【加越山地】富士写ヶ岳-紅葉&焼肉登山を楽しむ

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kitayama-walk
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登録日時: 2011年6月06日(月) 01:33
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【加越山地】富士写ヶ岳-紅葉&焼肉登山を楽しむ

投稿記事 by kitayama-walk »

【日 付】 2013年11月9日(土)
【天 候】 晴れ後曇り
【山 域】 加越山地
【メンバー】単独行(kitayama-walk)

【コース】 我谷登山口-P455-P661-▲富士写ヶ岳-前山-枯淵登山口-(自転車)-我谷登山口
http://kitayamawa.exblog.jp/21303446/
GPS軌跡図
GPS軌跡図
 2013/10/4 加賀大日山に登ったときに富士山型の形のよい山があることに気づき、下山後九谷ダムのところに
(枯淵登山口)があることを確認した。2013/11/2浄法寺山に登ったときに丈競山の向こうに存在感のある山が見
えた。 これが富士写ヶ岳(941.9m)であった。 次はこの山に登ろうと決意した。標高こそ1000mに満たない山であ
るが、左右にバランスよく稜線を引いた富士山型美しい山であること(山名前の由来)、深田久弥が登山に興味を
もつきっかけとなった山であること、山頂からの展望がよいことなども登山意欲を駆り立ててくれた。

 登るとなると 登山コースの検討に入ったが、R364の大内峠から大内コースを登って山頂に到達し、その後不惑
新道を経て、小倉谷山から火燈山に縦走して、大内峠に戻ってくるという周回コースがハードであるが、魅力的に
思えた。しかし、今回は敢えて、我谷登山口から山頂をめざし、山頂からは枯淵登山口に下るというコースを選択
した。その理由は、紅葉を楽しむこと、それにたまにはまったりとした焼肉登山をしようと考えたことである。天気予
報もお誂え向きに晴れ後曇りであるという。ならば早朝に登山し、 山頂で少なくとも2時間はゆっくりと眺望と焼肉
ランチを楽しみ、下山後は山中温泉でくつろごうという計画にした。

 前回浄法寺山に登ったときに、福井北ICからR416→R364と進めば我谷(わがたに)ダムに行けること(途中に竹
田の油揚げ「谷口屋」がある)、 また加賀大日山に登ったときに、 我谷ダムから九谷ダムに向かう道もわかってい
たことから、今回のアクセスは安心であった。 まずは、我谷ダムで右折すると、すぐに「富士写ヶ岳登山口」と大き
く書かれた案内板があった。この付近の路肩に数台駐車することができる。すでに3台の車が駐まっていた。しか
し、下山口は九谷ダムの枯淵登山口なので自転車をデポするために枯淵登山口に向かう。九谷ダムの堰堤を車
で渡ると突き当たりに富士写ヶ岳登山口は左と案内がある。 あれ?右じゃなかったのかと思い、まず右に少し下
ってみた。 広い登山者用駐車場の先に枯淵登山口があったが、 「新登山道変更のお知らせ」と書かれた案内板
があった。 なるほど、最近登山道が変更になって登山口が変わったのだ。だから先ほど左という案内があったの
だ。元に戻り、 今度は左に少し行くと、 右手にコンクリートの急な階段があり「五彩尾根登山口」と表示があった。
ここが下山口だということがわかり、折りたたみ式自転車をデポして、我谷登山口まで戻った。

 我谷登山口まで戻ると車は5台になっていた。空は晴れてはいるが、高曇りのような感じもしていて、天気予報
は晴れ後曇りとなっている。 身支度を整えて午前8時に出発した。まず我谷ダム湖に架かる吊り橋を渡る。橋幅
は1mくらいであったが、 橋床はコンクリートでしっかりしていて、歩いてもほとんど揺れない、 丈夫な吊り橋だ。
橋を渡ると少し右手に行くが、すぐに登山口があった。ここから尾根に取り付くことになる。

