【若狭】神経消耗戦の高巻き地獄 門近谷から雲谷山

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山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【若狭】神経消耗戦の高巻き地獄 門近谷から雲谷山

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2013年8月31日(土)
【山 域】若狭 耳川流域 雲谷山
【天 候】晴れのち曇り
【メンバー】ふ~さん、山日和
【コース】嶺南変電所8:40---13:28ランチ場14:07—15:04-雲谷山15:48—17:10-駐車地

 絶望的な週末の天気予報である。「大雨の恐れ」という文字があちこちで躍っている。
そんな中、ひと筋の光明を見出した。福井県嶺南地方だけが午前・午後とも降水確率20%。これに賭けてみるか。
ふ~さんと美浜のコンビニで待ち合わせる。頭上に広がる青空に、してやったりと顔を見合わせた。

[attachment=6]P1150956_1_1.JPG[/attachment]
 本日の目的地は耳川左岸支流の門近(かどち)谷である。京都山の会のHPと瓜生氏の「嶺南の谷」以外にはまったく記録を見ない谷だ。
巨大な鳥籠のような嶺南変電所の裏に車を止めた。目の前には下山予定の「屏風ヶ滝」コースの標識が立っている。屏風ヶ滝のある滝ヤ谷の一本北の谷が門近谷だ。流れに沿った林道を行くが、3面張りの水路にチョロチョロと流れる水を見ると、この上流に食指の動く沢があるとはとても思えない。
林道終点に檻のようにフェンスが張り巡らされていて一瞬たじろいだが、これは動物除けの柵である。扉を開けて中に入る(外に出る?)。
植林帯の山道に入っても、横目で見る流れは平凡そのもの。ホンマかいなという疑念が頭を駈け巡った。
 出発地点で標高150mしかないここは日陰でも暑い。流れに足を浸して足元だけでもクールダウンを図る。そのうち花崗岩のナメが現われ出して若干は気分も持ち直すが、基本的にはヤブ沢の様相である。

[attachment=5]P1150965_1_1.JPG[/attachment]
 退屈してあくびが出そうになった頃、変化は突然現われた。左へ90度屈曲した先にやっと登場したのが8m滝だ。右から斜上できそうだったが、上部に手が足りない。無理をせず左岸から巻き上がった。
小滝をいくつか見送ると、門近谷最大の2段18m滝と対面する。下段の右のガリーから簡単に上がれるが、上段はまったく手が出ない。ここも左岸のブッシュと岩壁の際を上がって左へ折り返す。落ち口のラインはまだ上だ。ブッシュを束ねて強引に体を引き上げる。太い木がなく、頼りなげな潅木や草を束ねて掴む以外にないのだ。
なんとか安全地帯まで到達して連結したスリングをフィックス。ふ~さんを待つ。噂通り、高巻きも一筋縄でいかないようである。

[attachment=1]P1150975_1.JPG[/attachment][attachment=4]P1150992_1_1.JPG[/attachment]
 次の9m滝はようやく快適に直登できる滝だ。ふ~さんトップで右から取付いたところでビデオを回す。ところが最後で詰まって試行錯誤している。追いかけようとしたところで左から登り切った。
またまた小滝連続の後の4段20mは、ひとつの滝としてカウントするのもどうかという連瀑だ。
 簡単に直登した後難関が立ちはだかった。5mばかりの滝だが垂直のスラブで取付くシマもない。左岸にルートを探るが簡単ではなかった。先ほど同様と言うより更に悪く、ブッシュ頼みでジワジワと高度を上げる。せまいテラス状のところまで上がるとやっとまともな木が現われてひと息付けた。下で待つふ~さんにロープを投げる。ふ~さんもふーふー言いながら追い着いて来た。
ここでルートミスを犯す。ふ~さんがそのままトップで岩場を上がって行ったが、よく見るとテラスのラインが落ち口方向に続いているようだ。上がり切ったふ~さんに声を掛けて呼び戻す。余計な労力を使わせてしまった。
立ち木にロープを掛けてトラバース。最後はやや立って来たので懸垂に切り替えてやっと流れに下り立った。

