう。その上、「季の座」には、日帰り入浴できる温泉もあることだし。興味深いハイキングルートとなるだろう。

 ※「孫太郎」=カンムリウミスズメのこと。
   遊歩道から望められる耳穴島付近に冬季にあらわれて繁殖活動をする。
 

添付ファイル
浜にできた天然プール。
浜にできた天然プール。
展望台から水平線を望む。<br />平瀬島、耳穴島。
展望台から水平線を望む。
平瀬島、耳穴島。
錦方面の海。<br />半島は目戸鼻。
錦方面の海。
半島は目戸鼻。
DSCN0859_925.jpg
DSCN0881_925.jpg
   zipp
グー(伊勢山上住人)
記事: 2228
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:10
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Re: 【奥熊野】城ノ浜周回。~消えた山と砂浜を巡る~

投稿記事 by グー(伊勢山上住人) »

このブナに霧氷が付いているのを期待したのだけど。
このブナに霧氷が付いているのを期待したのだけど。

zippさん、こんばんは。

 ※山域を以前は「東紀州」としていたが、「奥熊野」とした。

zippさんのこだわりの発露ですね。グーには「東紀州」の方がしっくりくるけど。

山々は雪雲に覆われ、その雪雲はこちらにさへ向かって来るような気配だ。

穏やか陽だまりが定番の本州南縁にまで雪雲が流れてきましたか。
もうこれ以上南に逃げる場所は無くなります。

足回りを地下足袋としたのは選択ミスだった。歩くほどに露が地下足袋の布を通して足が冷たくなってきた。

しもやけにご注意して下さいな!

 co200mの尾根分岐でひと休み。ザックを降ろして南西に降りる尾根を少し下れば、絶景(?)が広がっていた。
「城ノ浜(孫太郎)遊歩道」へと続く尾根先がストンと切られ無くなっていたのだ。


google航空写真で見るとガッサリと削られているけど、地形図の修正は何年後なんでしょうか?

錦側の小さな浜に降り立つ。
穏やかな海に平瀬島がすぐそこに見え、一艘の漁船が留まって作業をしている。長閑な風景だ。


いいですねぇ~。

岩礁の下部に穴が開いて、波が打ち寄せる天然のプールができていた。ちょっと不思議な浜だ。

シダ漕ぎ追っかけはカンベンですが、遊歩道を歩いてこのプールだけはぜひ見たい。


                          グー(伊勢山上住人)
zipp
記事: 1165
登録日時: 2011年3月09日(水) 22:49

Re: 【奥熊野】城ノ浜周回。~消えた山と砂浜を巡る~

投稿記事 by zipp »


 グーさん、こんばんは。レスさんくす。

[attachment=1]DSCN0865_925.jpg[/attachment]
zippさんのこだわりの発露ですね。グーには「東紀州」の方がしっくりくるけど。
 「東紀州」って言葉は、三重県辺りが作った言葉のような気がします。
その場合の「東紀州」では、すっぽり大紀町錦が抜け落ちちゃてるんじゃないかと思われます。
姫越山は、伊勢と紀ノ国の境界の山なんです。

穏やか陽だまりが定番の本州南縁にまで雪雲が流れてきましたか。
もうこれ以上南に逃げる場所は無くなります。

 雪が降っても、風さへ避ければ、海辺はやはりポカポカですよ。

google航空写真で見るとガッサリと削られているけど、地形図の修正は何年後なんでしょうか?
 ネットの新版の地理院地図には、よくわからない赤い線が引かれてるよ。

シダ漕ぎ追っかけはカンベンですが、遊歩道を歩いてこのプールだけはぜひ見たい。
 シダは漕がずとも周回できます。
鳥も見られて景色良く、浜にも降りられますので、陽だまり山行のリザーブしておいてくださいませ。

[attachment=0]DSCN0882_925.jpg[/attachment]
添付ファイル
右、城ノ浜。
右、城ノ浜。
一瞬垣間見れた大台山系の山。<br />手前の町は紀伊長島。
一瞬垣間見れた大台山系の山。
手前の町は紀伊長島。
   zipp
piccolo
記事: 86
登録日時: 2015年2月14日(土) 13:41
お住まい: 奈良県宇陀市

Re: 【奥熊野】城ノ浜周回。~消えた山と砂浜を巡る~

投稿記事 by piccolo »

お久しぶりの、おこんばんは~(=^^=)

国道260号線と分かれて、最初のトンネルを越えたところに「孫太郎オートキャンプ場」

山域はまったく知らないけれど、「孫太郎オートキャンプ場」に反応してご挨拶がてら出てきましたです。
このキャンプ場がオープンした頃、何十年前だったか夏になると3年程通いましたわ。
サイトは広くて水はけ良く(いつも夕立ありましたわ)比幾海岸に近くて、ヒラメの養殖場もありましたねぇ :P

オーナーご夫婦も気さくないい人柄ですた。

懐かしく思い出してしまい山レスじゃなくて失礼しましたです。(=^^=)
piccolo
zipp
記事: 1165
登録日時: 2011年3月09日(水) 22:49

Re: 【奥熊野】城ノ浜周回。~消えた山と砂浜を巡る~

投稿記事 by zipp »


 piccoloさん、こんばんはぁ。

[attachment=1]DSCN0893_800.jpg[/attachment]
山域はまったく知らないけれど、「孫太郎オートキャンプ場」に反応してご挨拶がてら出てきましたです。
このキャンプ場がオープンした頃、何十年前だったか夏になると3年程通いましたわ。
サイトは広くて水はけ良く(いつも夕立ありましたわ)比幾海岸に近くて、ヒラメの養殖場もありましたねぇ :P


 以前、piccoloさんから比磯に行ったことがあるとお聞きましたが、比磯のキャンプ場使ってたんかな?と思てたんやけど、孫太郎のオートキャンプ場もお使いでしたか。
ここから比磯が近いとは、個人的には思えませんけどね(^^;。
 次回来られる時は、山一つ越えて多田ヶ瀬の浜で海水浴もいいかもね。

 孫太郎キャンプ場は、画期的なオートキャンプ場としてオープンしましたよね。
今も人気があるのかな?

 ヒラメの養殖は、山一つ越えた錦の事ですよね。ここも画期的でしたね。


懐かしく思い出してしまい山レスじゃなくて失礼しましたです。(=^^=)

 また、奈良から金を落としに来てくださいまし(^^)
・・・ワタクシ、piccoloさんのあとをつき回りますから(^^;;。
[attachment=0]DSCN0898_800.jpg[/attachment]
添付ファイル
迫りくる雪雲。
迫りくる雪雲。
野々瀬の浜に付きだした桟橋。
野々瀬の浜に付きだした桟橋。
   zipp
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