【奥美濃】またまたマイナー、正面谷…でも感動!

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兔夢
記事: 625
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

【奥美濃】またまたマイナー、正面谷…でも感動!

投稿記事 by 兔夢 »

2012年9月8日(土) 雨のち曇り 奥美濃 揖斐春日 正面谷 沢登り 単独

7:50 発心寺東駐車地 → 8:00 入渓 → 10:50 40m大滝 → 11:05~11:50 休憩 → 12:40 尾根乗っ越し → 14:00 長者の里 → 14:40 駐車地

 OSKの山行を翌日に控えて軽くこなすつもりで春日美束の正面谷へ向かった。空はどんより曇り雨粒も落ちていたがこれぐらいならいけるだろう。
 自転車を下山予定地の長者平スキー場にデポして正面谷近くの発心寺へと向かった。発心寺の東側に空き地がありそこに駐車して出発。
 発心寺参道の正面にある作業道を辿って正面谷へ入る。堰堤を三つ越えたところで沢に下り入渓。平凡な沢の中に時おり巨石が重なった滝が現れる。花崗岩の沢なので曇っていても比較的明るい。両岸は結構奥まで植林されていた。
 入渓した頃から低く唸るような雷鳴がするようになりやがて雨脚も強くなってきた。たまらず岸辺の樹木の下で雨宿り。しばらく様子を見る。
 雨脚は一向にかわらないのでカッパを着て出発。これ位の雨だったら遡渓に問題はないだろう。
 中流部に至るとそれなりの滑が現れ期待させるが長くは続かない。その内どうも地形図から受ける感じと実際の地形とが合わなくなってきた。今日はなるべく見ないようにしようと思っていたGPSを取り出して確認。どうやら目的の沢より一本西の沢を登っているようだ。途中で迷った二俣で間違えたようだ。
 低い尾根を乗り越せばすぐに目的の沢に下りられるがそれではいいところを見逃しかねないので間違えた二俣まで引き返し改めて遡行し直した。この間違いで30分のロス。やれやれ。
 二俣からしばらくの所にいい雰囲気の滑滝。そこからわずかで谷が狭まりゴルジュとなるがすんなり通過。いつの間にか両岸は自然林に覆われている。栃の巨木が幾つかあり目をひく。
 奥に進んで二俣を右に進むとその先に目を見張る大滝がかかっていた。百山百溪で「これがなければ平凡な沢」と書かれていた滑滝だ。30mと記されていたが40mはありそうだ。その姿は飛騨の沢上谷や荒城川にある滑滝を思い出させる。すごい!まさかこんなのがあろうとは!期待以上のものに出会えた事で感動が沸き上がる。来て良かった。
こ、こ、こんな大滑滝があろうとは!
こ、こ、こんな大滑滝があろうとは!
 さて問題はここをどうやって越えていくか。滝左側は下部がホールド、スタンスとも豊富で登りやすそうだが上部はルンゼ状に集束しオーバーハングしているようだ。一方右手は下部は取り付けそうにないが上部に木立があり登っていけそうだ。   
 下から2/3の高さに滝を横切るバンドがみえる。あれを使えばなんとか左から右に渡れそうだ。そう読んで滝に取り付いた。
 バンドの下辺りまでは簡単に辿り着けた。ここから一段よじ登って靴巾一つ分のバンドに上がる。滝下を見ると怖じ気づきそうなので足下だけを見て進む。前半はわずかながらホールドもあったが後半は岩面に手を添えるだけの状態で支えは足だけだ。慎重に進む。水量がそれほどないのが助かる。
渡ってきたバンドがわかるかな?
渡ってきたバンドがわかるかな?
P9080080.JPG (56.53 KiB) 閲覧された回数 2015 回
 最後の一歩まで気が抜けず滝右のテラス状のところへ出てホッと一息。後は木立が豊富なので逃げる事も可能だ。もちろん滝直近の木立をつたって落ち口に登った。久し振りに手応えのある登攀になった。
上部はすべすべの滑!
上部はすべすべの滑!
P9080081.JPG (55.54 KiB) 閲覧された回数 2015 回
 滝の上は滑になっていてそこで休憩。何時の間にやら雨はやんでいて落ち着いて休む事ができた。
 大滝の上から30~40分位は滝が程よく出てきて沢登りらしくなる。花崗岩の間に黒い岩肌を突き出した変わった滝もあって楽しませてくれた。
 詰めはルンゼの急登となりそうだったので右手の枝沢を登り尾根上にあがった。後はどのようにして下山にかかるか。地形図で確認すると尾根を乗っ越したところの沢を下っていけば長者の里からの登山道に出合うようだ。手っ取り早くこれで行く事にしよう。
 最初、少し薮っぽいがすぐにすっきりして滑が現れる。急傾のため脇を巻いたりして慎重に下る。これで大滝が現れたらいやだなあと思っていると現れた。30m位の滑滝だ。ただ水量も見栄えも正面谷の滑大滝と比較するべくもない。脇の木立を辿って簡単に下りる。
 その後も幾つか滝が現れたが難渋する場面はなかった。最後にゴルジュにできたチョックストーンを右岸から巻くとすぐに登山道に出た。後はこの登山道を歩いて長者の里に下りる。
 長者の里は昔に比べると随分おしゃれな建物が増えた。しかし夏休みが終わったからだろうかわずかな家族連れがいただけで閑散としていた。
 長者の里を後にして通りの少ない車道を長者平スキー場まで歩く。相変わらず空はどんよりしていたが頬をなでていく風が心地いい。思いの外充実した沢行を終えて気分は沢やか!