 難関はまだまだ続く。これも垂直の5mスラブ滝。落ち口のあたりにチョックストンがあり、これに手が届けばなんとかなりそうだ。真ん中あたりを横に走る割れ目を伝って流芯の左から上部を窺うが手が届かない。あきらめて巻こうかと相談するが、到底巻き上がれるようなルートは見つからない。巻くとすればさっき下りて来たところを登り返すしかないだろう。考えた末、ふ~さんからショルダーで届かないかと提案があり、早速試してみた。
ふ~さんの立ち位置はまともに水流を浴びる場所だ。そこで肩に乗って目一杯手を伸ばしたが、体重を預けられる状態にはならない。仕切り直して2度目のトライ。今度はその石にスリングを投げて引っ掛けた。ちょっと引っ掛かりが浅い感じもするが、右手にスリング、左手にチョックストンという状態で一気に体を引き上げた。ザックを吊り上げて、ふ~さんもゴボウで引っ張り上げた。やれやれである。

[attachment=0]P1160012_1_1.JPG[/attachment]
 しかし難関はこれで終わりではなかった。小滝を2つやりすごした後にまたもや通過不能の8mスラブ滝の登場だ。一見登れそうに見えた滝の右岸草付きだが、足を乗せるとズルズルと土が崩れ落ちて話にならない。もちろん腕力を使える潅木もなく断念。さて、次は左岸のルンゼを子細に眺める。大雨で表土と枯葉が流されたようで、手前にその堆積があり、ルンゼは磨かれた岩盤が露出していた。ここも上部の様子がわからないのと、引っ張れば抜け落ちる脆い岩質でリスクが高そうである。
 ここからふ~さんと手分けして偵察を開始。少し戻ったところから右岸・左岸の弱点を探すも、どこを眺めてもズルズルの草付きばかり。それでも立ち木があれば何とかなるのだが。かなりの時間が経過して、やっと左岸に行けそうなラインが浮かび上がった。うまい具合にそこだけにあった細い潅木を掴んで体を一段持ち上げると立ち木が程良く繋がる斜面となった。ひたすら登って岩の露出する小尾根に出れば太い木も多くひと安心である。
30mばかり登ったところでトラバースラインを発見した。正直なところ、このまま尾根へ出てしまってもいいと思っていたが、踏み跡を辿って上流へ。しっかりしたところもあれば微妙な箇所もあるラインを進み、ふ~さんの「滝!!」という声で下方を見ればそこそこの滝が懸っていた。
再び小尾根を乗り越す地点から尾根伝いに下降して最後は上流側の草付き斜面を下りる。ここは比較的傾斜が緩く助かった。
何か久し振りに水流と再会したような気分である。これでやっとメシにありつける。8m滝の下から1時間が経過していた。

[attachment=3]P1160024_1.JPG[/attachment]
 ちょうど滝の落ち口で、例によって落下地点の観察に行ってみると、これが京都山の会のレポにあったS字15mらしい。瓜生氏のガイドでは我々同様に巻いたのでこの滝は見ていない。意外なことに右岸にも踏み跡があり下流へ続いていたのが気になるところである。
 左岸側の斜面に巨木が1本ぽつんと立っていた。トチかブナか。よく見てみると葉がどちらでもない。カエデだ。これほどのカエデの巨木にはあまりお目に掛かったことがない。紅葉すればさぞ素晴らしいことだろう。
「再訪する理由ができましたね。」と言うふ~さんに「もうええわ。」と返す。もうそんな気が起きないほど神経の消耗戦のような高巻きの連続を強いられる谷だったのだ。

 上流は一転して穏やかな表情を見せ、「小便小僧滝」や水流に現われて巨大な根張りが露出したブナ等の見どころもあった。下山予定の屏風ヶ滝道が谷を横切ったようだがわかりにくい。最後は右へ振って登山道に乗り、青息吐息で雲谷山に到着。出発からなんと6時間半も経過していた。いろんな思いのこもったハイタッチを交わす。

[attachment=2]パノラマ 1._1_1.JPG[/attachment]
 下山は屏風ヶ滝へ向かうつもりがあまりのいい登山道に釣られて門近谷の左岸尾根を進んでしまった。好展望地もあり、まあまあの林相だったので良しとしよう。但し下山後の車道歩きが追加されてしまったが。

