【湖西】雪の三重嶽南尾根
Posted: 2014年2月13日(木) 23:45
【日 付】2014年2月11日(火)
【山 域】湖西 三重嶽(さんじょうがたけ)974.1m
【天 候】晴れのち曇り
【コース】石田川ダム8:30---9:30間谷橋---11:15 P686m---12:40 Ca960mピーク---13:00三重嶽14:15
---15:45間谷橋---16:45石田川ダム
石田川ダムへの道は辛うじて1台分の轍が残っていた。正月の悪夢を思い出す。もしトレースがな
ければ転進を余儀なくされていたかもしれない。
人影のない石田川ダムに寒風が吹き抜け、思わず身震いした。気温は低いが青空がやる気を起こさ
せてくれる。
実は1年前にも同じルートから三重嶽を狙った。しかし重い新雪にたまらず山頂まで標高差200m
ばかりのところで挫折してしまったのである。
[attachment=7]P1160268_4_1.JPG[/attachment]
つぼ足でスタートしたものの、すぐに吹き溜まりに足を取られてたまらずスノーシューを履いた。
今日の雪はクラスト層にパウダーの新雪が積もっているので軽く、ラッセルも苦にならない。
ところどころ雪が割れて舗装が露出しているが気にせず進んだ。
小1時間歩いてやっと間谷橋の尾根取付きに到着。ここは昨年ふ~さんと遡行した谷の出合である。
ここから地形図通りの急登が始まる。去年はここでアイゼンを装着したのだが、今年はスノーシ
ューのまま登ってみよう。適当にジグを切りながら胸を突くような植林の急斜面を喘ぎ登る。
しばしの我慢で右自然林、左植林の尾根に乗った。間谷の対岸に見える三重嶽南東尾根が魅力的だ。
寸前までどちらにしようか迷っていたのだ。
[attachment=6]P1160296_1_1.JPG[/attachment]
こちらの尾根はそれほど良くはないが悪くもない。686mピークへはまだ急登があり、場所によっては
ヒザ近くまで潜った。歩き始めのようなパウダーからやや湿った雪質に変わっている。
頭上と南東尾根方面は青空が広がっているのだが、山頂方向は明るさがない。足元の重さと相まって
モチベーションが下がり始めた。また去年の再現か。とりあえず1時までは頑張ろうと歩を進める。
[attachment=5]P1160305_1.JPG[/attachment]
P686m手前で傾斜が緩むと意外に雪が締まり始めた。ほとんど沈まないところもある。
これは行けるかもしれない、いや、行かなくてはいけない。
686m標高点にあるブナはよく覚えていた。下の方で3つに分かれた枝が燭台のように真っすぐ上に伸
びている。燭台ブナと名付けることにしよう。
[attachment=4]P1160321_1.JPG[/attachment]
スギ混じりのやせ尾根は小規模ながら東側に雪庇が発達して目を惹いた。吹き抜ける風が雪を巻き
上げて砂嵐のようだ。
やせ尾根を通過すると広さを取り戻した尾根にはブナ林が展開する。登るにつれブナの純林に変わっ
た。細い木ばかりだが、ブナ以外見当たらない林は見事である。
Ca960mのドーム状ピークに近付くと、木々に白いものが目立ち始めた。霧氷だ。
あまり発達していないが期待していなかっただけにうれしい。
そしてピークに立つと周りは一面の霧氷の森と化した。ここから見る三重嶽山頂は、間谷の奥の左俣
の実にゆったりとした源頭部の奥にひろがる単なる雪の台地のようだ。
積雪期にここを訪れるのは初めてである。無雪期には曲がりくねったブナの森が広がり展望がほとん
ど得られない場所であるが、積雪期にはこんなにも明るく開けたところになるとは想像していなかった。
[attachment=2]P1160389_2_1.JPG[/attachment]
当初は武奈ヶ嶽まで縦走する予定だったがとんでもない話である。なんとかタイムリミットぎりぎりで
山頂に到着。やった。初めての雪の三重嶽。山の深さを実感する山頂だ。
南に目をやれば琵琶湖の膨大な水面が光る。左に目を転じれば、伊吹山から金糞岳、横山岳と続く
湖北の山々。その奥には判別し難いが奥美濃の白い峰が眩しい。
どうやら雲がかかっているのはこのあたりだけで、眺める景色はすべて青空の下だ。
[attachment=0]パノラマ 7_1_1.JPG[/attachment][attachment=1]パノラマ 5_2_1.JPG[/attachment]
山頂では風が強く落ち着けないので南側斜面に風陰を求めた。ブナの木の根元にお誂え向きの場所
があった。今日もつつがなく鍋ランチを楽しめそうである。
ここは間谷奥の中俣の源頭部にあたる。左俣ほどの広がりはないが、ここもゆったりとしたいいところだ。
谷の形が消える突き当たりには3mほどの雪壁となり、ミニ雪庇もできて美しい。これで太陽が顔を出せ
ば言うこと無しなのだが。
[attachment=3]P1160423_1_1.JPG[/attachment]
いつもの如く、1時間強のランチタイムを楽しんで下山にかかる。南東尾根を下りるという選択肢もあっ
たが、足が少々疲れ気味だ。無理せずピストンとしよう。
霧氷の群れを愛でながら960mピークまで戻る。後は自分だけのトレースを辿れば(正確に言うと辿って
はいないのだが)林道まではあっという間だ。
林道手前の急斜面をスノーシューを履いたまま下りるのはテクニックが必要だったが。
上流から下流への林道だから下りがあたり前なのだが、ここは結構登りがあって疲れを倍加させる。
スノーシューを引きずるようにトボトボと歩いてやっとダムに到着。
