越美国境を歩く⑥  油坂峠~平家岳 3/22.23

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越前
記事: 217
登録日時: 2012年5月16日(水) 15:43

越美国境を歩く⑥  油坂峠~平家岳 3/22.23

投稿記事 by 越前 »

高島トレイル・余呉トレイルと歩いてきた後、このまま福井県境分水嶺全部を歩いてみようかと考え、続けて越美国境を歩き始めて二年目となる。今回を入れての進捗状況。
     
越美国境 進捗図_640.jpg
踏破距離だけを見れば既に半分を越えたようにも見えるが、残りの区間の難易度は高くなっていくばかり・・・。
決して楽観視できるような状態ではなく、なお一層ふんどしのひもを締めなおさねばならない。
(いや、赤ふんなんかはしてないっすよ・・・念のため) :oops:
越美国境 進捗図5_1024.jpg
     
計回りの周回。 クリックで拡大

残雪期限定で晴れの二日間がお休みと重なる・・・連休があまり取れないワタシにとっては難しい条件だった筈だが・・・期待以上のお天気となったこの二日間、山の神様に感謝・感謝。有り難う~~。
【 日 付 】 2014年3月22-23日
【 山 域 】 越美国境
【メンバー】単独
【 天 候 】 初日/晴れ  二日目/快晴
【 ルート 】
初日/駐車地(7:05)~(8:01)分水嶺稜線~(11:13)鉄塔~(13:14)P1148屈曲点~(15:58)P1095~(16:48)仏峠~(17:26)お泊り地 

翌日/出発(6:50)~(8:24)滝波山~(9:38)トレース下降点~(11:57)P1450~(13:50)平家岳手前~(14:36)トレース出現~(16:15)登山口~(18:47)チャリ~(19:30)駐車地



チャリをデポ地へ置いてから油坂峠のチェーン脱着場へ車を停めると、ほんのわずかの歩きで旧道トンネル。そのトンネルすぐ上の稜線は中央分水嶺、すなわち越美国境だ。
三月の越美国境分水嶺でこんなアプローチが近い場所は他にはない。
貧雪の今年、おそらく三日前にはトンネルの斜面も黒々としていたはずだが、昨日までの下界の雨が五センチほどの新雪となって雪山らしく見せかけていた。
そしてその中途半端な新雪にかえって四苦八苦、やっと稜線まで登ると恐れていた事態が・・・雪無しの中央分水嶺。
ただ獣道としての交通量(?)も多いのか、薮であっても稜線上を歩くにはさほど不自由はしない。そしてすぐに雪もつながるようになり、スノーシューでもなんとか進めるようになった。

最初の林道末端との邂逅点近くで面白いものが見れた。
間違いなく中央分水嶺を歩いているのに、なんと右下方たったの五mで勢いよく川が流れている。
以前余呉トレイルを歩いていて知らないうちに違う道へと誘い込まれた時、せせらぎの音でルート間違いに気づいた。
山岳地帯では、分水嶺のすぐ横に川というのはありえないハズなのだが・・・なかなか自然はきまぐれでいらっしゃる。

例年通りのメートル単位の積雪ならば、例え雑木林の稜線でも展望に苦労することはないのだが、今年は・・・って、それはもう言わないでおこう。 
ブナや雑木が伐採された鉄塔横で、やっと出発地でもある油坂峠方向の展望が得られた。右奥に見えた真っ白い山は昨年の毘沙門かそれとも大日かな?

標高とともに順調に積雪も増えてきた。さほどの難所や急坂もなく、特に林道を過ぎてからは登山道っぽくも感じる快適なスノーシュー歩行を楽しむ。
唯一の気掛かりは背中のザック。肩に食い込むテン泊装備が重く感じるのは最初だけだと思っていたが、何時間たっても重さに慣れがついてこない。
睡眠時間が少々不足しての出発はいつもの如しだし、なんかいつもとは違うコトって?食料にレトルトが多かったからかな~?

