【奥美濃】奥美濃のウツロ谷!?…尾蔵谷から花房山

山行記、山の思い出、限定
フォーラムルール
新規トピックは文頭に以下のテンプレートをなるべく使ってください。
【 日 付 】
【 山 域 】 
【メンバー】
【 天 候 】
【 ルート 】
※ユーザーでなくても返信が可能です。ユーザー名に名前を入れて返信してください。
返信する
兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

【奥美濃】奥美濃のウツロ谷!?…尾蔵谷から花房山

投稿記事 by 兔夢 »

2014年9月7日(日) 晴れ 奥美濃 尾蔵谷から花房山
そばつる 兔夢

7:35 尾蔵谷林道 → 8:00 直登沢 → 8:30 直登沢より一本東の沢(沢名不明) → 9:20 2段20m滝 → 11:00 稜線 → 12:20~13:50 花房山頂 →直登沢→ 15:25 2段18m滝 → 16:45 尾蔵谷林道 

 幾重にも重なる滝の連なり。差し込む陽光が逆光になって飛沫が煌めく。その中で躍動するそばつるのシルエット。すばらしい!こんなに気分のいい山行は滅多にない。
 
DSCN7375.JPG
 当初は花房山頂へ直登する沢を遡行する予定だった。しかし入渓してわずかで先行する釣り客に遭遇。脇からそっと抜こうとしたが見咎められた。先に入ったのは自分だからとの主張はもっともで林道へ這い上がった。
 そばつるとの同行にしては珍しく天候がいい。この機会を逃したくはない。そこで直登沢のひとつ東に落ちている沢に入る事にした。稜線に出てからの激薮漕ぎが予想されるがこの際仕方がない。
 沢にかかる橋の左岸側からもじゃもじゃの草薮を漕いで谷に降りるとすぐ堰堤。上手い具合に右岸に堆積した土砂を利用して巻く。まず目に飛び込んだのは狭い岩間に引っかかった流木の束。恐らくその下には滝があるのだろう。ここを越えると黒い岩肌の斜瀑。流木を頼りに登っていった。
 両岸が立って狭い谷筋に岩が詰まりチョックストーンを形成している。これを登っていくと沢が広がり巾広の滝を筆頭に連瀑帯が現れた。
 最初の5m滝は右側のクラックをシャワーで右上。そばつるはシャワーを避けカンテ状を登ったようだ。
 次の滝も巾がある。高さは先ほどより高く2段15mといったところか。右側から巻き気味に登れるなと思っていたらトップのそばつるは水流左脇に取り付いてそのままノーロープで中段まで登ってしまった。すばらしい。
DSCN7343.JPG
 途中のバンドまであがってそこからそばつる自慢のルベルソでで確保してもらう。水流の中へ入ってシャワークライミングを楽しむ。最後はロープが真横状態になり落ちたらダメージが大きいなと冷や冷やした。
 滝上には林道が横切る。幸い水路が通っているので潜り越えていく。小滝が幾つか現われ3m滝の上で再び林道。すでに廃道の状態だった。
 廃林道よりわずかで大滝が現われた。一瞬息をのみ立ち止まる。さすがに直登は無理で左岸の泥急斜面を這い上がって巻く。上部に杣道らしき踏み跡がついていた。
DSCN7364.JPG
 落口に出て覗くと下からは見えなかった滝があった。これも含めて2段20mといったところか。傍らには炭焼釜跡と思われる石組みがあった。
