【湖北】姉川源流周回の山旅

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山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【湖北】姉川源流周回の山旅

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2011年3月19日(土)
【山 域】湖北 姉川源流域
【天 候】晴れのち曇り
【ルート】甲津原中津又林道入口8:12---9:10林道終点---10:14県境稜線10:30---11:07新穂谷山---
     12:20新穂山13:30---15:34鳥越山15:56---17:05浄水場---17:24駐車地

 甲津原集落の外れ、中津又林道の入口に車を止めた。ここには農林漁業体験施設の「甲津原アグリコテージ」という
宿泊施設がある。
姉川源流の山々はこれまでノーマークだった。「近江湖北の山」でその存在を知ってはいたものの、植林主体の匂いが
してどうも食指が動かなかったのだ。

[attachment=4]P1000435_1.JPG[/attachment]
 林道の除雪はコテージへの入口で終わっていた。目の前には一面の雪野原。2,3歩進んですぐにスノーシューを履く。
昨日までに降った雪で雪面は真っ白だ。
谷沿いの林道は部分的に滑り台を作っているが、恐さを感じるほどでもない。予想より時間をかけて林道終点に到着。
地図上でうずまき状に回り込んだ場所である。ひと息入れる。見上げる空は澄み切った真っ青だ。

 805m標高点への尾根に乗る。緩やかな尾根はしばらくで植林も終わり、気持ちのいい雑木林へと変わった。雪はよく
締まって林道歩きより楽だ。
林道終点が645m。県境稜線の合流点が930mだから、300m足らずの登りでしかない。非常に効率よく県境稜線に立て
るルートと言えるだろう。
 805mあたりから後方に真っ白な金糞岳の頭が姿を現わした。姉川の上流方向には新穂山(アリカミノ岳)がはるか遠く
に見える。
ほんの短い急登をこなすと唐突に県境稜線に出た。想像していたよりいい林が前後に伸びていた。
ここまで上がれば金糞岳もその姿を露わにしている。

 ここから長い県境縦走の始まりである。岐阜県側に大きく張り出した姉川源流の岐阜・滋賀県境を馬蹄形に進んで、
1067mの新穂山、1074mの鳥越山を経て、そのまま南に伸びる長い尾根を甲津原へ下りようという企てである。

 非常に雰囲気のいい947mピークを越えると新穂峠。ここには立派な標識がある。
「近江湖北の山」ではいかにも峠越えの旧道という佇まいだったらしいが、今では岐阜県側から林道が上がっており、昔
日の面影もないのだろう。しかし「色の白いは七難隠す」とはよく言ったもので、すべてが白い雪に覆われて醜い傷跡を
目にせずに済んでいる。

 それにしてもブナの多い尾根だ。雑木と植林が主体のあまり潤いのない尾根を想像していたのだが、その予想は見事
に外れた。うれしい誤算とはこのことである。

[attachment=3]P1000527_1_1.JPG[/attachment]
 1039.9mの新穂谷山(点名新穂)から次の1010mピークにかけても見事なブナ林が続いた。
岐阜県側は概ね伐採を受けているが稜線近くは植林も入っていないので展望はすこぶる良い。蕎麦粒山から小津三山
へのワイドなパノラマが殿又谷の彼方に展開した。中津又谷側の斜面はブナ林が広がる。
 1010mピークには5本の尾根が集まり、どの尾根を見てもブナ林だ。尾根の端の方にテープが続いているところを見る
と、無雪期にも歩かれているようだ。
 新穂山はまだ遠い。山頂に着いてもそれまで以上に長い下山路が待っているので気を緩めることはできない。
いや、下山路というのは正確な表現ではない。ここはまだ今日の行程の中間点なのである。

 1010mピークから急斜面を駆け下りると稜線東側に堆積した雪堤を歩くようになる。部分的に雪庇も残っているので油
断は禁物だ。

[attachment=2]P1000554_1.JPG[/attachment]
 幾度もアップダウンを繰り返した後、やっと新穂山の山頂に到達した。時間的にはほぼ予想通りだが、雪は締まっていな
いところもあり、軽いラッセルを強いられた。
 山頂の岐阜県側は植林が入っており、展望という点ではここまでの稜線の方が上である。
それでも木を避けるようにして眺めれば、越美国境稜線の三国岳あたりから三周、黒丸、烏帽子に続く白い山並みが見
えた。もちろん金糞岳は稜線に立って以来ずっとこちらを見下ろしている。
風を避けて北側斜面に陣取り、高丸方面を眺めながら時間が過ぎた。