ぶな林の先になんの木なのか巨樹が鎮座していた。このあたりの主なんだろうな。
お腹もすいてきたので、ここで巨樹を前にポカポカ陽気の中で早めの昼食とするか。
カップ麺とおにぎりを食べながらも、遥か下方のせせらぎの音、小鳥のさえずりが眠気を誘う。

昼食場の背中にした急坂をのぼり、シリセードでまた下る。檜木の繁茂する痩せ尾根をなんとかスノーシューのままでクリア。
際限のないアップダウンの道も、お天気の中であれば楽しいものだ。

現役バリバリの檜木だが下部に、風は無理でも雨露は十分しのげそうな屋根裏部屋ほどもある空間のある巨木。
先代の巨木の上に「ひこばえ」として発芽し、のしかかるように成長、やがて枯れた先代が土に帰ってこのような空間ができたのだろう。

不意に御嶽とアルプスの山並みがきれいに見えた。♪
でも、ちょっと雲がじゃまだな~なんて、ニンゲンって勝手だね~。ついさっきまでは樹幹を通しての景色に、この木さえなければと考えていたのに・・・。
悔しいことに、反対側の今日の目標地である滝波山方向の展望はイマイチのままだ。
そしてこのころから、今日はあの滝波山へは届かないだろうなと思っていた。 

ピーク1095ですでに四時前。
仏峠へと急下降してからの登り返しもある。スノーシューが使えない(使わなくていい?)区間も多く、お泊りの適地探しが急務となってきた。 
暗くなる前に急いで登り返して、展望が確保できるところでテント適地を探さなくては!

スノーシューはザックに仕舞っての急下降と登り返しをこなしたら、夕日を受けた御嶽と乗鞍が連続して見える稜線を歩くことになって展望的には申し分なし。あとはテントが張れる平坦な場所、できれば風を避けられる雪庇の下なんぞを所望したいけど・・・。ま、ま、ま、贅沢は敵だ(^_^;)
展望地でそれなりの場所を、時間に余裕のあるうちに決めることが出来た。

久しぶりの雪上テント設営に手間取ってしまったが、まったりとレトルト主体の夕げのひと時を過ごすことが出来た。
よ~し、テントから見える御嶽方向からのご来光を楽しみにして寝るとするか~ ♪
幸い、満天の星空だったが、さほどの寒さもなく風もない穏やかな一夜となった。
ご来光
ご来光
御嶽をバックにご来光。「春はあけぼの」とは、よく言ったもんだね~。
快晴に感謝。

予定していた滝波山までは届かなかったので、早めに夜明けとともにテン泊地を出発・・・のはずが、なかなかそうは行かないのがワタシ。(^_^;)
主たる出発遅れの原因は、快晴の雪山必須アイテムであるサングラス紛失怪事件 :roll:
前日も使っていた百均の眼鏡装着式のサングラスだけど、パッキングの間中探しても見つからずまたまた荷ほどきを繰り返す。帽子へも何度か手をやって確かめたはずなのに、仕方なくあきらめて出発してから帽子を脱ぐと、とたんにポロリと雪面に落ちてきた・・・越前のとほほ~なハナシ、お粗末さまでした。

テン泊した稜線を進むが新雪はほとんど風に吹き飛ばされていた。登山道と呼んでもさしつかえないような雪無し部分も氷結が怖いのでそのままスノーシューで進む。
クラスト一歩手前の雪面も、山の住民たちの通行でボコボコの穴だらけだった。
おかげでアイゼンならなんでもないような固い雪面トラバースで、ちょっとヒヤリとする場面もあった。

檜木メインの痩せ尾根から滝波山への主稜線へと接続、T字路を右折するような感じだ。
曲がるとすぐに雑木林へとかわり、雪も増えた広い雪稜へ出る。滝波山本体へと緩やかに蛇行しながら一直線に向かう広い高架道路のようだ。
右に今回はじめて白山がクリアな状態でその雄姿を見せてくれた。昨日ここまで進めたらテン泊地としても申し分なしだったと悔やんでも後の祭りだ。

滝波山への基部へと取り付く。まださほどの斜面ではないが、ここからピークまでは四百メートルの標高差。頑張りどころだ。
しかしなんという空の碧さ!! そしてピーク近くからは霧氷が輝いていた。

そして山頂にはふりそそぐ霧氷のなか、単独者の昨日の往復アイゼントレースが残されていた。
チャリをデポした地点に停まっていた、軽四駆の持ち主のものだろう。
いやもしかすると、意外とトレースは新しくて、昨日平家岳方向からやってきたついさっきの足跡なのかもしれないぞ?
 
