【大峰】矢納谷から竜ヶ岳、阿古滝道

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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【大峰】矢納谷から竜ヶ岳、阿古滝道

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2013年7月13日(土)
【山 域】大峰北部 上多古川周辺
【天 候】曇り一時雨
【メンバー】ふ~さん、山日和
【コース】上多古林道駐車地7:10---7:35林道終点---8:38昇竜の滝---10:00赤ナメクチキの滝---
     11:00コウリン滝11:15---12:08植林小屋跡付近12:40---15:15奥駈道15:57---16:25投地蔵辻
     ---16:57阿古滝落ち口17:08---18:52林道終点---19:14駐車地

 上多古林道は崩落のため終点まで入れなかった。伊坪谷出合の先に駐車して林道を歩く。
最初の崩落地は軽自動車が通れるぐらいの道幅が残っていたが、次の崩落地は跡形もなくなりル
ンゼが道を寸断していた。この巻きが最初の核心部。入渓前から大いに緊張させられた。
 林道終点付近は昔に比べればずいぶん草深くなった印象だ。考えてみればここへ来るのは19年
振りである。洞吹氏と上多古川本谷から竹林院谷を遡行して山上ヶ岳へ抜けたのだ。

 山道を少し上がると祠があり、阿古滝へ向かう道と分かれて左に落下音を轟かせている矢納滝
の方へ進んだ。ほぼ落ち口のレベルでトラバースして、滝の上で入渓となる。
小滝や美しいナメ滝を越えて行くと、優美な2段8m滝を迎えた。ここは左岸から巻く。
ここからも小滝が続くが岩の乗越しや流倒木登りに終始する感がある。
 岩の大きさがだんだん大きくなり、谷中は前進不能。左岸を見るといかにも頼りなさげなハシ
ゴが架かっている。恐る恐る登ると上にトラロープが伸びる。こいつも100%の信用は置けない。
なんとか大岩の上に立てば丸太2本の橋の残骸が。これはさすがに渡る気にならなかった。
 ど真ん中の巨岩が流れを2条に分ける滝を巻けば、矢納谷名所その1の昇竜の滝の登場である。
右岸に続く岩壁の奥に、はるかな高みから落ちる40mの滝は見事な姿を見せる。
ここは少し戻った左岸ルンゼから巻きにかかり、どこまで上がるんだというほど追い上げられた。
上部で杣道と合流し、その上の2段15m滝もまとめて巻いてしまうが、さすがにトータル55mの滝
は巻き甲斐がある。

[attachment=4]P1140963_1_1.JPG[/attachment]
 沢に戻って大釜の3m滝は泳げば取り付けるが回避して左から巻く。その上に続くゴルジュをや
り過ごして8m滝の落ち口へトラロープを利用して下りた。
ほどなく正面に25mのスダレ滝が架かるがこれは支流の滝だ。本流は左折して10mナメ滝の奥に
25mの美しい斜瀑を落としている。この一連を赤ナメクチキの滝と呼ぶようで、下部の岩盤はそ
の名の通り赤い。行ったことはないが、赤石沢のラジオラリアの岩床はこんな感じかとふ~さん
と笑い合う。それにしても流麗な滝である。その造作の見事さにしばらく見惚れてしまった。
 しかしこの谷はやたらワイヤーの類が放置されていて見苦しい。かつての伐採の名残りだが、
モノレールのレールも転がっていたりして美観を損ねているのがなんとも残念である。

[attachment=3]P1140988_1.JPG[/attachment]


 右から簡単に巻いて落ち口に上がれば、その上にも斜瀑が連続して実にいい雰囲気だ。
岩を割って立ち上がるサワグルミの大木も趣を添えている。
 大岩がゴロゴロと重なる間に滝がいくつか架かり、その果てに矢納谷最後の大滝であるコウリ
ン滝が現われた。20mと言われる落差だが、何度も腰を折り、水量も多いとは言えない状態は迫
力に欠ける。
 どうも頭がフラフラするのでふーさんに「5分だけ横にならせてくれ」と頼んでシートにひっく
り返った。キッカリ5分で立ち直って出発。どうもシャリバテ気味だったようだ。
考えてみれば朝起きてからサンドイッチひと切れとドリンクゼリーしか口にしていない。