雪遊びに来たのか、犬を連れた3人組がびっくりしたようにこちらを見ていた。
山日和
【山 域】湖西 三重嶽(さんじょうがたけ)974.1m
【天 候】晴れのち曇り
【コース】石田川ダム8:30---9:30間谷橋---11:15 P686m---12:40 Ca960mピーク---13:00三重嶽14:15
---15:45間谷橋---16:45石田川ダム
石田川ダムへの道は辛うじて1台分の轍が残っていた。正月の悪夢を思い出す。もしトレースがな
ければ転進を余儀なくされていたかもしれない。
人影のない石田川ダムに寒風が吹き抜け、思わず身震いした。気温は低いが青空がやる気を起こさ
せてくれる。
実は1年前にも同じルートから三重嶽を狙った。しかし重い新雪にたまらず山頂まで標高差200m
ばかりのところで挫折してしまったのである。
[attachment=7]P1160268_4_1.JPG[/attachment]
つぼ足でスタートしたものの、すぐに吹き溜まりに足を取られてたまらずスノーシューを履いた。
今日の雪はクラスト層にパウダーの新雪が積もっているので軽く、ラッセルも苦にならない。
ところどころ雪が割れて舗装が露出しているが気にせず進んだ。
小1時間歩いてやっと間谷橋の尾根取付きに到着。ここは昨年ふ~さんと遡行した谷の出合である。
ここから地形図通りの急登が始まる。去年はここでアイゼンを装着したのだが、今年はスノーシ
ューのまま登ってみよう。適当にジグを切りながら胸を突くような植林の急斜面を喘ぎ登る。
しばしの我慢で右自然林、左植林の尾根に乗った。間谷の対岸に見える三重嶽南東尾根が魅力的だ。
寸前までどちらにしようか迷っていたのだ。
[attachment=6]P1160296_1_1.JPG[/attachment]
こちらの尾根はそれほど良くはないが悪くもない。686mピークへはまだ急登があり、場所によっては
ヒザ近くまで潜った。歩き始めのようなパウダーからやや湿った雪質に変わっている。
頭上と南東尾根方面は青空が広がっているのだが、山頂方向は明るさがない。足元の重さと相まって
モチベーションが下がり始めた。また去年の再現か。とりあえず1時までは頑張ろうと歩を進める。
[attachment=5]P1160305_1.JPG[/attachment]
P686m手前で傾斜が緩むと意外に雪が締まり始めた。ほとんど沈まないところもある。
これは行けるかもしれない、いや、行かなくてはいけない。
686m標高点にあるブナはよく覚えていた。下の方で3つに分かれた枝が燭台のように真っすぐ上に伸
びている。燭台ブナと名付けることにしよう。
[attachment=4]P1160321_1.JPG[/attachment]
スギ混じりのやせ尾根は小規模ながら東側に雪庇が発達して目を惹いた。吹き抜ける風が雪を巻き
上げて砂嵐のようだ。
やせ尾根を通過すると広さを取り戻した尾根にはブナ林が展開する。登るにつれブナの純林に変わっ
た。細い木ばかりだが、ブナ以外見当たらない林は見事である。
Ca960mのドーム状ピークに近付くと、木々に白いものが目立ち始めた。霧氷だ。
あまり発達していないが期待していなかっただけにうれしい。
そしてピークに立つと周りは一面の霧氷の森と化した。ここから見る三重嶽山頂は、間谷の奥の左俣
の実にゆったりとした源頭部の奥にひろがる単なる雪の台地のようだ。
積雪期にここを訪れるのは初めてである。無雪期には曲がりくねったブナの森が広がり展望がほとん
ど得られない場所であるが、積雪期にはこんなにも明るく開けたところになるとは想像していなかった。
[attachment=2]P1160389_2_1.JPG[/attachment]
当初は武奈ヶ嶽まで縦走する予定だったがとんでもない話である。なんとかタイムリミットぎりぎりで
山頂に到着。やった。初めての雪の三重嶽。山の深さを実感する山頂だ。
南に目をやれば琵琶湖の膨大な水面が光る。左に目を転じれば、伊吹山から金糞岳、横山岳と続く
湖北の山々。その奥には判別し難いが奥美濃の白い峰が眩しい。
どうやら雲がかかっているのはこのあたりだけで、眺める景色はすべて青空の下だ。
[attachment=0]パノラマ 7_1_1.JPG[/attachment][attachment=1]パノラマ 5_2_1.JPG[/attachment]
山頂では風が強く落ち着けないので南側斜面に風陰を求めた。ブナの木の根元にお誂え向きの場所
があった。今日もつつがなく鍋ランチを楽しめそうである。
ここは間谷奥の中俣の源頭部にあたる。左俣ほどの広がりはないが、ここもゆったりとしたいいところだ。
谷の形が消える突き当たりには3mほどの雪壁となり、ミニ雪庇もできて美しい。これで太陽が顔を出せ
ば言うこと無しなのだが。
[attachment=3]P1160423_1_1.JPG[/attachment]
いつもの如く、1時間強のランチタイムを楽しんで下山にかかる。南東尾根を下りるという選択肢もあっ
たが、足が少々疲れ気味だ。無理せずピストンとしよう。
霧氷の群れを愛でながら960mピークまで戻る。後は自分だけのトレースを辿れば(正確に言うと辿って
はいないのだが)林道まではあっという間だ。
林道手前の急斜面をスノーシューを履いたまま下りるのはテクニックが必要だったが。
上流から下流への林道だから下りがあたり前なのだが、ここは結構登りがあって疲れを倍加させる。
スノーシューを引きずるようにトボトボと歩いてやっとダムに到着。
雪遊びに来たのか、犬を連れた3人組がびっくりしたようにこちらを見ていた。
山日和