[attachment=1]パノラマ 4_2_1.JPG[/attachment]
 鳥越山へ続く稜線もアップダウンが多く、とにかく長い。右手は植林ながら、左手は素晴らしいブナ林という片手落ちの
稜線を、左側だけ眺めながら歩く。姉川源流も実にいい雰囲気で、谷通しに訪れてみたいところだ。
 1001mピークの先で針路は南へと変わる。ここからは滋賀県の西側が岐阜県という変則的な尾根が鳥越山まで続く。
目指す鳥越山ははるか彼方。新穂山から2時間と見積もったが本当に行けるのだろうか。

 932mピーク手前の大下りで痩せた最低コルに下り立つ。ここから150m弱の登りをこなせば本日の登りは終了だ。
高い気温にも関わらず雪があまり緩んでいないのが救いである。
 一歩一歩高度を稼げば932mピークを過ぎ鳥越山へのフィナーレに差しかかった。
空はすでに雲の面積が大半を占めるようになったが、ここから本日一番のブナの森が始まった。これまで同様、目立った
大木はないものの、形のいいブナの並木道が迎えてくれた。

[attachment=0]P1000676_1_1.JPG[/attachment]
 激しい喪失感に苛まれていたこの1週間。山に登っていていいのかという迷いが胸に広がっていたが、もの言わぬブナ
達が重く沈んでいた心を癒してくれた。
実際に被災した人々に比べれば自分の喪失感など何ほどのものでもないのは分かっている。
しかし無関係な彼岸に立って毅然としていられるほど強くもない。今の自分にできることをするしかないのだ。

 本日一番のブナ林を堪能して鳥越山に立つ。点名は「栗ヶ谷」。向山という名もあるらしい。
先ほどの新穂山は点名「大ヶ屋」。「アリカミノ岳」という名を草川氏は甲津原で採取したらしいが、どういう由来なのだろう。
このあたりの山々は正式な名称が何かわからないものが多い。
 山頂すぐ西側の鳥越峠の奥に、金糞岳が大きく迫っている。

 もうすぐ4時だ。ここから甲津原への尾根も長い。鳥越峠への分岐を過ぎるとブナ林も終わり、一転して雑木と潅木の尾
根に変わった。その代わり見晴しは良く、中津又谷の対岸に辿ってきた尾根を一望することができた。
途中で中津又林道へ逃げようかと809m標高点への分岐に立つとまだまだ白い尾根が続いている。逃げてもそれほど差
があるわけでもなさそうだ。尾根の末端まで見届けたいという思いに駆られて、更に南へと足を踏み出した。

 新穂峠の南で稜線に乗って、中津又谷すなわち姉川の源流域をほぼ一周したわけだが、林道終点から上流では一切
植林は見られず、豊かな二次林に覆われていた。これはまさに想定外のことだった。

 標高700mに近付くとさすがに植林が優勢となる。甲津原の集落が見えてきた。その上には奥伊吹のスキー場の全景
が覗く。
665mピークを過ぎ、まだらに地面が見え始めたがなんとかスノーシューを脱ぐことなく甲津原の浄水場に着地した。
 スキー帰りのドライバーの視線を浴びながら、意外に勾配のある県道を駐車地へとぼとぼと歩いた。
今日もまた新たな発見にあふれた一日だった。

       
                                 山日和
添付ファイル
鳥越山のブナ林
鳥越山のブナ林
奥美濃核心部
奥美濃核心部
雪堤の尾根
雪堤の尾根
新穂谷山付近のブナ林
新穂谷山付近のブナ林
林道入口の印象
林道入口の印象
アバター
わりばし
記事: 1762
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 【湖北】姉川源流周回の山旅

投稿記事 by わりばし »

おはようございます、山日和さん。

【日 付】2011年3月19日(土)
【ルート】甲津原中津又林道入口8:12---9:10林道終点---10:14県境稜線10:30---11:07新穂谷山---
     12:20新穂山13:30---15:34鳥越山15:56---17:05浄水場---17:24駐車地
 