[attachment=2]P1150021_1.JPG[/attachment]
 右岸のガレを登りかけたところで雨が降り出した。本降りに近い様相で、うまい具合に現われ
た岩小屋でしばし雨宿り。下流方向を見ると空は明るく、少し待つと青空も覗き始めた。
ガレを上がって小尾根状に登り着いたところで「どうする?」とふ~さんに尋ねた。いろんな記
録を見ても、99%ここかコウリン滝の上で遡行終了して引き返している。
しかし我々の計画は矢納谷を奥駈道まで詰め上げて、竜ヶ岳の山頂を踏むというものだ。核心部
のつまみ食いで稜線に抜けずに下山するという発想はないのである。沢登りはあくまで山登りの
一部として捉えているからだ。それでも今日の体調からすれば稜線に抜ける自信をもうひとつ持
てないというのが正直なところ。「どうする?」と聞いても「下りましょう」という返事が返っ
てくるはずがないのは百も承知である。

 小滝を数個やり過ごしたところで7mの直瀑と対面した。右上を見ると植林小屋の廃墟が何棟も
連なって言葉にならない風景である。
とりあえずランチ場を探して滝を巻き上がった。ミニゴルジュの中に辛うじて場所を確保、ラン
チタイムとした。ビールととろろそばを流れに放り込んで冷やしていたら、ふ~さんが奇声を上
げた。見ると、とろろそばがふ~さんに救出されるところ、危機一髪だった。

 ここが最後の思案のしどころだった。腹がふくれたら気力も充実してきたのか、「さあ、頑張
ってみよか」と足が上流へ向いていた。
 件の植林小屋から上流は伐採が入り、まったく遡行対象にならないというのが定説だ。しかし
沢は登ってみなければわからない。私の沢登りのバイブルである「関西の谷」では「源流部は刈
り倒された枝木が谷を埋めつくして歩ける状態ではない。」と書かれている。しかしこれは35年
前に書かれたものだ。年月が経てば沢の表情も少しは変わっているだろう。

 歩き始めて少しの間はミニゴルジュに滝が架かり、悪くない雰囲気だった。しかしそれもすぐ
に終わり、植林と平流のまったく面白くない渓相に変わった。ただ普通に歩けるのが救いだ。
 二俣を右に取って真西に方向を変えるとやがて植林も終わり、それなりの雰囲気が出て来たが
完全に水が切れてしまった。谷筋は荒れ気味ではあるが、ぐんぐんと高度を稼いで行くに連れ両
岸に気持のいい森が広がり始める。
空が近付いてくると細々とながらも水流が復活。滝も現われて最後まで楽しませてくれる。

[attachment=1]P1150081_1.JPG[/attachment]
 ツメはヤブ無しで大峰奥駈道へ飛び出した。竜ヶ岳の肩の台地は針葉樹の疎林と下生えのない
広場で実にいいところである。
竜ヶ岳山頂は目と鼻の先。大岩を巻いて到着した山頂は看板があるだけの平凡な場所だった。
それでも1725mの標高を持つここは山上ヶ岳よりも高い。矢納谷を詰め上げて立つ山頂は格別の
味わいがあるというものだ。ふ~さんとハイタッチ。
我々の登頂を祝福するかのように、大峰山寺方面から法螺貝の音が鳴り響いた。

 先ほどの台地まで戻って沢装束を解く。のんびりしている時間ではないが、阿古滝道を下るだ
けなら問題ない。この時はそう楽観していた。
 台地から少し下れば小笹の宿。ここは稜線直下でありながら豊かな水場があり、あちこちに幕
営適地と小さな避難小屋、修験道の祠がある別天地だ。単独者がテントを張ってビールを飲みな
がら夕餉の支度をしていた。いかにも贅沢かつ至福の時である。

