2013年12月1日(日) 晴れ
鈴鹿 かくれ谷~鬼が牙、ハナノキ谷~臼杵ケ岳 単独
7:55 臼杵岳登山口駐車場 → 8:10 かくれ谷出合 → 9:30~40 長坂の頭 → 10:20~30 鬼ケ牙 → 10:45 鬼ケ牙東峰 → 11:40 三ツ渕登山口 → 11:55 ハナノキ谷出合 → 13:40~14:40 臼杵ケ岳 → 14:55 臼岩・杵岩 → 15:40 駐車場
今年の沢納めに鈴鹿・石水渓、かくれ谷とハナノキ谷を遡行してきた。どちらとも短い沢で標高差もさほどないながら花崗岩が洗われた滑と滝が続き変化に富んだ楽しい遡行ができた。
臼杵ケ岳の登山口にある駐車場から出発。路上を歩いていく登山パーティを何組か見かけた。多くは鬼ケ牙登山、更に県境稜線を経て臼杵ケ岳に回る周遊登山のようだ。その中でヘルメット、ハーネスにシュリンゲという姿は違和感があった。
かくれ谷の出合まで白船林道を歩いて15分。出合の立ち木に「かくれ谷」と書かれた木札が掛けられていた。どうやら谷沿いに踏み跡があるようだ。もちろん沢登りだから利用はしない。
出合がいきなりゴルジュになっていてそれを越えたところから沢に入る。チョロチョロの流れでこの季節の沢登りには調度いい。
10分程で下部が崩壊した8mの滝が現れる。ここは右手を巻き気味に越えていく。上には溝状の滝。滑っていたがなんとか直登。その後、小規模の滑とゴーロを経て左俣が滝になった二俣に出る。
4mの滝を簡単に越えて左俣に進んでいく。しばらく傾斜のある段状の滑が続き岩間の狭くなった先に7mのスラブ滝。
手前のルンゼを登れそうだったが背が足りなくていまいち取り付けない。仕方なく手前から左岸斜面を登り一旦ルンゼに下りる。ルンゼをステミングで少し登って左岸斜面にのりトラバース。上にも登るのがやっかいそうな滝があったのでついでに巻く。スラブ滝脇の壁にはボルトが2本打ってあった。
続いて登れそうにない滑斜瀑。しかし根っこが上手い具合に張り出していてそれが手がかりになった。
落ち葉に埋もれた滑を進むと岩の割れ目のような滝。これを越えたゴーロの先で左に5mほどの壁が立つ。奥は溝状の滝になっていて上部で岩に挟まるようかっこうになって越えていく。出たところが二俣になっていた。先ほど壁と思っていたのは左俣にかかる5mの滝だった。
左俣に進むとしばらく岩床が続きやがて落ち葉と腐葉土に埋もれた斜面となる。徐々に斜度を増していき左右の尾根筋が近づいてくる。そちら側に逃げたくなるが目前のピークを目指して直登。出たところは山名板のちょうど脇だった。
長坂の頭。樹林に覆われて展望はないがピークらしいピークで好感が持てる。しかし長居はせずすぐに鬼ケ牙へ向かう。
尾根筋の登山道を足早に歩いていくと幾人かの登山者とすれ違った。恐らく県境に向かうのだろう。
P488mを越えてると鬼ケ牙のピークが見えてきた。その北面には鬼の横顔のような岩。これがピーク名の由来だろうか。
鬼ケ牙のピークは東側が開けていて展望がすばらしい。坂本の棚田が山間に浮かぶように見える。しかし足下は絶壁でなんとなく落ち着きが悪い。
すぐ隣の岩肌が露出したピークに人の影がいくつかあった。よくあんなところを平気で歩けるもんだと思って見ていたが結局自分も何の気無しにそこに行った。
露出した花崗岩はざらついており落ち着かない。ピーク西側は無木立に近い岩壁で高度感がある。こんなところは早くおさらばしたいと足早に抜けて東の尾根に入っていく。
目印を追っていったのだが途中からどうも怪しくなってきた。他のルートも探ったが岩だらけの山だけに下手なところへ迷い込みたくない。結局三ツ渕登山口へ下るルートに戻った。
この下りもかなり急で途中からは沢下りのような様相になった。ゴルジュ脇の落ち葉に埋もれた道は沢靴では滑りそうで真剣に滑落を心配した。
