【台高】台高の秘瀑を訪ねる:岩井谷大滝、八町滝

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シュークリーム
記事: 2065
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

【台高】台高の秘瀑を訪ねる:岩井谷大滝、八町滝

投稿記事 by シュークリーム »

岩井谷大滝
岩井谷大滝
台高南部 嘉茂助谷ノ頭から堂倉山に至る稜線は台高の中でも最も奥地にあたり、日帰りでこのあたりを歩こうとするとそれなりに気合を入れないと歩けない山域だ。しかし、この中心部にベースキャンプを張る事により一挙に日帰りハイキングにもってこいの場所になる。今回は私のお気に入りのテン場の一つである桃源郷にテントを張り、付近をぶらぶらすることにした。この週末は大杉谷登山道が全面開通となり、大台ケ原から大杉谷にかけての登山道は大にぎわいだっただろうが、谷一本隔てたこの山域では誰にも会わない静かな山行を楽しむことができた。

【 日 付 】2014年4月25日(金)~27日(日)
【 山 域 】台高 嘉茂助谷ノ頭周辺
【メンバー】単独
【 天 候 】25日 曇り時々晴れ、ガス;26日 晴れ;27日 晴れ
【 ルート 】
25日 千尋峠 8:20 ---9:30 花ノ木山 --- 9:40 花抜峠 --- 11:20 嘉茂助谷ノ頭 --- 11:55 沖見高 12:20 --- 12:55嘉茂助谷ノ頭 --- 13:15 苔辻 --- 14:10 P1276南西の鞍部(テント泊)
26日 テン場 6:50 --- 8:00 岩井谷 --- 8:45 岩井谷大滝 9:15 --- 河原小屋谷 --- 11:15 テン場 12:10 --- 12:40 P1344 --- 13:50 樫山 14:00 --- 15:25 P1344 --- 15:50 テン場(テント泊)
27日 テン場 7:45 --- 8:45 P1300 --- 9:30 奥坊主 9:50 --- 10:45 P1300 --- 11:00 苔辻 --- 11:50 花抜峠 --- 12:10 花ノ木山 --- 12:45 千尋峠
1日目と3日目のルート
1日目と3日目のルート
2日目のルート
2日目のルート
25日:
千尋峠までの大台林道は長いダートになるのでパンクした時のために予備タイヤを一つ積んで行く。高速道路が尾鷲まで通じたので、この山域へは随分近くなった。千尋トンネル南口に車を置き、北口に抜ける。このトンネルは「千と千尋の神隠し」に出てくるトンネルみたいで、このトンネルの向こうには不思議の世界が待っているのだろうなと思いながらわくわくして歩く。実際,このあとの3日間は私にとって不思議の世界の出来事だった。今日のザックの重量は18~19キロ程度だ。沢登り装備が入っている分だけいつもより重くなっている。と言いながら、ヘルメットを車に置き忘れてきてしまったけど。
千尋トンネル
千尋トンネル
トンネル北口に抜けた右側に稜線に上がる杣道があるので、ここをゆるゆると稜線に登っていく。しばらくは緩やかな登りが続くが、花ノ木山に近づくと急登になる。前回ここを下った時は、ここを登りに使いたくないと思ったものだが、結局使う羽目になってしまった。まあ、ここを抜ければもう急登はないので、ここが今日の核心部と言っていいだろう。テン泊装備を背負っての急登はつらい。

花ノ木山を経て花抜峠着。花抜峠(花の木峠)らしくあちこちにシキミ(ハナノキ)の花が咲いている。
シキミの花
シキミの花
ここからは嘉茂助谷ノ頭までひたすら緩斜面の登りだ。右側にはウグイ谷高の秀麗な三角錐が見えている。この登山道、嘉茂助谷ノ頭まで青ヒモがかなりの頻度でつけられている。おそらく昨年樫山への登りで見たのと同じ人がつけたヒモなのだろう。この辺りを歩き回って青ヒモをつけまくっているご仁がいるものと見える。嘉茂助谷ノ頭のピークにはガスがかかっている。上空の寒気の影響で天気が不安定になっているようだ。
青ヒモのオンパレード
青ヒモのオンパレード
嘉茂助谷ノ頭と与八郎高の間の鞍部にザックをデポし、サブザックに必要なものだけを入れて沖見高に向かう。沖見高も嘉茂助谷ノ頭と同じく大杉国見山やウグイ谷高から目立って見えているピークで一度行きたいと思っていたのだ。嘉茂助谷ノ頭から沖見高への稜線は、いかにも台高らしく気持ちがいい。ここだけではなく、台高のこの山域はすべて気持ちのいいところだ。下草が全く生えていなくて、展葉前の広葉樹の明るい疎林をのんびりと歩いていく。古道が鞍部をくるっと巻いて稜線を横切るところ(沖見峠)を過ぎて少し登るとそこが沖見高だった。ピーク自体は樹林の中で、見晴らしも良くなく、こういうところかという感じだった。軽く昼食をすませて嘉茂助谷ノ頭に戻る。

