ワンデイ毛勝三山

山行記、山の思い出、限定
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たんぽぽ
記事: 708
登録日時: 2011年2月20日(日) 11:54

Re: ワンデイ毛勝三山

投稿記事 by たんぽぽ »

ふ~さん、こんばんは。

開口一番、「この天気じゃ、周遊は無理。」と、エリアに通じたたんぽぽ氏の爆弾発言。「ふ~さん所望の毛勝に絞るとか、(たんぽぽ氏が)未踏の猫又谷偵察に代えてもいいし。それか、僧ヶ岳に切り替えるとか・・・」
風雲雷鳴轟く・・・雷なんて鳴ってなかったか。
あんな天候にもかかわらず毛勝の頂に立てたのは教祖さまのお導きのおかげです。

稲妻に撃たれたような衝撃に耐えつつ「とにかく登山口に向かいましょう」と取り繕う。念のため、ふ~さん号は予定通り、南又谷ゲートへ。たんぽぽ号で、片貝第五発電所と片貝山荘のある東又・阿部木谷出合近くの林道ゲートに移動。山支度を進める。
ぐるりんぽんの夢は諦めまへん。

内輪の話だが、平成11年のGW。私は友人たちに毛勝山登山に声をかけてもらいながら、メジャーな蝶ヶ岳を選んで長塀尾根を登った。以来、機会を失ったまま、気になる山リストから、なかなか消えることがなかった。曰く付きの山だった。
江戸の敵を長崎でじゃあないけど、蝶からの積年の想いを毛勝で解き放つ大切な山行なんや!
5年前の釜谷山
5年前の釜谷山
芽吹き始めた森の緑をもってしても、春の気配に歓喜するコマドリやセンダイムシクイたちのラブコールをもってしても、たんぽぽ氏のモチは一向に上がらない。
ヒンカラカララ・・・やチヨチヨビーじゃあモチメーターは振らんわなあ。
山ガコールでもあればお餅も上がったでしょうに。

雪河原で休憩しようとした矢先、ぶすぶす湿気っていた『たんぽぽ燃料棒』が突如として姿を消した。
不謹慎な表現だが「すわ、メルトダウンか!」と緊張が走る。昨年の焼山北面台地へのアプローチでも、こんなトラブルがあった。残雪期登山には魔物が潜んでいるようだ。

燃料棒より怖いたんぽぽの暴れん棒がメルトダウン!!
雪渓に冷やされてホッ。

目を白黒させたたんぽぽ氏が穴の中から顔を出す。全く肝を冷やす話だ。自力で脱出したたんぽぽ氏の姿は、まるでチリの炭坑落盤事故から生還した生存者に劣らず、神々しくうつった。
チリ!チリ!チリ! レー!レー!レー!

板菱を越えて雨がぽつりとくると、たんぽぽ氏のモチはますます低下する一方。何とか気分をもり立てようと。気の利いたこと言おうとするふ~さん。しかし、私も徹夜運転の疲れで頭が回らない。
ポツリ、ポツリ・・・さあ、どこで止めるべぇか?
山ガと二人っきりなら魚津のゲンゲデートで口説くって手もあるけど、ふ~さん口説いてどうすんや~。

何とかブロックの猪突猛進が一段落してほっと胸をなで下ろすが、たんぽぽ氏は何と動画まで撮影する肝っ玉おやじぶりだ。それにしても、疾走してくる雪玉の運動エネルギーを取り込んだか、たんぽぽ氏が引き返そうという素振りを全く見せなくなった。
上から落ちてくるとなんんだか逆らって進みたくなるのよね、ひねくれ者の性かなあ。

夢かうつつか、ガスに巻かれた毛勝谷上部の切り立った雪渓歩き。ピッケルを雪面に突きながら一歩一歩の喘登である。
ガスに巻かれたせいで、毛勝名物スリリングなボーサマ谷を味わうこともなくて残念。
ふ~さんが不憫じゃ~。
清水尾根から見る毛勝三山(右)
清水尾根から見る毛勝三山(右)
ルンルン歩きで最高所に立つが、不思議なことに、かなり低いところから先行パーティーの声がかかる。
ガスった山頂・・・山頂はこっちだよと、ずっと下から声がかかるのが不思議な感覚でした。