 すぐに次の滝が現われる。前方から差し込む陽光に映し出された姿が美しい。そこを登っていくそばつるのシルエットが絵になる。
DSCN7374.JPG
 その後も次々に現れる滝。大滝といったものはないが全身を駆使して登るものが多く楽しい。
DSCN7384.JPG
 チョックストーンがつくるチムニー状の滝はそばつるがトライするも2回跳ね返された。それを見てどれどれと取り付いて登ってみせた。
DSCN7391.JPG
 微妙なバランスで登っていく6m滝ではトップのそばつるが「ロープ出そうか」というのを振り切って登りきった。
 振り返れば狭い谷間から青空の下に覗く奥美濃の山々。偶然とはいえすばらしい沢に巡り会えた事に感謝の気持ちがわき起こる。
 飽きる事のない滝の連続も溝状の二条滝が最後となった。ここを左右に分かれて競争するように登ると後は岩盤の沢筋が続く。
 左右の樹林と沢筋が絶妙のバランスで美しい。薮は全くない。まさかこのまま稜線には上がる事はないだろうと思っていたのだがなんとすっきりとしたまま稜線に上がってしまった。ここは本当に奥美濃か?と疑いたくなる程だった。
DSCN7420.JPG
 稜線は穏やかな樹林に包まれホッと一息。が花房方面への稜線を見れば海のような笹原が続いている。ここを漕ぎ進むのかと思うと心が折れそうだ。
 そばつるを先頭に笹原に突入。背丈程の笹薮が続く。が、意外と細い。先週の天狗山に比べれば随分と漕ぎやすく体力の消耗も少ない。
 40分の薮漕ぎで主稜線に出て笹の海から解放された。ここからは思っていたより薮が薄く楽になった。時折稜線下を歩いて薮を回避したりしたが難渋する事はなかった。山頂ピークに近づくと踏跡らしいものも見受けられそれを拾って山頂広場にたどりついた。
 数えてみるともう8回目の登頂になる。山を始めた頃は随分遠い印象があったが慣れ親しむ山になってきた。秋晴れというには少し早い気がする清々しい天候のもとでのんびり山頂を味わった。
 下降は、もう釣り客もいないだろうと当初登りに予定していた直登沢を下りる事にした。
 山頂の南西側にある鞍部から下降。初めは笹薮の中を滑り落ちるように進んで行くが沢筋に出るとすっきりする。しかし岩盤の沢筋は滑りやすく気を使う。やがて滝が現われ左岸から巻いていく。その後現われた2、3の滝は何れも巻いた。
 少し長めの平流が続く。特に周りの樹林に特徴があるわけでもなくなんとなく下っていく。
 地形図上の崩壊地からわずか下にこれは!という大滝が落ちていた。左岸を巻く事が可能なようだがそばつるの意見で懸垂する事にした。20m、30mのロープを繋ぎ懸垂。見上げれば2段18mといったところか。水量は豊富だ。
DSCN7482.JPG
 その後、小滝が幾つか現われ尾蔵谷本流に至る。全体の印象としてはゴーロが目立つ沢だった。結果的にはこちらを登りにしなくて良かったと思えた。釣り客がいてくれた事に感謝しなければいけないかもしれない。
アバター
山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥美濃】奥美濃のウツロ谷!?…尾蔵谷から花房山