嘉茂助谷ノ頭から以降は相変わらずガスのため見通しが利かない。気温も下がってきているようで、その分汗をかかないので、重荷を背負っての歩きにはちょうどいい。ガスが熊野灘方面から上がってきている。おそらく熊野灘から吹く南風がこの山塊にあたって押し上げられ、冷やされてガスや雨になるのだろう。苔辻を過ぎるとあとはテン場まで下り基調で、1時間程度の緩やかなアップダウンがあるだけだ。ただ、地形が平坦なのでルートミスをしやすい。今日みたいなガスの日はGPSなしで歩くのは怖い。

苔辻から1時間ほどでテン泊地着。稜線上には大きな針葉樹の倒木がルートをふさいで雰囲気を壊しているが、テン場は前回来たときと変わらない安らかな雰囲気を保っていた。前回テン泊した時にテントを固定するのに使った石や、前回使い残したたき火用の枯れ木がそのままで残っている。前回と寸分違わぬ位置にテントを張る。

zippさんはここを不思議な地形と書いたが、確かにその通りだろう。稜線のすぐ横に小川が流れているというのは、少なくともこの稜線沿いではここだけだ。似たような地形は私が知る限りでは昨年行った奥美濃の沢ノ又上流に見られるだけだ。しかも、この稜線は分水嶺なのだ。稜線の北側の水は宮川となって伊勢湾に注ぎ、南側の水は銚子川となって熊野灘に注いでいる。私は宮川になるはずの水を少しだけお裾分けしてもらっている事になる。テン場のあたりが水源地になっているが、この水がどこからわいているのか調べてみると、稜線側の斜面のあちこちからしみ出している事がわかった。稜線を挟んで反対側の斜面には河原小屋谷が突き上げているが、ここも稜線のすぐ近くで水が得られる。おそらく地下の地盤構造に何らかの仕掛けがあるのだろう。テン場は鞍部になっているため、風も吹かず、静かな夜を過ごす事ができる。まさに桃源郷なのだ。

たき火用の枯れ木を拾い集め、3時頃からたき火開始。テントからエアマットを持ち出して横になり、コニャックをちびりちびりやりながらのんびりする。ラジオにはNHKの名古屋放送局の番組が流れている。5時頃にはガスも上がり、明日の好天が約束されたようだ。8時頃に就寝。

2日目:
5時過ぎ、外が明るくなってきたので目が覚める。今日はどうしてもという予定はない。一応計画はたてているのだが、気が向かなければテントで1日のんびりしていてもいいのだ。と言って、ダラダラしていてもしようがないので、朝食を済ませて予定通り、岩井谷上流部の散策に出かける事にする。

テン場のすぐ横のP1240から岩井谷上流部に向かって南東に降りる尾根を下っていく。朝日が当たって気持ちのいい斜面だ。斜面左には奥坊主と口坊主の特異なピークが見えている。最初は鹿道をたどるが、P1109を過ぎると鹿道が明瞭な杣道に変わった。下に水音が聞こえ始めると道は九十九折れとなり、岩井谷に容易に降りる事ができた。下流部では険悪な様相を見せている岩井谷もここまで来ると優しい源流の雰囲気だ。おりた場所は河原小屋と呼ばれる場所だろうか。平坦な河原になっており、往古川から峠越えで来るルートもあるようなので、昔は炭焼き小屋があったのかもしれない。さっきの杣道は炭焼き用の木を運んだ作業道だったのだろう。

ここで沢装束に着替え、遡行開始だ。いつものヘルメットがないので、心もとない感じ。平坦部であっても岩で滑ってヘルメットに助けられた事が何度もあるのだ。今日は滑落や転倒は御法度だ。しばらくで本谷と河原小屋谷が合流する標高764m地点に到着。右側から流れ込んでいるのが本谷だ。この近くに岩井谷大滝という大きな滝があるようなので、見に行く事にする。本谷側は小ゴルジュになっており、その中に6m滝が関門のように立ちふさがっている。これは撤退かなと思ってよく見ると右岸側の岸壁をたどって抜けられそう。1カ所いやらしいところはスリングを2つつないで、立ち木を支点にして突破する。帰りは斜め懸垂で降りられるだろう。
岩井谷本谷の6m滝
岩井谷本谷の6m滝
この後現れる2つの滝はフリーで容易に抜ける事ができた。やっぱり滝があると面白い。その上はナメになっており、その向こうに朝日を浴びた岩井谷大滝が輝いて見えてきた。思わず「おおっ」という声が出る。それほど期待していなかっただけに、見えてきた大滝の素晴らしさに見とれてしまった。一枚岩でできたスラブ滝で落差は70mだという。こんな奥山の秘滝、人生でもう二度と来る事はないだろう。写真を撮ったり、川床の岩に寝転んで眺めたり、来てよかったと思った。

滝の両側は切り立った崖になっているが、右岸側には木が生えているので、巻き上がるとすれば右岸だろう。もちろん単独でこの滝を巻き上がるつもりは毛頭ない。河原小屋谷出合まで戻り、遡行する。河原小屋谷は大きな滝もなく、本格的な沢屋にとっては遡行価値のない谷だろうが、私のような沢ハイカーにとっては十分楽しめる谷だ。直登できるような小滝はなるべく直登しながら登っていく。一度足を滑らせてシャワーになり、地図を水浸しにしてしまった。