幸運にも結局下山まで一滴の雨も降らなかったが空には黒い雲が広がり始めている。
温泉を目指して敦賀市内へ戻る頃には雷鳴を伴って激しい雨が降り始めた。

                 山日和
添付ファイル
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パノラマ 1._1_1.JPG
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ふ~さん
記事: 525
登録日時: 2011年2月20日(日) 19:58

Re: 【若狭】神経消耗戦の高巻き地獄 門近谷から雲谷山

投稿記事 by ふ~さん »

おはようございます、山日和さん。
絶望的な週末の天気予報である。「大雨の恐れ」という文字があちこちで躍っている。
そんな中、ひと筋の光明を見出した。福井県嶺南地方だけが午前・午後とも降水確率20%。これに賭けてみるか。
ふ~さんと美浜のコンビニで待ち合わせる。頭上に広がる青空に、してやったりと顔を見合わせた。
晴れが約束されそうな場所をぴたりと見つけ出す才能ですね。
気象予報士の資格、十分というか。
 本日の目的地は耳川左岸支流の門近(かどち)谷である。京都山の会のHPと瓜生氏の「嶺南の谷」以外にはまったく記録を見ない谷だ。
こういうのを見つけ出すのも蛇の道は蛇という感じ(笑)
巨大な鳥籠のような嶺南変電所の裏に車を止めた。目の前には下山予定の「屏風ヶ滝」コースの標識が立っている。
この時点では、確かに「下山予定の」でしたね。
結局、屏風ヶ滝は見損ねてしまいましたが、敢えて滝を見に行こうという言うエネルギーも枯れかけてましたからねぇ。
流れに沿った林道を行くが、3面張りの水路にチョロチョロと流れる水を見ると、この上流に食指の動く沢があるとはとても思えない。
あまりに水量が少なくて、びっくりでした。
1週間前は豪雨に悩まされた耳川水系は濁流に飲まれてました。
そこかしこの支流が茶色に濁って道脇からも吹き出してました。
道路も冠水し、重機で土砂の撤去作業の真っ最中でした。
それを思うと、あっという間に水が引いた印象です。
林道終点に檻のようにフェンスが張り巡らされていて一瞬たじろいだが、これは動物除けの柵である。扉を開けて中に入る(外に出る?)。
我々も害獣かもね。
しかし、それほど、動物による農作物被害が大きいんでしょう。
 出発地点で標高150mしかないここは日陰でも暑い。流れに足を浸して足元だけでもクールダウンを図る。そのうち花崗岩のナメが現われ出して若干は気分も持ち直すが、基本的にはヤブ沢の様相である。
一生懸命で蜘蛛の巣を払う姿も立派でした!
 退屈してあくびが出そうになった頃、変化は突然現われた。左へ90度屈曲した先にやっと登場したのが8m滝だ。右から斜上できそうだったが、上部に手が足りない。無理をせず左岸から巻き上がった。
あと一手!に泣く滝が多くて・・・
小滝をいくつか見送ると、門近谷最大の2段18m滝と対面する。下段の右のガリーから簡単に上がれるが、上段はまったく手が出ない。ここも左岸のブッシュと岩壁の際を上がって左へ折り返す。落ち口のラインはまだ上だ。ブッシュを束ねて強引に体を引き上げる。太い木がなく、頼りなげな潅木や草を束ねて掴む以外にないのだ。
なんとか安全地帯まで到達して連結したスリングをフィックス。ふ~さんを待つ。噂通り、高巻きも一筋縄でいかないようである。
これが、この谷を象徴してました。
あと一手に泣き、高巻こうにも突破口がなく、強引に登れば壁に張り付いたりきわどいトラバースになく・・・の連続(涙)
 次の9m滝はようやく快適に直登できる滝だ。ふ~さんトップで右から取付いたところでビデオを回す。ところが最後で詰まって試行錯誤している。追いかけようとしたところで左から登り切った。
流芯にこだわりたかったのですが、逆層でした。