しかしこのくらいの標高になると、ツボ足とスノーシューの沈み込みの差って、あんまし無いんだと並んだトレースを振り返って思う。
しばらくは平坦と言ってもいいような快適な稜線道が続く。時にはトレースを頼り、時には全く無視したコースを進んだりもした。
そしてトレースは私もエスケープルートとして考えていた屈曲点から下降していった。
再び私は無垢の雪面を下っていくことになった。

p1450までの果てしなくも思えた、350mの登りをこなすとまた霧氷帯だ。
その白い世界から望む白山は、左に大日の尾根と右に野伏の尾根を従えた、まさに翼を広げた白鳥の様相を呈していた。 
白山を総大将とした鶴翼の陣
白山を総大将とした鶴翼の陣
そして痩せ尾根を渡ると、雪の下には登山道もあるはずの鉄塔ピークへと達した。
人工物に安心したのか気が付くと違う尾根を下降していた。慌てて登り返して、巡視路の尾根を下りにかかる。
「ど、どんだけぇ~?」思わず叫びが出てしまうくらいの激急下降にげんなり。

平家岳手前ピーク下部には緑色の小奇麗な山小屋が建っていた。
山向こうにはいよいよ平家岳が少し頭をのぞかせていた。下山路となる鉄塔の並んでいるピーク方向はよく見通せた。
黙々と下り、登り返す。平家岳はもう目の前だ!! しかし、設定していたリミット時間に達してしまった。
帰りの長~い林道歩きはともかく、雪面に隠れたトラバースもある登山道を下ろうというのだから、GPSフル活用でも相当の時間がかかると思われる。越美国境から少し奥まった位置にある平家岳はまた今度だ。

最後の登りなんだと自分に言い聞かせながら下山路ピークで振り返った平家岳は、大きく立派に見えた。また来るからな~。
と、ピークあたりで突然現れた大人数のトレース。前日、もしくは一昨日のものだと見えた。つまりはこのパーティも平家岳まではあきらめたということか。
しかし、トレースがあるということは心強い。素直にうれしく思った。

だいぶ右翼に傾いてしまったが、「鶴翼の陣」の白山も見納めだ。そろそろ下山にかかるとしようか。
っと、その前に・・・

能郷白山をバックにして不敵な面構え(?)の屏風山を望む。
「登山道のある平家岳クラスで手間取っているようでは、オレ様にはとうていかなわないぞ」 そう、屏風山に言われた気がした。
確かに越美国境での最難関は「アイツ」だろう。数少ないレポを読んでも皆苦戦していたようだ。なんとかせねば・・・。
不敵な面構え?
不敵な面構え?
    

ホント、トレースが有って良かった~。
雪の下になっている登山道も楽々だ~。おかげで助かりました。
うんざりするくらい長かった林道歩きを経て、チャリとのご対面はとっぷりと日も暮れた時刻。しかしチャリまではヘッデンを出さずにすんだ。
林道での計算ミスで飲料が切れ、水分を欲しがるカラダに鞭打って、自販機へとチャリを飛ばした。
越前
floatcloud
記事: 2
登録日時: 2014年3月01日(土) 17:09

Re: 越美国境を歩く⑥  油坂峠~平家岳 3/22.23

投稿記事 by floatcloud »

はじめまして、越前さん。
青空の下、すばらしい縦走になりましたねえ。
時々ほくそ笑んで読ませていただきました。と言うのも、油坂峠からの部分は、今年3月9日、貴兄と同じ所を起点として臼本山を周回した時、帰路に通った部分だったからですし、滝波山のトレールは、友人のブログ「ひとり山歩き倶楽部」で読んでいて、彼のものだと知っていたからです。
ぼくたちは、826P、827P間の鞍部から林道に降りたのですが、そう言えば、その鞍部から行く手の白鳥側には雪がありませんでした。
第二日目の3月23日は、上大納から岩谷山に登るべく、7時過ぎにR158で箱ヶ瀬橋の袂を通ったのですが、前述の彼の車以外に車はなかったので、その平家岳からの帰路のトレールは、多分、遅き出発故のものなんでしょうね。この日、午後遅くなってからの林道歩きは、もしそのトレールがなかったならば、相当消耗したかもしれませんね。ぼくたちも帰路、黒谷の林道をラッセル泥棒したので、おお助かりでした。
机上登山を楽しませていただきました。ありがとうございました。ちなみにぼくのブログ名も、記しておきますね。「藪山独自ルート float cloudのブログ」。
floatcloud
記事: 2
登録日時: 2014年3月01日(土) 17:09