 阿古滝道への分岐は投地蔵辻と呼ばれている。「阿古滝」の標識があり、進行方向にはテープ
がベタ張りされて迷う心配はない。思ったより整備されたいい道だ。19年前の記憶はほとんどな
かった。
 シャクナゲの林からブナの台地を過ぎて急降下して行くと阿古滝の落ち口に到着。50mの落差
を誇る阿古滝を覗きこむのは根性が要る。確保なしではとても覗く気にならず、反対側の側面か
ら辛うじて滝壺まで見通すことができた。
滝の上はそこに滝があると信じられないぐらいの穏やかな平流と台地が続いている。ここもテン
泊にはうってつけの場所だ。分岐からここまで30分ほど。これなら楽勝だと思ったが、それはと
んでもない勘違いだと思い知らされた。実はここからが阿古滝道の本領発揮だった。

[attachment=0]P1150103_1.JPG[/attachment]
 流れを渡って対岸の尾根からトラバースしながら谷を渡って行く。滝までとは違ってテープが
極端に少なくなり踏み跡も薄い。この道のラインは地形図とはかなり違う場所を通っている。
途中からまた雨が降り出した。今度はにわか雨という感じではなく、かなりの雨脚だ。
ふ~さんが「どこかで雨宿りしましょう。」と言うも、樹林帯の中ながら雨がまともに降り注ぐ
ので避けられるところがないのでとにかく前進するしかない。
暑いので雨具を着ていなかったがさすがにこの雨に打たれ続けるのは得策ではないので雨具を着
る。
尾根上の道と違って斜面をトラバースしながら続く道は、ところどころ折り返す地点や谷を渡る
箇所で判然とせず、神経を集中しないとコースをロストしてしまいそうになる。天気が悪く、樹
林帯の中ではもう薄暗い。

 ついに道が寸断された。目の前にはスラブっぽい小沢が横切りトラバースするのは躊躇われた。
目を凝らしてもその先に道が続いているようには見えない。上か下か。
さるHPの主のプレートとテープがあるのでコース上にいることは間違いない。ふ~さんが下を、
私が上を探った。10mほど上に道のようなラインが見えるのが気になったのだ。斜面を這い上が
ってみると果たして、そこには明瞭な道が続いていた。ふ~さんはここでビバークが頭をよぎっ
たらしい。
 下山路といいながらも意外にアップダウンが多く、コース維持に神経も集中させなくてはなら
ず思いのほか疲れるルートである。

 途中で見つけた岩小屋でやっと雨宿りしていると雨も小降りになってきた。
道はだんだんはっきりしてきた。道標のある上多古本谷の多冶良渕への分岐まで来ればメドが着
いてひと安心だ。よく手入れされた現役の杣道を急ぐ。もう闇下の心配はない。
増水した矢納滝の轟音が近付くと林道終点までは一投足。林道に下り立って再び無事下山のハイ
タッチだ。

 もし単独なら100%コーリン滝で引き返していただろう。無言の圧力?で折れそうな心を支えて
くれたふ~さんのおかげで矢納谷遡行、竜ヶ岳登頂を果たすことができた。
やっぱり沢は詰め上げてナンボだと実感した。
 12時間行動に付き合ってくれたふ~さんに感謝。充実の一日だった。

                   山日和
添付ファイル
阿古滝
阿古滝
竜ヶ岳肩の別天地
竜ヶ岳肩の別天地
コウリン滝の巻き
コウリン滝の巻き
赤ナメクチキの滝
赤ナメクチキの滝
昇竜の滝
昇竜の滝
SHIGEKI
記事: 1031
登録日時: 2011年7月25日(月) 18:30

Re: 【大峰】矢納谷から竜ヶ岳、阿古滝道

投稿記事 by SHIGEKI »

山日和さん こんばんは。

【コース】上多古林道駐車地7:10---7:35林道終点---8:38昇竜の滝---10:00赤ナメクチキの滝---
     11:00コウリン滝11:15---12:08植林小屋跡付近12:40---15:15奥駈道15:57---16:25投地蔵辻
     ---16:57阿古滝落ち口17:08---18:52林道終点---19:14駐車地


お~ 何度も周辺、計画して行けてない中でもあこがれルートですなぁ!!