標高1120m付近の二俣を右にとり(こっちの方が本谷みたい)、テン場に直登するルートをとる。テン場に戻り、昼食にする。ああ、楽しかった。

昼食後、テン場でのんびりという誘惑を断ち切って樫山まで行ってみる事にする。前回、銚子川第二発電所から樫山まで登っているので、その線をつなげようと思ったのだ。P1344を左折し、樫山に至る尾根に乗る。この尾根もいかにも台高らしく素敵な尾根だ。はっきりした鹿道があるのでこのルートを利用させてもらう。おそらく定期的な鹿の移動ルートになっているのだろう。
明瞭な鹿道
明瞭な鹿道
尾根上にはガイシがあったり、トロッコ道が稜線を横切ったりして昔の人の営みのあとが偲ばれる。タムシバ、ミツバツツジ、アケボノツツジなどを楽しみながら歩いていく。本当にハイキング気分だ。2時間ほどで樫山着。何の変哲もないマイナーピークなのだが、不思議なほど沢山の山名板がかかっている。新しい山名板も増えているし。IMCと言うのは伊勢山岳会の略だろうか。普通の山登りに厭きた人が次の目標にして、静かなブームになっているのだろうか。

樫山は早々に切り上げ、帰路につく。帰りは登りだし、疲れてきているので嫌だなと思っていたが、思いのほか楽々の歩きだった。帰路も鹿道をたどるが、だんだん鹿道のルールがわかってきた。
1)倒木の乗り越えは嫌い 鹿さん達は倒木の乗り越えが苦手らしい。私たち人間がそれほど苦労なく乗り越えられる倒木でも、鹿は巻き道を作って回避するようだ。二足歩行と4足歩行の違いだろう。
2)くぐるのは得意 私たちがくぐるのに苦労するような枝でも平気でくぐっていく。一度鹿になったつもりで枝の下をくぐったら、頭を木にしたたかにぶつけてしまった。やっぱり人間は鹿にはなれない。

その他は私と鹿さん達の好みがほぼ一致するようで、私の行きたいように鹿道がついていた。基本的にはほぼ一定こう配になるように道を辿るようで、歩きやすさの感覚は人間でも鹿でも同じなのだろう。テン場帰着後、再びたき火をして過ごす。今日はよく歩いた。8時頃就寝。

3日目
夜中、一度もトイレに起きる事もなく、5時半頃まで寝る。やっぱり、家で寝るよりもテントや車の中の方がよく眠れる体質のようだ。今日は下山するだけなので、気が楽だ。テン場でのんびりしようかとも思ったが、早めにおりて温泉でゆっくりしようと思い、起きる事にする。

今日の朝食は、昨日と同じでベーコンエッグと餅2個だ。餅はフライパンですぐに焼けるし、ラーメンに入れてもいいし、日持ちがするのでお気に入りだ。アルファ米よりはずっと美味しい。

テントをたたんで、8時頃に出発。二晩の心地いい夜を過ごさせてくれたテン場に感謝。やっぱりここは桃源郷だねえ。今度は何もせずテン場で1日中のんびり過ごしてみたいものだ。

帰りがけの駄賃で奥坊主に寄る事にする。稜線からだったらそれほど苦労せずに行けそうだ。P1300にザックをデポし、サブザックを担いで稜線を降りる。身一つだとなんと楽な事か。向かう方向には奥坊主と口坊主の姿がよく見える。コースの左側は真砂鬼丸谷へ斜面がほとんど垂直に落ち込んでいる。地図で調べると落差200mほどのようだ。こんなところに落ちると助からないよなと思い、身体がぞくぞくしてくる。一度標高1050mのキレットにおり、50mを登り返すとそこが奥坊主だ。

道々、八町滝が見えないかと気をつけていたのだが、小尾根に遮られて見えない。奥坊主の頂上で八町滝の方向を見ると・・・見えた。落差100mは越えているだろう。アプローチが困難な事もさることながら、遠望する事も難しい台高の秘滝が今目の前に全貌を見せている。私の技量では近づく事は無理だろうし、近づこうとも思わない。きっともう二度と見る事もないだろう。奥坊主から見えるとは思っていなかっただけに、来てよかったと思った。今回の山行は思いがけず岩井谷大滝と八町滝の2つの秘瀑を見る事ができて、最高の山行になった。何度でも思い出せるように動画を撮っていく。

ザックデポ地に戻り、さあ、今度こそ帰るだけだ。なんか腹一杯になった感じ。いい山行だった。花の木山からの急斜面をおり、千尋トンネルをくぐりながらまた現実の世界に戻るのだなと思った。帰りの林道から見える小木森滝も動画におさめ、これで台高の3秘瀑を動画に撮る事ができた。今年の連休前半の思い出に残る山行になった。

最後に台高の秘瀑コレクションをご覧ください。





最後に編集したユーザー シュークリーム [ 2014年5月02日(金) 05:59 ], 累計 1 回
                         @シュークリーム@
pana
記事: 190
登録日時: 2011年3月07日(月) 19:16

Re: 【台高】台高の秘瀑を訪ねる:岩井谷大滝、八町滝

投稿記事 by pana »

