【台高】桃源郷にテン泊し,嘉茂助谷ノ頭から大台ケ原へ

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シュークリーム
記事: 2065
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

【台高】桃源郷にテン泊し,嘉茂助谷ノ頭から大台ケ原へ

投稿記事 by シュークリーム »

台高主稜線の東側には大杉国見山やウグイ谷高などの名峰があるが、いずれもガイドブックに紹介されていないため登る人は少ない。これらの山々の南にひときわ目立って見える山が嘉茂助谷ノ頭である。登ってみたいと思いながらなかなか行く機会がなかった。沢シーズンもひと段落して、紅葉を愛でながら山歩きをするにはいい季節になった。どうせ行くなら大台ケ原までの稜線歩きも見逃せない。テントを担いで久しぶりに稜線歩きをしてみようか。

なお、この山行にあたってはzippさんに水場、テン泊適地、周回コースなどいろいろな情報を教えて頂きました。ありがとうございましたm(__)m

【 日 付 】2013年11月1~2日(金・土)
【 山 域 】台高
【メンバー】単独
【 天 候 】1日:晴れ;2日 晴れのち曇り
【 ルート 】
1日:花抜峠登山口 7:35 --- 9:15 花抜峠 --- 10:40 嘉茂助谷ノ頭 --- 10:50 与八郎高 11:15 --- 11:20 苔の辻 --- 12:30 P1260西南の鞍部(昼食) 13:10 --- 13:15テン泊地
2日:テン泊地7:10 --- 8:00 地池高 --- 8:50堂倉山 --- 9:20 尾鷲辻 9:30 --- 9:50堂倉山 --- 10:30地池高 --- 11:20 テン泊地 12:20 --- 13:25苔の辻 --- 14:15花抜峠 --- 14:25 P1037(花ノ木山) --- 15:20 千尋トンネル北口 --- 15:45花抜峠登山口

11月1日(金)
天気予報では3日は雨模様なので、金曜日に休みをとって平日がらみの山行にした。登山口までは大台林道の長いダート走行になるので、パンクした時のためにスタッドレスタイヤを一つ積んで行く。林道途中で落差100mを越えそうな大きな滝が見える。地図で確認すると小木森滝というのだろうか。垂直の崖を大量の水が流れ降ちている様は遠くからでも迫力をもって眺められ,暫く見とれてしまう。
小木森の滝?
小木森の滝?
花抜峠登山口と書かれたくいのある路肩に車を止め準備をしていると3台の車が通り過ぎていく。作業の人たちのようだ。谷に降り、道型をたどってしばらく谷を歩くと10mほどの滝に出た。あちゃ、またやっちゃった。沢登りの癖で何も考えないで歩くとそのまま谷中を歩いてしまう。5分ほど戻ると山腹に道が付けられているのが見えた。