12時間の攻防、いやお楽しみでしたか 



滝や疎林の画像、緑をかぶらせて、エエ雰囲気出てますね。

チト、遠いですがこの周辺もう少し簡単ルートでもそのうち(いつのことやら)

今年は梅雨入りで晴れて、梅雨明けで雨が降る  変な年ですが沢の良さは変わらず ですね。

   では また 煌めく飛沫の滝を見上げて

       SHIGEKI
アバター
山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【大峰】矢納谷から竜ヶ岳、阿古滝道

投稿記事 by 山日和 »

SHIGEKIさん、どうもです。

お~ 何度も周辺、計画して行けてない中でもあこがれルートですなぁ!!

12時間の攻防、いやお楽しみでしたか 


そうでしたか。上多古川流域では本谷、上谷に続いて3本目でした。長いこと沢やってて家からも近いのになんでかな?(^^ゞ
次は茶屋谷を狙ってます。しかし時間かかり過ぎました。 :oops:

滝や疎林の画像、緑をかぶらせて、エエ雰囲気出てますね。

チト、遠いですがこの周辺もう少し簡単ルートでもそのうち(いつのことやら)


[attachment=0]P1140940_1.JPG[/attachment]
ありがとさんです。上記の谷以外に伊坪谷、大栃谷と遡行対象になる沢がありますが、奥駈道まで詰め上げる沢は
なかなかしんどいですね。この矢納谷は途中で引き返す沢の代表です。だからこそ最後まで詰めたんですが。

[attachment=1]2_large_1.jpg[/attachment]
今年は梅雨入りで晴れて、梅雨明けで雨が降る  変な年ですが沢の良さは変わらず ですね。

ホンマですねえ。今シーズンはご一緒したいもんです。(^^♪

                山日和

  
添付ファイル
P1140940_1.JPG
photo by ふ~さん
photo by ふ~さん
ふ~さん
記事: 526
登録日時: 2011年2月20日(日) 19:58

Re: 【大峰】矢納谷から竜ヶ岳、阿古滝道

投稿記事 by ふ~さん »

おはようございます、山日和さん。
洞吹氏と上多古川本谷から竹林院谷を遡行して山上ヶ岳へ抜けたのだ。
通いなれたエリアなんですね。竹林院谷と言えば黄金のナメですか?

 
山道を少し上がると祠があり、阿古滝へ向かう道と分かれて左に落下音を轟かせている矢納滝
の方へ進んだ。ほぼ落ち口のレベルでトラバースして、滝の上で入渓となる。
最初から緊張のトラバースの練習のようなもの。ですが、矢納滝も美しい滝です。
谷中は前進不能。左岸を見るといかにも頼りなさげなハシ
ゴが架かっている。恐る恐る登ると上にトラロープが伸びる。こいつも100%の信用は置けない。
高巻きにしてもなかなかハード。梯子やトラロープがあってもやはり安心はできませんね。
さすがにトータル55mの滝は巻き甲斐がある。
巻きがいがあるとはまさにその通り。水につかっているより巻きの時間の方が長かったりして・・・汗が噴き出します。
その上に続くゴルジュをやり過ごして8m滝の落ち口へトラロープを利用して下りた。
このロープも信用がおけるのかおけないのか・・・
下部の岩盤はその名の通り赤い。行ったことはないが、赤石沢のラジオラリアの岩床はこんな感じかとふ~さん
と笑い合う。それにしても流麗な滝である。その造作の見事さにしばらく見惚れてしまった。
赤なめくちきの滝は素晴らしいですね。言葉を失う美しさです。

 
しかしこの谷はやたらワイヤーの類が放置されていて見苦しい。かつての伐採の名残りだが、
モノレールのレールも転がっていたりして美観を損ねているのがなんとも残念である。
ほんとですね。産業廃棄物ですね。
 どうも頭がフラフラするのでふーさんに「5分だけ横にならせてくれ」と頼んでシートにひっく
り返った。キッカリ5分で立ち直って出発。どうもシャリバテ気味だったようだ。
考えてみれば朝起きてからサンドイッチひと切れとドリンクゼリーしか口にしていない。
心配しましたよ。沢中で熱中症かと・・・
 右岸のガレを登りかけたところで雨が降り出した。本降りに近い様相で、うまい具合に現われ
た岩小屋でしばし雨宿り。下流方向を見ると空は明るく、少し待つと青空も覗き始めた。
ガレを上がって小尾根状に登り着いたところで「どうする?」とふ~さんに尋ねた。いろんな記
録を見ても、99%ここかコウリン滝の上で遡行終了して引き返している。
99%が・・・ですか。我々は一体なんなのでしょう・・・
「どうする?」と聞いても「下りましょう」という返事が返っ
てくるはずがないのは百も承知である。
確信犯ですね。