シュウクリームさんこんにちわ~♪
先日はお会いできてとても楽しかったです。たいへんお世話になりました。

台高南部 嘉茂助谷ノ頭から堂倉山に至る稜線は台高の中でも最も奥地にあたり、日帰りでこのあたりを歩こうとするとそれなりに気合を入れないと歩けない山域だ。しかし、この中心部にベースキャンプを張る事により一挙に日帰りハイキングにもってこいの場所になる。今回は私のお気に入りのテン場の一つである桃源郷にテントを張り、付近をぶらぶらすることにした

加茂助に反応いたしました。
大好きなところで、zippさんが2度連れて行ってくれました。特に苔辻がお気に入りです。
1年少し前に私たちも 千尋峠から登りました。http://blogs.yahoo.co.jp/mikiandsyo/23928815.html

千尋峠までの大台林道は長いダートになるのでパンクした時のために予備タイヤを一つ積んで行く。高速道路が尾鷲まで通じたので、この山域へは随分近くなった。千尋トンネル南口に車を置き、北口に抜ける。このトンネルは「千と千尋の神隠し」に出てくるトンネルみたいで、このトンネルの向こうには不思議の世界が待っているのだろうなと思いながらわくわくして歩く

本当に素敵な名前ですね~
この界隈はロマンがあっていいですね、私はシュークリームさんのように単独では芦生ぐらいしか歩けませんが・・


実際,このあとの3日間は私にとって不思議の世界の出来事だった。今日のザックの重量は18~19キロ程度だ。沢登り装備が入っている分だけいつもより重くなっている。と言いながら、ヘルメットを車に置き忘れてきてしまったけど。
添付ファイル P1060711.jpg がありません
私はすでにアルツ病にかかっていて、アレ、ソレで通じる世界にいます。
先日の乗鞍のスノーハイクではサングラスを車に置き忘れて・・・・(><)
沢登りでヘルメットも大変ですね、沢靴でなくてよかったですね :mrgreen:


苔辻から1時間ほどでテン泊地着。稜線上には大きな針葉樹の倒木がルートをふさいで雰囲気を壊しているが、テン場は前回来たときと変わらない安らかな雰囲気を保っていた。前回テン泊した時にテントを固定するのに使った石や、前回使い残したたき火用の枯れ木がそのままで残っている。前回と寸分違わぬ位置にテントを張る。


お気に入りのテン場があっていいですね。
まるで別荘ですやん。


zippさんはここを不思議な地形と書いたが、確かにその通りだろう。稜線のすぐ横に小川が流れているというのは、少なくともこの稜線沿いではここだけだ。似たような地形は私が知る限りでは昨年行った奥美濃の沢ノ又上流に見られるだけだ。しかも、この稜線は分水嶺なのだ

行ってみたいです。貴公子におねだりしようかな~


ザックデポ地に戻り、さあ、今度こそ帰るだけだ。なんか腹一杯になった感じ。いい山行だった。花の木山からの急斜面をおり、千尋トンネルをくぐりながらまた現実の世界に戻るのだなと思った。帰りの林道から見える小木森滝も動画におさめ、これで台高の3秘瀑を動画に撮る事ができた。今年の連休前半の思い出に残る山行になった。


ご無事のご帰還、おめでとうございます。いい山旅でしたね。
単独でこんな山深いところを歩けるなんて羨ましい~!!
連休後半はどこに行くのかな~
私は前半は乗鞍大滑走でした。
添付ファイル
RIMG0042a.jpg
zipp
記事: 1165
登録日時: 2011年3月09日(水) 22:49

Re: 【台高】台高の秘瀑を訪ねる:岩井谷大滝、八町滝

投稿記事 by zipp »


 シュークリさん、こんばんは。
シュークリさんの連休は、八ヶ岳あたりだろうと思ってたのですが、こんなところで遊んでられたんですね(^^)。

この週末は大杉谷登山道が全面開通となり、大台ケ原から大杉谷にかけての登山道は大にぎわいだっただろうが、谷一本隔てたこの山域では誰にも会わない静かな山行を楽しむことができた。
 登山道は突然大賑わいとなったろうから、驚いたでっけぇーイノシシさんとか、クマさんがこの山域へ避難しに来なかった!?

【 日 付 】2014年4月25日(金)~27日(日)
 あっ、金曜日から入ってたんだ。

千尋峠までの大台林道は長いダートになるのでパンクした時のために予備タイヤを一つ積んで行く。
 最近の乗用車って、予備タイヤを摘んでいないんだよね~。バーストしたら困るよね。スタッドレスを持っていったのかな。

千尋トンネル南口に車を置き、北口に抜ける。
 重い荷物を背負った場合、大台林道の花抜峠登山口から土倉道を登った方が楽な気がするが、どうだろう。

この辺りを歩き回って青ヒモをつけまくっているご仁がいるものと見える。
 よくわからないトコにも付けてますね。台高北部にもあったなぁ。

嘉茂助谷ノ頭と与八郎高の間の鞍部にザックをデポし、サブザックに必要なものだけを入れて沖見高に向かう。沖見高も嘉茂助谷ノ頭と同じく大杉国見山やウグイ谷高から目立って見えているピークで一度行きたいと思っていたのだ。嘉茂助谷ノ頭から沖見高への稜線は、いかにも台高らしく気持ちがいい。ここだけではなく、台高のこの山域はすべて気持ちのいいところだ。下草が全く生えていなくて、展葉前の広葉樹の明るい疎林をのんびりと歩いていく。古道が鞍部をくるっと巻いて稜線を横切るところ(沖見峠)を過ぎて少し登るとそこが沖見高だった。ピーク自体は樹林の中で、見晴らしも良くなく、こういうところかという感じだった。
 嘉茂助谷ノ頭から沖見峠の稜線はブナの大木、シャクナゲの平に展望もありいいところですよね。
わたしはまだ、沖見高のピークは踏んだことないですが、まぁわざわざ行かなくていいようですね(^^;。