あとは杣道をたどってゆく。ゆったりとした一定こう配の歩きやすい道だ。昔の人は一番歩きやすいルートの取り方を知っていたんだねえと感心してしまう。ところどころ崩れているところにはトラロープが張ってある。どなたかが整備してくださっているんだねえ。
歩きやすい杣道
歩きやすい杣道
1時間半ほどで花抜峠着。
花抜峠
花抜峠
ここからは稜線,山腹道どちらでもとれるようだが,山腹の杣道が歩きやすそうなのでまずは杣道を行く。しかし,谷筋では道がなくなっているので,適当に稜線に戻ったりしながら歩いて行く。どちらにしても急坂はないので歩きやすい。嘉茂助谷の頭と杣道の分岐では山頂直登コースを行く。最初は適度な傾斜で良かったのだが,傾斜が増すにつれてテン泊装備が堪えてくる。南西峰(与八郎高)との鞍部に登り,ザックを置いて山頂を目指す。と言っても,鞍部から2,3分くらいのもんだけど。山頂は眺望がないので,南西峰(与八郎高)に行って一休み。ここまで3時間かかっている。予定では2時間か2時間半程度と見積もっていたので,ちょっと遅い。南西峰からはこれから歩く稜線が一望にできる。アップダウンの少ない歩きやすい稜線のようだ。残念ながら尾鷲方面は霞んでいてよく見えない。PM2.5の影響なのだろうか。
これから歩く予定の稜線
これから歩く予定の稜線
南西峰を降りるとヒメシャラ,ミズナラ,ブナなどが混じったすてきな疎林に出る。
素敵な疎林
素敵な疎林
さらにその先にはやわらかい苔に覆われた野原が現れる。zippさんは苔ノ辻と呼んでいるようだ。
苔ノ辻
苔ノ辻
ここから先ものっぺりした幅の広い稜線が続いていてどこでも歩けるので,楽しい散歩道が続く。どこでも歩けるということはそれだけ迷いやすいということでもある。のっぺりしたピークからはどちらの方向にでも歩いて行けそうで,うっかりすると変な方向に歩いていたりする。どうも私のような未熟者はGPSのお世話にならないとこのルートは正しい方向に行けないようだ。2日間とも度たびGPSのお世話になることになった。平坦部が多いので,水場さえあればどこでもテン泊適地だなと思う。
どこでも歩けそうな稜線
どこでも歩けそうな稜線
苔ノ辻から南へ進み,p1260ののっぺりしたピークを南西に降りると水が流れていたので,ここでお昼にする。zippさんに水場として教えてもらったところだ。今日のお昼は煮込みうどんに牛肉をトッピングしたもの。やっぱり暖かいものは美味しい。ここでテン泊してもいいなとも思ったが,まだ時間も早いので出かけることにする。ザックを担いで50mほど歩くと,右側に素晴らしいテン泊適地が現れた。

台高縦走路には霧ノ平,ブナの平,引水サコや私が大好きな添谷山などのテン泊適地があるが,ここはそれに勝るとも劣らないすてきな所だ。まず第一にテン泊地のすぐ横にせせらぎが流れている(せせらぎであることが重要)。周囲はなだらかな斜面になって,テントを張る平坦地もあり,気持ちのいいブナ林だ。何と言っても人の気配がないのがいい。イノシシの気配はいっぱいあるけど。それにここだったらたき火をしても誰にも怒られることはないし。
テン泊地のせせらぎ
テン泊地のせせらぎ
でもまだ1時半だし,さっきお昼を終わったばかりだ。予定では堂倉山で泊ることになっているし,このペースだったら3時頃には堂倉山に着けるだろう。でも,ここを見逃したら一生後悔するような気がする。ここからのコースタイムは堂倉山まで1時間半程度,尾鷲辻まで行っても2時間ほどだろう。明日の朝ここを出発しても日出ヶ岳まで行かなければ午前中にはここに戻ってくることができる。明日中に下山することは可能だ。一瞬迷った後,ここでテントを張ることにする。

決断すると早い。早速テントを張り,たき火用の枯木を集めて2時頃からのんびりたき火をして過ごす。たき火をしていると20mほど向こうに大きなイノシシが現れた。イノシシの水場になっているようだ。私の姿を見ると悠然と姿を消した。先週の続きの小説を読み,夕方にはすき焼きと熱燗で一杯。やっぱりこんなまったりテン泊が自分には似合っていると思う。適度に酔っぱらってきたので,8時頃には寝袋に潜り込み寝る。もちろんやわらか湯たんぽを使ったが,今日は3季用の寝袋を持ってきたので,湯たんぽなしでも十分に暖かかった。

寝ているとテントの近くでイノシシの鳴き声がする。すき焼きの残り汁が入った鍋を外に出しておいたので,その匂いに引き寄せられてきたようだ。ヘッドランプを当てると逃げて行った。鍋をテントに入れ,また寝直す。
最後に編集したユーザー シュークリーム [ 2013年11月06日(水) 06:11 ], 累計 1 回
                         @シュークリーム@
シュークリーム
記事: 2065
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

【台高】桃源郷にテン泊し,嘉茂助谷ノ頭から大台ケ原へ(2日目)

投稿記事 by シュークリーム »