*翌日は竹屋谷からブンゲンに行ってきた。山日和さんが忘れてきたというスリングを無事回収してきた。
こんなところに掛け忘れてありました
こんなところに掛け忘れてありました
P9090052.JPG (76.33 KiB) 閲覧された回数 2015 回
biwaco
記事: 1423
登録日時: 2011年2月22日(火) 16:56
お住まい: 滋賀県近江八幡市

Re: 【奥美濃】またまたマイナー、正面谷…でも感動!

投稿記事 by biwaco »

兎夢ちゃん、こんにちは~
一日早い「敬老の日」は、山にも行かずマッタリ日曜日です。
(やっぱり70歳にならんと誰も祝ってくれんらしいです…(^_-))

正面谷? と見て、比良の正面谷って沢登するような谷やったかなあ?と思いながら開けてみたら…。
なんや、奥美濃って書いてあるがな(@_@;)よう見んかい!
どれどれ…

7:50 発心寺東駐車地 → 8:00 入渓 → 10:50 40m大滝 → 11:05~11:50 休憩 → 12:40 尾根乗っ越し → 14:00 長者の里 → 14:40 駐車地


まったくわからん地名ばかり。
でも、あえて兎夢さんがまたまた行く谷なんやから、なんかあるんやろ…

 入渓した頃から低く唸るような雷鳴がするようになりやがて雨脚も強くなってきた。たまらず岸辺の樹木の下で雨宿り。しばらく様子を見る。


雷が鳴ったら引き返しましょうね。木の下に隠れて雷撃くらった人がいましたよ、この夏。

 中流部に至るとそれなりの滑が現れ期待させるが長くは続かない。その内どうも地形図から受ける感じと実際の地形とが合わなくなってきた。今日はなるべく見ないようにしようと思っていたGPSを取り出して確認。どうやら目的の沢より一本西の沢を登っているようだ。途中で迷った二俣で間違えたようだ。


あれれ、美濃のウサギちゃんも谷筋を迷うことがあるんやね。(@_@;)

 低い尾根を乗り越せばすぐに目的の沢に下りられるがそれではいいところを見逃しかねないので間違えた二俣まで引き返し改めて遡行し直した。この間違いで30分のロス。やれやれ。


いやいや、安全第一です。タイムアウトよりタイムロスで済んだほうがいいもんね。

 奥に進んで二俣を右に進むとその先に目を見張る大滝がかかっていた。百山百溪で「これがなければ平凡な沢」と書かれていた滑滝だ。30mと記されていたが40mはありそうだ。その姿は飛騨の沢上谷や荒城川にある滑滝を思い出させる。すごい!まさかこんなのがあろうとは!期待以上のものに出会えた事で感動が沸き上がる。来て良かった。
[attachment=3]P9080078.JPG[/attachment]
 さて問題はここをどうやって越えていくか。滝左側は下部がホールド、スタンスとも豊富で登りやすそうだが上部はルンゼ状に集束しオーバーハングしているようだ。一方右手は下部は取り付けそうにないが上部に木立があり登っていけそうだ。   
 下から2/3の高さに滝を横切るバンドがみえる。あれを使えばなんとか左から右に渡れそうだ。そう読んで滝に取り付いた。