嘉茂助谷ノ頭から以降は相変わらずガスのため見通しが利かない。
 あの日、ガスでしたか。それはお気の毒。

苔辻を過ぎるとあとはテン場まで下り基調で、1時間程度の緩やかなアップダウンがあるだけだ。ただ、地形が平坦なのでルートミスをしやすい。今日みたいなガスの日はGPSなしで歩くのは怖い。
 太い尾根ですもんね。それにでっけぇーイノシシさんとクマさんとの出会い頭の出合も、ちと怖いですね。

テン場は前回来たときと変わらない安らかな雰囲気を保っていた。前回テン泊した時にテントを固定するのに使った石や、前回使い残したたき火用の枯れ木がそのままで残っている。前回と寸分違わぬ位置にテントを張る。
 前回シュークリさんが、ここにテントを張った後から、わたしも行ってないし…。
すでにシュークリさんのにほひの付いた場所になってるようですね(^^;。

テン場は鞍部になっているため、風も吹かず、静かな夜を過ごす事ができる。まさに桃源郷なのだ。
 いいところですよね~。
そういえば、シュークリさんが翌日入る沢(たぶん)を桃源郷と書いてた最近のブログを見たなぁ。

たき火用の枯れ木を拾い集め、3時頃からたき火開始。テントからエアマットを持ち出して横になり、コニャックをちびりちびりやりながらのんびりする。
 いいですねぇ~。
でっけぇーイノシシさんやクマさんのご訪問は無かったの(^^;。

テン場のすぐ横のP1240から岩井谷上流部に向かって南東に降りる尾根を下っていく。
 ここ、最初からヤブやなかったですか?そういう記憶があるんだけど。

最初は鹿道をたどるが、P1109を過ぎると鹿道が明瞭な杣道に変わった。下に水音が聞こえ始めると道は九十九折れとなり、岩井谷に容易に降りる事ができた。
 興味深い情報、ありがと!

さっきの杣道は炭焼き用の木を運んだ作業道だったのだろう。
 う~ん、ここまで炭焼きがはいるかなぁ?伐採道じゃないのかなぁ。

その向こうに朝日を浴びた岩井谷大滝が輝いて見えてきた。思わず「おおっ」という声が出る。それほど期待していなかっただけに、見えてきた大滝の素晴らしさに見とれてしまった。一枚岩でできたスラブ滝で落差は70mだという。こんな奥山の秘滝、人生でもう二度と来る事はないだろう。写真を撮ったり、川床の岩に寝転んで眺めたり、来てよかったと思った。
 わたしはまだ未見です、いいなぁ♪

もちろん単独でこの滝を巻き上がるつもりは毛頭ない。河原小屋谷出合まで戻り、遡行する。
 えっ、巻き上がらなかったの。その上の源流の大滝へは行かなかったんだ、もったいない。

一度足を滑らせてシャワーになり、地図を水浸しにしてしまった。
 オツムを打たなくて幸いです。

テン場に戻り、昼食にする。ああ、楽しかった。
 えっ、まだ昼メシ前でしたか!

昼食後、テン場でのんびりという誘惑を断ち切って樫山まで行ってみる事にする。前回、銚子川第二発電所から樫山まで登っているので、その線をつなげようと思ったのだ。
 シュークリさん、まだまだお元気ですね!

何の変哲もないマイナーピークなのだが、不思議なほど沢山の山名板がかかっている。新しい山名板も増えているし。IMCと言うのは伊勢山岳会の略だろうか。普通の山登りに厭きた人が次の目標にして、静かなブームになっているのだろうか。
 みたいですね。ただそのレポをインターネットで見ることは少ないです。「その手」の人が登ってられるようですね(^^;
「伊勢山岳会」の活動は聞いたことないけど…(^^;


帰路も鹿道をたどるが、だんだん鹿道のルールがわかってきた。
1)倒木の乗り越えは嫌い 鹿さん達は倒木の乗り越えが苦手らしい。私たち人間がそれほど苦労なく乗り越えられる倒木でも、鹿は巻き道を作って回避するようだ。二足歩行と4足歩行の違いだろう。
2)くぐるのは得意 私たちがくぐるのに苦労するような枝でも平気でくぐっていく。一度鹿になったつもりで枝の下をくぐったら、頭を木にしたたかにぶつけてしまった。やっぱり人間は鹿にはなれない。

 シュークリさんもケモノ道トレーサーになっちゃいましたか(^^)
この稜線は、尾根道とトロッコ道を往路復路でとるともっと楽しめますよ(^^)。

 あれれ?タイトルに「秘瀑」とあるのならば、銚子川源流の男滝(山高地図では「黒滝」)の展望が楽しめるところがあったのに、見過ごしちゃいましたね!