2日目:テン泊地7:10 --- 8:00 地池高 --- 8:50堂倉山 --- 9:20 尾鷲辻 9:30 --- 9:50堂倉山 --- 10:30地池高 --- 11:20 テン泊地 12:20 --- 13:25苔の辻 --- 14:15花抜峠 --- 14:25 P1037(花ノ木山) --- 15:20 千尋トンネル北口 --- 15:45花抜峠登山口

11月2日(土)
夜中に2回ほど用足しに起きたが,最後に起きた時は朝6時過ぎでもう外は明るくなっていた。あ〜あ,また寝過ごしちゃった。10時間以上寝ていたことになる。なんでテントだとこんなによく眠れるんだろうね。と言いながら家でも結構熟睡しているんだけど。温度計を見ると10℃ほど。テント内に夜露はついていないし,昨日はあまり冷え込まなかったようだ。ぽかぽかの寝袋から出たくはないが,もうそろそろ起きなくっちゃ。
桃源郷の我が家
桃源郷の我が家
昨日の残り汁に残り物の野菜と牛肉とうどんを放り込んで朝ご飯にする。サブザックに必要なものだけを放り込んで7時過ぎに出発。ここから地池高までは倒木の間を縫うように進む。倒木がないともっと歩きやすいんだけど。
縦走路
縦走路
倒木の向こうには嘉茂助谷ノ頭の形の良い円錐形の山頂が見える。
嘉茂助谷ノ頭(西南峰)
嘉茂助谷ノ頭(西南峰)
地池高からはテープも増え,薄い踏み跡なども出てきた。
地池高
地池高
のっぺりした堂倉山の山頂を過ぎると尾鷲道に合流する。
堂倉山
堂倉山
あとはちゃんとした登山道になり,2時間ちょっとで尾鷲辻に到着。尾鷲辻の東屋では数人が休んでいる。この山行で初めて会う人間だ。東屋で休んでいると次々とハイキングの人たちがやってくる。10分ほど休憩し早々に退散する。やっぱり大台ケ原は私が行くところではなさそうだ。来た道を忠実に戻る。
尾鷲辻
尾鷲辻
11時20分,テント帰着。お昼はインスタントラーメンに餅を放り込んで力ラーメンにしてみた。テントをたたんで12時20分出発。いいテン場だった。また今度来よう。地図を見ると地池林道から沢沿いにここにたどり着けるようだ。今度は沢登りを交えた周回コースを考えてみようか。

苔の辻に着くとガスがあがってきた。苔ノ辻からは山腹道をたどる。倒木はあるが歩きやすい道だ。花抜峠からは花の木山を経由して千尋トンネル北口に出ることにする。花の木山からの下りで1回尾根を外す。どうもこの下りは紛らわしい。GPSがなければずっと下ってしまったかも。

千尋トンネルの真上に着くがここから直に降りるには傾斜がきつすぎる。幸い前方に歩きやすい杣道があったのでこの杣道を50mほど進み,降りられそうな小尾根を見つけて降りる。途中でまた杣道が交差していたが無視してそのまま降りたら谷に出た。林道はどこなんだろうか。GPSを見ると左真上のようだが,傾斜がきつくて登る気にならない。谷を少し下るが道はなさそうなので,しゃにむに急傾斜をよじ上ると林道に出た。あ〜あ,最後にまたやっちゃった。トンネルをくぐって南口に出,あとは林道を忠実にたどって駐車地に戻った。空は曇って今にも雨が降り出しそうな気配だ。天気が持ってくれてよかった。
千尋トンネル南口
千尋トンネル南口
花抜峠登山口から大台ケ原までの稜線は自分にとって未踏のコースで始めは不安だったが,終わってみると楽しい山行だった。とくに桃源郷ともいえるすてきなテン泊地を見つけることができたことはとても幸運だった。この場所に2,3日テントを張って,読書三昧でのんびり時間を過ごすのもいいかなと思ったりする。
                         @シュークリーム@
アバター
わりばし
記事: 1767
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】桃源郷にテン泊し,嘉茂助谷ノ頭から大台ケ原へ

