やぶネットでは風折滝がしばしば登場するが、私は風折滝はおろか水越谷へも行ったことがない。今回は風折滝を経由して水越谷を遡行し、ついでに天井桟敷によって、グーさんが開発したというグールートで下山しようか。ちなみにこのルートは私にとって全く初めてのルートだ。宮ノ谷自体もう2年も入ったことがない。どうなることやら。
【 日 付 】2014年5月6日（火）
【 山 域 】台高 宮ノ谷周辺
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】宮ノ谷P 7:30 --- 8:20 水越谷出会 --- 9:15 風折滝 9:30 --- 11:20 825m標高点二俣 --- 12:15昼食 13:00 --- 13:45 滝見尾根 --- 14:40 天井桟敷 --- 16:35 宮ノ谷出合 ---- 17:05 宮ノ谷P
朝7時過ぎに宮ノ谷林道終点に着くと車は一台もなかった。連休の最終日というのにこのあたりは登山者は少ないのだろうか。あるいはこれから来るのだろうか。沢装備を整えて出発。しばらくは整備されたハイキングコース。新緑に苔の緑に、散策バスツアーが来るのもうなづける。紅葉の季節も綺麗なことだろう。
- 宮ノ谷
1時間ほどで水越谷出会いに到着。この先はバリエーションコースのようだ。沢装備なので平気で流れの中に足を入れて歩くことができる。要所要所にロープがあるし、一応コースはできているようだ。水越谷出会いから1時間ほどで風折滝に到着。ふ〜ん、これが風折滝かあ。70mはあると言う秘瀑だ。これまで風がなかったのに風折滝の周辺だけ風が吹いて、瀑水が風で流されている。ここは風の通り道になっているのだろうか。風折滝とはよくつけたものだ。写真や動画を撮って、先に進む事にする。これで滝の動画コレクションが一つ増えた。
- 風折滝
少し戻って右岸尾根で滝を巻いていく。この辺りシャクナゲがきれいなところだ。今年はやはりシャクナゲの当たり年なのだろう。この尾根、古いテープが所々にあるが、斜面の途中で風折滝の滝口方向にトラバースするように誘導している。沢やさん達が使っている風折滝の巻きルートなのだろうか。風折滝の滝口に出てもその上がさらにゴルジュになっていると言う事なので、今回は無理をせずにゴルジュが終わったあたりに降りることにする。
- 満開のシャクナゲ
標高880mあたりで滝見尾根から西に張り出している尾根に乗る。そろそろ谷に戻ろうかと思い、尾根を少し下って下降ルートを探す。直下に水音が聞こえているところを見ると、ちょうどゴルジュの真上にいるようだ。斜面がほとんど垂直に切れ落ちているので、下降を断念し尾根を登り返す。890mあたりから真南に下れば標高825mの二俣に出るはずなんだけど。
斜面を見ると降りられそうなので、おりていく。しばらく降りると下から大きな滝の音が聞こえてくる。こんなところに滝があったっけ？沢ナビの遡行図を見ると825m二俣のすぐ下に10m滝がある。そうか、その滝なんだ。さらに下に降りると確かに滝があり、その滝口に降りられそうだ。825m二俣にピンポイントで降りる事ができた。上出来だ。
- 825標高点二俣の10m滝
二俣の上流にはもうめぼしい滝は出てこないようなので、源流の雰囲気を楽しみながら、沢ハイクだ。右に本谷を見送って水越のコルに向かう。水流がなくなるあたりにはこれまで何度か水を求めておりてきた事がある。昨年、台高縦走の1日目に吹雪になり、風を避けてビバークした大岩も懐かしいところだ。雰囲気のいいところで沢装備を解き、昼食休憩にする。
- 雰囲気の良い水越谷上流部
昼食後、水越峠に出、急登を登って江股ノ頭の西峰に出るともう２時近くだ。もうあまりゆっくりもしていられない。この後も自分にとってははじめてのルートなので、できれば時間に余裕を見ておきたい。と言いながら、アケボノツツジがきれいに咲いているので、つい写真を撮るために立ち止まってしまう。
- アケボノツツジ
ここから先の滝見尾根には白テープがずいぶん沢山ついている。P1083を左折し、斜面を少し下るとヒノキに囲まれた展望のいいところに出る。なるほど、ここが天井桟敷か。眼下には風折滝がきれいに見えている。咲き残りの山桜も見えるが、もう最盛期は過ぎているようだ。時刻はもう3時近く。ゆっくりとはしていられない。できれば５時までには下山したいものだ。
- 天井桟敷から望む風折滝
グーさんがやぶネットに上げてくれたグールートの地図を片手に斜面をおりていく。架線中継場跡で北向きに右折し、斜面をおりていく。おりた先に谷があるはずなのだ。谷に降りると確かに炭焼き小屋跡らしいところがあるが、水平道が見つからない（あとで考えると、すこし下流側におりてしまったようだ）。時刻はもう3時を過ぎているし、面倒なのでこのまま谷を下降する事にする。距離的には谷の下降が一番近道になるのだ。
一度解いた沢装備を再びつけ直し、心機一転また沢歩きだ。この下に10m以上の高さの滝がない事を祈るだけだ。危なそうなところはすべてロープを出して懸垂で確保しながらおりていく。幸い、すべて10m以内の懸垂でクリアする事ができた。宮ノ谷の出合いになんとか軟着陸成功。あ〜、よかった。ちなみにこの谷をロープなしで下りる事は非常に危険なのでやめましょうね（って、誰も降りようなんて思わないか）。
下降地点のすぐ対岸が宮ノ谷の遊歩道になっているので、あとは遊歩道をのんびり戻るだけだ。駐車地のすぐ近くに来て空身の夫婦らしい二人連れとばったりしてびっくり。「こんな時間にどこへ行くんですか？」。聞くと、「ちょっとそこまで」と言う返事。まあ、それ以上詮索する事もないかと思い、そのまま別れる。駐車場には「なにわ」ナンバーの車が止まっていた。大阪からこんな時間に何をしにきたんだろうね。
昼食時間を除いて約9時間の行動時間だった。疲れたけど、明るいうちに無事に下山できてよかった。山の様子はだいたいつかめたので、今度機会があったらもう一度グールートにチャレンジしてみようかな。
ついでに天井桟敷によって、グーさんが開発したというグールートで下山しようか。