Re: 越美国境を歩く⑥  油坂峠~平家岳 3/22.23

投稿記事 by floatcloud »

追伸。
そう言えば、その時間、湖畔道路の途中で自転車で上流へ向かっている人を追い抜きましたよ(赤のツートンのpajero mini)。
追い抜いた後、「あの人、中部縦貫道が自転車通行禁止だと知ってるのやろうか?」、「峠越えのR158は、除雪してないしねえ・・」とか、心配したことを思い出しました。そうだったんですね・・・、いらんおせっかいをするところでした。
越前
記事: 217
登録日時: 2012年5月16日(水) 15:43

Re: 越美国境を歩く⑥  油坂峠~平家岳 3/22.23

投稿記事 by 越前 »

float cloudさん、今晩は。
はじめての投稿となるようですね。今後とも「やぶこぎ」へのご参加よろしくお願いいたします。

青空の下、すばらしい縦走になりましたねえ
すばらしい縦走、そうです雨上がり後の青空の下、とても充実した山歩きに恵まれました。ありがたいことで~す。

時々ほくそ笑んで読ませていただきました。と言うのも、油坂峠からの部分は、今年3月9日、貴兄と同じ所を起点として臼本山を周回した時、帰路に通った部分だったからですし、滝波山のトレールは、友人のブログ「ひとり山歩き倶楽部」で読んでいて、彼のものだと知っていたからです。
「ほくそ笑んで」という表現は微妙なブレを感じますが、そのお気持ちはとてもよくわかります。(笑)
歩く人もまれな山域でのご自身が先に歩かれたルートの記事♪、ああっ、その足跡は知人のあの山行のモノだ~! ・・・何故かしら、うれしくなってきちゃうんですよね。
かくゆう私の初投稿も、「一年も前の洞吹さんの記事」の中に自分のつけた足跡を発見、うれしくなって無理やり入稿してしまいました。

ぼくたちは、826P、827P間の鞍部から林道に降りたのですが、そう言えば、その鞍部から行く手の白鳥側には雪がありませんでした。
半月も以前からそんな状態だったんですか。

第二日目の3月23日は、上大納から岩谷山に登るべく、7時過ぎにR158で箱ヶ瀬橋の袂を通ったのですが、前述の彼の車以外に車はなかったので、その平家岳からの帰路のトレールは、多分、遅き出発故のものなんでしょうね。この日、午後遅くなってからの林道歩きは、もしそのトレールがなかったならば、相当消耗したかもしれませんね
ということは三連休の初日のモノだったのでしょう。確かに滝波山でのトレースと比べるとへたれてましたね。
実際あのトレースがなかったなら、林道までの下山路でのロスも相当あったでしょうから、クルマへの到着時間はかなり悲惨なコトになっていたでしょう。

そう言えば、その時間、湖畔道路の途中で自転車で上流へ向かっている人を追い抜きましたよ(赤のツートンのpajero mini)。
追い抜いた後、「あの人、中部縦貫道が自転車通行禁止だと知ってるのやろうか?」、「峠越えのR158は、除雪してないしねえ・・」とか、心配したことを思い出しました。そうだったんですね・・・、いらんおせっかいをするところでした。

どき~っっ。 :roll:
た、確かにその時の私はもちろん道路状況の件は知っていました。自転車漕ぎながら車が止まってそんな注意を受ける可能性までも考えていました。
しかし丁度一年前に、毘沙門~油坂峠をヤッた時には・・・・。

机上登山を楽しませていただきました。ありがとうございました。ちなみにぼくのブログ名も、記しておきますね。「藪山独自ルート float cloudのブログ」
こちらこそ足跡の主を教えていただきありがとうございました。
お二人のブログも拝見させていただきます。
越前
アバター
山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 越美国境を歩く⑥  油坂峠~平家岳 3/22.23

投稿記事 by 山日和 »

越前さん、こんばんは。

高島トレイル・余呉トレイルと歩いてきた後、このまま福井県境分水嶺全部を歩いてみようかと考え、続けて越美国境を歩き始めて二年目となる。今回を入れての進捗状況。
踏破距離だけを見れば既に半分を越えたようにも見えるが、残りの区間の難易度は高くなっていくばかり・・・。


確かに最難関区間は残っていますが、素晴らしいペースで踏破していますね~。すべてを単独で踏破した人はいるのでしょうか?