よく似た時間帯ですね。もしかしたら、すれちがっていたかも。

805mあたりから後方に真っ白な金糞岳の頭が姿を現わした。姉川の上流方向には新穂山(アリカミノ岳)がはるか遠く
に見える。
ほんの短い急登をこなすと唐突に県境稜線に出た。想像していたよりいい林が前後に伸びていた。
ここまで上がれば金糞岳もその姿を露わにしている。
 

金糞岳の山容は存在感ありますよね。

ここから長い県境縦走の始まりである。岐阜県側に大きく張り出した姉川源流の岐阜・滋賀県境を馬蹄形に進んで、
1067mの新穂山、1074mの鳥越山を経て、そのまま南に伸びる長い尾根を甲津原へ下りようという企てである。
 

二山をくっつけましたか。「湖北の雪山」私も持っていますが、山日和さんのように創造的に活用しなきゃいけないなあ。

「近江湖北の山」ではいかにも峠越えの旧道という佇まいだったらしいが、今では岐阜県側から林道が上がっており、昔
日の面影もないのだろう。しかし「色の白いは七難隠す」とはよく言ったもので、すべてが白い雪に覆われて醜い傷跡を
目にせずに済んでいる。


雪のある季節ならでわですね。金糞岳も雪が解けちゃうと林道が丸見えですからね。

 1039.9mの新穂谷山(点名新穂)から次の1010mピークにかけても見事なブナ林が続いた。
岐阜県側は概ね伐採を受けているが稜線近くは植林も入っていないので展望はすこぶる良い。蕎麦粒山から小津三山
へのワイドなパノラマが殿又谷の彼方に展開した。中津又谷側の斜面はブナ林が広がる。


うれしい誤算ですね。林道が近くにあるのに不思議ですね。

 一歩一歩高度を稼げば932mピークを過ぎ鳥越山へのフィナーレに差しかかった。
空はすでに雲の面積が大半を占めるようになったが、ここから本日一番のブナの森が始まった。これまで同様、目立った
大木はないものの、形のいいブナの並木道が迎えてくれた。


よく残っていましたね。林道に近づいているのに。

 激しい喪失感に苛まれていたこの1週間。山に登っていていいのかという迷いが胸に広がっていたが、もの言わぬブナ
達が重く沈んでいた心を癒してくれた。
実際に被災した人々に比べれば自分の喪失感など何ほどのものでもないのは分かっている。
しかし無関係な彼岸に立って毅然としていられるほど強くもない。今の自分にできることをするしかないのだ。


本当にそうだと思います。自分を見つめなおす機会かもしれません。

 本日一番のブナ林を堪能して鳥越山に立つ。点名は「栗ヶ谷」。向山という名もあるらしい。
先ほどの新穂山は点名「大ヶ屋」。「アリカミノ岳」という名を草川氏は甲津原で採取したらしいが、どういう由来なのだろう。
このあたりの山々は正式な名称が何かわからないものが多い。山頂すぐ西側の鳥越峠の奥に、金糞岳が大きく迫っている。
 

名前っておもしろいですよね。「アリカミノ岳」なんかは、鉱山との兼ね合いがあるのかもしれませんね。金糞が精錬したカラミの事ですからね。

 もうすぐ4時だ。ここから甲津原への尾根も長い。鳥越峠への分岐を過ぎるとブナ林も終わり、一転して雑木と潅木の尾
根に変わった。その代わり見晴しは良く、中津又谷の対岸に辿ってきた尾根を一望することができた。
途中で中津又林道へ逃げようかと809m標高点への分岐に立つとまだまだ白い尾根が続いている。逃げてもそれほど差
があるわけでもなさそうだ。尾根の末端まで見届けたいという思いに駆られて、更に南へと足を踏み出した。
 

いい尾根そうですもんね。

新穂峠の南で稜線に乗って、中津又谷すなわち姉川の源流域をほぼ一周したわけだが、林道終点から上流では一切
植林は見られず、豊かな二次林に覆われていた。これはまさに想定外のことだった。
 665mピークを過ぎ、まだらに地面が見え始めたがなんとかスノーシューを脱ぐことなく甲津原の浄水場に着地した。
 スキー帰りのドライバーの視線を浴びながら、意外に勾配のある県道を駐車地へとぼとぼと歩いた。
今日もまた新たな発見にあふれた一日だった。


お疲れ様でした。いい雪山ルートが開拓できましたね。

                                                     わりばし                           
アバター
柳川洞吹
記事: 681
登録日時: 2011年2月22日(火) 22:07
お住まい: クルマの中(簡易旅館仕様車)