尾根をウロウロして時間が取られたがそれでも三ツ渕登山口で11時40分。まだまだ余裕で2本目のハナノキ谷へ向かう。
臼杵ケ岳登山口を過ぎて5分ほどでハナノキ谷の出合。赤いテープがしてあるところから沢に下りる。
落ち葉に埋もれた感じのいい滑が続く。思っていたよりいい渓相だ。所々に穏やかな渕がありそれなりの季節ならジャブジャブといきたいところだが今日は濡れたくない。
厚く育ったコケが張り付いた滝を登ると古い取水施設。その背後の2mに満たない滝を登った先も雰囲気のある滑が続く。
やがて現れたのは7mほどのスラブ滝。ここは左上の木の根っこを辿って上にあがる。すぐ上にも滑滝。左の樹木を頼りに巻いていくとその先はゴルジュ。
幾つか渕を越えた先が滝になっているようだ。その渕のひとつが両側が立っていてへつるのが難しい。腰まで浸かるつもりなら易々と越えていけるが水に浸るのは遠慮したい。左岸が容易に巻けそうに見える。しかし高巻きになるため時間はかかるだろう。
渕をじっと見ているうちに右手に細かい足場が見えてへつれそうな気がしてきた。でやってみるとうまくいった。やれやれ。しかしこれで先にある滝が登れないようなら戻る時は確実に濡れる。
恐る恐る滝に近づいてみると滝そのものはスラブだが右が簡単に登っていけた。この上にも滑滝。左から巻いていく。
次から次へ現れる滝。しかもスラブ状のものが多くどれだけ巻いた事やら。思っても見なかった渓相に吃驚するやら嬉しいやら。調べておけばわかっていた事かもしれないが知っていなかったから新鮮な驚きがある。
その後も赤い岩肌の滝や、岩潜りをしたあと登る滝など楽しませてくれる。上部にも滑が現れて飽きさせない。
落ち葉に埋もれた炭焼釜跡を左岸に見て進むとガレた沢筋になった。
次第に斜度が増してきて最後は山腹に取り付く。そのまま登っていって臼杵ケ岳山頂にドンピシャで出た。
臼杵ケ岳山頂は北方が切り開かれ仙ケ岳、野登山が見える。落ちつけてなかなかいい山頂だ。
しゃがんでカメラの電池を取り替えているとヌッと人影が現れた。「またお会いしましたね」と声をかけてきたのは鬼ケ牙ですれ違った単独登山者の方だった。県境尾根を経て周遊してきたとの事。
この方がこの先に展望のいい場所があると言ってみえたのでさっそく向かった。山頂から東へわずかに行ったところの岩場が切り開かれ最高の展望所となっていた。
眼下に走る新名神、その先に目をやれば平野部が広がり、伊勢湾へと続く。海沿い辺りは靄っていてはっきりしないがそれでもすばらしい。この眺めを独り占めにして贅沢な時間を過ごす。
下山は登山道を下る。途中途中に展望のいい所がありその度に足を止めた。特に臼杵岩を過ぎた辺りからは午前中に登った鬼ケ牙が見下ろせた。自分のさまよった辺りの地形が手に取るようにわかり面白かった。
【鈴鹿】かくれ谷〜鬼ケ牙、ハナノキ谷〜臼杵ケ岳
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Re: 【鈴鹿】かくれ谷〜鬼ケ牙、ハナノキ谷〜臼杵ケ岳
兔夢さん こんばんは。
バリバリ溯行してますねえ
2013年12月1日(日) 晴れ
鈴鹿 かくれ谷~鬼が牙、ハナノキ谷~臼杵ケ岳 単独
かくれ谷は行けてません。
ハナノキは紅葉の時期か新緑前位に行くべし、と思いつつ、果たせてません。
懐かしく、拝見しました。
http://www.eonet.ne.jp/~ryu-unshigeki/047hananoki.htm
ついでに、自分のHP見て、思い出にふけったりとか・・・・
いやいや たまにはいいけど、まだまだ、前進あるのみ じゃ ~
で、スキー チューニング OK となりました。
では また 星空の映る滝壺のほとりで・・・・・ってどこやねん。
shigeki
バリバリ溯行してますねえ