 登山道は、最初は急坂になっているが、しっかり整えられているので、不安は感じない。ミズナラの多い自然林
の中を登っていくと、やがて前方に送電線の鉄塔が見えて、左前方には富士写ヶ岳の前衛峰である前山の姿を
見ることができる。 振り返ると送電線の向こうにはダム湖も見える。 鉄塔の下を抜けると固定ロープのある急登
となるが、これも長く続かず、やがて傾斜が緩くなってきてミズナラとブナの混合林の中を気持ちよく歩けるように
なる。しかし、再びロープがある急坂になってくる。こういう緩急を何度か繰り返しながら、次第に高度を上げてい
くと、前方に前山の眺望が出てきて、周囲にはホンシャクナゲの樹がたくさん見られるようになった。ここがP661
である。

 P661からしばらくはシャクナゲとブナの中を登っていくことになるが、 次第にブナの木が増えてくる。 傾斜が再
び急になるが、これを越えると再び眺望が開けて、 前方には前山と富士写ヶ岳の姿が見え、山肌が紅葉してい
る。左手後方には、加賀と小松の町が見え、日本海も青く光っている。標高も800m近くになっており山頂まで近
い。ここから少し下った後、再びブナ林の中に入っていく。最後の急坂となりジグザグ気味に登っていくと、枯淵
からやってくる登山道と合流した。合流点から右に折れ、少し登るとポンと山頂に飛び出した(10:30)。
前山付近の紅葉
前山付近の紅葉
 富士写ヶ岳の山頂は平坦な広場になっている。そのほぼ中央に一等三角点があった。点の記によると、点名:
富士写ヶ岳、標高941.92m、選点はM26.9.29館潔彦、埋標M28.5.20古田盛作と記載されていた。館潔彦は、柴
崎芳太郎(映画「剱岳点の記」で有名になった)と並ぶ明治に測量官で全国の一等三角点970点余りのうち、260
点余りを選点しており、一等三角点の選点数が最も多い。古田盛作は、陸地測量部測量手で、柴崎の先輩であ
り、かつて剱岳の登頂を試みたが、断念した経験を持ち、柴崎に助言し、山案内に宇治長次郎を推薦した。映画
では役所広司が演じていたのが思い出される。 また、今にも壊れそうな方位盤があった。 眺望はよく、まず目に
つくのは、冠雪した白山連山(御前峰、剣ヶ峰、大汝峰、七倉山、四塚山)である。 その右手には別山、大長山、
赤兎山なども見える。その手前には、加賀大日山、小大日山、越前大日山(越前甲山)などの姿も見える。樹木
で少し見にくいが、浄法寺山と丈競山も見えている。反対の日本海方面には加賀の平野部が見え、風車が回っ
ているのが確認できる。
白山連山の眺望
白山連山の眺望
 この素晴らしい山頂に、どかっと腰を下ろして焼肉パーティの準備をした。持ってきた食材は、玉ねぎ、ピーマン、
えのき、舞茸に牛肉だ。前夜の遅く近くのスーパーで買ったので牛肉は半額になっていた。もちろんビールは欠か
せない。コンビニで買ったサントリーのフル・ボディという訳の分からない銘柄のロング缶だ。じゅうじゅうとうまい匂
いが立ちこめてきた。うん、うまい!最高だ!山頂で味わう焼肉は格別である。 山頂で時間をかけてまったりして
いるうちに、曇りがちだった空も青空が広がってぽかぽか陽気になってきた。これまたいい調子で食欲が湧いてき
て、もう1本ビールが欲しくなるが、これは無理だ。 山頂には2時間も滞在したが、その間にも続々と登山者がやっ
てきて山頂は賑わった。多分、今日は30人くらいは登ってきたと思う。
富士写ヶ岳山頂のにぎわい
富士写ヶ岳山頂のにぎわい
 食後のコーヒーも2杯も飲んで、2時間たっぷりと時間を費やして、富士写ヶ岳の眺望を楽しんだ。小倉谷山・火
燈山への縦走路の不惑新道と大内峠に下る道の確認をして、枯淵コースで下山することにした。先ほどの我谷コ
ースとの分岐を直進して下り、登り返すと前山の山頂である。祠の中に首のない小さな石仏が祀られていた。ここ
には、深田久弥の誌碑があるということだったが、すでになくなっていたのは残念である。深田久弥は小学校6年
(12歳)のとき富士写ヶ岳登山をしたが、初登山の山で足の強さをほめられて、山登りが病みつきになったという。

