【北ア】針ノ木岳…山頂からの滑降

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兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

【北ア】針ノ木岳…山頂からの滑降

投稿記事 by 兔夢 »

2014年4月27日(日) 晴れ 北ア 針ノ木岳 
クワ兄さん、N軍曹、コタマちゃん、兔夢

6:10 扇沢 → 7:10 大沢出合 → 8:55 マヤクボ沢出合 → 9:45~10:15 2550m地点 → 11:05~12:00 山頂 → 12:10~13:00 2550m地点 → 13:45 大沢出合 → 14:25 扇沢

 昨年に続き針ノ木岳に挑戦。昨年は2550m辺りで時間切れとなり登頂を逃したが今回はどうなるか。
 26日昼前に、愛知のクワ兄さん、福井のN軍曹、コタマちゃんと乗り合わせて扇沢に到着。まずはトロリーバスに乗り黒部ダムへ観光。大勢の観光客で賑わっていた。外国人観光客の多さに吃驚した。
 天候がよく黒部ダムを囲む山々の眺めがすばらしい。それにつられて予定になかった黒部平まであがった。
 展望所からはタンボ平が一望。そこを滑ってくるスキーヤーが何人かいてしばらく目で追っていた。その姿が米粒どころか塵のごとく見えていかに斜面が広大かがわかる。
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 大小のデブリが幾つかできていた。スキーヤー達はそれを避けながら滑り抜けてくる。それを見ながらクワ兄さん、N軍曹はいつかは自分たちもとワクワクしていた。明日登る針ノ木岳も見えていた。
 市営駐車場に帰って今晩の宿をつくり小宴会。コタマちゃんの用意した料理に舌鼓を打つ。
 日中は暑ささえ感じたが日が落ちると流石に寒くなってきた。早々に宴を切り上げシュラフに潜り込んだ。
 