夜中、一度もトイレに起きる事もなく、5時半頃まで寝る。やっぱり、家で寝るよりもテントや車の中の方がよく眠れる体質のようだ。今日は下山するだけなので、気が楽だ。
 前日いっぱい!歩いてるのだから、爆睡しない方が不思議(^^;。

帰りがけの駄賃で奥坊主に寄る事にする。稜線からだったらそれほど苦労せずに行けそうだ。
 ここ、わたしの何年来の宿題。そのまま残ったままだ。

奥坊主の頂上で八町滝の方向を見ると・・・見えた。落差100mは越えているだろう。アプローチが困難な事もさることながら、遠望する事も難しい台高の秘滝が今目の前に全貌を見せている。
 この坊主尾根の稜線、大体969~962標高点缶を歩けば、岩井大滝、八町滝とその上の二筋の滝は見えるよ(わたしは岩井大滝は見てないけど)。

千尋トンネルをくぐりながらまた現実の世界に戻るのだなと思った。
 前フリの千と千尋は、ここにきて意味を持つんだね、ナルヘソ(^^)。
シュークリさん、いい山旅でしたね♪

[attachment=0]P2201132_800.jpg[/attachment]
添付ファイル
 銚子川源流男滝。<br />樫山尾根1174標高点付近から。
 銚子川源流男滝。
樫山尾根1174標高点付近から。
   zipp
シュークリーム
記事: 2065
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】台高の秘瀑を訪ねる:岩井谷大滝、八町滝

投稿記事 by シュークリーム »

PANAちゃん、おはようございます(^_^)

シュウクリームさんこんにちわ~♪
先日はお会いできてとても楽しかったです。たいへんお世話になりました。


こちらこそお世話になりました。PANAちゃんとお会いできてうれしかったです。

加茂助に反応いたしました。
大好きなところで、zippさんが2度連れて行ってくれました。特に苔辻がお気に入りです。
1年少し前に私たちも 千尋峠から登りました。http://blogs.yahoo.co.jp/mikiandsyo/23928815.html


zippさんのお気に入りの場所ですね。
苔辻は初めて行くと感激しますね。ふわふわのコケに覆われて、気持ちいですね。


私はすでにアルツ病にかかっていて、アレ、ソレで通じる世界にいます。
先日の乗鞍のスノーハイクではサングラスを車に置き忘れて・・・・(><)
沢登りでヘルメットも大変ですね、沢靴でなくてよかったですね


最初は岩井谷大滝まで行く気はなかったのでヘルメットはいいかなと思ったんですが、やっぱりないと不安ですね。
私も最近忘れ物が多いです。


お気に入りのテン場があっていいですね。
まるで別荘ですやん。


あそこはなぜか安心できる場所です。
最近雨が少なかったんで水が流れているかどうか心配だったんですが、ちゃんと流れていました。不思議な場所です。


行ってみたいです。貴公子におねだりしようかな~

あそこは日帰りで行くよりはテン泊でのんびり過ごす場所ですね。

ご無事のご帰還、おめでとうございます。いい山旅でしたね。
単独でこんな山深いところを歩けるなんて羨ましい~!!


最近は単独の気楽さに慣れてしまって、沢登り以外は単独で行ってしまいます。みんなでワイワイというのも楽しいですけどね。

連休後半はどこに行くのかな~
私は前半は乗鞍大滑走でした。添付ファイル


事情があって連休後半は近くの山で日帰り山行を楽しむつもりです。
何もなければ大峰を縦走しようと思っていたんですけどね。
乗鞍、楽しそうですね。
添付ファイル
テン場(桃源郷)
テン場(桃源郷)
楽しいたき火
楽しいたき火
                         @シュークリーム@
シュークリーム
記事: 2065
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】台高の秘瀑を訪ねる:岩井谷大滝、八町滝

投稿記事 by シュークリーム »

zippさん、おはようございます。

 登山道は突然大賑わいとなったろうから、驚いたでっけぇーイノシシさんとか、クマさんがこの山域へ避難しに来なかった!?

今回は意外に動物には会わなかったですね。一度、鹿を見たくらいで。あれだけ真新しい鹿道があるので、かなりの鹿がいるはずなんですけどね。
テン場にも訪問者はなかったです。まあ、あれだけ盛大にたき火をしていたから敬遠されたかな。


 最近の乗用車って、予備タイヤを摘んでいないんだよね~。バーストしたら困るよね。スタッドレスを持っていったのかな。

そうなんですねえ。岩角で切ってバーストしたらパンク修理剤ではどうしようもないですからね。スタッドレスを積んで行きました。

 重い荷物を背負った場合、大台林道の花抜峠登山口から土倉道を登った方が楽な気がするが、どうだろう。

私も迷ったんですけどね。標高差でいくと千尋トンネルからの方が楽かなと思ったんですけど。

 よくわからないトコにも付けてますね。台高北部にもあったなぁ。

嘉茂助谷ノ頭以西にもついていましたけど、頻度はずっと少なくなりました。同じ人なんだろうか。

 嘉茂助谷ノ頭から沖見峠の稜線はブナの大木、シャクナゲの平に展望もありいいところですよね。
わたしはまだ、沖見高のピークは踏んだことないですが、まぁわざわざ行かなくていいようですね(^^;。