決して楽観視できるような状態ではなく、なお一層ふんどしのひもを締めなおさねばならない。

油断したふんどしが緩んでポロッと・・・誰も気付かなかったりして :mrgreen:

初日/駐車地(7:05)~(8:01)分水嶺稜線~(11:13)鉄塔~(13:14)P1148屈曲点~(15:58)P1095~(16:48)仏峠~(17:26)お泊り地 

翌日/出発(6:50)~(8:24)滝波山~(9:38)トレース下降点~(11:57)P1450~(13:50)平家岳手前~(14:36)トレース出現~(16:15)登山口~(18:47)チャリ~(19:30)駐車地


こういう手があったんですねえ。日帰り周回ばかり考えていてはダメってことですね。それにしても福井県の住人がうらやましい・・・

チャリをデポ地へ置いてから油坂峠のチェーン脱着場へ車を停めると、ほんのわずかの歩きで旧道トンネル。そのトンネルすぐ上の稜線は中央分水嶺、すなわち越美国境だ。
三月の越美国境分水嶺でこんなアプローチが近い場所は他にはない。


なるほど、確かにそうですね。

最初の林道末端との邂逅点近くで面白いものが見れた。
間違いなく中央分水嶺を歩いているのに、なんと右下方たったの五mで勢いよく川が流れている。


こういう風景、好きですよ。銚子洞上流の大平にもこんな感じのところがあります。

例年通りのメートル単位の積雪ならば、例え雑木林の稜線でも展望に苦労することはないのだが、今年は・・・って、それはもう言わないでおこう。

やっぱり貧雪を実感ですか?
 
スノーシューはザックに仕舞っての急下降と登り返しをこなしたら、夕日を受けた御嶽と乗鞍が連続して見える稜線を歩くことになって展望的には申し分なし。あとはテントが張れる平坦な場所、できれば風を避けられる雪庇の下なんぞを所望したいけど・・・。ま、ま、ま、贅沢は敵だ(^_^;)
展望地でそれなりの場所を、時間に余裕のあるうちに決めることが出来た。


テントサイトはロケーションが命ですね。積雪期は水の心配も要らないし。

幸い、満天の星空だったが、さほどの寒さもなく風もない穏やかな一夜となった。
御嶽をバックにご来光。「春はあけぼの」とは、よく言ったもんだね~。
快晴に感謝。


夜も朝もええですな~。私も久し振りにテン泊してみるか。

そして山頂にはふりそそぐ霧氷のなか、単独者の昨日の往復アイゼントレースが残されていた。
チャリをデポした地点に停まっていた、軽四駆の持ち主のものだろう。


いやー、こんなところにこんなルートから登る人もいるんですねえ。常識人の私には思いつきません。 :mrgreen:
 
しかしこのくらいの標高になると、ツボ足とスノーシューの沈み込みの差って、あんまし無いんだと並んだトレースを振り返って思う。

相当雪が締まってたってこってすね。

その白い世界から望む白山は、左に大日の尾根と右に野伏の尾根を従えた、まさに翼を広げた白鳥の様相を呈していた。

鶴翼の陣とは言い得て妙ですね。しかし白鳥のはずだったんでは?(^_^;)
「美濃平家」に触れていませんが、越前さんとしては美濃の名前が付くピークは興味の外ですか? :lol:
 
黙々と下り、登り返す。平家岳はもう目の前だ!! しかし、設定していたリミット時間に達してしまった。
帰りの長~い林道歩きはともかく、雪面に隠れたトラバースもある登山道を下ろうというのだから、GPSフル活用でも相当の時間がかかると思われる。越美国境から少し奥まった位置にある平家岳はまた今度だ。


平家を目前にして残念!!