 4時起床、5時出発の予定を越えて6時過ぎになってようやく扇沢駅横の登山口で登山届けを出して出発。昨年よりも雪は少なめのようだ。それでも沢に下りてからはずっと雪が繋がっている。
 堰堤を幾つか越えると大沢出合。小屋にはよらずそのまま針ノ木雪渓に向かう。自分のペースで行っていいという事だったので遠慮せずどんどん進む。他に個人のスキーヤー、ボーダーが何人もいる中でいつの間にか集団のトップという感じで歩いていた。
 青空のもとで輝く針ノ木岳を正面に見据えながらの歩行。雪渓は徐々に斜度を増す。谷がやや狭まってきた辺りはデブリが左右から出て不気味だ。なるべくデブリの薄いところを選んで進む。
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 早くも下山してくる登山者と話をした。針ノ木小屋横でテントを張って針ノ木岳に行ってきたそうだ。絶好の天候で風もなかったという羨ましい話をしていた。ただこの辺りは昨日雪崩れたそうで注意が必要だと言っていた。
 デブリ帯を早く抜けようと一気に急斜面を登っていく。斜度が緩やかになると安全地帯に出た。爺ケ岳の三角形を眺めながら一休み。しばらくして登ってきた単独のスキーヤーは富山の方で前日に鹿島槍に登ってきたそうだ。2連チャンとはタフな方だ。
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 N軍曹が登ってきたところで再び歩き出す。広々とした斜面の先にマヤクボ沢の出合。左に進めば針ノ木峠でそちらも魅力的な斜面が続く。
 マヤクボ沢の斜面には数多くのシュプールが残されていた。昨日訪れたスキーヤーの多さを物語っている。登りのスキートレースは確認できない。壷足のトレースは目立つが。
 去年はこの斜面の途中でスキーを担いだ。今回はどこまで行けるだろう。
 登り始めるとスキートレースが続いている事がわかった。それに沿うように登っていく。途中かなりの斜度でクトーを付けないままでは不安だったがトラバース気味に登ってなんとかクリア。
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 登高自体もきついが好天に無風、雪の照り返しという条件でかなり暑い。汗が滴り落ち目にしみる。脱水症状、熱中症になりかけかなりやばかった。
 急斜面を終えて緩やかな斜面に出た時にまずした事は水分補給だった。疲れて甘いものが欲しかったが生憎持ち合わせていなく取りあえずあるものを口に入れてエネルギー補給。
 やがてN軍曹もスキーのまま登ってきた。年齢を考えればそのタフさに驚かざるを得ない。
 ここから山頂まではスキーを担いでいこうと決めていた。N軍曹はスキーのまま登り始めたようだ。富山の単独さんもスキーのまま頑張っていた。だが途中でいずれも壷足に切り替えていた。
 雪は蹴り込みやすくアイゼン無しでも全く不安がない。トレースもしっかりあるのでその点では大丈夫だ。が体力的にきつい。2500を越える高山に登るのが久し振りなのも影響してか一歩一歩が重い。少し登っては休んでの登高でなかなか進んでいかない。
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 やっと稜線に出た時は達成感に満たされた。後は痩せた稜線上を山頂に向かうだけだ。と思ったのも束の間、思わぬ急斜面があり最後の力を振り絞ってこれを越えてようやく山頂に至った。
 狭い山頂からは360°の眺め。少し場所を移せば青々と水を湛えた黒部湖が見下ろせる。その向こうに昨日訪れた黒部平、その上にタンボ平、そして立山の峰々。針ノ木岳から北方に続く稜線上の峰々もすばらしい。
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 風のない山頂で腰を下ろして休んでいると富山の方が登ってきた。2連チャンではきついでしょうと聞くと「ええ」と言う答えが返ってきたが顔は満足そうだった。
 30分程遅れてN軍曹も到着。すばらしい眺めにご満悦。
 狭い山頂はやがて多くのスキーヤー、ボーダーで混みだした。そろそろお暇しよう。
 先に滑り始めたN軍曹を追って滑り始める。山頂から一段下りたところでN軍曹がキラリと目を光らせてこちらを見ていた。「そこから滑り降りた方がいいよ!」
 え?そこ?って山頂直下ですよ、ここ。覗き込んでも先がわからないかなりの急斜面ですよ。僕で滑れるんですか?が有無をも言わせないN軍曹の放つオーラの前に言葉が出てこない。ここは行くしかなさそうだ。そして死ぬ気で飛び込んだ。(*表現に多少フィクションが入ってます。実際はN軍曹はとても良い方です)
 雪質はザクザクだ。そこを何とかターンして下りれば岩と岩の間の狭い急斜面。「小回りでスピードを落として!」アドバイスが飛ぶ。えっと、こんな急斜面で小回りも何もターンできるかもわからない。でも行くっきゃない。エイ!何とか乗り切る。しかしその下にも続く急斜面。振り返れば「怖い!怖い!」といいながらニコニコと下りてくるN軍曹。それにつられるように続く急斜面も下りてしまった。
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 やや斜度が緩くなりホッと息をつく。すると下から呼びかけてくる声。クワ兄さん達だ。緩斜面で休憩しているその場所へ滑り込んでいく。
 怖かった滑りを振り返りながら休憩。クワ兄さん達は12時に緩斜面に出て休憩に移ったようだ。登頂は果たせなかったもののいい景色の中での休憩で満足顔だ。早くも来年以降のリベンジを検討していた。
 休憩中「甘いものが欲しかった!」って話していると隣で休んでいた女性二人がチョコパイを差し入れてくれた。ありがとう!生き返りました。二人は休憩後、山頂右手側の鞍部を目指して登っていった。
 さて滑降開始。広々としたマヤクボ沢は雪質も滑り頃でみんな奇声を発しながら滑り降りていく。リラックスした滑りができて気持ちいい。
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 デブリ地帯手前までは楽しい滑りが続く。しかしデブリ地帯以降は疲れた。
 右岸斜面を利用してデブリをかわすものの長くは続かずどうしてもデブリの中を滑らざるを得ない。余分な力が入り筋肉が悲鳴を上げる。
 大沢出合では数パーティが斜面を利用して滑落停止訓練などを行っていた。去年もやっているパーティがあったから雪山訓練の定番の場所なのだろう。
 大沢出合より下は右岸山腹に続くトレースを辿って下っていく。下流の適当なところで左岸に渡渉して林道にあがる。舗装路をわずかに歩いて扇沢に到着。充実した一日が終わった。  
 
 
バーチャリ
記事: 547
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【北ア】針ノ木岳…山頂からの滑降

投稿記事 by バーチャリ »

兔夢さん 今晩は

 天候がよく黒部ダムを囲む山々の眺めがすばらしい。それにつられて予定になかった黒部平まであがった。
 展望所からはタンボ平が一望。そこを滑ってくるスキーヤーが何人かいてしばらく目で追っていた。その姿が米粒どころか塵のごとく見えていかに斜面が広大かがわかる。


一日違いでしたね 兄夫婦 立山からダムまで案内いました・
上部は急斜面ですね、中腹から気持ちよさそうですが
 

4時起床、5時出発の予定を越えて6時過ぎになってようやく扇沢駅横の登山口で登山届けを出して出発。昨年よりも雪は少なめのようだ。それでも沢に下りてからはずっと雪が繋がっている。

もうちょと遅い時期に行きましたが 登山口から雪が 繋がっていて夏より高度を稼げますね。
 青空のもとで輝く針ノ木岳を正面に見据えながらの歩行。雪渓は徐々に急社めを増す。谷がやや狭まってきた辺りはデブリが左右から出て不気味だ。なるべくデブリの薄いところを選んで進む。