 
見ると、とろろそばがふ~さんに救出されるところ、危機一髪だった。
うまくキャッチできなければ悲劇でした。。。
ここが最後の思案のしどころだった。腹がふくれたら気力も充実してきたのか、「さあ、頑張
ってみよか」と足が上流へ向いていた。
変人のたぐいですね。

 
空が近付いてくると細々とながらも水流が復活。滝も現われて最後まで楽しませてくれる
変人にも神のご加護があったわけですね。
 ツメはヤブ無しで大峰奥駈道へ飛び出した。竜ヶ岳の肩の台地は針葉樹の疎林と下生えのない
広場で実にいいところである。
別天地とはまさにこのこと。源流部のつめも最高でした。でも、苔の生えた滝に頬ずりするのだけはおやめください。私も同類と思われてしまいます。
我々の登頂を祝福するかのように、大峰山寺方面から法螺貝の音が鳴り響いた。
絶妙なタイミングでホラ貝が鳴り響きましたね。
 台地から少し下れば小笹の宿。ここは稜線直下でありながら豊かな水場があり、あちこちに幕
営適地と小さな避難小屋、修験道の祠がある別天地だ。単独者がテントを張ってビールを飲みな
がら夕餉の支度をしていた。いかにも贅沢かつ至福の時である。
いい場所です。テン泊の方がうらやましかった~

 
実はここからが阿古滝道の本領発揮だった。
阿古滝は印象的な場所ですね。しかし、その後の展開が・・・(涙)
途中からまた雨が降り出した。今度はにわか雨という感じではなく、かなりの雨脚だ。
ふ~さんが「どこかで雨宿りしましょう。」と言うも、樹林帯の中ながら雨がまともに降り注ぐ
ので避けられるところがないのでとにかく前進するしかない。
暑いので雨具を着ていなかったがさすがにこの雨に打たれ続けるのは得策ではないので雨具を着
る。
かなり激しいシャワーに見舞われましたね。雷が収まってくれたのは良かったのですが。
尾根上の道と違って斜面をトラバースしながら続く道は、ところどころ折り返す地点や谷を渡る
箇所で判然とせず、神経を集中しないとコースをロストしてしまいそうになる。天気が悪く、樹
林帯の中ではもう薄暗い。
なかなか大雨のもとではなおさら気を遣う一級の廃道です。
 ついに道が寸断された。目の前にはスラブっぽい小沢が横切りトラバースするのは躊躇われた。
目を凝らしてもその先に道が続いているようには見えない。上か下か。
さるHPの主のプレートとテープがあるのでコース上にいることは間違いない。ふ~さんが下を、
私が上を探った。10mほど上に道のようなラインが見えるのが気になったのだ。斜面を這い上が
ってみると果たして、そこには明瞭な道が続いていた。ふ~さんはここでビバークが頭をよぎっ
たらしい。
やれやれですね。お疲れ様!

 
途中で見つけた岩小屋でやっと雨宿りしていると雨も小降りになってきた。
道はだんだんはっきりしてきた。道標のある上多古本谷の多冶良渕への分岐まで来ればメドが着
いてひと安心だ。よく手入れされた現役の杣道を急ぐ。もう闇下の心配はない。
増水した矢納滝の轟音が近付くと林道終点までは一投足。林道に下り立って再び無事下山のハイ
タッチだ。
うまい具合に岩屋がいくつもあるもんですね。それにしても、渾身のハイタッチでしよ。

 
もし単独なら100%コーリン滝で引き返していただろう。無言の圧力?で折れそうな心を支えて
くれたふ~さんのおかげで矢納谷遡行、竜ヶ岳登頂を果たすことができた。
やっぱり沢は詰め上げてナンボだと実感した。
 12時間行動に付き合ってくれたふ~さんに感謝。充実の一日だった。
                   
お疲れ様でした。得がたい山行でした。

 ふ~さん
アバター
山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【大峰】矢納谷から竜ヶ岳、阿古滝道

投稿記事 by 山日和 »

ふ~さん、どうもです。お疲れでした。

通いなれたエリアなんですね。竹林院谷と言えば黄金のナメですか?

