【湖西】雪の三重嶽南尾根

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山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【湖西】雪の三重嶽南尾根

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2014年2月11日(火)
【山 域】湖西 三重嶽(さんじょうがたけ)974.1m
【天 候】晴れのち曇り
【コース】石田川ダム8:30---9:30間谷橋---11:15 P686m---12:40 Ca960mピーク---13:00三重嶽14:15
     ---15:45間谷橋---16:45石田川ダム

 石田川ダムへの道は辛うじて1台分の轍が残っていた。正月の悪夢を思い出す。もしトレースがな
ければ転進を余儀なくされていたかもしれない。
人影のない石田川ダムに寒風が吹き抜け、思わず身震いした。気温は低いが青空がやる気を起こさ
せてくれる。
 実は1年前にも同じルートから三重嶽を狙った。しかし重い新雪にたまらず山頂まで標高差200m
ばかりのところで挫折してしまったのである。

[attachment=7]P1160268_4_1.JPG[/attachment]
 つぼ足でスタートしたものの、すぐに吹き溜まりに足を取られてたまらずスノーシューを履いた。
今日の雪はクラスト層にパウダーの新雪が積もっているので軽く、ラッセルも苦にならない。
ところどころ雪が割れて舗装が露出しているが気にせず進んだ。
小1時間歩いてやっと間谷橋の尾根取付きに到着。ここは昨年ふ~さんと遡行した谷の出合である。
 ここから地形図通りの急登が始まる。去年はここでアイゼンを装着したのだが、今年はスノーシ
ューのまま登ってみよう。適当にジグを切りながら胸を突くような植林の急斜面を喘ぎ登る。
しばしの我慢で右自然林、左植林の尾根に乗った。間谷の対岸に見える三重嶽南東尾根が魅力的だ。
寸前までどちらにしようか迷っていたのだ。

[attachment=6]P1160296_1_1.JPG[/attachment]
こちらの尾根はそれほど良くはないが悪くもない。686mピークへはまだ急登があり、場所によっては
ヒザ近くまで潜った。歩き始めのようなパウダーからやや湿った雪質に変わっている。
頭上と南東尾根方面は青空が広がっているのだが、山頂方向は明るさがない。足元の重さと相まって
モチベーションが下がり始めた。また去年の再現か。とりあえず1時までは頑張ろうと歩を進める。 

[attachment=5]P1160305_1.JPG[/attachment]
 P686m手前で傾斜が緩むと意外に雪が締まり始めた。ほとんど沈まないところもある。
これは行けるかもしれない、いや、行かなくてはいけない。
686m標高点にあるブナはよく覚えていた。下の方で3つに分かれた枝が燭台のように真っすぐ上に伸
びている。燭台ブナと名付けることにしよう。

[attachment=4]P1160321_1.JPG[/attachment]
 スギ混じりのやせ尾根は小規模ながら東側に雪庇が発達して目を惹いた。吹き抜ける風が雪を巻き
上げて砂嵐のようだ。
やせ尾根を通過すると広さを取り戻した尾根にはブナ林が展開する。登るにつれブナの純林に変わっ
た。細い木ばかりだが、ブナ以外見当たらない林は見事である。
 Ca960mのドーム状ピークに近付くと、木々に白いものが目立ち始めた。霧氷だ。
あまり発達していないが期待していなかっただけにうれしい。
そしてピークに立つと周りは一面の霧氷の森と化した。ここから見る三重嶽山頂は、間谷の奥の左俣
の実にゆったりとした源頭部の奥にひろがる単なる雪の台地のようだ。
積雪期にここを訪れるのは初めてである。無雪期には曲がりくねったブナの森が広がり展望がほとん
ど得られない場所であるが、積雪期にはこんなにも明るく開けたところになるとは想像していなかった。