「いらっしゃ~い!」の声に迎えられて、姿の見える方向に降りていくと「あそこは単なる吹きだまりなんですよ~」ときた。にゃるほど。山頂より吹きだまりの方が標高も高いわけか。「日本海の季節風を舐めんなよ!」って感じだ。
なんたってこの先には舐め猫山(化石ものだね)が控えておりまするから 。

彼らに写真を撮ってもらい、気をよくした我々は一旦、ボーサマのコルへ。「予定通り行けそうだな。」と、いきなりたんぽぽ氏のゲージが振り切れ、「暴走キャラ」に変身。軟弱ふ~さんは、その後ろ姿を付き人みたいに追いかける。
誰かさんみたいにモチメーターがよく振るんです。

南峰を越えて釜谷山へ。雪庇が派手に発達していて、地形図と地形とが全くもって合致しない。
ガスのせいで稜線がどこまでもつづく広大な雪原のようでしたね。

稜線に出現したブッシュ歩きと、その脇の雪稜歩きとの得失を計りつつ、きわどい雪庇を歩く場面もある。クレバスが大きく口を開けていて壮絶。雪のブロックも、ちょっとしたビルのサイズだったりするから、スケールがデカい。
北ア北部まで来ると白山あたりとはスケールが違います。

大きな雪壁を登り、小さなコブを越えて釜谷山に立つ。セルフタイマーで二人して記念写真に収まると高揚感ひとしお。だが、この先まだ不安な地形もある。気を引き締め直してスタートするその瞬間、陽光に溶けかけた新しげなトレースを発見。
思いがけないトレースで安堵感にどっぷりと浸かりました。

長いのか短いのかよくわからない時間感覚に包まれながら、ようやく念願の猫又山へ。いや、意外にあっさり山頂に立てたのかもしれない。たんぽぽ氏はこれが三度目の猫又山だというから強者だ。
それじゃあ四度目の猫又の計画しなくちゃね、次はどこから入ろうかな。

それでも、一度も猫又には出会ったことはないと言う。
もし出会ってたら、ぽぽんたには足が生えてませんがな~

あっさり猫又山の山頂に別れを告げて大猫尾根を目指す。二度もルートミスしながらハイマツをくぐると、巨岩群を見て急降下していく。
ここはブナクラやグレートにゃんにゃんへの分岐点になるから慎重に・・・他人のトレース鵜呑みにしたらどこ行くか知らんで~
秋のおニャンコ又もエエよん (左カマタン・右ネコマタ)
秋のおニャンコ又もエエよん (左カマタン・右ネコマタ)
頃合いを見て、猫又谷右又に「えいやっ」と飛びこむ。途端、満を持してぶ厚いガスが切れて青空がのぞき始めた!足元がすぽ~んと抜けて広大なU字谷が見えてくる。自分たちが、一体どこに立っているのかを瞬時に理解する。ここは長大な滑り台だ。だが、滑ったらタダじゃ済まないところがスリリングで良い。足元がすーすーする。
ひゃっほっ~!とうとうやって来ましたおニャンコ又谷!
ここまでの道程も長かったなあ。

一気に下っては勿体ない・・・とばかりに時間をかけて長尺な雪渓を堪能する。遥か下方に雪渓を割って雪解け水が流れ出す様子が、おとぎの世界だ。
モッタイナイ、モッタイナイ、一歩一歩味わいながら下らなくっちゃ。

振り返り、振り返り、猫又谷を下っていく。どこか日本離れした光景だね。両岸のダケカンバや針葉樹の岩壁もどこか目に優しい。
毛勝谷と違い優しく品のある谷でした、ぽぽんたにピッタシやん。