そうですね。わざわざ行くようなところではないですね。
あの辺りの稜線はどこも素敵ですね。


 あの日、ガスでしたか。それはお気の毒。

苔辻のあたりにあんなにきれいに苔がつく理由がわかったような気がしました。

 太い尾根ですもんね。それにでっけぇーイノシシさんとクマさんとの出会い頭の出合も、ちと怖いですね。

わたし、あんなガスの日だとGPSなしでは絶対迷いそうです。

 前回シュークリさんが、ここにテントを張った後から、わたしも行ってないし…。
すでにシュークリさんのにほひの付いた場所になってるようですね(^^;。


不思議と安心できる場所です。
あの場所とはすっかりお友達になりました。


 いいところですよね~。
そういえば、シュークリさんが翌日入る沢(たぶん)を桃源郷と書いてた最近のブログを見たなぁ。


そうですか。そう言えば河原小屋のあたりは明るくていいところですね。

 いいですねぇ~。
でっけぇーイノシシさんやクマさんのご訪問は無かったの(^^;。


誰も来てくれなかったですねえ。皆さん忙しいのかな。

 ここ、最初からヤブやなかったですか?そういう記憶があるんだけど。

いや、やぶは全くなかったですね。
樫山への尾根でシャクナゲがちょっと茂っていましたけど。


 う~ん、ここまで炭焼きがはいるかなぁ?伐採道じゃないのかなぁ。

たしかにあそこから炭を運び出すのは大変かもしれないですね。どこかのブログに河原小屋のあたりに炭焼き小屋の跡があると書いてあったような気がしたもんですから。

 わたしはまだ未見です、いいなぁ♪

いい滝です。一度行ってみてください。下から遡行するのは難しいですけど、稜線からのアプローチは簡単です。

 えっ、巻き上がらなかったの。その上の源流の大滝へは行かなかったんだ、もったいない。

斜面が立っていたんで無理をしようとは思いませんでした。最初から沢ハイクのつもりだったですし。少し戻って尾根筋を大きく巻く方が簡単そうですね。

 オツムを打たなくて幸いです。

途中で止まったのでシャワーだけで済みました。

 みたいですね。ただそのレポをインターネットで見ることは少ないです。「その手」の人が登ってられるようですね(^^;
「伊勢山岳会」の活動は聞いたことないけど…(^^;


伊勢山の会だったっけ?

 シュークリさんもケモノ道トレーサーになっちゃいましたか(^^)
この稜線は、尾根道とトロッコ道を往路復路でとるともっと楽しめますよ(^^)。


トロッコ道ってたどれるんだろうか。ちょっと歩いてみたんですけど、途中でなくなっていたんでまた尾根道に戻りました。

 あれれ?タイトルに「秘瀑」とあるのならば、銚子川源流の男滝(山高地図では「黒滝」)の展望が楽しめるところがあったのに、見過ごしちゃいましたね!

二ノ俣谷の方を見降ろして昔の林道の跡は確認したんですけど、滝は気がつかなかったですね。

 前日いっぱい!歩いてるのだから、爆睡しない方が不思議(^^;。

寒くなくて気持ちよかったです。やっぱ厳冬期のテン泊はつらいですね。

 この坊主尾根の稜線、大体969~962標高点缶を歩けば、岩井大滝、八町滝とその上の二筋の滝は見えるよ(わたしは岩井大滝は見てないけど)。

わりばしさんのレポに八町滝の写真が載っていましたね。

 前フリの千と千尋は、ここにきて意味を持つんだね、ナルヘソ(^^)。
シュークリさん、いい山旅でしたね♪


楽しかったです。もう少し年をとったら2,3日テントでのんびり過ごすのもいいですね。
添付ファイル
奥坊主(左)と口坊主(右)
奥坊主(左)と口坊主(右)
アケノボツツジ
アケノボツツジ
                         @シュークリーム@
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わりばし
記事: 1767
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】台高の秘瀑を訪ねる:岩井谷大滝、八町滝

投稿記事 by わりばし »

おはようございますシュークリームさん。


25日 千尋峠 8:20 ---9:30 花ノ木山 --- 9:40 花抜峠 --- 11:20 嘉茂助谷ノ頭 --- 11:55 沖見高 12:20 --- 12:55嘉茂助谷ノ頭 --- 13:15 苔辻 --- 14:10 P1276南西の鞍部(テント泊)
27日 テン場 6:50 --- 8:00 岩井谷 --- 8:45 岩井谷大滝 9:15 --- 河原小屋谷 --- 11:15 テン場 12:10 --- 12:40 P1344 --- 13:50 樫山 14:00 --- 15:25 P1344 --- 15:50 テン場(テント泊)
28日 テン場 7:45 --- 8:45 P1300 --- 9:30 奥坊主 9:50 --- 10:45 P1300 --- 11:00 苔辻 --- 11:50 花抜峠 --- 12:10 花ノ木山 --- 12:45 千尋峠

なんと元気なこと。 :mrgreen:

テン場のすぐ横のP1240から岩井谷上流部に向かって南東に降りる尾根を下っていく。朝日が当たって気持ちのいい斜面だ。斜面左には奥坊主と口坊主の特異なピークが見えている。最初は鹿道をたどるが、P1109を過ぎると鹿道が明瞭な杣道に変わった。下に水音が聞こえ始めると道は九十九折れとなり、岩井谷に容易に降りる事ができた。下流部では険悪な様相を見せている岩井谷もここまで来ると優しい源流の雰囲気だ。おりた場所は河原小屋と呼ばれる場所だろうか。平坦な河原になっており、往古川から峠越えで来るルートもあるようなので、昔は炭焼き小屋があったのかもしれない。さっきの杣道は炭焼き用の木を運んだ作業道だったのだろう。

なるほど。
私が坊主尾根を越えて降り立った所がこの河原小屋でした。
シュークリームさんが天張ったあたりにあった植林小屋に苗木を運んだ道です。
大杉谷の堂倉方面の杉や桧の稚苗を運んだようです。
坊主尾根までは杣道があったので、河原小屋から植林小屋までどうしたんだろうと思っていました。
ここならドンピシャです


ここで沢装束に着替え、遡行開始だ。いつものヘルメットがないので、心もとない感じ。平坦部であっても岩で滑ってヘルメットに助けられた事が何度もあるのだ。今日は滑落や転倒は御法度だ。しばらくで本谷と河原小屋谷が合流する標高764m地点に到着。右側から流れ込んでいるのが本谷だ。この近くに岩井谷大滝という大きな滝があるようなので、見に行く事にする。本谷側は小ゴルジュになっており、その中に6m滝が関門のように立ちふさがっている。これは撤退かなと思ってよく見ると右岸側の岸壁をたどって抜けられそう。1カ所いやらしいところはスリングを2つつないで、立ち木を支点にして突破する。帰りは斜め懸垂で降りられるだろう。

長靴で行かなくて良かった。

この後現れる2つの滝はフリーで容易に抜ける事ができた。やっぱり滝があると面白い。その上はナメになっており、その向こうに朝日を浴びた岩井谷大滝が輝いて見えてきた。思わず「おおっ」という声が出る。それほど期待していなかっただけに、見えてきた大滝の素晴らしさに見とれてしまった。一枚岩でできたスラブ滝で落差は70mだという。こんな奥山の秘滝、人生でもう二度と来る事はないだろう。写真を撮ったり、川床の岩に寝転んで眺めたり、来てよかったと思った。

良かったですね。かなりマニアックな場所ですからね。

道々、八町滝が見えないかと気をつけていたのだが、小尾根に遮られて見えない。奥坊主の頂上で八町滝の方向を見ると・・・見えた。落差100mは越えているだろう。アプローチが困難な事もさることながら、遠望する事も難しい台高の秘滝が今目の前に全貌を見せている。私の技量では近づく事は無理だろうし、近づこうとも思わない。きっともう二度と見る事もないだろう。奥坊主から見えるとは思っていなかっただけに、来てよかったと思った。今回の山行は思いがけず岩井谷大滝と八町滝の2つの秘瀑を見る事ができて、最高の山行になった。何度でも思い出せるように動画を撮っていく。

海からだと八町滝は見えるんですけどねえ。
八町滝
八町滝
ザックデポ地に戻り、さあ、今度こそ帰るだけだ。なんか腹一杯になった感じ。いい山行だった。花の木山からの急斜面をおり、千尋トンネルをくぐりながらまた現実の世界に戻るのだなと思った。帰りの林道から見える小木森滝も動画におさめ、これで台高の3秘瀑を動画に撮る事ができた。今年の連休前半の思い出に残る山行になった。

お疲れ様でした。
心揺さぶられる山域です。

                                                        わりばし
シュークリーム
記事: 2065
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】台高の秘瀑を訪ねる:岩井谷大滝、八町滝

投稿記事 by シュークリーム »

わりばしさん、おはようございます。

なるほど。
私が坊主尾根を越えて降り立った所がこの河原小屋でした。


そうでしょうね。地形的に見て普通はここに下りますよね。

シュークリームさんが天張ったあたりにあった植林小屋に苗木を運んだ道です。

ふーん、そうなんですか。あの辺りに植林小屋があったんですか。確かにあそこは水があるし、平坦ですから、作業小屋を建てるとするとあそこしかないですよね。

大杉谷の堂倉方面の杉や桧の稚苗を運んだようです。
坊主尾根までは杣道があったので、河原小屋から植林小屋までどうしたんだろうと思っていました。
ここならドンピシャです。


P1240から河原小屋に下りる尾根は傾斜も緩やかで歩きやすい尾根ですので、稜線から岩井谷に下りるにはあの尾根が一番と思っていました。昔の人がそこに目をつけないわけはないですよね。河原小屋谷は運搬ルートとしては難しいですね。

長靴で行かなくて良かった。

あそこは下降の方が難しいです。まあ、普通はそうか。

良かったですね。かなりマニアックな場所ですからね。

あんなに美しい滝だとは思っていませんでした。あの上流部も探検してみたいですね。

海からだと八町滝は見えるんですけどねえ。

ふーん、そうなんですか。

お疲れ様でした。
心揺さぶられる山域です。


わりばしさん好みのところですね。
このあたりをこのんで歩いていた人がほかにもいるような。
添付ファイル
河原小屋付近
河原小屋付近
                         @シュークリーム@
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