[attachment=2]P1160389_2_1.JPG[/attachment]
 当初は武奈ヶ嶽まで縦走する予定だったがとんでもない話である。なんとかタイムリミットぎりぎりで
山頂に到着。やった。初めての雪の三重嶽。山の深さを実感する山頂だ。
南に目をやれば琵琶湖の膨大な水面が光る。左に目を転じれば、伊吹山から金糞岳、横山岳と続く
湖北の山々。その奥には判別し難いが奥美濃の白い峰が眩しい。
どうやら雲がかかっているのはこのあたりだけで、眺める景色はすべて青空の下だ。

[attachment=0]パノラマ 7_1_1.JPG[/attachment][attachment=1]パノラマ 5_2_1.JPG[/attachment]
 山頂では風が強く落ち着けないので南側斜面に風陰を求めた。ブナの木の根元にお誂え向きの場所
があった。今日もつつがなく鍋ランチを楽しめそうである。
ここは間谷奥の中俣の源頭部にあたる。左俣ほどの広がりはないが、ここもゆったりとしたいいところだ。
谷の形が消える突き当たりには3mほどの雪壁となり、ミニ雪庇もできて美しい。これで太陽が顔を出せ
ば言うこと無しなのだが。

[attachment=3]P1160423_1_1.JPG[/attachment]
 いつもの如く、1時間強のランチタイムを楽しんで下山にかかる。南東尾根を下りるという選択肢もあっ
たが、足が少々疲れ気味だ。無理せずピストンとしよう。
霧氷の群れを愛でながら960mピークまで戻る。後は自分だけのトレースを辿れば(正確に言うと辿って
はいないのだが)林道まではあっという間だ。
林道手前の急斜面をスノーシューを履いたまま下りるのはテクニックが必要だったが。

 上流から下流への林道だから下りがあたり前なのだが、ここは結構登りがあって疲れを倍加させる。
スノーシューを引きずるようにトボトボと歩いてやっとダムに到着。
雪遊びに来たのか、犬を連れた3人組がびっくりしたようにこちらを見ていた。

                  山日和
添付ファイル
パノラマ 7_1_1.JPG
パノラマ 5_2_1.JPG
P1160389_2_1.JPG
P1160423_1_1.JPG
P1160321_1.JPG
P1160305_1.JPG
P1160296_1_1.JPG
P1160268_4_1.JPG
kando1945
記事: 402
登録日時: 2013年1月02日(水) 09:28

Re: 【湖西】雪の三重嶽南尾根

投稿記事 by kando1945 »

山日和さん、こんにちは。

 石田川ダムへの道は辛うじて1台分の轍が残っていた。正月の悪夢を思い出す。もしトレースがな
ければ転進を余儀なくされていたかもしれない。

私はこやしが必要になるような芸をもっていませんが、多彩な芸をお持ちの山日和さんのエピソード期待しています。

頭上と南東尾根方面は青空が広がっているのだが、山頂方向は明るさがない。足元の重さと相まって
モチベーションが下がり始めた。また去年の再現か。とりあえず1時までは頑張ろうと歩を進める。 

なんと言っても山歩きには青空が必須ですね。人生にも青空が欲しいです。

Ca960mのドーム状ピークに近付くと、木々に白いものが目立ち始めた。霧氷だ。
あまり発達していないが期待していなかっただけにうれしい。

そうですよね。すばらしい樹氷と紺碧の青空を熱望する私の気持ちを、天気は運次第だから
高望みしてもしょうがないとクールにおっしゃった山日和さんもですよね。


いつもの如く、1時間強のランチタイムを楽しんで下山にかかる。

昼食に1時間15分もかけられたのですね。とても考えられません。時間もさることながら
体が冷えて、後の歩きに支障が出ませんか。


南東尾根を下りるという選択肢もあっ
たが、足が少々疲れ気味だ。無理せずピストンとしよう。

スノーシューのレポを拝見するようになって湖西、湖北の山(特に積雪期の)に興味を持つようになりました。
電子国土の地図をプリントアウトして見ていますが、この南東尾根で登って三重嶽、武奈ヶ岳を周回する
コースは魅力的だなと思っていましたが、とんでもない思い上がりだったのですね。