Re: 【湖北】姉川源流周回の山旅

投稿記事 by 柳川洞吹 »

山日和さん こんばんは

【ルート】甲津原中津又林道入口8:12---9:10林道終点---10:14県境稜線10:30---11:07新穂谷山---12:20新穂山13:30---15:34鳥越山15:56---17:05浄水場---17:24駐車地

おやおや、甲津原とは珍しいですね。
こっち方面は2年前か3年前かな、「またおこし~の谷」以来でしょ。

 805m標高点への尾根に乗る。緩やかな尾根はしばらくで植林も終わり、気持ちのいい雑木林へと変わった。
ほんの短い急登をこなすと唐突に県境稜線に出た。想像していたよりいい林が前後に伸びていた。
 ここから長い県境縦走の始まりである。岐阜県側に大きく張り出した姉川源流の岐阜・滋賀県境を馬蹄形に進んで、
1067mの新穂山、1074mの鳥越山を経て、そのまま南に伸びる長い尾根を甲津原へ下りようという企てである。


新資料の中では、一番おいしそうなルートだと思いますね。

 それにしてもブナの多い尾根だ。雑木と植林が主体のあまり潤いのない尾根を想像していたのだが、その予想は見事に外れた。うれしい誤算とはこのことである。
 1039.9mの新穂谷山(点名新穂)から次の1010mピークにかけても見事なブナ林が続いた。
 1010mピークには5本の尾根が集まり、どの尾根を見てもブナ林だ。


いいですね。
♪ブナブナブナナ。どこまで行ってもブナナ。

 1010mピークから急斜面を駆け下りると稜線東側に堆積した雪堤を歩くようになる。部分的に雪庇も残っているので油断は禁物だ。

出ましたね「雪堤」。
いい表現だわ。

 幾度もアップダウンを繰り返した後、やっと新穂山の山頂に到達した。時間的にはほぼ予想通りだが、雪は締まっていな
いところもあり、軽いラッセルを強いられた。


スタートから4時間ですね。

 風を避けて北側斜面に陣取り、高丸方面を眺めながら時間が過ぎた。

ここで昼メシでしょ。
ビールも鍋も記述がないのは、なぜだろうな。

 1001mピークの先で針路は南へと変わる。ここからは滋賀県の西側が岐阜県という変則的な尾根が鳥越山まで続く。

なるほどね。
ちょっと方向感覚が狂いそう。

 一歩一歩高度を稼げば932mピークを過ぎ鳥越山へのフィナーレに差しかかった。
空はすでに雲の面積が大半を占めるようになったが、ここから本日一番のブナの森が始まった。これまで同様、目立った
大木はないものの、形のいいブナの並木道が迎えてくれた。


またまたブナブナですね。

 激しい喪失感に苛まれていたこの1週間。山に登っていていいのかという迷いが胸に広がっていたが、もの言わぬブナ
達が重く沈んでいた心を癒してくれた。
実際に被災した人々に比べれば自分の喪失感など何ほどのものでもないのは分かっている。
しかし無関係な彼岸に立って毅然としていられるほど強くもない。今の自分にできることをするしかないのだ。


無用な葛藤が胸中を行き来します。
ワシはこの週も、どうしても山へ入る気持ちにはなれなかったのです。
たぶん今週末は、どこかへ出掛けられると思います。

 本日一番のブナ林を堪能して鳥越山に立つ。点名は「栗ヶ谷」。向山という名もあるらしい。

「栗ヶ谷」って響きは、感じがいいですね。
下小鳥ダムの栗ヶ谷を思い浮かべてしまいますけど。

 もうすぐ4時だ。ここから甲津原への尾根も長い。鳥越峠への分岐を過ぎるとブナ林も終わり、一転して雑木と潅木の尾根に変わった。尾根の末端まで見届けたいという思いに駆られて、更に南へと足を踏み出した。

とことん行きますか。

 新穂峠の南で稜線に乗って、中津又谷すなわち姉川の源流域をほぼ一周したわけだが、林道終点から上流では一切植林は見られず、豊かな二次林に覆われていた。これはまさに想定外のことだった。

ほんとですね。
イメージ的に植林が多い感じがしてましたから、意外です。

 今日もまた新たな発見にあふれた一日だった。

姉川源流周回完了の締めは、「あねがわ温泉」の豚すき鍋ですか。

よい山旅を!
                                        洞吹(どうすい)
アバター
山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【湖北】姉川源流周回の山旅

