【奥美濃】藤谷山…予想外の渓相に秋の彩り

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兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

【奥美濃】藤谷山…予想外の渓相に秋の彩り

投稿記事 by 兔夢 »

2013年11月16日(土) 晴れ 奥美濃 藤ノ谷~藤谷山~遊び谷 単独

7:10 能郷谷駐車地 → 7:30 藤ノ谷二俣 → 8:45 標高530m二俣 → 9:40 栃の大木 → 10:15~11:55 藤谷山 → 13:00~10 茶屋峠 → 14:45 12m+4m大滝 → 15:15標高320m屈曲点 → 15:45 能郷谷林道 → 16:00 駐車地

 根尾西谷の藤谷山は三角点はないが地形図にその名が記載されている。近くの茶屋峠とともに一度訪れたいと思っていた。行ってみるとそこは思っていた以上にすばらしいところだった。
DSCN2478.JPG
 樽見を通過する時に見た温度表示は3℃。ずいぶん寒い。
 遊び谷の出合に自転車をデポしに向かったが前タイヤの空気が抜けてしまっていた。地形図を見れば遊び谷の屈曲点から能郷谷へ尾根を乗っ越して簡単に降りられそうだ。自転車を諦め下りのルート変更。    
 猿楽で有名な能郷の神社でセキガハラNさんに出会った。ここから尾根伝いで茶屋峠、藤谷山を訪れる予定だ。今日の山行の連絡をした時、茶屋峠に興味があるからこの機会に登りたいとの返事を頂いていたのだ。
 お互いの健闘と山頂での再会を祈って別れ藤ノ谷の出合に向かった。地形図の点線路には比較的しっかりとした林道が続いているようだ。車止め手前の空き地に駐車し出発。寒さ凌ぎにカッパを着た。
 林道を歩く事20分程で藤谷山へ直登する沢の出合に到着。入渓してすぐに堰堤が現れ右から巻いていく。
 流れは細く左右には放置された植林が続く。その中にも思わせぶりの滑や小滝が現れて期待を持たせる。
 やがて左右が立ちV字に切れてゴルジュとなる。その底に小滝が連続する。渕が深く手足を広げて越えた滝もあった。股の関節が外れるかと思った。
DSCN2303.JPG
 ゴルジュの最後はシャワーなら登れそうな3mの滝。左から巻いた。
 一旦沢が広くなった奥に7mの滝。左岸から巻く。上にも5m程の滝が見え続けて高巻く。
 穏やかな流れとなり標高530mの二俣に出る。傍らの樹木に絡んだ蔓がきれいな螺旋を描きバネのように見えて面白かった。
 入った左俣は薮っぽさがなくすっきりしている。山腹の色付いた木々が朝の陽光を受けて金色に輝いて美しい。
DSCN2350.JPG
 三俣に出ると右俣に5m程の垂瀑。少し水を浴びながら直登。カッパを脱いでいたので濡れると冷たい。
 少し上で今度は連瀑帯が現れる。3m~4m程ですべて直登。一番上の斜瀑がぬめりもありいやらしかった。
 次の5mの滝は左手のバンドから直登。すぐに二俣に出た。
 右俣に進むと10mほどの多段滑滝。色付いたモミジが落口上に彩りを添えている。最上段が難しく左から巻く。
DSCN2371.JPG
 最後に小滝を従えた5mの滝。倒木利用で直登するとガレた沢となり水流が消えた。
 左岸に栃の大木が立っていた。露出した根の太さがすごい。すぐ上で二俣になる。右に進んでいく。
 不安定な足下と見た目よりも急な斜面に四苦八苦。足を止める事数度でようやく稜線に出た。
 稜線の樹林はすっきりしている。高みに向かってわずかで山頂に到着。傍らの木に山名パネルがかけられていた。
DSCN2390.JPG
 地面は落ち葉に埋もれ、見上げれば抜けるような青空に色付いたブナが映える。気持ちのいい山頂だ。この秋一番とも言える天気とも相まってゆっくりと過ごしたくなる。
 30分程してこちらに呼びかける声がした。間もなく笑みを浮かべたセキガハラNさんが現れて再会を祝した。
 ひとしきり楽しい時間を過ごし下山は二人一緒に出発。藤谷山から少し下るとブナ林が広がり色付いてすばらしかった。
 標高850mの尾根の分岐でセキガハラNさんと別れて急斜面を遊び谷に向かって下っていく。すっきりとした沢筋が続き茶屋峠への分岐に出る。
 茶屋峠に向かう沢沿いには道らしきものは見当たらなかった。年月とともに風化し自然に返ったのだろう。
 茶屋峠は杉の植林が覆いかつての峠を示すようなものは見当たらなかった。傍らの土地が平らかになっていてひょっとして茶屋でも建っていたのかもしれない。コーヒーを飲んで一休み。茶屋峠だからお茶の方が良かったか…。
 遊び谷本流に戻って下っていく。そこは名前と地形図から受ける印象とは違った険しい渓相の谷だった。
 まず5m+3m程の滝が現れすぐに5m+2m+1mの多段。何れも巻いて下りる。この先、ゴルジュが展開。左右とも岩肌の斜面でとても峠道が通っていたとは思えない。ゴルジュの終わりには深い渕があり右岸の岩場を巻いた。
DSCN2450.JPG
 沢が広くなると流れも穏やかになり炭焼釜跡が幾つか見られた。地形図の点線路はこの辺りから尾根上へトラバースしているはずだが確認できなかった。
 地形図に「遊び谷」と表記されているところで再びゴルジュの様相を呈してきた。吃驚するような造形を見せるゴルジュが現れる。通過は難しい。
DSCN2470.JPG
 巻きを検討。すると左岸の小尾根を乗っ越している踏み跡があった。それを辿った先にルンゼがあり本流に下りる。本流には12m+4mの大滝が落ちていた。まさかこんなのがあるとは。
 この先の小滝は濡れるのを嫌って右岸途中からロープを出しゴボウで下りる。そこからは比較的穏やかな流れとなり標高390mの屈曲点に出た。
 わずか下流右岸に植林帯がありそこから尾根へ取り付き乗っ越す。順調に植林を下りて能郷谷林道に出た。
 駐車地に着くとフロントに置き手紙があった。セキガハラNさんからだ。14時に下山して15時半まで待っていただいていたようだ。急いで連絡し茶屋峠と遊び谷の状況を報告申し上げた。秋の夕暮れは早く陽は既に山の向こうへ落ちていた。
 