通い慣れたというほど通ってませんが、黄金のナメはさすがのふ~さんもナメナメしたらお腹壊しますよ。

最初から緊張のトラバースの練習のようなもの。ですが、矢納滝も美しい滝です。

出合から入渓して下から見ればもっとよかったですねえ。

[attachment=4]P1140931_1.JPG[/attachment]
高巻きにしてもなかなかハード。梯子やトラロープがあってもやはり安心はできませんね。

岩がでかいと疲れます。台高の東ノ川はケタ違いに凄いですが。

巻きがいがあるとはまさにその通り。水につかっているより巻きの時間の方が長かったりして・・・汗が噴き出します。

さずかに山の中だから巻貝はなかったですけどね。 :mrgreen:

このロープも信用がおけるのかおけないのか・・・

結構新しそうなのでまあまあ信用できました。下りだからロープの上端の状態がわかってるしね。

[attachment=2]P1140957_1.JPG[/attachment]
赤なめくちきの滝は素晴らしいですね。言葉を失う美しさです。

いやあ、美しい滝でした。

[attachment=3]P1150006_1.JPG[/attachment]
 >しかしこの谷はやたらワイヤーの類が放置されていて見苦しい。かつての伐採の名残りだが、
モノレールのレールも転がっていたりして美観を損ねているのがなんとも残念である。

ほんとですね。産業廃棄物ですね。


伐採の入った谷はどこでも残骸が打ち捨てられています。

心配しましたよ。沢中で熱中症かと・・・

失礼しました。たまにあるんですよ。ちょっと寝転んでたらすぐに回復します。

>いろんな記録を見ても、99%ここかコウリン滝の上で遡行終了して引き返している。

99%が・・・ですか。我々は一体なんなのでしょう・・・


我々は・・・・OOですよ・・・(+_+)

>「どうする?」と聞いても「下りましょう」という返事が返ってくるはずがないのは百も承知である。

確信犯ですね。


それってどっちのこと?

>見ると、とろろそばがふ~さんに救出されるところ、危機一髪だった。

うまくキャッチできなければ悲劇でした。。。


お礼に1割あげるって言ったのに・・・(^^ゞ

[attachment=1]P1150038_1.JPG[/attachment]
>ここが最後の思案のしどころだった。腹がふくれたら気力も充実してきたのか、「さあ、頑張ってみよか」と
足が上流へ向いていた。

変人のたぐいですね。


恋人じゃなくてよかったですね。(意味不明)

>空が近付いてくると細々とながらも水流が復活。滝も現われて最後まで楽しませてくれる

変人にも神のご加護があったわけですね。


ひとえにふ~さんのおかげです。

別天地とはまさにこのこと。源流部のつめも最高でした。でも、苔の生えた滝に頬ずりするのだけはおやめください。私も同類と思われてしまいます。

頑張った甲斐がありました。しかし頬ずりはふ~さんの専売特許では?知らないひとが読んだら勘違いするじゃないですか。

[attachment=0]P1150074_1.JPG[/attachment]
絶妙なタイミングでホラ貝が鳴り響きましたね。

ジャストタイミングでした。

いい場所です。テン泊の方がうらやましかった~

大峰の稜線上では珍しい水場です。貴重な場所ですね。

阿古滝は印象的な場所ですね。しかし、その後の展開が・・・(涙)

ここまではよかった・・・・

かなり激しいシャワーに見舞われましたね。雷が収まってくれたのは良かったのですが。

沢でシャワークライミングしなかった分、しっかりずぶ濡れになりました。 (T_T)