下からの写真だけ見たらスイスイ登れそうなのに…

 バンドの下辺りまでは簡単に辿り着けた。ここから一段よじ登って靴巾一つ分のバンドに上がる。滝下を見ると怖じ気づきそうなので足下だけを見て進む。前半はわずかながらホールドもあったが後半は岩面に手を添えるだけの状態で支えは足だけだ。慎重に進む。水量がそれほどないのが助かる。
[attachment=2]P9080080.JPG[/attachment]
 最後の一歩まで気が抜けず滝右のテラス状のところへ出てホッと一息。後は木立が豊富なので逃げる事も可能だ。もちろん滝直近の木立をつたって落ち口に登った。久し振りに手応えのある登攀になった。
[attachment=1]P9080081.JPG[/attachment]


上からの写真では、ヒヤヒヤでとてもとても(@_@;)

 詰めはルンゼの急登となりそうだったので右手の枝沢を登り尾根上にあがった。後はどのようにして下山にかかるか。地形図で確認すると尾根を乗っ越したところの沢を下っていけば長者の里からの登山道に出合うようだ。手っ取り早くこれで行く事にしよう。
 最初、少し薮っぽいがすぐにすっきりして滑が現れる。急傾のため脇を巻いたりして慎重に下る。これで大滝が現れたらいやだなあと思っていると現れた。30m位の滑滝だ。ただ水量も見栄えも正面谷の滑大滝と比較するべくもない。脇の木立を辿って簡単に下りる。
 その後も幾つか滝が現れたが難渋する場面はなかった。最後にゴルジュにできたチョックストーンを右岸から巻くとすぐに登山道に出た。後はこの登山道を歩いて長者の里に下りる。


ってことは、この谷なら登るのなら簡単ってこと? そんなこと書いたら、またカッチャンとかが迷い込むかも?(@_@;)

 長者の里は昔に比べると随分おしゃれな建物が増えた。しかし夏休みが終わったからだろうかわずかな家族連れがいただけで閑散としていた。


長者やないんですけど、行ってもええんやろか? 

長者の里を後にして通りの少ない車道を長者平スキー場まで歩く。相変わらず空はどんよりしていたが頬をなでていく風が心地いい。思いの外充実した沢行を終えて気分は沢やか!


沢やか紀文のカマボコでも齧って疲れを癒してね~(^^)/
導師サマのスリングは1割カットでご返却下さいね。切り過ぎるとスリングがリングになってしまうのでご注意(^_-)

                ~biwaco
SHIGEKI
記事: 1031
登録日時: 2011年7月25日(月) 18:30

Re: 【奥美濃】またまたマイナー、正面谷…でも感動!

投稿記事 by SHIGEKI »

兎夢さん こんばんは  ご無沙汰です。


[quote="兔夢"]2012年9月8日(土) 雨のち曇り 奥美濃 揖斐春日 正面谷 沢登り 単独

7:50 発心寺東駐車地 → 8:00 入渓 → 10:50 40m大滝 → 11:05~11:50 休憩 → 12:40 尾根乗っ越し → 14:00 長者の里 → 14:40 駐車地


地形図で辿ってみます。



  奥に進んで二俣を右に進むとその先に目を見張る大滝がかかっていた。百山百溪で「これがなければ平凡な沢」と書かれていた滑滝だ。30mと記されていたが40mはありそうだ。その姿は飛騨の沢上谷や荒城川にある滑滝を思い出させる。すごい!まさかこんなのがあろうとは!期待以上のものに出会えた事で感動が沸き上がる。来て良かった。



画像で見ただけでも素晴らしい滝でんがなぁ。

そそりますなぁ。



*翌日は竹屋谷からブンゲンに行ってきた。山日和さんが忘れてきたというスリングを無事回収してきた。


何と連チャンでしたか  竹屋谷ホンマええ谷ですね。

バリバリ沢三昧 羨ましいかぎり。

それにしても、素晴らしい滝画像 ありがとさんでした。

      SHIGEKI
アバター
山日和
記事: 3586
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【奥美濃】またまたマイナー、正面谷…でも感動!

投稿記事 by 山日和 »

兔夢さん、こんばんは。

2012年9月8日(土) 雨のち曇り 奥美濃 揖斐春日 正面谷 沢登り 単独

これはまた聞いたことのない沢ですね。この調子なら2、3年で百山百渓完登するのでは?