投稿記事 by 山日和 »

わりばしさん、どうもです。

よく似た時間帯ですね。もしかしたら、すれちがっていたかも。

知ってたら注意して見てたでしょうけど、まさかねえ。

金糞岳の山容は存在感ありますよね。

このあたりでは抜きんでた存在ですからね。単に標高だけでなく。
やっぱり立派な金糞岳
やっぱり立派な金糞岳
二山をくっつけましたか。「湖北の雪山」私も持っていますが、山日和さんのように創造的に活用しなきゃいけないなあ。

富永さんの本ですね。私は最近出た草川さんの本が導火線になりました。

雪のある季節ならでわですね。金糞岳も雪が解けちゃうと林道が丸見えですからね。

まったく。林道が縦横に走っているのが見えたら興ざめですもんね。

うれしい誤算ですね。林道が近くにあるのに不思議ですね。

下の方は植林されてるのでしょうが、稜線の近くは自然のままなのがうれしいですね。

よく残っていましたね。林道に近づいているのに。

地形図では針葉樹林になってますが、まったく植林はありませんでした。

本当にそうだと思います。自分を見つめなおす機会かもしれません。

ひとりひとりが自分なりに考えればいいのではと思います。唯一の正解はないでしょう。

名前っておもしろいですよね。「アリカミノ岳」なんかは、鉱山との兼ね合いがあるのかもしれませんね。金糞が精錬したカラミの事ですからね。

どういう意味なんでしょうねえ。草川さんの本でも説明はありませんでした。

 尾根の末端まで見届けたいという思いに駆られて、更に南へと足を踏み出した。 

いい尾根そうですもんね。

登りの時にある程度目星を付けてました。植林が長ければ逃げてたかも。

お疲れ様でした。いい雪山ルートが開拓できましたね。

ありがとうございます。自分でルートを考えるのは何よりの楽しみですね。

              山日和
姉川源流の山々
姉川源流の山々
アバター
山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【湖北】姉川源流周回の山旅

投稿記事 by 山日和 »

洞吹さん、どうもです。

>おやおや、甲津原とは珍しいですね。
>こっち方面は2年前か3年前かな、「またおこし~の谷」以来でしょ。

甲津畑はたまに行きますが、こちらは久し振りでした。

>新資料の中では、一番おいしそうなルートだと思いますね。
登りの尾根からの金糞岳と新穂山
登りの尾根からの金糞岳と新穂山
それは「湖北の雪山」のことですね。さらに新資料が出てますよ。

>いいですね。
>♪ブナブナブナナ。どこまで行ってもブナナ。
いい感じのブナ
いい感じのブナ
ブナばかりではないんだけど、想像以上に残ってましたね。

>出ましたね「雪堤」。
>いい表現だわ。

私もこの表現気に入ってます。

>ここで昼メシでしょ。
>ビールも鍋も記述がないのは、なぜだろうな。

あえて書きませんでした。もちろんコーヒータイムもあったんですが。
東前ノ谷源頭のカール状がよくわかる
東前ノ谷源頭のカール状がよくわかる
 1001mピークの先で針路は南へと変わる。ここからは滋賀県の西側が岐阜県という変則的な尾根が鳥越山まで続く。
>なるほどね。
>ちょっと方向感覚が狂いそう。

そうでしょう。北から西へ、そして南へと針路が変わります。

 一歩一歩高度を稼げば932mピークを過ぎ鳥越山へのフィナーレに差しかかった。
空はすでに雲の面積が大半を占めるようになったが、ここから本日一番のブナの森が始まった。これまで同様、目立った
大木はないものの、形のいいブナの並木道が迎えてくれた。

>またまたブナブナですね。

最後のピークの手前でまたもまとまったブナ林が現われて疲れを忘れましたよ。
鳥越山を目指して
鳥越山を目指して
>無用な葛藤が胸中を行き来します。
>ワシはこの週も、どうしても山へ入る気持ちにはなれなかったのです。
>たぶん今週末は、どこかへ出掛けられると思います。

みんな様々な思いが去来していたことと思います。口に出すか出さないかの差はあっても。

>「栗ヶ谷」って響きは、感じがいいですね。
>下小鳥ダムの栗ヶ谷を思い浮かべてしまいますけど。

そう言えばそうですね。ところで今年になって飛騨河合PAスタートの記録ありましたよ。

>とことん行きますか。

ここまで来たら行くしかないでしょ。

>ほんとですね。
>イメージ的に植林が多い感じがしてましたから、意外です。

百聞は一見に如かずです。まず自分の目で確かめないとね。あちこちに宝物が埋もれているような気もします

>姉川源流周回完了の締めは、「あねがわ温泉」の豚すき鍋ですか。

なんでわかったんですか?