なかなか大雨のもとではなおさら気を遣う一級の廃道です。

廃道ではないんですが、ところどころ崩れてわかりにくかったですね。
山慣れしてないと辛いルートでしょう。

うまい具合に岩屋がいくつもあるもんですね。それにしても、渾身のハイタッチでしたよ。

もうちょっと早く現われてくれたら「うまい具合」なんですが・・・・


> 12時間行動に付き合ってくれたふ~さんに感謝。充実の一日だった。
                   
お疲れ様でした。得がたい山行でした。


コウリン滝でやめてたら不完全燃焼に終わっていたでしょう。いい山でした。 :D

               山日和 
添付ファイル
P1150074_1.JPG
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P1140957_1.JPG
P1150006_1.JPG
P1140931_1.JPG
六右衛門(YaS)
記事: 159
登録日時: 2011年5月11日(水) 20:34
お住まい: 大阪府三島郡島本町山崎
連絡する:

Re: 【大峰】矢納谷から竜ヶ岳、阿古滝道

投稿記事 by 六右衛門(YaS) »

山日和さん こんばんは〜
【コース】上多古林道駐車地7:10---7:35林道終点---8:38昇竜の滝---10:00赤ナメクチキの滝---
     11:00コウリン滝11:15---12:08植林小屋跡付近12:40---15:15奥駈道15:57---16:25投地蔵辻
     ---16:57阿古滝落ち口17:08---18:52林道終点---19:14駐車地 
 SHIGEKIさんも書いておられますが、このルートはまさに憧れで、行こうと計画してなかなか実行に移せないところです。(何故かな?)
途中の滝で引き返すレポが多いですが、普通は稜線まで登ってから下山ですよね。どこか困難なところがあるのでしょうか?

稜線に出てどっちへ行こうかなどあれこれ考えてます。気合のこもったいいレポありがとうございました。

         六右衛門
アバター
柳川洞吹
記事: 681
登録日時: 2011年2月22日(火) 22:07
お住まい: クルマの中(簡易旅館仕様車)

Re: 【大峰】矢納谷から竜ヶ岳、阿古滝道

投稿記事 by 柳川洞吹 »

山日和さん こんばんは

ああ忙しい忙しい、また周回遅れになってきたぞ。
って、ワシがサボッてるだけやけど。

 林道終点付近は昔に比べればずいぶん草深くなった印象だ。
 考えてみればここへ来るのは19年振りである。
 洞吹氏と上多古川本谷から竹林院谷を遡行して山上ヶ岳へ抜けたのだ。


あれから19年も経つのですか。
沢登りを教えてもらってすぐの頃で、蒸し暑いテント泊だった覚えがあります。

 滝の上はそこに滝があると信じられないぐらいの穏やかな平流と台地が続いている。
 ここもテン泊にはうってつけの場所だ。分岐からここまで30分ほど。
 これなら楽勝だと思ったが、それはとんでもない勘違いだと思い知らされた。
 実はここからが阿古滝道の本領発揮だった。


昔、通ったときも、そんなだったんですかね。
けっこう歩いたのだけは覚えてますけど。

 途中からまた雨が降り出した。今度はにわか雨という感じではなく、かなりの雨脚だ。
 ふ~さんが「どこかで雨宿りしましょう。」と言うも、樹林帯の中ながら雨がまともに降り注ぐ
ので避けられるところがないのでとにかく前進するしかない。
 暑いので雨具を着ていなかったがさすがにこの雨に打たれ続けるのは得策ではないので雨具を着
る。
 尾根上の道と違って斜面をトラバースしながら続く道は、ところどころ折り返す地点や谷を渡る
箇所で判然とせず、神経を集中しないとコースをロストしてしまいそうになる。
 天気が悪く、樹林帯の中ではもう薄暗い。


雨が降ってきましたか。
イヤな感じですね。

 ついに道が寸断された。目の前にはスラブっぽい小沢が横切りトラバースするのは躊躇われた。
 目を凝らしてもその先に道が続いているようには見えない。上か下か。
 さるHPの主のプレートとテープがあるのでコース上にいることは間違いない。
 ふ~さんが下を、私が上を探った。
 10mほど上に道のようなラインが見えるのが気になったのだ。
 斜面を這い上がってみると果たして、そこには明瞭な道が続いていた。
 ふ~さんはここでビバークが頭をよぎったらしい。
 下山路といいながらも意外にアップダウンが多く、コース維持に神経も集中させなくてはなら
ず思いのほか疲れるルートである。