 2時間の山頂滞在後、枯淵コースで下山するが、山頂から我谷コースとの分岐点を直進すると少し下って鞍部か
ら登り返しとなる。すぐに前山に到着する。ここには石仏の祠があるということだったが、 空き地になっている山頂
にはない。どこにあるのかとウロウロしたところ、空き地に出る手前の左手に小さな祠を見つけた。ここには、深田
久弥の詩碑があるということだったが、探しても見当たらなかった。昔は木で作られた「山の茜を顧みて」という詩の
立て札があったようだが、今は札のあった木棒しか残っていなかった。HPで探すと、少し前には印刷された札(山の
茜を顧みて 一つの山を終りけり 何の俘のわが心 早くも急がるる 次の山)がぶら下がっていたようだが、今は
これもなくなっていた。

 前山からはブナ林の中の急な下りとなっている。どんどん下っていくと、ぱっと展望地に出た。白山連山、日本海、
九谷ダム湖などが一望できる。山頂にも劣らないような展望地である。しばし写真タイムとなる。紅葉のブナ林の中
をさらに下っていく。実に気持ちのよい下りである。ブナ林はいつの間にかミズナラの林に変わっている。しかし、落
とし穴が待ち受けていた。下山は、枯淵コースであるが、最後は登山道が変更になり、五彩尾根登山口という自転
車をデポした場所に着地する予定であった。尾根を下っていくと、標識があったが、熊にでも引っかかれたようにな
っていて、書かれていた文字がよく見えなくなっていた。後からネットで見たら「九谷ダム五彩尾根」と書かれていた
ことがわかった。 しかし、このときは文字が読めなかったので、この標識が何を表しているのかわからなかった。こ
のプレートのすぐそばの木に赤いテープが3本巻いてあった。 ここから左手に下る道があったので、これが登山道
だと思い、 下っていくことにした。後になってわかったことだが、これは従来の枯淵コースの登山道であった。もとも
と地形図にある登山道は尾根伝いにP481を通過して下山しているが、はっきりした道を下っていくと、GPSではその
尾根道の右の谷を下っている。これはどうしたことかと訝るが、次第に尾根道に合流するものと安易に考えていた。
しかし、登山道は踏み跡がはっきりとしていて、最近、いや今日も歩いた跡がある。そのまま登山道を下っていくと、
沢沿いに道になった。おかしいと思いながらも、踏み跡がはっきりしているので、そのまま歩いてしまうことになった。
やがて植林帯の中に入ると、富士写ヶ岳登山道という表示があり、これは変更になる前の枯淵コースの登山道であ
ることがわかった。つまり五彩尾根コースを外してしまったのである。あの標識のあるところで左手に下らず、そのま
ま尾根を直進するのが正解だったわけである。今となっては仕方がないので、そのまま下っていくと、案の定、朝に
確認した枯淵コースの登山口に出た。ここから5分ほど歩くと九谷ダムに着き、デポした自転車にはすぐに到着した。
やれやれである。あとは、自転車で九谷ダムから駐車地まで10分足らずで到着した。下山後は山中温泉に向かい、
総湯「菊の湯」に浸かって登山の疲れを癒すことになった。
枯淵登山口
枯淵登山口
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