 簡単に直登した後難関が立ちはだかった。5mばかりの滝だが垂直のスラブで取付くシマもない。左岸にルートを探るが簡単ではなかった。先ほど同様と言うより更に悪く、ブッシュ頼みでジワジワと高度を上げる。せまいテラス状のところまで上がるとやっとまともな木が現われてひと息付けた。下で待つふ~さんにロープを投げる。ふ~さんもふーふー言いながら追い着いて来た。
ここでルートミスを犯す。ふ~さんがそのままトップで岩場を上がって行ったが、よく見るとテラスのラインが落ち口方向に続いているようだ。上がり切ったふ~さんに声を掛けて呼び戻す。余計な労力を使わせてしまった。
立ち木にロープを掛けてトラバース。最後はやや立って来たので懸垂に切り替えてやっと流れに下り立った。
地形を見て慎重に判断を繰り返す場面が連続。
ラインの取り方をミスしましたが、一件落着でほっと一息。
神経をすり減らす巻きでした。
 難関はまだまだ続く。これも垂直の5mスラブ滝。落ち口のあたりにチョックストンがあり、これに手が届けばなんとかなりそうだ。真ん中あたりを横に走る割れ目を伝って流芯の左から上部を窺うが手が届かない。あきらめて巻こうかと相談するが、到底巻き上がれるようなルートは見つからない。巻くとすればさっき下りて来たところを登り返すしかないだろう。考えた末、ふ~さんからショルダーで届かないかと提案があり、早速試してみた。
ふ~さんの立ち位置はまともに水流を浴びる場所だ。そこで肩に乗って目一杯手を伸ばしたが、体重を預けられる状態にはならない。仕切り直して2度目のトライ。今度はその石にスリングを投げて引っ掛けた。ちょっと引っ掛かりが浅い感じもするが、右手にスリング、左手にチョックストンという状態で一気に体を引き上げた。ザックを吊り上げて、ふ~さんもゴボウで引っ張り上げた。やれやれである。
水流シャワーを浴びていたのはどれほどでしょう。
山日和さんの体重を両肩で支えてヘルメットを滝壁に押しつけてひたすら堪え忍びましたね~。
水が耳の中にごぼごぼ入ってくるしなかなか苦行でしたよ。
これで魂もきれいになったはず。
 しかし難関はこれで終わりではなかった。小滝を2つやりすごした後にまたもや通過不能の8mスラブ滝の登場だ。一見登れそうに見えた滝の右岸草付きだが、足を乗せるとズルズルと土が崩れ落ちて話にならない。もちろん腕力を使える潅木もなく断念。さて、次は左岸のルンゼを子細に眺める。大雨で表土と枯葉が流されたようで、手前にその堆積があり、ルンゼは磨かれた岩盤が露出していた。ここも上部の様子がわからないのと、引っ張れば抜け落ちる脆い岩質でリスクが高そうである。
またかっ!って感じでした。
通過不能、突破不能・・・という言葉が頭をよぎるほど。
門近谷、恐るべし。
 ここからふ~さんと手分けして偵察を開始。少し戻ったところから右岸・左岸の弱点を探すも、どこを眺めてもズルズルの草付きばかり。それでも立ち木があれば何とかなるのだが。かなりの時間が経過して、やっと左岸に行けそうなラインが浮かび上がった。うまい具合にそこだけにあった細い潅木を掴んで体を一段持ち上げると立ち木が程良く繋がる斜面となった。ひたすら登って岩の露出する小尾根に出れば太い木も多くひと安心である。
30mばかり登ったところでトラバースラインを発見した。正直なところ、このまま尾根へ出てしまってもいいと思っていたが、踏み跡を辿って上流へ。しっかりしたところもあれば微妙な箇所もあるラインを進み、ふ~さんの「滝!!」という声で下方を見ればそこそこの滝が懸っていた。
登れなかった滝の落口を確認しながら高度を上げ、どこで下降ラインに入るか・・・
勝負のしどころが続きました。
再び小尾根を乗り越す地点から尾根伝いに下降して最後は上流側の草付き斜面を下りる。ここは比較的傾斜が緩く助かった。
何か久し振りに水流と再会したような気分である。これでやっとメシにありつける。8m滝の下から1時間が経過していた。
ここまでランチはお預けでした。