そんなに、わかりづらくなっているのですね。

 途中で見つけた岩小屋でやっと雨宿りしていると雨も小降りになってきた。
 道はだんだんはっきりしてきた。
 道標のある上多古本谷の多冶良渕への分岐まで来ればメドが着いてひと安心だ。
 よく手入れされた現役の杣道を急ぐ。もう闇下の心配はない。
 増水した矢納滝の轟音が近付くと林道終点までは一投足。
 林道に下り立って再び無事下山のハイタッチだ。


無事下山できましたか。

 もし単独なら100%コーリン滝で引き返していただろう。
 無言の圧力?で折れそうな心を支えてくれたふ~さんのおかげで矢納谷遡行、竜ヶ岳登頂を果たすことができた。
 やっぱり沢は詰め上げてナンボだと実感した。
 12時間行動に付き合ってくれたふ~さんに感謝。充実の一日だった。


お疲れさんでした。

よい山旅を!
                               洞吹(どうすい)
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山日和
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登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【大峰】矢納谷から竜ヶ岳、阿古滝道

投稿記事 by 山日和 »

六右衛門さん、どうもです~。ご無沙汰してます。

SHIGEKIさんも書いておられますが、このルートはまさに憧れで、行こうと計画してなかなか実行に移せないところです。(何故かな?)
途中の滝で引き返すレポが多いですが、普通は稜線まで登ってから下山ですよね。どこか困難なところがあるのでしょうか?


そうですね。「困難なところ」と言えば、モチベーションを維持することでしょうか。
それだけ核心部から先が面白くないということでしょう。(^_^;)

稜線に出てどっちへ行こうかなどあれこれ考えてます。気合のこもったいいレポありがとうございました。

沢自体は難しい直登を強いられるところもなく、巻き道も遡行者が多いゆえにしっかり付いてます。
困難度は低い沢でしょう。
我々は阿古滝見物や小笹の宿見物もあったので右回りでしたが、左回りで伯母谷覗経由で上谷へ下りるのもいいでしょうね。
こいつはちょっと長いですが。

                     山日和

         

赤ナメクチキの隣の滝
赤ナメクチキの隣の滝
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山日和
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Re: 【大峰】矢納谷から竜ヶ岳、阿古滝道

投稿記事 by 山日和 »

洞吹さん、どうもです。

ああ忙しい忙しい、また周回遅れになってきたぞ。
って、ワシがサボッてるだけやけど。


まだ1周遅れで済んでます。

あれから19年も経つのですか。
沢登りを教えてもらってすぐの頃で、蒸し暑いテント泊だった覚えがあります。


早いもんですねえ。お互い若くて元気でした。30代後半と40代前半のアブラが乗り切った頃でしたね。
山上で次々と「ようお参り」の声を掛けられたのを思い出します。

[attachment=1]P1140929_1.JPG[/attachment]
>滝の上はそこに滝があると信じられないぐらいの穏やかな平流と台地が続いている。
 ここもテン泊にはうってつけの場所だ。分岐からここまで30分ほど。
 これなら楽勝だと思ったが、それはとんでもない勘違いだと思い知らされた。
 実はここからが阿古滝道の本領発揮だった。

昔、通ったときも、そんなだったんですかね。
けっこう歩いたのだけは覚えてますけど。


えーと、その当時の記録をひも解きますとですね、
林道終点6:18---6:40ブナ又出合---9:52竹林院谷出合10:40---13:45大峰山寺14:00---14:20阿古滝道分岐---14:50阿古滝15:00
---16:38林道終点となっておりました。阿古滝までジャスト30分でしたね。

[attachment=0]P1150095_1.JPG[/attachment]
雨が降ってきましたか。
イヤな感じですね。


この雨は予定外でした。一時は土砂降りでしたからね。

そんなに、わかりづらくなっているのですね。

あの当時はどうだったかあまりよく覚えてないんですが、二人とも普通のスニーカーでしたよね。

無事下山できましたか。

無事下山したのでレポをアップしました。 :mrgreen:

                山日和
添付ファイル
阿古滝への下り
阿古滝への下り
懐かしの林道終点
懐かしの林道終点
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