あまり怖さは無かったですが 急でした。

 N軍曹が登ってきたところで再び歩き出す。広々とした斜面の先にマヤクボ沢の出合。左に進めば針ノ木峠でそちらも魅力的な斜面が続く。
 マヤクボ沢の斜面には数多くのシュプールが残されていた。昨日訪れたスキーヤーの多さを物語っている。登りのスキートレースは確認できない。壷足のトレースは目立つが。


スキーヤーの方はこちらが多いですね
私は針ノ木峠からでした。

 登高自体もきついが好天に無風、雪の照り返しという条件でかなり暑い。汗が滴り落ち目にしみる。脱水症状、熱中症になりかけかなりやばかった。

この日 風も無く山日和でしたね
 やっと稜線に出た時は達成感に満たされた。後は痩せた稜線上を山頂に向かうだけだ。と思ったのも束の間、思わぬ急斜面があり最後の力を振り絞ってこれを越えてようやく山頂に至った。
 狭い山頂からは360°の眺め。少し場所を移せば青々と水を湛えた黒部湖が見下ろせる。その向こうに昨日訪れた黒部平、その上にタンボ平、そして立山の峰々。針ノ木岳から北方に続く稜線上の峰々もすばらしい。


私は峠から手前ピークのトラバスが緊張しましたが。

風のない山頂で腰を下ろして休んでいると富山の方が登ってきた。2連チャンではきついでしょうと聞くと「ええ」と言う答えが返ってきたが顔は満足そうだった。
 30分程遅れてN軍曹も到着。すばらしい眺めにご満悦。


天気にも恵まれ360度の大展望素晴らしかったでしょうね
 

 先に滑り始めたN軍曹を追って滑り始める。山頂から一段下りたところでN軍曹がキラリと目を光らせてこちらを見ていた。「そこから滑り降りた方がいいよ!」
 え?そこ?って山頂直下ですよ、ここ。覗き込んでも先がわからないかなりの急斜面ですよ。僕で滑れるんですか?が有無をも言わせないN軍曹の放つオーラの前に言葉が出てこない。ここは行くしかなさそうだ。そして死ぬ気で飛び込んだ。(*表現に多少フィクションが入ってます。実際はN軍曹はとても良い方です)
 雪質はザクザクだ。そこを何とかターンして下りれば岩と岩の間の狭い急斜面。「小回りでスピードを落として!」アドバイスが飛ぶ。えっと、こんな急斜面で小回りも何もターンできるかもわからない。でも行くっきゃない。エイ!何とか乗り切る。しかしその下にも続く急斜面。振り返れば「怖い!怖い!」といいながらニコニコと下りてくるN軍曹。それにつられるように続く急斜面も下りてしまった


あの斜面を  凄い :o
 大沢出合より下は右岸山腹に続くトレースを辿って下っていく。下流の適当なところで左岸に渡渉して林道にあがる。舗装路をわずかに歩いて扇沢に到着。充実した一日が終わった。  

もう大分GWにアルプス行ってませんが 

お疲れ様でした。

 バーチャリ
兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【北ア】針ノ木岳…山頂からの滑降

投稿記事 by 兔夢 »

[attachment=0]DSCN4759.JPG[/attachment]

バーチャリさん、こんばんは。
ゴールデンウィークももう終わりですね。
どこか山へ出掛けられましたか?
僕は後半、槍ヶ岳の東鎌尾根雪稜登山でした。

一日違いでしたね 兄夫婦 立山からダムまで案内いました・
上部は急斜面ですね、中腹から気持ちよさそうですが


立山でしたか。賑わっていたでしょう。
タンボ平はすばらしい斜面ですがそこに至るまでが大変そうですね。

もうちょと遅い時期に行きましたが 登山口から雪が 繋がっていて夏より高度を稼げますね。

スキーだと急斜面の登りに少し苦労しますけど広い斜面なので歩いていて気持ちいいですね。

スキーヤーの方はこちらが多いですね
私は針ノ木峠からでした。


OSKが昨年、針ノ木峠から針ノ木峠、蓮華岳の往復をやってます。
峠から山頂まではトラバースがあって怖そうですね。

この日 風も無く山日和でしたね

山日和というのか、暑くてきつかったです。

私は峠から手前ピークのトラバスが緊張しましたが。

やはりそうでしたか。

天気にも恵まれ360度の大展望素晴らしかったでしょうね

眺めはすばらしかったですがスペースが狭くて落ちつけなかったです。

あの斜面を  凄い

僕的には滑る予定じゃなかったんですけど、N軍曹が先に行って待ち構えてまして。
じゃ、しょうがないから行くかなって感じで。怖かったです。

もう大分GWにアルプス行ってませんが 

お疲れ様でした。


今年は天候が不安定で遭難者もたくさん出てしまいました。
無事に帰ってこられて良かったです。

   兔夢





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DSCN4759.JPG
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