上流から下流への林道だから下りがあたり前なのだが、ここは結構登りがあって疲れを倍加させる。

帰りで疲れているのに、ゴール近くでの登り返すのは山道であれ、林道であれしんどいですね。
いずれにせよ、私は3:00頃には帰着していたいですね。
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【湖西】雪の三重嶽南尾根

投稿記事 by 山日和 »

kandoさん、どうもです。

私はこやしが必要になるような芸をもっていませんが、多彩な芸をお持ちの山日和さんのエピソード期待しています。

私はそんなに芸人ではありませんよ。無芸小食です(^_^;)

なんと言っても山歩きには青空が必須ですね。人生にも青空が欲しいです。

なんか実感こもってますねえ :lol:

そうですよね。すばらしい樹氷と紺碧の青空を熱望する私の気持ちを、天気は運次第だから
高望みしてもしょうがないとクールにおっしゃった山日和さんもですよね。


よく覚えてますね。言った本人は忘れてました(^_^;)

[attachment=0]P1160370_1.JPG[/attachment]
いつもの如く、1時間強のランチタイムを楽しんで下山にかかる。

昼食に1時間15分もかけられたのですね。とても考えられません。時間もさることながら
体が冷えて、後の歩きに支障が出ませんか。

私にとって普通のことなんで・・・あんまり寒い時は固まってますが :mrgreen:

スノーシューのレポを拝見するようになって湖西、湖北の山(特に積雪期の)に興味を持つようになりました。
電子国土の地図をプリントアウトして見ていますが、この南東尾根で登って三重嶽、武奈ヶ岳を周回する
コースは魅力的だなと思っていましたが、とんでもない思い上がりだったのですね。


条件がよければ可能でしょう。私も最初は武奈へ縦走するつもりでしたから。三重の登りでラッセルしてるようでは
ダメですね。雪の締まる3月以降が狙い目でしょう。

帰りで疲がれているのに、ゴール近くでの登り返すのは山道であれ、林道であれしんどいですね。
いずれにせよ、私は3:00頃には帰着していたいですね。


私は3時に下山したらもったいないと思う性分なんで・・・ :lol:

                   山日和
添付ファイル
P1160370_1.JPG
SHIGEKI
記事: 1028
登録日時: 2011年7月25日(月) 18:30

Re: 【湖西】雪の三重嶽南尾根

投稿記事 by SHIGEKI »

山日和さん こんばんは


 石田川ダムへの道は辛うじて1台分の轍が残っていた。正月の悪夢を思い出す。もしトレースがな
ければ転進を余儀なくされていたかもしれない。

この時期、ここまで車で入れるかは微妙なんですね?



人影のない石田川ダムに寒風が吹き抜け、思わず身震いした。気温は低いが青空がやる気を起こさ
せてくれる。

「蒼穹」ですよね。 メルアドにも借用してます。




 ここから地形図通りの急登が始まる。去年はここでアイゼンを装着したのだが、今年はスノーシ
ューのまま登ってみよう。適当にジグを切りながら胸を突くような植林の急斜面を喘ぎ登る。
しばしの我慢で右自然林、左植林の尾根に乗った。間谷の対岸に見える三重嶽南東尾根が魅力的だ。
寸前までどちらにしようか迷っていたのだ。

南東尾根は、P698 P762 P844と続く河内谷の右岸尾根ですね。

しっかりしまった雪が載った時にここから武奈へと歩きたいですね。


 Ca960mのドーム状ピークに近付くと、木々に白いものが目立ち始めた。霧氷だ。
あまり発達していないが期待していなかっただけにうれしい。
そしてピークに立つと周りは一面の霧氷の森と化した。ここから見る三重嶽山頂は、間谷の奥の左俣
の実にゆったりとした源頭部の奥にひろがる単なる雪の台地のようだ。