 奥に進んで二俣を右に進むとその先に目を見張る大滝がかかっていた。百山百溪で「これがなければ平凡な沢」と書かれていた滑滝だ。30mと記されていたが40mはありそうだ。その姿は飛騨の沢上谷や荒城川にある滑滝を思い出させる。すごい!まさかこんなのがあろうとは!期待以上のものに出会えた事で感動が沸き上がる。来て良かった。

これは素晴らしいですね。奥美濃では珍しい大滝じゃないですか。
しかし雨でも下がらないモチベーションがうらやましい・・・・・

*翌日は竹屋谷からブンゲンに行ってきた。山日和さんが忘れてきたというスリングを無事回収してきた。

いやいや、お世話を掛けてしまいました。行儀よく木に掛けてあるところが私らしいでしょ。(^^ゞ
わざわざ送っていただきありがとうございます。約束通り10分の1切って送っときますね。 :mrgreen:

                     山日和
兔夢
記事: 625
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【奥美濃】またまたマイナー、正面谷…でも感動!

投稿記事 by 兔夢 »

biwacoさん、こんばんは。
今日、木曽の奈良井宿に寄ったら集会所で盛大に敬老の日のお祝いが開催されてました。biwacoさんがあの中に入るのはちょっと違うかな。

まったくわからん地名ばかり。

まあ、僕の行くところやからね。知ってる人しか分からない…

雷が鳴ったら引き返しましょうね。木の下に隠れて雷撃くらった人がいましたよ、この夏。

どうしようかな、落ちたら水を伝わってやられるな、なんて考えてたんですが沢って低いから大丈夫か、なんて勝手に思って進んでいきました。

あれれ、美濃のウサギちゃんも谷筋を迷うことがあるんやね。(@_@;)

気が入ってなかった証拠ですね。恥ずかしい…

下からの写真だけ見たらスイスイ登れそうなのに…

すいすい登れそうですね…、他の人ならスイスイ登っていたかも。

上からの写真では、ヒヤヒヤでとてもとても(@_@;)

上からの写真は悔しいのであえて難しそうな写真を選びました。

ってことは、この谷なら登るのなら簡単ってこと? そんなこと書いたら、またカッチャンとかが迷い込むかも?(@_@;)

多分、登れますよ。ただし登る場合は自己責任で!

長者やないんですけど、行ってもええんやろか?

通るだけなら僕のような貧者でも優しく迎えてくれます。

導師サマのスリングは1割カットでご返却下さいね。切り過ぎるとスリングがリングになってしまうのでご注意(^_-)

ところが思わず全部返却してしまったのですよ。心の広いところが自然と出てしまった結果でしょう。

                   兔夢

兔夢
記事: 625
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【奥美濃】またまたマイナー、正面谷…でも感動!

投稿記事 by 兔夢 »

SHIGEKIさん、こんばんは。

画像で見ただけでも素晴らしい滝でんがなぁ。

そそりますなぁ。


いい滝でしょ。ただこれ一つを見るためだけにここに行く価値があると思えるかどうかが問題です。

何と連チャンでしたか  竹屋谷ホンマええ谷ですね。

バリバリ沢三昧 羨ましいかぎり。

それにしても、素晴らしい滝画像 ありがとさんでした。


また一緒に沢行したいですね。そして沢に酔いたいですね。

              兔夢

兔夢
記事: 625
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【奥美濃】またまたマイナー、正面谷…でも感動!

投稿記事 by 兔夢 »

山日和さん、こんばんは。

これはまた聞いたことのない沢ですね。この調子なら2、3年で百山百渓完登するのでは?

ブンゲン周辺の花崗岩地帯は気になる沢がいくつかあって百山百溪にはそれが載っているので助かります。しかも今のところ期待以上のところばかりです。日比野さんはこの辺りの事をもっと熱を入れて紹介しても良かったのでは…。

これは素晴らしいですね。奥美濃では珍しい大滝じゃないですか。
しかし雨でも下がらないモチベーションがうらやましい・・・・・


いい滝でしょ。これだけの滑の大滝は奥美濃ではちょっとお目にかかれないですね。水量が少なめですけど…
このところ沢に対してモチベーションが下がり気味だったのでここは一発行っておこうと決心しての遡行でした。これができた事でまだまだいけるかな…

約束通り10分の1切って送っときますね。

楽しみに待ってます。

              兔夢
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