 
ちょうど滝の落ち口で、例によって落下地点の観察に行ってみると、これが京都山の会のレポにあったS字15mらしい。瓜生氏のガイドでは我々同様に巻いたのでこの滝は見ていない。意外なことに右岸にも踏み跡があり下流へ続いていたのが気になるところである。
 左岸側の斜面に巨木が1本ぽつんと立っていた。トチかブナか。よく見てみると葉がどちらでもない。カエデだ。これほどのカエデの巨木にはあまりお目に掛かったことがない。紅葉すればさぞ素晴らしいことだろう。
「再訪する理由ができましたね。」と言うふ~さんに「もうええわ。」と返す。もうそんな気が起きないほど神経の消耗戦のような高巻きの連続を強いられる谷だったのだ。
カエデの巨木は立派でした。
紅葉の季節が楽しみでしょ?
いつ行くのかな?
 上流は一転して穏やかな表情を見せ、「小便小僧滝」や水流に現われて巨大な根張りが露出したブナ等の見どころもあった。下山予定の屏風ヶ滝道が谷を横切ったようだがわかりにくい。最後は右へ振って登山道に乗り、青息吐息で雲谷山に到着。出発からなんと6時間半も経過していた。いろんな思いのこもったハイタッチを交わす。
湿地帯を通過し、赤テープも確認。
しかし、稜線へのルートはなかなか手強かったです。
それにしても、山頂まで6時間半。
長かったです。
ほんと、長かったです。
 下山は屏風ヶ滝へ向かうつもりがあまりのいい登山道に釣られて門近谷の左岸尾根を進んでしまった。好展望地もあり、まあまあの林相だったので良しとしよう。但し下山後の車道歩きが追加されてしまったが。
反射板経由のよい道が新庄まで続いていて、下山路は安心出来ました。
対岸の庄部谷山方面は結構ガレ地が目立ちました。
先週の濁流の理由もよくわかりました。
大御影山も大きく展望できました。
幸運にも結局下山まで一滴の雨も降らなかったが空には黒い雲が広がり始めている。
温泉を目指して敦賀市内へ戻る頃には雷鳴を伴って激しい雨が降り始めた。

                 山日和
雨が降る前に、絶妙のタイミングで沢登りを終えました。
おもしろ恐い谷でしたね。
お疲れさまでした。

 ふ~さん
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山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【若狭】神経消耗戦の高巻き地獄 門近谷から雲谷山

投稿記事 by 山日和 »

ふ~さん、どうもです。

晴れが約束されそうな場所をぴたりと見つけ出す才能ですね。
気象予報士の資格、十分というか。


当たる気象予報士を見つけ出す資格十分というところでしょうか。(^^ゞ

こういうのを見つけ出すのも蛇の道は蛇という感じ(笑)

今回は蛇に出会わず残念でした。 :lol:

この時点では、確かに「下山予定の」でしたね。
結局、屏風ヶ滝は見損ねてしまいましたが、敢えて滝を見に行こうという言うエネルギーも枯れかけてましたからねぇ。


あそこに下りてきたら車が目の前・・・のはずだったんだけど。
屏風ヶ滝は歩いて30分以上かかりますよ。

あまりに水量が少なくて、びっくりでした。

意外でしたねえ。ふ~さんから増水の様子を聞いてたのでホンマかいなと思いました。

我々も害獣かもね。
しかし、それほど、動物による農作物被害が大きいんでしょう。


「我々」ってのはやめて下さい。私は益獣です。(^^ゞ

一生懸命で蜘蛛の巣を払う姿も立派でした!

棒切れを拾うのも大変でしたわ。(^_^;)

>退屈してあくびが出そうになった頃、変化は突然現われた。左へ90度屈曲した先にやっと登場したのが8m滝だ。右から斜上できそうだったが、上部に手が足りない。無理をせず左岸から巻き上がった。

あと一手!に泣く滝が多くて・・・


ホンマにそうでした。登れそうで登れない・・・・実力がないだけ?