能郷白山をバックにして不敵な面構え(?)の屏風山を望む。
「登山道のある平家岳クラスで手間取っているようでは、オレ様にはとうていかなわないぞ」 そう、屏風山に言われた気がした。
確かに越美国境での最難関は「アイツ」だろう。数少ないレポを読んでも皆苦戦していたようだ。なんとかせねば・・・。


確かにそうでしょうね。左門岳北から屏風山を越えて西ノ水あたりまでが一番難しいと想像します。

林道での計算ミスで飲料が切れ、水分を欲しがるカラダに鞭打って、自販機へとチャリを飛ばした。

いやー、お疲れさまでした。しかし充実感たっぷりの2日間でしたね。 :D

                           山日和
越前
記事: 217
登録日時: 2012年5月16日(水) 15:43

Re: 越美国境を歩く⑥  油坂峠~平家岳 3/22.23

投稿記事 by 越前 »

山日和さん、今晩は。

確かに最難関区間は残っていますが、素晴らしいペースで踏破していますね~。すべてを単独で踏破した人はいるのでしょうか?
「残雪期」ならではの歩行スピードということですね。沢登りでの踏破になると、途端に遅くなることは目に見えていますが (^_^;)
大空白地帯の単独踏破は二人ほど確認していますが、どちらも五日程度のテン泊縦走スタイルでした。

油断したふんどしが緩んでポロッと・・・誰も気付かなかったりして :mrgreen:
ち、致命的だ・・・。

こういう手があったんですねえ。日帰り周回ばかり考えていてはダメってことですね。それにしても福井県の住人がうらやましい・・・
踏破のためには手段は選びません!実はマジで大空白地帯をテン泊縦走で抜けようか・・・などとも考えましたが、そこまでの日数を休むのは現実的ではなく却下となりました。 :lol:

こういう風景、好きですよ。銚子洞上流の大平にもこんな感じのところがあります。
越美国境分水嶺直下五mの川
越美国境分水嶺直下五mの川
    

テントサイトはロケーションが命ですね。積雪期は水の心配も要らないし。
せっかくの標高、寒いだけなら損ですよね、展望はとても大事な要素となります。
夕日を受けた乗鞍・御嶽。
夕日を受けた乗鞍・御嶽。
夜も朝もええですな~。私も久し振りにテン泊してみるか。
そう、もしかしたらたまにだからいいのかも?

いやー、こんなところにこんなルートから登る人もいるんですねえ。常識人の私には思いつきません。
山日和さん、今更そんな発言したって誰も・・・。

相当雪が締まってたってこってすね
締まった雪面に乗ったふかふか新雪での比較
締まった雪面に乗ったふかふか新雪での比較
  
鶴翼の陣とは言い得て妙ですね。しかし白鳥のはずだったんでは?(^_^;)
ええっと~? あら~説明不足ですいません。
中央の白山を総大将、武将に見立てた大日や丸山といった冬将軍を左翼に展開、そして右翼には願教寺や野伏という白い武将を配置。
まるで白鶴が翼を広げているような戦闘陣形となるので「鶴翼の陣」と言うそうです。

「美濃平家」に触れていませんが、越前さんとしては美濃の名前が付くピークは興味の外ですか?
いや、興味うんぬんの前に、実は平家岳と美濃平家が別のピークを指すとは知りませんでした。 P1450でしたか (^_^;)
てっきり「経ヶ岳」や「駒ヶ岳」などと同じ事情なんだろうなって・・・。
一旦下っての登り返し。<br />単にP1450へ登るのではなく美濃平家へ登るのだと知っていたら、少し疲れ方も違った?
一旦下っての登り返し。
単にP1450へ登るのではなく美濃平家へ登るのだと知っていたら、少し疲れ方も違った?
平家を目前にして残念!!
次の楽しみにとっておいたんだとしておきましょう。

確かにそうでしょうね。左門岳北から屏風山を越えて西ノ水あたりまでが一番難しいと想像します。
いくつかの細分化した案はあるのですが、プランと実際は違ってきますからね~。
ま、丸々三日間の晴れのお休みと、帰りの足の確保ができるなら大空白地帯も一気にスルー出来ると思うんですが。

いやー、お疲れさまでした。しかし充実感たっぷりの2日間でしたね
ありがとうございます。
さ~、次はどうつなげていくか。なんて考えるのも楽しい作業なんですよね。
越前
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