山菜摘みしながら川沿いを下ろう。途中、左岸に見えた林道に乗り換えて歩けば、キビタキがチンチロリンだ。たんぽぽ鳥博士が「キビタキはブナ林の主役なんだよ」と名解説員を務める。ニリンソウの白も乙女チックで清楚だ。
キビタキシャワーが気持ちよかったし、花も多かったね。
キクザキイチゲ、ニリンソウ、カタクリ・・・

片貝南又発電所の手前で、青空の猫又谷に別れを告げる。巨大な洞杉に畏敬の念を抱いて歩く。そして、無事に薄闇のゲート前に佇むふ~さん号にランディングだ。
ぽぽんたはヘロヘロでしたが、ふ~さんは今回もぴょんぴょん丸してましたね、お疲れさん!

風呂に入り、飯を食いながら、じわじわと甘美な達成感に包まれる。ありがとう、たんぽぽ氏。毛勝三山周遊は十年越しの夢だった。
ふ~さんの長年の夢が叶ってよっかったにゃあ~、めでたし、めでたし。
最後に猫又が微笑んだ!
最後に猫又が微笑んだ!
バーチャリ
記事: 547
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: ワンデイ毛勝三山

投稿記事 by バーチャリ »

ふ~さん今晩は

>内輪の話だが、平成11年のGW。私は友人たちに毛勝山登山に声をかけてもらいながら、メジャーな蝶ヶ岳を選んで長塀尾根を登った。以来、機会を失ったまま、気になる山リストから、なかなか消えることがなかった。曰く付きの山だった。

ハイー 私も毛勝は200名山の本が出版されたからそうでしたよ、
あと北の〇〇エックとね、もうこれはあきらめているけど

>芽吹き始めた森の緑をもってしても、春の気配に歓喜するコマドリやセンダイムシクイたちのラブコールをもってしても、たんぽぽ氏のモチは一向に上がらない。

雨模様だったらね~


>目を白黒させたたんぽぽ氏が穴の中から顔を出す。全く肝を冷やす話だ。自力で脱出したたんぽぽ氏の姿は、まるでチリの炭坑落盤事故から生還した生存者に劣らず、神々しくうつった。

水の中にドボンでなくて
雪渓の端を踏み外したの?

>連続して「ラ~クッ!」のコールが響いたかと思うと、相当な速度で雪のブロックが突進してくるではないか。これはたまんない。時折、敵は不規則にバウンドして予測を裏切る。あな恐ろしや。「恐ろしや」が「恨めしや」になってからでは遅いのだ。

ほんとに多かったですね、
タンポポツアーの白山とはえらい違い

>夢かうつつか、ガスに巻かれた毛勝谷上部の切り立った雪渓歩き。ピッケルを雪面に突きながら一歩一歩の喘登である。

予想以上に急登でした。

>ボーサマのコルにひと息入れ、いよいよ夢の毛勝山ピークを目指す。ルンルン歩きで最高所に立つが、不思議なことに、かなり低いところから先行パーティーの声がかかる。

剣と北アルプスの展望が素晴らしかったですが、
ふ~さん展望は?


>「いらっしゃ~い!」の声に迎えられて、姿の見える方向に降りていくと「あそこは単なる吹きだまりなんですよ~」ときた。にゃるほど。山頂より吹きだまりの方が標高も高いわけか。「日本海の季節風を舐めんなよ!」って感じだ。

山頂だけ雪なかったですね、
「日本海の季節風を舐めんなよ!」
なるほど


<釜谷山>

近くに見えましたね、

>南峰を越えて釜谷山へ。雪庇が派手に発達していて、地形図と地形とが全くもって合致しない。11年前の大日岳の文登研の雪庇崩落事故が頭に離れない私は、いきおいルート取りに臆病になる。私の友人も厳冬期の穂高稜線で雪庇に事故って肋骨を折った。命拾いしたのが奇跡そのものだった。

私も良く山行を一緒にしてた友人が
バリバリの山岳会に入り厳冬期の剣で雪崩で亡くなりました。
もう一人は沢で50M滑落で亡くなりましたが。


>稜線に出現したブッシュ歩きと、その脇の雪稜歩きとの得失を計りつつ、きわどい雪庇を歩く場面もある。クレバスが大きく口を開けていて壮絶。雪のブロックも、ちょっとしたビルのサイズだったりするから、スケールがデカい。

恐怖感は無かったですか?