投稿記事 by 山日和 »

兔夢さん、こんばんは。

 幾重にも重なる滝の連なり。差し込む陽光が逆光になって飛沫が煌めく。その中で躍動するそばつるのシルエット。すばらしい!こんなに気分のいい山行は滅多にない。

おおっ、なんか奥美濃の沢のレポじゃないみたい。 :mrgreen:

当初は花房山頂へ直登する沢を遡行する予定だった。しかし入渓してわずかで先行する釣り客に遭遇。脇からそっと抜こうとしたが見咎められた。先に入ったのは自分だからとの主張はもっともで林道へ這い上がった。

なるほど、元々渓流釣り師だった兔夢さんらしいね。私だったらケンカしてるかも、(^_^;)

両岸が立って狭い谷筋に岩が詰まりチョックストーンを形成している。これを登っていくと沢が広がり巾広の滝を筆頭に連瀑帯が現れた。
 最初の5m滝は右側のクラックをシャワーで右上。そばつるはシャワーを避けカンテ状を登ったようだ。
 次の滝も巾がある。高さは先ほどより高く2段15mといったところか。右側から巻き気味に登れるなと思っていたらトップのそばつるは水流左脇に取り付いてそのままノーロープで中段まで登ってしまった。すばらしい。

 廃林道よりわずかで大滝が現われた。一瞬息をのみ立ち止まる。さすがに直登は無理で左岸の泥急斜面を這い上がって巻く。上部に杣道らしき踏み跡がついていた。

落口に出て覗くと下からは見えなかった滝があった。これも含めて2段20mといったところか。傍らには炭焼釜跡と思われる石組みがあった。
 すぐに次の滝が現われる。前方から差し込む陽光に映し出された姿が美しい。そこを登っていくそばつるのシルエットが絵になる。

 その後も次々に現れる滝。大滝といったものはないが全身を駆使して登るものが多く楽しい。

 チョックストーンがつくるチムニー状の滝はそばつるがトライするも2回跳ね返された。それを見てどれどれと取り付いて登ってみせた。


いやー、画像も描写も素晴らしいですね~。尾蔵谷はあんまり面白くない沢だとノーマークでしたが、1本東の沢がこんなに面白そうだとは。 :D

左右の樹林と沢筋が絶妙のバランスで美しい。薮は全くない。まさかこのまま稜線には上がる事はないだろうと思っていたのだがなんとすっきりとしたまま稜線に上がってしまった。ここは本当に奥美濃か?と疑いたくなる程だった。

これまた奥美濃らしからぬ詰め。拍子抜けしましたね。

 稜線は穏やかな樹林に包まれホッと一息。が花房方面への稜線を見れば海のような笹原が続いている。ここを漕ぎ進むのかと思うと心が折れそうだ。
 そばつるを先頭に笹原に突入。背丈程の笹薮が続く。が、意外と細い。先週の天狗山に比べれば随分と漕ぎやすく体力の消耗も少ない。


なるほど。ササの太さによって抵抗がかなり違いますもんね。 ;)

数えてみるともう8回目の登頂になる。山を始めた頃は随分遠い印象があったが慣れ親しむ山になってきた。秋晴れというには少し早い気がする清々しい天候のもとでのんびり山頂を味わった。

数えてみたら私は7回でした。(^^)

その後、小滝が幾つか現われ尾蔵谷本流に至る。全体の印象としてはゴーロが目立つ沢だった。結果的にはこちらを登りにしなくて良かったと思えた。釣り客がいてくれた事に感謝しなければいけないかもしれない。

人生、何が幸いするかわからんもんですね~ :lol:

                            山日和
兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【奥美濃】奥美濃のウツロ谷!?…尾蔵谷から花房山

投稿記事 by 兔夢 »

山日和さん、こんばんは。

おおっ、なんか奥美濃の沢のレポじゃないみたい。

そうでしょう、ていうか僕のレポじゃないみたいでしょ。

なるほど、元々渓流釣り師だった兔夢さんらしいね。私だったらケンカしてるかも、(^_^;)

釣り師っていう程ではなかったですが…
もめるのが嫌でここは林道に逃げる事でうっちゃっておいて上流で再び入渓するつもりだったんですがそばつるが乗り気じゃなくて。釣り師の彼は同じ事やられたら同じように怒ってると。今回はそばつる主体の山行だったので彼の意見を尊重しました。

いやー、画像も描写も素晴らしいですね~。尾蔵谷はあんまり面白くない沢だとノーマークでしたが、1本東の沢がこんなに面白そうだとは。

masaさんのレポを読んで直登沢がそこそこ楽しそうだとのぞんだのですが諦めて、まあここでいいかって選んだところが大正解!吃驚でした。山日和さんならひょっとして知っているかもと思っていたんですが。

これまた奥美濃らしからぬ詰め。拍子抜けしましたね。

詰めも、まさか!でしたね。ただ拍子抜けってことはなくて奥美濃にもこういう沢があるって事がわかって満足でした。

なるほど。ササの太さによって抵抗がかなり違いますもんね。

前週がかなりきつかったのでその分楽に感じました。天狗山のおかげです。

数えてみたら私は7回でした。(^^)

どこからそんなに登ってるんですか?因みに僕は積雪期の花房山の経験がありません。

人生、何が幸いするかわからんもんですね~

ルートをかえた直後には釣り師に腹が立ってましたが帰りには感謝の気持ちで一杯でした。
ちなみに今回の沢のもう一本東の沢が今は気になっています。
[attachment=0]DSCN7339.JPG[/attachment]
添付ファイル
DSCN7339.JPG
返信する