投稿記事 by わりばし »

おはようございます、シュークリームさん。

あとは杣道をたどってゆく。ゆったりとした一定こう配の歩きやすい道だ。昔の人は一番歩きやすいルートの取り方を知っていたんだねえと感心してしまう。ところどころ崩れているところにはトラロープが張ってある。どなたかが整備してくださっているんだねえ。

現在は杣道として使われていますが、土倉古道という木馬道です。
明治時代に奈良から大台ケ原を越えて大杉谷を下り船津まで50キロの道をつけた一部です。


ここからは稜線,山腹道どちらでもとれるようだが,山腹の杣道が歩きやすそうなのでまずは杣道を行く。しかし,谷筋では道がなくなっているので,適当に稜線に戻ったりしながら歩いて行く。どちらにしても急坂はないので歩きやすい。嘉茂助谷の頭と杣道の分岐では山頂直登コースを行く。最初は適度な傾斜で良かったのだが,傾斜が増すにつれてテン泊装備が堪えてくる。南西峰(与八郎高)との鞍部に登り,ザックを置いて山頂を目指す。と言っても,鞍部から2,3分くらいのもんだけど。山頂は眺望がないので,南西峰(与八郎高)に行って一休み。ここまで3時間かかっている。予定では2時間か2時間半程度と見積もっていたので,ちょっと遅い。南西峰からはこれから歩く稜線が一望にできる。アップダウンの少ない歩きやすい稜線のようだ。残念ながら尾鷲方面は霞んでいてよく見えない。PM2.5の影響なのだろうか。

嘉茂助谷の頭から東南に下っていく尾根が「坊主上ヶ」です。
寛政元年(1789年)9月1日に行われた第51回式年遷宮の用材を伐り出す御杣山に大杉山がなり、大杉谷源流の堂倉谷・粟谷・西谷を含む15か所で伐採がおこなわれたんです。
その時の神事のために神官(坊主)が上がった尾根です。


さらにその先にはやわらかい苔に覆われた野原が現れる。zippさんは苔ノ辻と呼んでいるようだ。

昔の「坊主上ヶ峠」ですね。
坊主上ヶ峠
坊主上ヶ峠
苔ノ辻から南へ進み,p1260ののっぺりしたピークを南西に降りると水が流れていたので,ここでお昼にする。zippさんに水場として教えてもらったところだ。今日のお昼は煮込みうどんに牛肉をトッピングしたもの。やっぱり暖かいものは美味しい。ここでテン泊してもいいなとも思ったが,まだ時間も早いので出かけることにする。ザックを担いで50mほど歩くと,右側に素晴らしいテン泊適地が現れた。

私はこの先の地池谷に乗越す河原谷左俣を上ってきました。

台高縦走路には霧ノ平,ブナの平,引水サコや私が大好きな添谷山などのテン泊適地があるが,ここはそれに勝るとも劣らないすてきな所だ。まず第一にテン泊地のすぐ横にせせらぎが流れている(せせらぎであることが重要)。周囲はなだらかな斜面になって,テントを張る平坦地もあり,気持ちのいいブナ林だ。何と言っても人の気配がないのがいい。イノシシの気配はいっぱいあるけど。それにここだったらたき火をしても誰にも怒られることはないし。
寝ているとテントの近くでイノシシの鳴き声がする。すき焼きの残り汁が入った鍋を外に出しておいたので,その匂いに引き寄せられてきたようだ。ヘッドランプを当てると逃げて行った。鍋をテントに入れ,また寝直す。

お疲れ様でした。イノシシで良かったですねえ。

私がこの辺りを歩いた記録です。「坊主上ヶにつづく道」
viewtopic.php?f=4&t=1164

                                                           わりばし
シュークリーム
記事: 2065
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】桃源郷にテン泊し,嘉茂助谷ノ頭から大台ケ原へ

投稿記事 by シュークリーム »