[attachment=3]P1150966_1.JPG[/attachment][attachment=0]P1150982_1.JPG[/attachment]
これが、この谷を象徴してました。
あと一手に泣き、高巻こうにも突破口がなく、強引に登れば壁に張り付いたりきわどいトラバースになく・・・の連続(涙)


しかし歩いてる時間より考えてる時間の方が長いくらいでしたね。

流芯にこだわりたかったのですが、逆層でした。

無理は禁物です。

地形を見て慎重に判断を繰り返す場面が連続。
ラインの取り方をミスしましたが、一件落着でほっと一息。
神経をすり減らす巻きでした。


ここは上ばかり見ていてミスりました。すまんこってす。m(__)m

[attachment=2]P1160014_1.JPG[/attachment]
水流シャワーを浴びていたのはどれほどでしょう。
山日和さんの体重を両肩で支えてヘルメットを滝壁に押しつけてひたすら堪え忍びましたね~。
水が耳の中にごぼごぼ入ってくるしなかなか苦行でしたよ。
これで魂もきれいになったはず。


ずいぶん長い時間水行させてしまいました。こちらも岩が抜けて転落という恐怖と闘ってましたのでご容赦。
しかしふ~さんの魂を浄化するためにはどれだけの水を必要とするのでしょうか。 :mrgreen:

またかっ!って感じでした。
通過不能、突破不能・・・という言葉が頭をよぎるほど。
門近谷、恐るべし。


四面楚歌、八方塞りというのを実感しましたね。あのルートが唯一の突破口でしょう。
ふ~さんは家でも四面楚歌だったようですが。(^^)/

[attachment=1]1233589_367867613316367_1194342494_n.jpg[/attachment]
登れなかった滝の落口を確認しながら高度を上げ、どこで下降ラインに入るか・・・
勝負のしどころが続きました。


まさに駆け引きでしたね。入渓者のすくない沢ならではの醍醐味でしょうか。

>何か久し振りに水流と再会したような気分である。これでやっとメシにありつける。8m滝の下から1時間が経過していた。

ここまでランチはお預けでした。


ややあせっていたので、滝の下で腹ごしらえしようと提案しましたが、あそこで食わなくて正解でした。もう登る気がなくなってたかもね。

カエデの巨木は立派でした。
紅葉の季節が楽しみでしょ?
いつ行くのかな?


・・・・・(T_T)

湿地帯を通過し、赤テープも確認。
しかし、稜線へのルートはなかなか手強かったです。
それにしても、山頂まで6時間半。
長かったです。
ほんと、長かったです。


歩いてる時間と止まってる時間が拮抗してたのではないでしょうか。
久し振りに山で頭を使いましたよ。

反射板経由のよい道が新庄まで続いていて、下山路は安心出来ました。
対岸の庄部谷山方面は結構ガレ地が目立ちました。
先週の濁流の理由もよくわかりました。
大御影山も大きく展望できました。


まあ、あの後ですから遠回りでも登山道を辿るのが正解だったのかな。
好展望地もあり、なかなかいい道でしたね。

雨が降る前に、絶妙のタイミングで沢登りを終えました。
おもしろ恐い谷でしたね。
お疲れさまでした。


エロかっこいい谷ってとこでしょうか? :mrgreen:
達成感はありましたね。山頂もちゃんと踏んだし。

           山日和
添付ファイル
P1150982_1.JPG
photo by ふ~さん
photo by ふ~さん
P1160014_1.JPG
P1150966_1.JPG
越前
記事: 217
登録日時: 2012年5月16日(水) 15:43

Re: 【若狭】神経消耗戦の高巻き地獄 門近谷から雲谷山

投稿記事 by 越前 »

山日和さん、今晩は。

百戦錬磨のお二方をして「神経消耗戦」とまで言わしめた門近谷は、なかなかに手強かったようですね。
ワタシもこのひと月前に雲谷山を裏側からピークを目指しましたが、神経をすり減らすような要素の少ない今古川でたっぷりと涼を味わわせてもらいました。(^^ゞ
同じ山の反対側にこれほどまでにスリリングな谷があったとは・・・怖いもの見たさもあるのですが門近谷に興味がわいてきました。

恥ずかしながら沢の経験不足を露呈するような意見となるかと思いますが、つい最近までのワタシは・・・直登できない滝は高巻きで突破すればよい・・・と安直に考えておりました。初級レベルの沢しか登ったことのない狭い経験から出た結論だったのですが、沢も中・上級となればそんなあまいモンやおまへんで~、と判ってきたところにこのレポでした。