               山日和
とっちゃん
記事: 325
登録日時: 2011年2月20日(日) 21:02

Re: 【湖北】姉川源流周回の山旅

投稿記事 by とっちゃん »

山さん

こんばんは~。

【山 域】湖北 姉川源流域
【天 候】晴れのち曇り
【ルート】甲津原中津又林道入口8:12---9:10林道終点---10:14県境稜線10:30---11:07新穂谷山---
     12:20新穂山13:30---15:34鳥越山15:56---17:05浄水場---17:24駐車地

震災への思いはあるものの、山に行ってきましたね。
それもまた、今までに行ってない山域やね。


 甲津原集落の外れ、中津又林道の入口に車を止めた。ここには農林漁業体験施設の「甲津原アグリコテージ」という
宿泊施設がある。
姉川源流の山々はこれまでノーマークだった。「近江湖北の山」でその存在を知ってはいたものの、植林主体の匂いが
してどうも食指が動かなかったのだ。

植林にまどわされてましたか?

はたして、植林のほどはいかに?
って、いい山やったんやね~。(*^_^*)



 林道の除雪はコテージへの入口で終わっていた。目の前には一面の雪野原。2,3歩進んですぐにスノーシューを履く。
昨日までに降った雪で雪面は真っ白だ。地図上でうずまき状に回り込んだ場所である。ひと息入れる。見上げる空は澄み切った真っ青だ。

前日雪で、翌日晴れの、雪山の美しさの条件は揃ってますね。[/color]


 805m標高点への尾根に乗る。緩やかな尾根はしばらくで植林も終わり、気持ちのいい雑木林へと変わった。雪はよく
締まって林道歩きより楽だ。
林道終点が645m。県境稜線の合流点が930mだから、300m足らずの登りでしかない。非常に効率よく県境稜線に立てるルートと言えるだろう。

植林もそれほどなく、高度差も少なく稜線に立てる。それはいいね~。


 805mあたりから後方に真っ白な金糞岳の頭が姿を現わした。姉川の上流方向には新穂山(アリカミノ岳)がはるか遠く
に見える。
ほんの短い急登をこなすと唐突に県境稜線に出た。想像していたよりいい林が前後に伸びていた。
ここまで上がれば金糞岳もその姿を露わにしている。

景色も開かれてきたのね。

 ここから長い県境縦走の始まりである。岐阜県側に大きく張り出した姉川源流の岐阜・滋賀県境を馬蹄形に進んで、
1067mの新穂山、1074mの鳥越山を経て、そのまま南に伸びる長い尾根を甲津原へ下りようという企てである。

ちゃんと大回り周回ルートなのね。とらぬ狸の、なんとやらにはならなかったようで(*^_^*)

 非常に雰囲気のいい947mピークを越えると新穂峠。ここには立派な標識がある。
「近江湖北の山」ではいかにも峠越えの旧道という佇まいだったらしいが、今では岐阜県側から林道が上がっており、昔
日の面影もないのだろう。しかし「色の白いは七難隠す」とはよく言ったもので、すべてが白い雪に覆われて醜い傷跡を
目にせずに済んでいる。

チビクロサンボとか言われてる私にしては、なんか気になる言葉~。色白に生まれた女性は七難隠すって言われてるものね。山もしかり~。


 それにしてもブナの多い尾根だ。雑木と植林が主体のあまり潤いのない尾根を想像していたのだが、その予想は見事
に外れた。うれしい誤算とはこのことである。

こんな誤算ならしてみたい。

 1039.9mの新穂谷山(点名新穂)から次の1010mピークにかけても見事なブナ林が続いた。
岐阜県側は概ね伐採を受けているが稜線近くは植林も入っていないので展望はすこぶる良い。蕎麦粒山から小津三山
へのワイドなパノラマが殿又谷の彼方に展開した。中津又谷側の斜面はブナ林が広がる。
 1010mピークには5本の尾根が集まり、どの尾根を見てもブナ林だ。尾根の端の方にテープが続いているところを見る
と、無雪期にも歩かれているようだ。

沈んでいた心も癒されるね。無雪期には、ヤブはどんなだろう?