2013年12月1日(日) 晴れ
鈴鹿 かくれ谷~鬼が牙、ハナノキ谷~臼杵ケ岳 単独
かくれ谷は行けてません。
ハナノキは紅葉の時期か新緑前位に行くべし、と思いつつ、果たせてません。
懐かしく、拝見しました。
http://www.eonet.ne.jp/~ryu-unshigeki/047hananoki.htm
ついでに、自分のHP見て、思い出にふけったりとか・・・・
いやいや たまにはいいけど、まだまだ、前進あるのみ じゃ ~
で、スキー チューニング OK となりました。
では また 星空の映る滝壺のほとりで・・・・・ってどこやねん。
shigeki
Re: 【鈴鹿】かくれ谷〜鬼ケ牙、ハナノキ谷〜臼杵ケ岳
SHIGEKIさん、こんばんは。
ホームページ、拝見しました。
水量が多く、美しく煌めいて違う沢のような感じですね。
今回は紅葉にちょっと遅れてしまい沢が枯れ葉に埋まっている感じでした。
沢もそうですが山頂の展望台も気に入りましたので再度訪れたいところになりました。
で、スキー チューニング OK となりました。
スキーの季節になりましたねえ。
まだ用意できてません。オニューの板を買ったけどまだ手元に来てないし…
では また 星空の映る滝壺のほとりで・・・・・
どこやろ?
兔夢
ホームページ、拝見しました。
水量が多く、美しく煌めいて違う沢のような感じですね。
今回は紅葉にちょっと遅れてしまい沢が枯れ葉に埋まっている感じでした。
沢もそうですが山頂の展望台も気に入りましたので再度訪れたいところになりました。
で、スキー チューニング OK となりました。
スキーの季節になりましたねえ。
まだ用意できてません。オニューの板を買ったけどまだ手元に来てないし…
では また 星空の映る滝壺のほとりで・・・・・
どこやろ?
兔夢
Re: 【鈴鹿】かくれ谷〜鬼ケ牙、ハナノキ谷〜臼杵ケ岳
兔夢さん、おはようございます。
2週続けて鈴鹿の谷でしたか。ハナノキ谷、今年の3月初めに行きましたが、稜線に出た途端横殴りの吹雪ですたこらさっさと逃げ帰りました。その記憶が強かったせいか、ハナノキ谷がどんな谷だったのか全く記憶にありません。今度、その時の写真を見返したら兔夢さんの写真と同じような滝が映っていました。
この谷、Shigekiさんのレポにあるようにもう少し水量が多いと面白く遡行できそうですね。
2週続けて鈴鹿の谷でしたか。ハナノキ谷、今年の3月初めに行きましたが、稜線に出た途端横殴りの吹雪ですたこらさっさと逃げ帰りました。その記憶が強かったせいか、ハナノキ谷がどんな谷だったのか全く記憶にありません。今度、その時の写真を見返したら兔夢さんの写真と同じような滝が映っていました。
この谷、Shigekiさんのレポにあるようにもう少し水量が多いと面白く遡行できそうですね。
@シュークリーム@
Re: 【鈴鹿】かくれ谷〜鬼ケ牙、ハナノキ谷〜臼杵ケ岳
シュークリームさん、こんばんは。
[attachment=0]DSCN2954.JPG[/attachment]
3月の初めに沢をやってること自体すごいですね。寒そうでとても真似できそうにないです。
4月までは山スキー。ゴールデンウィーク頃から沢へ、というのがここ数年のパターンになってます。
ハナノキ谷は水に浸かれる時期に行くと違う楽しさを味わえそうですね。
臼杵ケ岳山頂からの眺望もすばらしく何度か訪れたい沢です。
[attachment=0]DSCN2954.JPG[/attachment]
3月の初めに沢をやってること自体すごいですね。寒そうでとても真似できそうにないです。
4月までは山スキー。ゴールデンウィーク頃から沢へ、というのがここ数年のパターンになってます。
ハナノキ谷は水に浸かれる時期に行くと違う楽しさを味わえそうですね。