わりばしさん、おはようさんです。

現在は杣道として使われていますが、土倉古道という木馬道です。
明治時代に奈良から大台ケ原を越えて大杉谷を下り船津まで50キロの道をつけた一部です。


そうですか。ヌタハラ谷の木馬道もそうですが、ずっと緩やかな一定勾配の道で本当に歩きやすくなっていますよね。あんなところによくあんな歩きやすい道をつけたなと思って感心してしまいます。

嘉茂助谷の頭から東南に下っていく尾根が「坊主上ヶ」です。
寛政元年(1789年)9月1日に行われた第51回式年遷宮の用材を伐り出す御杣山に大杉山がなり、大杉谷源流の堂倉谷・粟谷・西谷を含む15か所で伐採がおこなわれたんです。
その時の神事のために神官(坊主)が上がった尾根です。


上はいいけど、下の方が結構険しい感じで、よくあんなところを登ったものだと思いますが、きっとそれなりにルートがあったんでしょうね。

私はこの先の地池谷に乗越す河原谷左俣を上ってきました。

ここは嘉茂助谷ノ頭から大台ケ原までの縦走路で唯一ルート上に水場があるところで、桃源郷と言っていいところです。地池林道から100mほど登ると行けるので、今度また行ってこようかと思っています。
添付ファイル
桃源郷
桃源郷
                         @シュークリーム@
fuusen touch
記事: 39
登録日時: 2011年11月03日(木) 21:40

Re: 【台高】桃源郷にテン泊し,嘉茂助谷ノ頭から大台ケ原へ

投稿記事 by fuusen touch »

シュークリームさん、こんばんは。
初めまして…になるとおもいますが、いつも楽しい山旅のレポを拝見している者です。

台高主稜線の東側には大杉国見山やウグイ谷高などの名峰があるが、いずれもガイドブックに紹介されていないため登る人は少ない。これらの山々の南にひときわ目立って見える山が嘉茂助谷ノ頭である。登ってみたいと思いながらなかなか行く機会がなかった。沢シーズンもひと段落して、紅葉を愛でながら山歩きをするにはいい季節になった。どうせ行くなら大台ケ原までの稜線歩きも見逃せない。テントを担いで久しぶりに稜線歩きをしてみようか。

沢と雪のはざまのこの時期、テント山行が増えているようですね。
今回のコースも、静かな晩秋の山歩きが楽しめたみたいで、うらやましいです。一気に食指が動きました。

降りるとヒメシャラ,ミズナラ,ブナなどが混じったすてきな疎林に出る。
ウン、ウン……

さらにその先にはやわらかい苔に覆われた野原が現れる。zippさんは苔ノ辻と呼んでいるようだ。
ホウ、ホウ…………

ここから先ものっぺりした幅の広い稜線が続いていてどこでも歩けるので,楽しい散歩道が続く。

苔ノ辻から南へ進み,p1260ののっぺりしたピークを南西に降りると水が流れていたので,ここでお昼にする。zippさんに水場として教えてもらったところだ。今日のお昼は煮込みうどんに牛肉をトッピングしたもの。やっぱり暖かいものは美味しい。ここでテン泊してもいいなとも思ったが,まだ時間も早いので出かけることにする。ザックを担いで50mほど歩くと,右側に素晴らしいテン泊適地が現れた。

台高縦走路には霧ノ平,ブナの平,引水サコや私が大好きな添谷山などのテン泊適地があるが,ここはそれに勝るとも劣らないすてきな所だ。まず第一にテン泊地のすぐ横にせせらぎが流れている(せせらぎであることが重要)。周囲はなだらかな斜面になって,テントを張る平坦地もあり,気持ちのいいブナ林だ。何と言っても人の気配がないのがいい。イノシシの気配はいっぱいあるけど。それにここだったらたき火をしても誰にも怒られることはないし。