実は沢登りで一番怖いのは高巻きなんだと教わってはいました。
しかし本当に理解してはいなかったのですね~。高巻きそのもののレベルというか難易度の幅を考慮してはいなかった・・・。
また、その難易度がゴルジュ帯とか泥つきなどに起因するモノなのかとか・・・。

「安全な」沢登りを目指すにはやはり「経験値」が必要みたいですね。

門近谷の神経消耗戦の高巻き地獄、私自身の今の沢レベルの立ち位置を知るためにも訪れたいですね。
(もちろん、身の丈に合ったレベルの沢ではないとの十分な自覚をもって)
そして追い返された地点を更新しながら何度も通って、上流を目指してみるというのも経験値アップにイイかもしれません。
(私も一回行ってもうええわ、って言うかも・・・)

山日和さんスミマセン。
なんか全然レポに対するレスになってなくて。(^^ゞ
越前
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【若狭】神経消耗戦の高巻き地獄 門近谷から雲谷山

投稿記事 by 山日和 »

越前さん、どうもです。

百戦錬磨のお二方をして「神経消耗戦」とまで言わしめた門近谷は、なかなかに手強かったようですね。

先にお断りしておきますが、私のレポは「読み物」の要素が強いのでご注意ください。 :mrgreen:

ワタシもこのひと月前に雲谷山を裏側からピークを目指しましたが、神経をすり減らすような要素の少ない今古川でたっぷりと涼を味わわせてもらいました。(^^ゞ
同じ山の反対側にこれほどまでにスリリングな谷があったとは・・・怖いもの見たさもあるのですが門近谷に興味がわいてきました。


今古川は緊張するところもなく楽しい沢ですね~。越前さんは海からチャリで完全遡行を目指したとか。
同じ山でもかなり様子が違いますね。隣の雲谷川はそれほどでもなかったですが。屏風ヶ滝のある滝ヤ谷は似た感じ
のようです。

恥ずかしながら沢の経験不足を露呈するような意見となるかと思いますが、つい最近までのワタシは・・・直登できない滝は高巻きで突破すればよい・・・と安直に考えておりました。初級レベルの沢しか登ったことのない狭い経験から出た結論だったのですが、沢も中・上級となればそんなあまいモンやおまへんで~、と判ってきたところにこのレポでした。

その通りなんですが、高巻きにもいろいろありまして・・・。
沢によっては巻くに巻けない場面に出くわす時もあります。単独だと厳しいですね。今回のショルダー滝なんかが典型例です。

実は沢登りで一番怖いのは高巻きなんだと教わってはいました。
しかし本当に理解してはいなかったのですね~。高巻きそのもののレベルというか難易度の幅を考慮してはいなかった・・・。
また、その難易度がゴルジュ帯とか泥つきなどに起因するモノなのかとか・・・。


そうですね。致命的な事故は滝の登攀中よりも高巻きの時の方が多いでしょう。落ちる高さが違いますから。
それから巻きに付き物のトラバースも事故が起こりやすいですね。ズルズルの斜面を足元に神経を集中させて
抜き足差し足で一歩ずつ進んでも、ズルッと行く場合があります。
入渓者の多い沢は高巻きのルートも明瞭で苦労もしませんが、ここのゴルジュの巻きはなかなかのものでした。

「安全な」沢登りを目指すにはやはり「経験値」が必要みたいですね。

若い頃は結構危ないこともやってましたが、その積み重ねで今があると思っています。
登攀技術という意味のスキルは全然アップしてませんが、行ける・行けないの判断は確実に付きます。

門近谷の神経消耗戦の高巻き地獄、私自身の今の沢レベルの立ち位置を知るためにも訪れたいですね。
(もちろん、身の丈に合ったレベルの沢ではないとの十分な自覚をもって)
そして追い返された地点を更新しながら何度も通って、上流を目指してみるというのも経験値アップにイイかもしれません。
(私も一回行ってもうええわ、って言うかも・・・)


越前さんが簡単に抜けちゃったらどうしよう~(^_^;)

                山日和

小便小僧滝
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