臼杵ケ岳山頂からの眺望もすばらしく何度か訪れたい沢です。
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Re: 【鈴鹿】かくれ谷〜鬼ケ牙、ハナノキ谷〜臼杵ケ岳
兎夢さん、おはようございます。
ご無沙汰しております。
沢三昧の兎夢さんもついに鈴鹿南部へ出動でしたか。
この辺りの沢は石谷川をぶらぶらしたぐらいで、カクレ谷とかハナノキ谷とか知りませんでした。
沢納めといいますか、初冬あたりまで楽しめそうな沢ですね。
「鈴鹿の山と谷」で調べてみたらなんとまあ、スラブあり、ナメありと・・・・
短くも面白そうな沢ですね。さくっと登って鬼ヶ牙あたりでまったりもいいなぁ。
特に水量が少なければ冬季も遊べそうですね。
このあたり特に仙ヶ岳以南から新名神あたりまで大好きなところです。
楽しく読ませてもらいました。またご紹介よろしくお願いします。
これにて兎夢さんはスキー三昧かな。
つう
ご無沙汰しております。
沢三昧の兎夢さんもついに鈴鹿南部へ出動でしたか。
この辺りの沢は石谷川をぶらぶらしたぐらいで、カクレ谷とかハナノキ谷とか知りませんでした。
沢納めといいますか、初冬あたりまで楽しめそうな沢ですね。
「鈴鹿の山と谷」で調べてみたらなんとまあ、スラブあり、ナメありと・・・・
短くも面白そうな沢ですね。さくっと登って鬼ヶ牙あたりでまったりもいいなぁ。
特に水量が少なければ冬季も遊べそうですね。
このあたり特に仙ヶ岳以南から新名神あたりまで大好きなところです。
楽しく読ませてもらいました。またご紹介よろしくお願いします。
これにて兎夢さんはスキー三昧かな。
つう
通風山
Re: 【鈴鹿】かくれ谷〜鬼ケ牙、ハナノキ谷〜臼杵ケ岳
[attachment=0]DSCN2956.JPG[/attachment]
つうさん、こんばんは。
かくれ谷、ハナノキ谷は「わっさかわっさか」のネタでした。
「わっさかわっさか」の本を読んで面白そうだなと狙っていました。
行くにあたってはもう一度本を開いて取付きだけ確認。しかし内容の方は見直しませんでした。
ちょうど内容を忘れるくらいの時間が経っていて先入観のない遡行ができて楽しかったです。
西尾本にも出てるんですね。
どちらの沢も水量が少なく距離が短いので冬でも十分楽しめると思います。
でもどちらかと言えば水量のある時の方が見栄えがしていいでしょうね。
降雨後に行くのがお勧めなのかもしれません。
奥美濃人間がこんな事をいうのはおこがましい事ですが。
小岐須渓谷辺りから南は奥美濃が肌寒い季節に訪れるには格好なところだと思ってます。
多分これからもお世話になる山域です。
つうさんが訪れた矢原川右岸の尾根も気になります。
しかし…スキーに行かねば…
兔夢
つうさん、こんばんは。
かくれ谷、ハナノキ谷は「わっさかわっさか」のネタでした。
「わっさかわっさか」の本を読んで面白そうだなと狙っていました。
行くにあたってはもう一度本を開いて取付きだけ確認。しかし内容の方は見直しませんでした。
ちょうど内容を忘れるくらいの時間が経っていて先入観のない遡行ができて楽しかったです。
西尾本にも出てるんですね。
どちらの沢も水量が少なく距離が短いので冬でも十分楽しめると思います。
でもどちらかと言えば水量のある時の方が見栄えがしていいでしょうね。
降雨後に行くのがお勧めなのかもしれません。
奥美濃人間がこんな事をいうのはおこがましい事ですが。
小岐須渓谷辺りから南は奥美濃が肌寒い季節に訪れるには格好なところだと思ってます。
多分これからもお世話になる山域です。
つうさんが訪れた矢原川右岸の尾根も気になります。
しかし…スキーに行かねば…
兔夢
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