シュークリーム
記事: 2065
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【奥美濃】藤谷山…予想外の渓相に秋の彩り

投稿記事 by シュークリーム »

兎夢さん、おはようございます。
16日は穏やかないい天気で、山日和だったですねえ。
その日は私もたろーさんと一緒に沢ノ又から大平へ沢泊で歩いてきました。奥美濃の沢は初めてだったですが、のんびり楽しませてもらいました。
越美国境の山へは昔福井県側から良く登ったのですが、岐阜側からはほとんど登ったことがありませんでした。
三重県に引越してから長くなるので植林の山に慣れてしまっていました。豊潤な匂いのする越美国境の落葉樹林の山を久しぶりに歩いて、昔の福井の山の感触を少し思い出したような気がしました。
なめこも少し採らせていただきました。

また時々は奥美濃の沢にもお邪魔しようかと思っています。

 
                         @シュークリーム@
兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【奥美濃】藤谷山…予想外の渓相に秋の彩り

投稿記事 by 兔夢 »

DSCN2399.JPG
シュークリームさん、こんばんは。
16日は本当に良い日でした。日曜日があまりいい予報ではなかったのですがそれに反して好天になり沢泊も楽しかった事かと思います。僕も沢泊にすれば良かったかと少し後悔しました。
夜は寒くなかったですか?この時期の奥美濃の夜はかなり冷えると思うのですが。
左門岳からの周遊ですかね。僕も2度巡った事があり一度は沢泊でした。2度とも紅葉の時期で穏やかな沢を囲む木々の彩りにため息をつきながら歩いたのを覚えてます。
この辺りはキノコが豊富なのですが何せその方面の知識が貧弱なため只眺めるだけでとるにはいたらなかった事も思い出します。
奥美濃も植林地帯がかなり広がっています。それも手入れされているところは極わずかで林道を造って植林し後はほかりっぱなしで薮化してるところが多いです。困った事ですがこれも人の成せる業、奥美濃の一部と思って通らせてもらってます。
奥美濃の沢が大好きです。今回行った沢ははじめて訪れましたがまだこんな沢が残っていたんだとワクワクしました。まだまだ他にもありそうで楽しみです。シュークリームさんが訪れる沢に比べて小規模の沢が多いですがよろしかったらお邪魔して下さい。

兔夢
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