 新穂山はまだ遠い。山頂に着いてもそれまで以上に長い下山路が待っているので気を緩めることはできない。
いや、下山路というのは正確な表現ではない。ここはまだ今日の行程の中間点なのである。
1010mピークから急斜面を駆け下りると稜線東側に堆積した雪堤を歩くようになる。部分的に雪庇も残っているので油
断は禁物だ。

まだまだ、雪がしっかりあるんだね。

 幾度もアップダウンを繰り返した後、やっと新穂山の山頂に到達した。時間的にはほぼ予想通りだが、雪は締まっていな
いところもあり、軽いラッセルを強いられた。
 山頂の岐阜県側は植林が入っており、展望という点ではここまでの稜線の方が上である。
それでも木を避けるようにして眺めれば、越美国境稜線の三国岳あたりから三周、黒丸、烏帽子に続く白い山並みが見
えた。もちろん金糞岳は稜線に立って以来ずっとこちらを見下ろしている。
風を避けて北側斜面に陣取り、高丸方面を眺めながら時間が過ぎた。

う~ん。よっかったじゃない。

 鳥越山へ続く稜線もアップダウンが多く、とにかく長い。右手は植林ながら、左手は素晴らしいブナ林という片手落ちの
稜線を、左側だけ眺めながら歩く。姉川源流も実にいい雰囲気で、谷通しに訪れてみたいところだ。

片側植林でも、片側ブナ林が続けば嬉しいもの。


 1001mピークの先で針路は南へと変わる。ここからは滋賀県の西側が岐阜県という変則的な尾根が鳥越山まで続く。目指す鳥越山ははるか彼方。新穂山から2時間と見積もったが本当に行けるのだろうか。

ちょっと心配になっちゃった?

 932mピーク手前の大下りで痩せた最低コルに下り立つ。ここから150m弱の登りをこなせば本日の登りは終了だ。
高い気温にも関わらず雪があまり緩んでいないのが救いである。
 一歩一歩高度を稼げば932mピークを過ぎ鳥越山へのフィナーレに差しかかった。
空はすでに雲の面積が大半を占めるようになったが、ここから本日一番のブナの森が始まった。これまで同様、目立った大木はないものの、形のいいブナの並木道が迎えてくれた。

でも、雪が締まっていてよかったね。
その上に、ブナ林となれば疲れ知らずで気持ちよく歩けるね~。


 激しい喪失感に苛まれていたこの1週間。山に登っていていいのかという迷いが胸に広がっていたが、もの言わぬブナ達が重く沈んでいた心を癒してくれた。
実際に被災した人々に比べれば自分の喪失感など何ほどのものでもないのは分かっている。
しかし無関係な彼岸に立って毅然としていられるほど強くもない。今の自分にできることをするしかないのだ。

気持ちのいい空気をいっぱい吸って、景色を眺める癒しがあるから、山は止められないのかも。原発の成り行きが心配。今は、自分のできることを、自分なりにできればと多くの人が思っているね。

 本日一番のブナ林を堪能して鳥越山に立つ。点名は「栗ヶ谷」。向山という名もあるらしい。
先ほどの新穂山は点名「大ヶ屋」。「アリカミノ岳」という名を草川氏は甲津原で採取したらしいが、どういう由来なのだろう。このあたりの山々は正式な名称が何かわからないものが多い。
 山頂すぐ西側の鳥越峠の奥に、金糞岳が大きく迫っている。

まだまだ、資料は足りないのね。

 もうすぐ4時だ。ここから甲津原への尾根も長い。鳥越峠への分岐を過ぎるとブナ林も終わり、一転して雑木と潅木の尾
根に変わった。その代わり見晴しは良く、中津又谷の対岸に辿ってきた尾根を一望することができた。
途中で中津又林道へ逃げようかと809m標高点への分岐に立つとまだまだ白い尾根が続いている。逃げてもそれほど差
があるわけでもなさそうだ。尾根の末端まで見届けたいという思いに駆られて、更に南へと足を踏み出した。

 新穂峠の南で稜線に乗って、中津又谷すなわち姉川の源流域をほぼ一周したわけだが、林道終点から上流では一切
植林は見られず、豊かな二次林に覆われていた。これはまさに想定外のことだった。