積雪期にここを訪れるのは初めてである。無雪期には曲がりくねったブナの森が広がり展望がほとん
ど得られない場所であるが、積雪期にはこんなにも明るく開けたところになるとは想像していなかった。


いや~ 素晴らしい  ホンマ画像にある雪原は三重 とは思えませんね。


林道手前の急斜面をスノーシューを履いたまま下りるのはテクニックが必要だったが。


どないなテクですかいなぁ  今週是非、デモしてくらはいな :shock:

好天の日に、雪の湖西の山もあるいてみたいですねぇ~

     では また モッカの雪原で

        SHIGEKI
添付ファイル
もうありまへんわね
もうありまへんわね
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【湖西】雪の三重嶽南尾根

投稿記事 by 山日和 »

SHIGEKIさん、どうもです。

この時期、ここまで車で入れるかは微妙なんですね?

基本的にはダムまで除雪されていると思いますが、降雪直後が問題ですね。

「蒼穹」ですよね。 メルアドにも借用してます。

流雲ですね(^^♪

[attachment=1]P1160295_1.JPG[/attachment]
南東尾根は、P698 P762 P844と続く河内谷の右岸尾根ですね。
しっかりしまった雪が載った時にここから武奈へと歩きたいですね。


そうです。
その周回ルートを取れれば充実感バリバリでしょうねえ。 :lol:

いや~ 素晴らしい  ホンマ画像にある雪原は三重 とは思えませんね。

無雪期の樹林からは想像できませんでしたが、こんな地形だったんですねえ。

[attachment=0]P1160392_1.JPG[/attachment]
どないなテクですかいなぁ  今週是非、デモしてくらはいな

そんなたいそうなもんではありません。ちょっとエッジを効かせて滑り落ちないように歩くだけです。(^^ゞ

好天の日に、雪の湖西の山もあるいてみたいですねぇ~

     では また モッカの雪原で


湖西の山はいいですね。週末は天気よさそうで楽しみです。 :D

               山日和
添付ファイル
たおやかな間谷源頭
たおやかな間谷源頭
P1160295_1.JPG
kitayama-walk
記事: 719
登録日時: 2011年6月06日(月) 01:33
お住まい: 京都市中京区
連絡する:

2017スノー衆パート1(三重嶽)の予習

投稿記事 by kitayama-walk »

 山日和さん こんばんは。

 今週末に予定されている三重嶽の積雪期登山の山レポを読ませていただきました。
 2014/2/11というと、今から3年前ですね。この年はまずまずの雪があった年ですね。スノー衆を振り返ってみると
野坂岳、ミノマタ、縫ヶ原山と登っています。

 三重嶽のアプローチに難渋するほどの雪があったのですから、三重嶽まで到達したことでもよしというところです
よね。三重嶽には、無雪期にしか登っていませんが、山頂付近が樹木があって眺望があまりよくありませんが、雪
があると、眺望があるんですねぇ。今週末はどうなんでしょうか。この1週間ほどの間に、雪がどかっと降って湖西や
湖北はかなりの積雪になっていることでしょう。石田川ダムまで果たしてアプローチできるかどうかも不安ですね。

 2014/2/11は、どこに登ったのかと調べてみたところ、湧谷山に登っていました。このときは西又まで歩いて周回
していました。天気がよく、蕎麦粒山の尖った山容が印象的でした。この年の冬は結構雪山に登っていて、湧谷山
に次いで、持篭谷山・縫ヶ原山(スノー衆)、ミノマタ・上谷山(ソロで)、高丸・烏帽子岳、北八ヶ岳、鷲ヶ岳・白尾山、
経ヶ岳(福井)と意欲的に登りました。
湧谷山山頂から蕎麦粒山を望む
湧谷山山頂から蕎麦粒山を望む
written by kitayama-walk
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