ウーン、いいですねえ。森があって、そこが平坦で、静かで、せせらぎがあると、心の奥がすっかり無防備になってしまいますね。行ってみたいなあ。
私は四季それぞれテント泊が多いのですが、 今年の森の中のテン泊といえば、南アの東河内の森をおもいだします。8月のことでしたが、からだじゅうが
緑に染まるような森で、近くにせせらぎもありました。明るいうちからお酒をいただいて、ウトウトと高校野球をききながら、全身が溶けるような至福の刻
だったのですが、突然緊急地震速報の誤報(覚えておられますか? 街ではケータイが鳴り響いて大変だったようです)に不意打ちされました。
今回のシュークリームさんは、イノシシの不意打ちだけで、静かな一夜だったようですね。

決断すると早い。早速テントを張り,たき火用の枯木を集めて2時頃からのんびりたき火をして過ごす。たき火をしていると20mほど向こうに大きなイノシシが現れた。イノシシの水場になっているようだ。私の姿を見ると悠然と姿を消した。先週の続きの小説を読み,夕方にはすき焼きと熱燗で一杯。やっぱりこんなまったりテン泊が自分には似合っていると思う。適度に酔っぱらってきたので,8時頃には寝袋に潜り込み寝る。もちろんやわらか湯たんぽを使ったが,今日は3季用の寝袋を持ってきたので,湯たんぽなしでも十分に暖かかった。

寝ているとテントの近くでイノシシの鳴き声がする。すき焼きの残り汁が入った鍋を外に出しておいたので,その匂いに引き寄せられてきたようだ。ヘッドランプを当てると逃げて行った。鍋をテントに入れ,また寝直す。

森のテン泊では、焚火は(場所さえ選べば)雰囲気がいいでしょうね。
私はこれまで、うまく点火したことがありません。いつも紙だけがけいきく燃えて終わりです。マッチ売りの少女みたいです。
着火剤を使うといいのですか?

スノーシュー天国まではまだ少しあるので、これからもいい山旅を!
zipp
記事: 1165
登録日時: 2011年3月09日(水) 22:49

Re: 【台高】桃源郷にテン泊し,嘉茂助谷ノ頭から大台ケ原へ(2日目)

投稿記事 by zipp »


 シュークリさん、こんばんは。

 台高主稜線の東側には大杉国見山やウグイ谷高などの名峰があるが、いずれもガイドブックに紹介されていないため登る人は少ない。これらの山々の南にひときわ目立って見える山が嘉茂助谷ノ頭である。
 ガイドブックで紹介されず、静かな山でいて欲しい山々です。
こことは別に、わたしがひそかに愛していた山域は、近年、マーキングや意味不明の山頂プレートの類が付けられ、その上ガイドブックまで出版されて、騒々しく哀しい山域となってしまいました。

どうせ行くなら大台ケ原までの稜線歩きも見逃せない。テントを担いで久しぶりに稜線歩きをしてみようか。
 二週連続でテン泊とは恐れ入りました(^^;。
しかしこの山域は、ドライブウェイが閉鎖してからの方がいいかな。

南西峰からはこれから歩く稜線が一望にできる。アップダウンの少ない歩きやすい稜線のようだ。残念ながら尾鷲方面は霞んでいてよく見えない。PM2.5の影響なのだろうか。
 この時期は、空気が澄むはずなのに。PM2.5憎しですね。
この稜線の下に、険しい大滝を持った谷が刻まれているなんて、思えない稜線風景ですよね。

苔ノ辻から南へ進み,p1260ののっぺりしたピークを南西に降りると水が流れていたので,ここでお昼にする。zippさんに水場として教えてもらったところだ。今日のお昼は煮込みうどんに牛肉をトッピングしたもの。やっぱり暖かいものは美味しい。ここでテン泊してもいいなとも思ったが,まだ時間も早いので出かけることにする。ザックを担いで50mほど歩くと,右側に素晴らしいテン泊適地が現れた。
 ここへ泊られましたか。
熊野灘の海辺の山だから、海を見ながらのテン泊がいいだろうと、送った地図にはここはマーキングしませんでした :D 立体的な漁火や海から登る朝日もいいですよ。
 確かにいいところです。昼食をとられた右股は針葉樹、左股はミズナラやブナの広葉樹。なぜかここだけぽっかりと原生林が残されています。すぐ近くまで植林が迫っているのに。

[attachment=0]PA090042_800.jpg[/attachment]
でも,ここを見逃したら一生後悔するような気がする。
 そんな、たいそうな(^^;。

決断すると早い。早速テントを張り,たき火用の枯木を集めて2時頃からのんびりたき火をして過ごす。たき火をしていると20mほど向こうに大きなイノシシが現れた。
 なんか、先週と一緒のような(^^;
このあたりのイノシシ、メチャ大きくないですか?