こんな想定外なら嬉しいね。

 標高700mに近付くとさすがに植林が優勢となる。甲津原の集落が見えてきた。その上には奥伊吹のスキー場の全景
が覗く。
665mピークを過ぎ、まだらに地面が見え始めたがなんとかスノーシューを脱ぐことなく甲津原の浄水場に着地した。
 スキー帰りのドライバーの視線を浴びながら、意外に勾配のある県道を駐車地へとぼとぼと歩いた。
今日もまた新たな発見にあふれた一日だった。

ロングトレイルお疲れさまでした。&新たな発見よかったね~。

☆。。。とっちゃん(都津茶女)。。。☆


       
                            
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山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【湖北】姉川源流周回の山旅

投稿記事 by 山日和 »

とっちゃん、どうもです。

震災への思いはあるものの、山に行ってきましたね。
それもまた、今までに行ってない山域やね。


家で悶々としてても気づまりなだけやしね。手近なところで新鮮な場所を選びました。

植林にまどわされてましたか?

はたして、植林のほどはいかに?
って、いい山やったんやね~。(*^_^*)


これは意外でした。先入観だけで決め付けてはいかんということやね。

[attachment=3]P1000498_2_1.JPG[/attachment]
前日雪で、翌日晴れの、雪山の美しさの条件は揃ってますね。

最近そういうパターンが多くてついてます。

植林もそれほどなく、高度差も少なく稜線に立てる。それはいいね~。

この尾根はたいへん効率がよろしい。谷筋の林道も退屈しませんでした。

[attachment=2]P1000499_1_1.JPG[/attachment]
ちゃんと大回り周回ルートなのね。とらぬ狸の、なんとやらにはならなかったようで(*^_^*)

計画は常に大きく・・・です。有言実行!!

チビクロサンボとか言われてる私にしては、なんか気になる言葉~。色白に生まれた女性は七難隠すって言われてるものね。山もしかり~。

色の黒いはシミ・ソバカス隠すんじゃないの?

沈んでいた心も癒されるね。無雪期には、ヤブはどんなだろう?

スッキリとはいかないものの、十分歩ける踏み跡があるようです。

まだまだ、雪がしっかりあるんだね。

今年はホントに雪が多い。甲津原の積雪計はこの日でまだ90センチ以上でした。

片側植林でも、片側ブナ林が続けば嬉しいもの。

両方植林よりはね。

[attachment=1]P1000628_1_1.JPG[/attachment]
 1001mピークの先で針路は南へと変わる。ここからは滋賀県の西側が岐阜県という変則的な尾根が鳥越山まで続く。目指す鳥越山ははるか彼方。新穂山から2時間と見積もったが本当に行けるのだろうか。

ちょっと心配になっちゃった?


書いてるだけです。行かんと帰れんからね。もう日も長くなったし、時間がかかっても体力さえ温存してれば問題なし。

でも、雪が締まっていてよかったね。
その上に、ブナ林となれば疲れ知らずで気持ちよく歩けるね~。


まったくです。午後から雪が腐るかもと思ってたけど杞憂でした。

気持ちのいい空気をいっぱい吸って、景色を眺める癒しがあるから、山は止められないのかも。原発の成り行きが心配。今は、自分のできることを、自分なりにできればと多くの人が思っているね。

山は生活の一部というより、自分の行動や思考を規定する大きな要素になってしまっているからね。もう趣味という域を越えてます。

まだまだ、資料は足りないのね。

このあたりは極端に情報の少ない山域だと思います。ググってもほとんど見つからない。

 新穂峠の南で稜線に乗って、中津又谷すなわち姉川の源流域をほぼ一周したわけだが、林道終点から上流では一切
植林は見られず、豊かな二次林に覆われていた。これはまさに想定外のことだった。

こんな想定外なら嬉しいね。


行ってみるべしです。食わず嫌いはあきません。

[attachment=0]P1000645_1.JPG[/attachment]
ロングトレイルお疲れさまでした。&新たな発見よかったね~。

ありがとう。満足感と充実感は歩いた距離に比例するね。

                   山日和
添付ファイル
ブンゲン方面 真ん中が奥伊吹スキー場
ブンゲン方面 真ん中が奥伊吹スキー場
ブナ林
ブナ林
渦巻き雪玉
渦巻き雪玉
新穂峠
新穂峠
閉鎖