<猫又山>

>「案ずるより産むが安し」とはよく言ったものだ。現金なもので、やにわに心うきうき。斜面を駆け下り、ヤブを越えて猫又山とのコルに立つ。チュリリリと鳴くのはイワヒバリか。猫又山を目指して雪壁を登ると、ハイマツの中で雷鳥がゲロゲロ鳴いた。

毛勝で雷鳥を見ましたが、
鳴き方が上手じゃないね、


>長いのか短いのかよくわからない時間感覚に包まれながら、ようやく念願の猫又山へ。いや、意外にあっさり山頂に立てたのかもしれない。たんぽぽ氏はこれが三度目の猫又山だというから強者だ。

昨年の秋はイマイチでしたが、
猫又からー大猫は一度花の時期も良さそうですね、

>先日、子供たちがニコニコ顔でメダカを捕ってきた。プラバケツに岩を配置したり、ホテイアオイを浮かべたりして即席のビオトープを作った。ところが、実はそいつ、メダカなんかじゃなくって、カダヤシだったというおまけがついた。

カダヤシ?


>あっさり猫又山の山頂に別れを告げて大猫尾根を目指す。二度もルートミスしながらハイマツをくぐると、巨岩群を見て急降下していく。

秋に見た時は崖に見えましたが、
雪が付く下れるのですね。

>一気に下っては勿体ない・・・とばかりに時間をかけて長尺な雪渓を堪能する。遥か下方に雪渓を割って雪解け水が流れ出す様子が、おとぎの世界だ。

わぁ~ いいな
一度その谷を登りたいな


>振り返り、振り返り、猫又谷を下っていく。どこか日本離れした光景だね。両岸のダケカンバや針葉樹の岩壁もどこか目に優しい。山菜摘みしながら川沿いを下ろう。途中、左岸に見えた林道に乗り換えて歩けば、キビタキがチンチロリンだ。たんぽぽ鳥博士が「キビタキはブナ林の主役なんだよ」と名解説員を務める。ニリンソウの白も乙女チックで清楚だ。

今年は綺麗な雪渓は拝めず 
夏になりそうです。


>風呂に入り、飯を食いながら、じわじわと甘美な達成感に包まれる。ありがとう、たんぽぽ氏。毛勝三山周遊は十年越しの夢だった。

登頂おめでとうございます。
お疲れ様でした。

  バーチャリ
ふ~さん
記事: 526
登録日時: 2011年2月20日(日) 19:58

Re: ワンデイ毛勝三山

投稿記事 by ふ~さん »

たんぽぽさん、横レス失礼いたします。
ふ~さん今晩は
こんばんは!
剣と北アルプスの展望が素晴らしかったですが、
ふ~さん展望は?
おおっ!ひょっとしてバーチャリさんに喧嘩を売られているのかも。(^o^)

はっきり申しまして、展望はゼロですっ!(>_<)

>先日、子供たちがニコニコ顔でメダカを捕ってきた。プラバケツに岩を配置したり、ホテイアオイを浮かべたりして即席のビオトープを作った。ところが、実はそいつ、メダカなんかじゃなくって、カダヤシだったというおまけがついた。

カダヤシ?
ネットで検索してみてくださいね~
>あっさり猫又山の山頂に別れを告げて大猫尾根を目指す。二度もルートミスしながらハイマツをくぐると、巨岩群を見て急降下していく。

秋に見た時は崖に見えましたが、
雪が付く下れるのですね。
はっきり言えば、崖でしょうね~♪

こうして因縁の山がひとつずつリストから消えていくのは達成感がありますね。でも、リストから消しても消しても、次から次へと新しい課題が浮かび上がってきますよね。

バーチャリさんも、毛勝山頂を踏んだそうですね。お疲れさまでした!
 
 ふ~さん
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