夜中に2回ほど用足しに起きたが,最後に起きた時は朝6時過ぎでもう外は明るくなっていた。あ〜あ,また寝過ごしちゃった。10時間以上寝ていたことになる。
 寝る子は育つ、もう育タンでいいシュークリさんは何が育つのやら :roll:

倒木の向こうには嘉茂助谷ノ頭の形の良い円錐形の山頂が見える。
 この山は、遠くからでも良く目立ちますね。檜塚奥峰からもしっかり見えてます。

尾鷲辻の東屋では数人が休んでいる。この山行で初めて会う人間だ。東屋で休んでいると次々とハイキングの人たちがやってくる。10分ほど休憩し早々に退散する。やっぱり大台ケ原は私が行くところではなさそうだ。来た道を忠実に戻る。
 次々やってくるハイカーを見て自分を変人に思ったことでしょう。そのまんまですけど(^^)。
まぁこのあたりまで行くのなら、ドライブウェイが閉鎖期間中だね。

花抜峠からは花の木山を経由して千尋トンネル北口に出ることにする。花の木山からの下りで1回尾根を外す。どうもこの下りは紛らわしい。GPSがなければずっと下ってしまったかも。
 ホホホホホっ!
ここをわたしは夜、ヘッデンとコンパスで下りましたことですよ(^^)。

幸い前方に歩きやすい杣道があったのでこの杣道を50mほど進み,降りられそうな小尾根を見つけて降りる。
 なんでみなさんこの道を辿って降りようとしないのかしらん?トンネル北口に続く道なのに :?:

花抜峠登山口から大台ケ原までの稜線は自分にとって未踏のコースで始めは不安だったが,終わってみると楽しい山行だった。とくに桃源郷ともいえるすてきなテン泊地を見つけることができたことはとても幸運だった。この場所に2,3日テントを張って,読書三昧でのんびり時間を過ごすのもいいかなと思ったりする。
 今度は、樫山尾根でも登りますか?(^^)。
添付ファイル
ここですね。
ここですね。
   zipp
シュークリーム
記事: 2065
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】桃源郷にテン泊し,嘉茂助谷ノ頭から大台ケ原へ

投稿記事 by シュークリーム »

シュークリームさん、こんばんは。
初めまして…になるとおもいますが、いつも楽しい山旅のレポを拝見している者です。


あ~、fuusen touchさん、はじめまして(^^)
私もいつもレポを拝見していますが、私が行ったことのないところばかりでレスができないでいました。
いつもテン泊ですごいところを歩いていらっしゃって、すばらしいですね。


沢と雪のはざまのこの時期、テント山行が増えているようですね。
今回のコースも、静かな晩秋の山歩きが楽しめたみたいで、うらやましいです。一気に食指が動きました。


はい、沢登りには少し寒くなってきたので、テン泊が増えました。週末に2日連続して晴れることが少ないので、行けるときに行っておこうと思いまして(^^;)

ウーン、いいですねえ。森があって、そこが平坦で、静かで、せせらぎがあると、心の奥がすっかり無防備になってしまいますね。行ってみたいなあ。

はい、いいです。昼間からテン泊地でのんびり過ごす。最高ですねえ :D
考えただけで笑顔がこぼれちゃう :D


今回のシュークリームさんは、イノシシの不意打ちだけで、静かな一夜だったようですね。

人間の不意打ちよりはよっぽどましですね。

森のテン泊では、焚火は(場所さえ選べば)雰囲気がいいでしょうね。

はい、雰囲気のいいテン場とたき火と美味しい食事。これテン泊の3点セットですね。

私はこれまで、うまく点火したことがありません。いつも紙だけがけいきく燃えて終わりです。マッチ売りの少女みたいです。
着火剤を使うといいのですか?


はい、着火剤があると簡単に火がつきます。

スノーシュー天国まではまだ少しあるので、これからもいい山旅を!

ありがとうございます。これから雪が降るまではこんな感じで歩こうかと思っています。
fuusenさんもいい山旅を。楽しいレポを待っています。
                         @シュークリーム@
シュークリーム
記事: 2065
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】桃源郷にテン泊し,嘉茂助谷ノ頭から大台ケ原へ

投稿記事 by シュークリーム »

zippさん、再びおはようございます。

 ガイドブックで紹介されず、静かな山でいて欲しい山々です。
こことは別に、わたしがひそかに愛していた山域は、近年、マーキングや意味不明の山頂プレートの類が付けられ、その上ガイドブックまで出版されて、騒々しく哀しい山域となってしまいました。


そうですか。にぎやかなのが好きな人もいますけど、誰もいない一人だけの山で過ごすがいいですね。残念なことです。

 二週連続でテン泊とは恐れ入りました(^^;。
しかしこの山域は、ドライブウェイが閉鎖してからの方がいいかな。


ドライブウェイがないとあの山域はアクセスが遠いですから人は誰もいなくなりますね。でもまあ、一部地域さえ外せばたいがい人には会いませんけど。

 ここへ泊られましたか。
熊野灘の海辺の山だから、海を見ながらのテン泊がいいだろうと、送った地図にはここはマーキングしませんでした 立体的な漁火や海から登る朝日もいいですよ。
 確かにいいところです。昼食をとられた右股は針葉樹、左股はミズナラやブナの広葉樹。なぜかここだけぽっかりと原生林が残されています。すぐ近くまで植林が迫っているのに。


私はむしろここになぜ「泊」マークがないんだろうと不思議に思いました。そういうわけだったんですね。確かに見晴らしのいいところでのテン泊もいいですけどね。あの時の私の好みは疎林の下でののんびりテン泊でした。
昨日も林道経由であの場所に行きましたが、周りはほとんど伐採地で、あの付近だけが不思議な静寂を保ったいい雰囲気ですね。


でも,ここを見逃したら一生後悔するような気がする。
 そんな、たいそうな(^^;。


なんか、ひきつけられてしまって、動けなかったです。

 なんか、先週と一緒のような(^^;
このあたりのイノシシ、メチャ大きくないですか?


食べ物がいいのか、体格いいですね。イノシシにはよく会いました。そこらへんぬた場ばっかりだったですね。

 この山は、遠くからでも良く目立ちますね。檜塚奥峰からもしっかり見えてます。

はい、きれいな円錐形をしていますので、目立ちますね。
昨日、テンネンコウシ高への尾根で見た角度はいまいちでしたけど。


 次々やってくるハイカーを見て自分を変人に思ったことでしょう。そのまんまですけど(^^)。

zippさんの方が私の何倍も変人だと思いますけど(^^;)

花抜峠からは花の木山を経由して千尋トンネル北口に出ることにする。花の木山からの下りで1回尾根を外す。どうもこの下りは紛らわしい。GPSがなければずっと下ってしまったかも。
 ホホホホホっ!
ここをわたしは夜、ヘッデンとコンパスで下りましたことですよ(^^)。


ここの下りは最初急斜面でいやらしいですね。
途中で尾根が二股に分かれていることを全然認識していなくて、何考えずに降りたら外してました(^^;)


 なんでみなさんこの道を辿って降りようとしないのかしらん?トンネル北口に続く道なのに

トンネル出口はもっと下だと思い込んでいました。それに道があまりに水平なので、ここから降りられるとは思わなかった。

 今度は、樫山尾根でも登りますか?(^^)。

地図を見る限りあんな所から登れるとは思えないですよね。でも尾根に上がってしまえば快適そうですね。
確かに今後の候補になるかも。
                         @シュークリーム@
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